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京極堂と前原圭一を同じ部屋に閉じ込めてみた

1 :名無しのオプ:2007/11/23(金) 22:43:19 ID:iUbYE2YM
圭一「ちゅちゅちゅ中禅寺さん・・・オヤシロさまの祟りは本当にあるんです」

京極堂「この世には不思議なことなんて何一つないのだよ、前原君」

2 :名無しのオプ:2007/11/23(金) 23:43:56 ID:VFdvuI7u
( ・3・)

3 :名無しのオプ:2007/11/24(土) 00:07:59 ID:bPgevE2y
みおんwの圭一と名のつくスレに対する反応はピカイチだな

4 :名無しのオプ:2007/11/24(土) 17:12:50 ID:bPgevE2y
京極堂と竜宮レナを閉じこめたほうがよかったな

レナ「オヤシロ様はね・・信じる信じないじゃなくて“いる”の」

京極堂「この世には不思議なことなど何1つないのだよ、竜宮君」

5 :名無しのオプ:2007/11/24(土) 19:21:47 ID:9nk38FMg
ちゅまんにゃい。。

糞スレ認定ですっ

6 :名無しのオプ:2007/11/25(日) 11:05:01 ID:U4qJ4/vu
京極堂を関口に代えた方がよさそう…

7 :名無しのオプ:2007/11/25(日) 13:04:47 ID:y9O5jJg1
関口巽と前原圭一
京極堂と竜宮レナ

だったらよかった

8 :名無しのオプ:2007/11/25(日) 15:39:23 ID:2S8/Heo4
京極堂「この世には不思議なことなんて何一つないのだよ、前原君」
いがいになんかないのか

9 :名無しのオプ:2007/11/25(日) 17:51:27 ID:Uc/mskmC
口先の魔術師の固有結界と陰陽師の付き物落とし、
どちらが上か見物だな。

10 :名無しのオプ:2007/11/25(日) 18:46:50 ID:LMEGq2ym
10ヵ月後、子供が産れた

11 :名無しのオプ:2007/11/25(日) 20:18:27 ID:JKBMx6ZP
前原圭一「・・・中禅寺さん。」
京極堂「なんだね。」
前原圭一「オヤシロ様の祟りってあると思いますか?」
京極堂「あるよ。」
前原圭一「え?でも中禅寺さん、さっきはこの世には不思議なことなどないって。」
京極堂「ああ、不思議なことなどないよ。いいかい。よく聞きたまえ。
(以下上下二段30ページに及ぶウンチク開始)

12 :名無しのオプ:2007/11/25(日) 22:58:09 ID:W/PsyvhY
京極堂vs鷹野三四

鷹野の神願望を憑き物落としで破壊する京極堂

13 :名無しのオプ:2007/11/25(日) 23:42:09 ID:y9O5jJg1
鷹野は妖怪に例えると何になるんだか

ウブメ→モウリョウ→キョウコツ→テッソ→ジョロウグモ→ヌリボトケ→オンモラキ→ジャミ

14 :名無しのオプ:2007/11/26(月) 00:35:40 ID:8q5dnQUi
姑捕鳥の夏
魍魎の匣
狂骨の夢
鉄鼠の檻
女郎蜘の理
塗仏の宴
陰摩羅鬼の瑕
邪魅の雫
オヤシロの夏

15 :名無しのオプ:2007/11/26(月) 10:00:39 ID:GFU2DSMH
榎木津乱入はまだですか?

16 :名無しのオプ:2007/11/26(月) 14:42:51 ID:ujdYEIEE
木場vs赤坂きぼんぬ。
どっちが強いか。

17 :名無しのオプ:2007/11/26(月) 17:33:48 ID:dl7+clbM
榎木津はレナと気が合いそうだな
榎木津はにゃんこ・赤ちゃん・敦っちゃん・女学生君というように可愛いもの好きだし

18 :名無しのオプ:2007/11/26(月) 22:37:59 ID:8q5dnQUi
レナ「はう〜♪梨花ちゃんかわいいよ〜」
榎木津「おお!愛いな!頭骨の匂いをかいであげよう!」

19 :名無しのオプ:2007/11/28(水) 00:45:48 ID:9phPuCWp
京極堂「この世には、不思議なことなど何も無いのだよ、前原君」
前原誠司「では何故、民主党は私を含めて、みんな永田寿康が持ち込んできた偽メールにあっさり騙されてしまったんでしょう……」
京極堂「…………」

20 :名無しのオプ:2007/11/28(水) 01:32:31 ID:tjxR03ZC
前原圭一「最近だれかにつけられてるんです・・今もすぐ後ろにいて・・ぴったりと離れやしない・・」
京極堂「それはみおんwだね」
前原圭一「みおんwですか?中禅寺さんそれって妖怪ですか?」
京極堂「そう。雛見沢特有の文化の中生まれた妖怪だ、確か本があったはず・・・ああ、これだ」

21 :名無しのオプ:2007/11/28(水) 01:56:49 ID:MoAwaOZK
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22 :名無しのオプ:2007/11/28(水) 15:48:44 ID:pkzhq6ri
京極堂「僕は愛妻家だよ」

レナ「嘘だッ!!!!」



23 :名無しのオプ:2007/11/29(木) 17:33:12 ID:/HaEy395
>>19
京極堂「それは簡単なことだ。人は内側の疑念に外側から肯定されると
     その疑念があっさり確信に変わるんだ。君だって経験があるだろう。そもそも人は(以下略」

24 :名無しのオプ:2007/11/30(金) 13:41:44 ID:DPGizIZb ?PLT(21100)
京極「この世に不思議なものなどなにひとつないのだよ、竜宮君」
レナ「嘘だッ!」
京極「う…嘘なんかじゃないさ…」

25 :名無しのオプ:2007/11/30(金) 18:03:20 ID:STYqt5AP
圭一ならともかく京極堂は「嘘だ」くらいでは絶っっっっ対動じない気がするがな

26 :名無しのオプ:2007/11/30(金) 18:15:39 ID:H2iCaWZX
京極堂「前原君。その格好は一体何なんだい」

圭一「はぁ…部活のバツゲームで…」

京極堂「ふぅん。昨今ではそんなに丈の短いスカァトなんだね…

……高額かな?」

圭一「は?」


京極堂「いや…千鶴子に…」


27 :名無しのオプ:2007/11/30(金) 18:17:08 ID:d7i9xc6q
>>25
関口なら…

28 :名無しのオプ:2007/11/30(金) 22:40:34 ID:STYqt5AP
関口ならレナに「嘘だ」と言われた時点で
頭まっ白になって即彼岸に到達しそうだ


>>26
鳥口「うへえ。師匠、そこはむしろ敦子さんに着せてほしいです」
青木「・・・(wktk)」

29 :名無しのオプ:2007/12/01(土) 03:06:58 ID:3Z6Pp8VP
関口と加奈子を同じ箱に閉じ込めてみた

30 :名無しのオプ:2007/12/01(土) 09:58:02 ID:PXvnwTZw
久保「箱に入れるときいて飛んできました」

31 :名無しのオプ:2007/12/01(土) 21:56:35 ID:0A32w4Wq
園←箱詰めになってる人体

32 :名無しのオプ:2007/12/02(日) 00:23:36 ID:yJuwFw6U
>>28
鳥口&青木「敦子さんのメイド服!敦子さんのメイド服!」
京極堂「・・さあて君たちに楽しい呪いをかけてあげるよ」


関口「・・・(なんだかんだで妹コンだよなぁ)」
榎木津「うははははは!僕は神だ!!」
羽入「あぅあぅ、ボクも神様なのです」
関口「・・・・・」

33 :名無しのオプ:2007/12/03(月) 10:18:56 ID:ckEz1Eqn
梨花「羽入〜!ったく。どこに行ったのよ。」

34 :名無しのオプ:2007/12/03(月) 20:19:18 ID:MJIEuUR9
>>33
匣の中…

35 :名無しのオプ:2007/12/03(月) 23:09:38 ID:R6MSaTr9
京極「この世には不思議なことなど何もないんだよ。関口君」

レナ「嘘だッ!!!」

京極「嘘だよ」

関口「ちょwwww待っwwwウヘェッ」

これでいいと思う。

36 :名無しのオプ:2007/12/04(火) 13:48:40 ID:+XFQ6Vis
関口「はぁ‥京極堂は竜宮という女学生とオヤシロさまの存在の有無について朝まで生論議するし、
見慣れないあぅあぅ言う幼女が見えるし足跡がまた1つ余計に聞こえるし僕はいったいどうしたんだろうか‥鬱だ」

37 :名無しのオプ:2007/12/04(火) 21:59:55 ID:if+1Z/vi
長ゼリフ対決かと思ったらなんか違うな

38 :名無しのオプ:2007/12/05(水) 02:53:53 ID:f/Xwd/tZ
京極夏彦にひぐらしのなく頃にを書かせて
竜騎士07(レイナ)に京極堂妖怪シリーズを書かせたい

一遍がやたら分厚く長セリフのひぐらしとなく頃にと
萌えシーンが含まれてる京極堂妖怪シリーズを見てみたい

39 :名無しのオプ:2007/12/05(水) 14:06:42 ID:J0m9pnw9
もしかして、この面子の中で一番不幸なのは猿か?……猿だろうな。

40 :名無しのオプ:2007/12/05(水) 16:14:39 ID:xypwTr/8
まだ木場さんがいないな…

41 :名無しのオプ:2007/12/06(木) 12:54:02 ID:hvhXKKXy
こいつがいなきゃ始まらない!本編主役!
京極堂と竜宮レナ
本編の語り部!巻き込まれ率異常!
関口巽と前原圭一
相手の行動が「見える」者と相手の行動を「予告する」者!
榎木津礼二郎と古手梨花
喧嘩体力には自信あり!ベテラン刑事!
木場修太郎と大石蔵人
凶相の兄とホンワカ兄を持つ妹キャラ!
中禅寺敦子と北条沙都子

42 :名無しのオプ:2007/12/06(木) 21:54:39 ID:fXF69BiY
多分こいつ倒したら話終わる!暗躍大好き!
堂島大佐と鷹野三四

43 :名無しのオプ:2007/12/12(水) 13:06:25 ID:gHHdF3KF
富「僕は富竹☆FREEのカメラマンSA!」

京「富竹ジホウ君とやら、…自重したまえ。」

榎「京極、奴は富竹☆フラッシュという技を使ってくるゾ!面白いじゃないか!!」

京「ふん。そんなもの愚鈍な関口君にだって似たような技が使えるさ」

富「僕のカメラは美しか追求しないのSA!」

榎「何?関!今すぐやって見せろ!!」

関「うぇ!?そ、そんなぁ…」

京「早くやりたまえ。僕はジホウ君ほど暇ではないのだよ」

富「うへ☆」

関「ぉ、おっ…」

京&榎「お?」

関「お彼岸アタック!!」

京&榎「…」

富「(´._ゝ`)プッ」

 …ごめんなさい。氏んできます。

44 :名無しのオプ:2007/12/12(水) 14:26:20 ID:ROkiE9nL
関口ww




ワラタ

45 :名無しのオプ:2007/12/13(木) 02:12:39 ID:v7v271is
帰ってきました…。


関「京極堂、時報時報とあまり富竹さんを苛めるなよ…可哀想じゃあないか」

京「やけに弁護するね。同じ弄られキャラとして同情しているのかい?」

関「(#゚Д゚)ムキーッ!!違う!」

圭「まぁまぁ関口さん。でも中禅寺さん。中禅寺さんも戦闘服(黒い着流し)を着たらクライマックス!!って判るから、ある意味時報と役割同じですよね」


関「(゚д゚) 」

京「('A`)」



誰か否定して…

46 :名無しのオプ:2007/12/13(木) 12:20:52 ID:WKEKcfnz
関口「前原君するどいな・・・でも京極堂は普段から黒の着流し着てなかったっけ」

47 :名無しのオプ:2007/12/16(日) 00:57:14 ID:C37EPCew
ちょっとネタバレになるが、誰が誰に当てはまるか考えてみた。






榎木津=羽入+魅音(神性かつ周りを巻き込んで楽しむ)
敦っちゃん=沙都子(妹キャラ)
木場=悟史(大事なもののために暴走しがち)
織作茜=鷹野(祭囃し編を見るとこう思う)

京極堂とか関口君は手に余るorz

48 :名無しのオプ:2007/12/17(月) 19:15:23 ID:K+ng/Hoy
「京極、雛見沢大災害を覚えているかい」
「ああ、ガス災害によって一夜にして村人が全滅したアレだろ」
「そうだ。最近アノ災害が起こった村を題材にした本が出たんだ」
「赤坂衛、大石蔵人著のひぐらしのなく頃にだろ」


49 :名無しのオプ:2007/12/17(月) 19:16:30 ID:K+ng/Hoy
てな展開も面白いとちょっと思った

50 :名無しのオプ:2007/12/17(月) 22:59:31 ID:7qfvr4De
それはマジでおもしろそうw

京極夏彦と竜騎士07(レイナ)書いてくれんかな

51 :名無しのオプ:2007/12/18(火) 14:55:28 ID:3By+Cjg9
京極作品のが面白いのがよく分かるな
京極の長い薀蓄は無駄に見えて無駄じゃないけどひぐらしは無駄が多い

52 :名無しのオプ:2007/12/19(水) 23:26:09 ID:mJrUmztj
もうなんか なんだかわかんないの
あたしの血の色 時間無いの
空から丸い味?これから君に飼われる
銀のプレートに水を張られて無理矢理に呼吸
この世界にあたしは順応 水はいらないの
あたし次第 どこで生きる
水面で時々目が会う
嫌い 夢を太らせた金魚なんて
もう一度失くしたあたしを見つめて
苦しむ心が出会った
感じない息をして
金魚姫の中

53 :名無しのオプ:2007/12/22(土) 15:53:35 ID:/oI0G/bG
とカラオケで歌う前原圭一

54 :名無しのオプ:2007/12/23(日) 17:21:42 ID:DWRigf6N
映画でただのDQNと化した木場の旦那

55 :名無しのオプ:2007/12/23(日) 18:39:07 ID:HZRC0ICL
京極堂「つか映画の魍魎ってどうなの?」

56 :名無しのオプ:2007/12/24(月) 02:28:56 ID:QZafrLEh
鳥口「見に行けばいいんじゃないっすか師匠」

57 :名無しのオプ:2007/12/25(火) 22:29:07 ID:Q0+G3INq
京極「この世に不思議なものなどなにひとつないのだよ、竜宮君」

レナ「嘘だッ!」

京極「嘘なもんか。僕は嘘と坊主の頭は結ったことがない」



58 :名無しのオプ:2007/12/26(水) 09:52:18 ID:1d8vcL7k
>>53
負けじとひぐらしを歌う関口巽

59 :名無しのオプ:2007/12/27(木) 22:29:10 ID:8913PhhB
関口「このゆ〜びと〜まれ〜〜 わたし〜のゆ〜び〜に〜」

榎木津「うははは!サルが歌を歌ってるぞ!」

60 :誘導:2007/12/31(月) 23:31:23 ID:pNM7QAzt
京極夏彦総合スレッド 第五拾弐 〜船幽霊〜
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1198968239/

61 :名無しのオプ:2008/01/04(金) 01:34:19 ID:8vQYxcYs
萌に目覚める関口

62 :名無しのオプ:2008/01/04(金) 20:21:44 ID:ESAmeIKl
ttp://vipmomizi.jog.buttobi.net/cgi-bin/austri/src/austri0774.jpg


63 :名無しのオプ:2008/01/12(土) 18:47:07 ID:r5Ji4POE
http://www.youtube.com/watch?v=gfdsPiiZmEA&feature=related

64 :名無しのオプ:2008/01/13(日) 01:36:02 ID:t86rb1pP
映画板で受けたので貼っとくw

888 名前: 名無シネマ@上映中 [sage] 投稿日: 2008/01/12(土) 23:55:59 ID:ioGxx88h
ロープコント
京極堂「この世にはね、落ちないものなど何も無いのだよ関口くん」ヒュー・・・・・ドボン!
関口「き、京極堂ーーーーーーーーーー!」

892 名前: 名無シネマ@上映中 [sage] 投稿日: 2008/01/13(日) 00:23:26 ID:Wqm6Ns3J
榎さん「おお見ろ、やはりあの男は枯葉の様だ!水面にプカプカと浮いている。なんと、平然と岸に上がったぞ!
おい、猿。君も猿なら空の一つ位飛んだらどうだ!私は先に行くぞ!とうっ」ヒュー・・ドボン!!!
関口「榎さーーーーーーーーーーん!」
この様な時を不条理と言うのだろうか。
逡巡の後関口は意を決し飛び降りた。当然の如く世界は暗転した。
次に関口が光を得たのは病院のベッドの上であった。
目の前には妻と後ろに平然と立つ二人の友人。
二人の友人は蔑む様な目でこちらを見ている。
「君は何をさせても駄目な男だな」
「猿も橋から落ちる!猿が飛べると思ったか!この愚か者!」

私はひどく疲れてしまつた

65 :名無しのオプ:2008/01/22(火) 19:35:39 ID:zKjhCr/y
木場「俺の知り合いに大石って麻雀の滅法強い親父がいるんだがよ。
あいつの管轄の雛見沢村―ほら、ちょっと前にダム作るだ作らないだで騒いでたろ―その村で連続怪死事件が起きてやがんだ。
綿流しってぇ祭が来る度に毎年二人も消えてるってのに犯人がわからねぇ上に害者に共通点も全く見つからねぇ。
地元じゃオヤシロ様の祟りだなんて呼ばれてる始末だ。」
鳥口「うへえ。祟りとは薄気味の悪い話で。師匠、オヤシロ様なんて妖怪いるんですか?」
京極「僕は弟子を取った覚えなどないよ鳥口君。
それに雛見沢のオヤシロ様は妖怪ではない。」



66 :名無しのオプ:2008/01/22(火) 21:45:12 ID:2pmnp+DB
関口「じゃあなんだっていうんだい。その、オヤシロ様ってのは」

67 :名無しのオプ:2008/01/23(水) 18:32:48 ID:3mORiM6r
京極「煩いなぁ君は何をそんなに興奮しているんだ。
いいかい、元々雛見沢村は鬼ヶ淵村と言う名前だったんだが名称の由来となる少し変わった伝承があるんだ。
長くなるから簡単に話すが、村にはその名の通り鬼ヶ淵と呼ばれる沼があったんだがその沼から人喰い鬼が湧き出てきて村中を荒らしまわるようになったそうだ。
その鬼たちをオヤシロ様―お社様、あるいはお八代様と記されているようだね―が調伏し、鬼たちに人の姿を与え村人と仲良く共に暮らせるように見守った…とされているのさ。
オヤシロ様は古手神社に村の守り神として奉られている存在と言うわけだ。」
鳥口「うへえ。今度は人喰い鬼ですか…くわばらくわばら。
でも何故その守り神が村人を守るどころか祟るんで?」
木場「そうだぜ京極堂。神さんが祟るったぁどういう了見でぃ。奉っても祟られるんじゃ道理が通らねぇ本末転倒じゃねえか。」
京極「それは旦那だって公僕の身であってもすべからく国民の味方…ってわけじゃないでしょう。」
木場「当たりめぇだ!俺はあくまで遵法者の味方だからな。」

68 :名無しのオプ:2008/01/23(水) 18:35:34 ID:3mORiM6r
京極「それと同じですよ。村の守り神だからって無条件で村人を守るわけじゃない。僕だって只働きは御免です。
…鳥口君、君はさっきからガツガツ羊羹を食べているが食うのに困ったことはあるかい?」
鳥口「い、いえ、これは僕なりの流儀みたいなもんで…お陰様で毎日しっかり三食食べれてますからおかわりはおかまいなく。」
京極「そんなことは聞いていないし残念ながらおかわりもないよ。それはともかく君は餓死するようなことはないわけだ。
日本は今、この関口君でさえ食いっぱぐれることはない時代になったが昔は飢饉なんて起きようものなら文字通り死活問題だ。
そんな時代の中、地方の村が生き抜くためには個人の習慣より村の慣習が優先される。そうでなくては生きてゆけないからね。
今のご時世では時代錯誤だなんだと騒がれるんだろうが個人の自由なんてものを掲げて足並みを乱していては村全体が損害を被ることになりかねない。苦しくとも団結しなければ立ち行かない時代だったのだ。
村人一人一人が明後日の方向を向いてちゃお話にならない。
そこで村の権力者たちは村を一枚岩にまとめるべくその土地で力を発揮する絶対的な戒律、ルールを必要とした。
村人が村から出ること、外部の者が村に入ることは許されないと神官が神の定めた戒律として村人に伝える。この禁忌を犯せば祟られるぞ…とね。
つまり守り神だったオヤシロ様は村をひとつの共同体として円滑に作動させるためのシステムとして組み込まれたんだ。
事実、御三家と呼ばれる園崎家、公由家、古手家は堅固なヒエラルキーを作り上げダム戦争の際には村はひとつの共同体、一枚岩としてまとまり国から見事ダム計画の凍結なる結果を勝ち得たわけだ。
こうした流れの中で元々の守り神としての性質に祟り神としての側面が加えられていったのだろう。
それがオヤシロ様の祟りと言うわけだ。まぁ神様自身からしたら迷惑な話だろうけどね。」

69 :名無しのオプ:2008/01/24(木) 21:21:02 ID:Ouz0zj+n
wktk!

70 :名無しのオプ:2008/01/25(金) 22:59:37 ID:3253vJoU
wktkすごい

71 :名無しのオプ:2008/01/26(土) 01:55:10 ID:5nojcvU5
京極先生何してんすかwwwwwwww

72 :名無しのオプ:2008/01/26(土) 07:07:50 ID:hQFs0fQO
関口「その村の戒律のため祟り神になったオヤシロ様が、戒律を破った者を祟って殺しという事か?
そもそも祟るとはどういう意味だ京極堂。呪いの親類みたいなものじゃないのか」

73 :名無しのオプ:2008/01/26(土) 09:23:00 ID:R5rK+Jvr
こういうの待ってた!!wktk

74 :名無しのオプ:2008/01/26(土) 17:26:03 ID:CgihGVMd
久しぶりに来たら面白いことになってるじゃないか!!wktk


75 :名無しのオプ:2008/01/26(土) 22:33:41 ID:tYrQZW/D
http://jp.youtube.com/watch?v=gfdsPiiZmEA

76 :名無しのオプ:2008/02/10(日) 23:18:03 ID:FlN1oPKR
ho

77 :名無しのオプ:2008/02/18(月) 16:19:43 ID:saRWZn1i
しゅ

78 :名無しのオプ:2008/03/07(金) 01:31:01 ID:/sZzzNmp


79 :名無しのオプ:2008/03/07(金) 18:25:55 ID:X/eVQsQ5
保守したければネタを書きたまえ、関口君。大体、君は(以下30数ペーシに及ぶ愚痴と薀蓄開始)

80 :名無しのオプ:2008/03/08(土) 01:51:42 ID:ZGJYz9Fi
71 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2008/01/16(水) 18:29:38 ID:In6pUIFm
新興宗教オモイデ教→雫

絡新婦の理→痕(まだオリジナル性あり)→月姫

塗仏の宴→Fate/stay night


どちら私にしてはにしてもエロゲーのほうが偉大です

81 :483:2008/03/08(土) 07:09:55 ID:ywRAftDN
>>80
何そのアナグラム

82 :名無しのオプ:2008/03/22(土) 12:24:49 ID:pzujsx3M
>>80
>新興宗教オモイデ教→雫
これは元ネタだな。
>絡新婦の理→痕(まだオリジナル性あり)
なんとなくわかる。各キャラは全然違うが(単に四姉妹ってだけ?w)
>→月姫
 これはよくわからん。『月姫』知らんから。
>塗仏の宴→Fate/stay night
 これもわからん。断片的な情報から想像すると、「存在しない物を巡って踊らされる話」ってこと?

83 :名無しのオプ:2008/05/07(水) 22:48:12 ID:IXn9zUlB
もっとおもしろい二人を閉じ込められないのかい?
法月綸太郎とベジータを同じ部屋に閉じ込めてみたとかさ。

84 :名無しのオプ:2008/05/08(木) 23:43:49 ID:rdPLZRSz
>>1>>83を同じ部屋に閉じ込めてみた

85 :名無しのオプ:2008/05/09(金) 19:25:15 ID:F2dpGRIp
京極夏彦と竜騎士07を閉じ込めてみた

86 :名無しのオプ:2008/05/09(金) 23:53:32 ID:TSdjCVdY
面堂終太郎を暗くて狭いところに閉じ込めてみた

87 :名無しのオプ:2008/05/12(月) 09:12:11 ID:HAXrNesM
骨川スネ夫を窮地に追い詰めてみた

88 :名無しのオプ:2008/05/12(月) 21:59:52 ID:+cVIQlFE
菅野とりかちゃまを同じ部屋に閉じ込めてみた

89 :名無しのオプ:2008/05/13(火) 20:36:01 ID:iSp2PA1Y
久保竣公と梨花ちゃんを箱が置いてある部屋に閉じ込めてみた

90 :名無しのオプ:2008/05/16(金) 12:57:36 ID:1LiLRR3G
小沢一郎と太田昭宏を同じ選挙区に閉じ込めてみた

91 :名無しのオプ:2008/05/17(土) 21:03:38 ID:ccSbZ2WQ
小沢の圧勝だろうがよ

92 :名無しのオプ:2008/05/18(日) 00:12:08 ID:u/zEYR1N
久保竣公をハコに詰めてみた

93 :名無しのオプ:2008/05/19(月) 20:36:55 ID:WEmstOI1
リュウ・アーチャーをみなみけに閉じ込めてみた

って無理か。ロスマクと「みなみけ」の読者層が被るとは思えんw

94 :名無しのオプ:2008/05/20(火) 16:33:05 ID:UtUxdKPF
うどんを玉子で閉じてみた。

95 :名無しのオプ:2008/05/20(火) 18:41:21 ID:DoKoEW07
たぬきうどんですね、分かります

96 :名無しのオプ:2008/05/28(水) 21:24:17 ID:6ov4lHcc
京極堂と関口と榎木津と木場と俺とお前と大五郎

97 :名無しのオプ:2008/05/29(木) 01:15:59 ID:J6zjexNj
ちゃん!

98 :名無しのオプ:2008/06/07(土) 21:29:00 ID:bAcoJGJP
鳥口=富竹は既出か?

99 :名無しのオプ:2008/06/09(月) 13:21:19 ID:a8pr2BhA
協調性というのはみんなが同じ考えをすることもなければ、集団の中で個人が犠牲になることでもありません。
各個人が尊重され、また多種多様な考え方が共存するというのが真の協調性です。

「共生社会」を作るには「皆同じことをする」のが大事なのではない。互いに「認め合う」のが大切なのだ。


100 :名無しのオプ:2008/06/20(金) 18:31:08 ID:XjZRF2c6
京極堂「100ゲト」

101 :名無しのオプ:2008/06/26(木) 22:29:59 ID:DH6Tpwye
こんな京極堂は嫌だ

102 :名無しのオプ:2008/07/09(水) 07:25:08 ID:0x6lSdjv
京極堂「スマソ」

103 :名無しのオプ:2008/07/20(日) 01:02:05 ID:W2EWmsZc
「嘘だ。」

そうだ、嘘だ。
嘘だったんだ。嘘だったんだよ。あの夜もあの夏も────うそだったんだ。なあんだ。

この世には────不思議な事など─────で──ない事など────

ああ、あれは蛙
あれは赤児
あれは―――あれはあれは

あれは私だ。逃げて行くのは私だ。
張り付けられているのはあのひと。あれは
「せきぐちさま」

嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘嘘嘘嘘嘘嘘


だから赦してくれ。謝っているじゃないか。
こんなに謝っているじゃないか。

────蝉が───白い大きな────赤い、あかいあかい────ああ、ああ煩い煩い蝉が────せんせいひぐらしが───関口先生、着きましたよ。

「────何処に、着いたって?敦っちゃん。雑司ヶ谷か?それとも逗子か箱根か大磯か───」
「もう、また寝ぼけてらっしゃる。」
自動車のドアが開けられて、ガラスに反射した真夏の陽光が私の両目を刺す。
「雛見沢村に着きましたよ────」
30年間変わることのない中禅寺敦子の朗らかな声が、私を胡乱な微睡みから昭和58年六月に引っ張り上げた。

ああ────ひぐらしが───ないている。

104 :名無しのオプ:2008/07/23(水) 11:57:10 ID:luj/rxHe
>>103
関口似合いすぎワロタ

105 :名無しのオプ:2008/07/23(水) 20:16:08 ID:arpax8kb
wktkってかいていいんでしょうか

106 :名無しのオプ:2008/07/30(水) 23:56:07 ID:/zDVfHZH
>>14
× 女郎蜘の理
○ 絡新婦の理

107 :名無しのオプ:2008/07/31(木) 13:35:37 ID:WRp9feW6
このスレ、なんか削除依頼出されてるぞ?

mystery:ミステリー[スレッド削除]
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1116132353/173

なんで?

108 :名無しのオプ:2008/08/01(金) 12:04:10 ID:TLNkI1bA
>>103
すごい。
違和感無いよ。


109 :名無しのオプ:2008/08/02(土) 02:29:17 ID:6WyWMw60
>>107
気分を害する者が居らぬとは限らぬさ。
放っておく事だね。

110 :名無しのオプ:2008/08/04(月) 02:32:09 ID:aWBNywws
成る程。慥かにそう云う煩瑣い輩は居そうだね。

111 :名無しのオプ:2008/08/11(月) 00:11:40 ID:77aEWbSw
面白いから続けてくれ

112 :名無しのオプ:2008/08/16(土) 13:11:28 ID:hyn7v2cz
スレタイ読んだけど、そっちか!
憑き物落としVS口先の魔術師が見れるスレかと思ったのにぃぃぃ

113 :名無しのオプ:2008/09/09(火) 21:49:26 ID:oBuu/VnS
保守

114 :名無しのオプ:2008/09/10(水) 16:32:39 ID:OJamZuZe
梨花「関口巽は雛見沢出身者でもなければ、雛見沢に引っ越して住んでいた訳でもない
彼は雛見沢に来る前からL5だったことになる……………
どういうことかしら」
京極「この世には不思議なことなど何もないのだよ
妖怪は居ない?嘘だッッッ!!!!!!」
榎「あぅあぅあぅあぅあぅあぅあぅあぅあぅあぅあぅ!!!!」
木場「おじさんの胸筋を見つめないで欲しいなぁ」
雪「まだまだお醤油はたくさんあるよ」

梨花「駄目だ………………
こいつらが部活メンバーじゃ駄目だ………ッ!」


115 :名無しのオプ:2008/09/15(月) 14:10:53 ID:tFEKpWYm
富竹「やあ!僕は富竹!フリーの死体さ!」
関口「し、死体……!?」
富竹「ははは!富竹フラッシュ☆」
関口「うわあ、目が!目があああ!」

関口「…なんだったんだ今のは……」
鷹野「あらあ、見掛けない顔ね」
関口「は、はあ……」
鷹野「この時期に来るなんてあなたもツイて無いわあ」
関口「ツイてない……?」
鷹野「知らないの?この村ではね、毎年誰かが死ぬの。そう、明日の綿流しの祭の日にね」
関口「う、嘘だ……」
魅音「あははは!嘘なんかじゃないって!オジサンたちは嘘なんかつかないよ!」
レナ「それより、嘘ついてるのはあなたじゃないかな?かな?」
関口「うそ?違う……ぼ、僕は京極堂がオヤシロ様の事件を調べるっていうから……」

レナ「嘘だっ!!!!」

関口「ヒイイイイ!」
レナ「あはははははは!」
関口「うわあああああ!」
梨花「逃げても無駄よ。あなたは明日、死ぬの」
関口「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!」
梨花「いいえ、それはもう決まっていることなの」
関口「……!そうだ!神社だ!そこに京極堂が来てるはずなんだ!案内してくれ!」
梨花「にぱー。分かりましたです!」

116 :名無しのオプ:2008/09/15(月) 14:11:59 ID:tFEKpWYm
関口「お、おーい京極堂ー。いるのか……?」
ヒタ……ヒタ……スタ――ヒタ
関口「――え?」
今足音が1つ多く聞こえて――。
関口「うわあああああああああああああああ!」


入江「典型的な雛見沢症候群ですね」
京極「全く……関口君は……」
木場「くそ!連続殺人に症候群!ここの警察は何してやがる!」
大石「あなたがたのご友人のことはお気の毒です。
ですがねえ、我々も必死に調査してるんですよ、木場さん」
榎木津「わははは!可愛い神がいたものだな!だけど僕も神なのだぞ!分かったか!はぬー!」
羽入「あうあう。はぬーじゃなくてはにゅーなのです……」

117 :名無しのオプ:2008/09/21(日) 23:07:03 ID:D6I+OzGj
はぬーで噴いた

118 :名無しのオプ:2008/09/22(月) 01:01:08 ID:NskwBdbr
ひぐらしに合ったタイトルはを考えてみようぜ。
俺は鬼神の贄ってのを思い付いた

119 :名無しのオプ:2008/09/23(火) 15:11:14 ID:3Wxp6jAu
お社の夏

120 :名無しのオプ:2008/09/26(金) 23:35:29 ID:XUPZWCxz
日本の夏
お社の夏

121 :名無しのオプ:2008/09/27(土) 13:26:43 ID:MEJDl6/q
昭和58では京極堂は60半ばか

122 :名無しのオプ:2008/10/12(日) 15:48:10 ID:Yklys7wk
保守age

123 :名無しのオプ:2008/10/12(日) 17:13:54 ID:P1SOH9sL
>>121
ものすごい説教じじいになってそうだな

124 :名無しのオプ:2008/10/29(水) 22:31:44 ID:uyxNEGo3
保守

125 :名無しのオプ:2008/10/30(木) 00:01:14 ID:2VbJqbfJ
いや、死んでるんじゃね
長生きしないだろあれ

126 :名無しのオプ:2008/11/01(土) 21:14:12 ID:dd20Y+nu
『小説こちら葛飾区亀有公園前派出所』でこち亀キャラと競演してたぞ
謎の老人名義だったけどな
京極堂と榎さんは平成まで生きてる、関口は亡くなってる

127 :名無しのオプ:2008/11/03(月) 15:54:43 ID:N6DaREra
「そこまでです。鷹野三四さん」
よく通る声が夏の森に木霊する。
いつのまにか蝉の声は、ひぐらしの声に代わっていた。
「今さら古手さんを殺したところでどうにもなりません。小此木ニ尉も山狗も投降し、もうじき此処にも番犬部隊がくるでしょう。」
漆黒の陰陽師――中禅寺さんが鷹野さんと対峙する。
「この村にダム戦争以来続く祟りはこの子供達が祓いました。そして、貴女に憑いた鬼を落すのが僕の仕事です」
「何を訳のわからないことを。無駄ではないわ。女王感染者が死んでも何も起きないと高を括る事が本当に政府はできるかしら?それにお祖父ちゃんの研究が間違ってるはず無い。くすくすくす」
確かにここで梨花ちゃんを殺されてしまったら水の泡だ。
しかし中禅寺さんは動じない。
「女王感染者死亡による集団発症は――やはり発生する可能性は低いでしょう。一個体の死亡でコミュニティが崩壊するという仕組みは生物として脆弱すぎます。」
「そんなはずないわ!お祖父ちゃんの研究では」
「確かに高野先生は優秀で柔軟な思考をお持ちのかたでした。しかし、その研究を地に落そうとしているのは貴女です。田無美代子さん」
「な、何を馬鹿な。それにどうして――どうしてその名前を?」
薄笑いを浮かべていた鷹野さんが一転して狼狽のようすを見せる。
「戦時中、先生の研究は軍上層部には見向きもされませんでしたが、陸軍のある男はそれに興味を持っていました。僕はその男の下で研究をしていたので戦中、戦後に幾度か、手紙で意見のやりとりをしていたのです。そこに貴女のことも書いてありました」
畳み掛けるように中禅寺さんは続ける。

以下数レスにわたる憑きもの落しは各自脳内で。

128 :名無しのオプ:2008/11/08(土) 21:07:44 ID:08ZV88I8
あげてみる

129 :名無しのオプ:2008/11/09(日) 10:01:22 ID:aAttJwP0
さげてみる

130 :名無しのオプ:2008/11/13(木) 15:31:27 ID:85lPlmyg
「“中禅寺さん”って誰?」と聞きたくなるくらいさん付けが似合わないなwwww

>>128-129
何やってんだおまえらwww

131 :名無しのオプ:2008/11/14(金) 22:43:58 ID:BycsEeQY
>>130
徒然だと中禅寺さんじゃなかったっけ?

132 :名無しのオプ:2008/11/16(日) 16:19:46 ID:MCU4ffF0
徒然?

133 :名無しのオプ:2008/11/17(月) 08:57:05 ID:H5qftSZj
>>132
百器徒然袋

134 :名無しのオプ:2008/12/04(木) 06:36:11 ID:jN0nUMfO
>>72
京極「根本的に違うさ、呪いは人が人に怨念や悪意を持ち行うことであって
呪いに使われる呪術は“まじない”とも呼ばれ、一種の“おまじない”さ」
鳥口「“おまじない”…ですか?」
京極「憎んでる相手が不幸になるように祈る“おまじない”さ」
鳥口「そう言われると呪いも怖くないですね」
関口「祟りも不幸になるじゃないか、一体何が違うんだ?」
京極「君の不幸は人に怨まれるぐらいのことしかないのか?」
関口「僕は誰かに怨まれてなんて…」
京極「君はここに来る途中の坂で目眩のような感覚を起こしたことはあるかい?」
関口「それは何度か」
京極「その何度かで躓いたりしなかったかい?」
関口「あの坂じゃなくとも躓くことはあるさ」
京極「それが祟りさ」
関口「それは祟りなんかじゃないだろ、僕じゃなくても誰にでも躓くことぐらいあるさ」
京極「なら例えば君が徹夜で原稿を仕上げ、あの坂で躓いて転んでしまったら」
京極「無理が“祟って”となるわけだ」
鳥口「原稿の締め切りに祟られてるんですか?」
関口「鳥口君、今僕は君を呪ってやりたいよ」
鳥口「うへぇ、勘弁してください」

135 :名無しのオプ:2008/12/04(木) 07:11:11 ID:jN0nUMfO
京極「“祟り”は“呪い”と違って怨みなどないんだよ、“祟り”とは人などではなく神が人に罰として下すものだ」
関口「じゃあ僕が躓いたのも神の天罰だっていうのかい?」
京極「君のは無理が“祟って”躓いたのさ」
関口「だから一体何が違うのさ?」
鳥口「先生が躓いたのはは神が罰したんじゃなくて、原稿の締め切りが罰したんですね?」
関口「それなら僕は毎回罰を受けてるよ」
京極「なら君はやはり毎回原稿の締切に祟られてるようだな」
関口「それは徹夜とかで疲れてただけであって神様なんて一切関係ないよ」
京極「君が徹夜などで疲れて躓いたのは“徹夜”という過去が君を疲れさせ、君を躓かせたのだろう?
そういう“過去”が存在して躓いたのさ」
関口「それが神となんの関係がある?」
京極「君は神を信じているのかい?」
関口「信じてはいるが、躓いたのを神のせいになんかしないよ」
京極「“神”とはそういう存在であり、そういう役割なのだよ
躓いたりなどの小さな不運なら神のせいにしないが、大きな事故などの場合は運が悪かった
つまり神のせいにするのさ」
鳥口「運が悪いと神様のせいですか?」
関口「それは都合が良すぎってものじゃないか?」
京極「宗教を除く場合、人は運を左右する時に神頼みやら“神”という言葉を借りるだろ?
神は一種“運気”という物を讃える象徴的位置にある物なのさ」
関口「なら僕が躓いたのも運が悪かっただけじゃないか?
何も祟られてなんかいないじゃないか」
京極「君が躓いたのは運じゃないだろ、徹夜で疲れていたという過去がしっかりある
躓くという結果に到達するまでの過去が存在する場合は運とは違うだろ」
鳥口「確かに躓く確率が上がりますね」
京極「その過去があり確率が変わると“運”では無く、“必然”に変わってこないかい?」

136 :名無しのオプ:2008/12/04(木) 07:38:02 ID:jN0nUMfO
関口「たしかに運などという違和感は消えていくような気がするが、それが祟りなのかい?」
京極「“祟り”などは大体が突然の山火事やら大地震、噴火などの自然現象に使われるが
それは過去の原因が積み重なってできたものであって、人の怨みなどは関係ないのさ」
鳥口「山火事とかの自然発火は湿気や温度やらいくつかの偶然が重なってできるんでしたっけ?」
京極「そういうことさ、別に呪いのような“おまじない”で突然山が燃えるわけじゃないんだよ」
関口「じゃあ祟りってのは偶然が重なった運の悪い事故ってことかい?」
京極「正確には偶然なんて曖昧なものじゃなく
いくつもの“過去”が重なってできた事故、もしくは大事故というのが祟りと恐れられる物の正体さ」
関口「じゃあ今回のオヤシロ様の祟りも過去の積み重ねが起こした事故なのかい?」
京極「この村の過去が関係しているのは間違いないだろう
そしてその“過去”が起こしている必然的な事故は、まだ今も続いていると考えるべきだ」
関口「なら今年も事故が…」
京極「この事故を起こしている“過去”の正体がわからない限り続くだろうね」
鳥口「この村の昔の文献やら調べたらわかりますかね?」
京極「過去は村の過去一つとは限らない」
関口「ダムの過去かい?」
京極「ダムの過去もそうだが、まず村人の過去を調べてみたらどうだい?」
鳥口「まさか聞き込みですかい?」
京極「ここ最近村に訪れた又は村に越してきた人などの過去さ」
関口「あんな村にわざわざ訪れたり越してくる人いるのかい?」
京極「普通はね、しかしもしいたら何らかの“過去”があって来たのだろう?」
鳥口「理由…ですか?」
京極「そいういことだ」

137 :名無しのオプ:2008/12/04(木) 15:24:50 ID:97hG+hBU
すげー
大作乙

138 :名無しのオプ:2008/12/04(木) 19:32:17 ID:L9Nc/SxF
>>133
いや、中禅寺って呼び捨てだった気が(地の文)

139 :名無しのオプ:2008/12/07(日) 18:12:55 ID:74x4fajM
京極堂VSベアトリーチェとかも面白そうだな。

140 :名無しのオプ:2008/12/17(水) 13:54:18 ID:1Ahb9bNL
あげ

141 :名無しのオプ:2008/12/18(木) 19:33:44 ID:BuvA5gGm
京極堂と真里亞を同じ部屋に閉じ込めてみた
東西呪術薀蓄合戦

142 :名無しのオプ:2008/12/18(木) 22:55:29 ID:rWng/aVc
>>139
陰陽師だから京極堂も赤字使えそうだなwww

143 :名無しのオプ:2008/12/28(日) 23:52:03 ID:QkVn2zAv
赤字で宣言する。
『この世に不思議なことなど何一つない』

144 :名無しのオプ:2009/01/07(水) 15:27:53 ID:4QFAlAHc
あなたが――魔女だったのですね

145 :名無しのオプ:2009/02/13(金) 08:33:47 ID:fRURdwO6
榎木津「馬鹿め!魔女が神に勝てるとでも思ったか!」

146 :名無しのオプ:2009/02/13(金) 15:29:30 ID:+7PETi2n
>>141
京極vs竜騎士と考えると
てんで勝負にならない

147 :名無しのオプ :2009/02/14(土) 17:13:30 ID:Dv/SMHFk
榎木津と多々良先生を同じ部屋に閉じ込めてみた

148 :名無しのオプ:2009/02/15(日) 00:41:05 ID:kTRXD+6G
エノさんを部屋に閉じ込めるのは不可能だな

149 :名無しのオプ:2009/02/15(日) 02:31:39 ID:hj3iJdg0
>>148
うはははは、神がここにいるのだから
ここ意外が閉じられた部屋なのだ
そんなこともわからんから猿なんだ、お前は

150 :名無しのオプ:2009/03/21(土) 11:13:24 ID:pLOGRuGN
ーーーそれが真実か。
抜け出せぬ袋小路。
私は異空間に存在してるのではなく、真実に囲われ…



嘘だッ!

151 :名無しのオプ:2009/05/25(月) 17:14:26 ID:B74aUyrc
何だかときどき京極先生が降臨してるwwwwww

152 :名無しのオプ:2009/05/27(水) 13:11:13 ID:XDWpb0ry
榎木津は罰ゲームのメイド服を嬉々として着そうだな

153 :名無しのオプ:2009/05/29(金) 11:03:23 ID:Bo28+lrG
良スレあげ

154 :名無しのオプ:2009/05/31(日) 18:59:42 ID:wwB/Ldj2
>>65-68
>>72
>>134-136

次の関口待ちかな?

流れとしては大石が木場に事件の話をする。
それを聞いた木場が京極堂へ
と、すると榎木津は別件で村絡みの依頼か
古手家か園崎家にマチコさんが骨董の鑑定にいらしているやもしれん。
あれ?瑕と理足して二で割った感じだな・・・

155 :名無しのオプ:2009/06/05(金) 16:55:51 ID:Xk2CmGMa
今川と梨花ちゃんの口調が似てると思うのは俺だけだろうか
壷屋敷の話を読んでいて「すごく・・・・梨花ちゃんです・・・」と思ってしまった

156 :名無しのオプ:2009/06/05(金) 17:21:57 ID:qvSWqEtk
そうは思わないのです

157 :名無しのオプ:2009/06/06(土) 01:52:16 ID:kf1Xt07u
なにこの今川口調の幼女
とは思った

158 :名無しのオプ:2009/06/06(土) 17:22:24 ID:0vcfO2vW
それで想像すると
とても萌えるのです

159 :名無しのオプ:2009/06/06(土) 21:12:25 ID:r4rrD2kW
圭一「(モデルガンを幼女に向け勃起しながら)ハァ……ハァ………」

私はなんだか酷く、少年がうらやましくなってしまった

160 :名無しのオプ:2009/06/07(日) 02:38:48 ID:+qhW12fx
「ほう」
「はう〜」

161 :名無しのオプ:2009/06/07(日) 18:46:51 ID:fwjN9zxy
匣の中には、猫の耳を付けた髪の長い少女が入つてゐた。
「みい」
ああ、生きてゐる。

162 :名無しのオプ:2009/06/09(火) 01:29:23 ID:2rkqxC6M
前原「口先の魔術師、前原圭一!」
関口「(笑)」

163 :名無しのオプ:2009/06/09(火) 20:26:29 ID:8bXM7qa2
           嘘だっ!

京極堂「嘘ではありません。然し貴方が其れを嘘と云うのなら、慥かに
言葉は――全て嘘だ。しかし全ての言葉を嘘とするなら、世界は
成り立たないのです。何故なら我々は言葉を通して世界を保持している。
良いですか、言葉は世界に対して何の効力も持たない。林檎を青いと云っても
林檎はいつまでも――赤い。言葉に影響されるのは人間だけなのです。
そう、人に対してのみ言葉はかなりの影響力を持つ。世界は言葉の上に
成り立っているからです。人間が――言葉を通して世界を見ている限りね。
即ち他人の言葉を嘘であると否定するのは、間違っては居ないが――」
「……?」
「世界を破壊するほどの影響力を持つのです」


164 :名無しのオプ:2009/06/15(月) 19:43:39 ID:0xym5hf/
ほっしゅほしゅ

165 :名無しのオプ:2009/06/20(土) 15:51:10 ID:hscZGsxU
ほう

166 :名無しのオプ:2009/06/23(火) 17:07:42 ID:rw8rJiTB
時々降臨してる神は
かきためててくれるのかな
早く続きが読みたいです!
ほしゅ


167 :名無しのオプ:2009/06/24(水) 17:29:00 ID:mjIMZ3Yr
ほっしゅん。

168 :名無しのオプ:2009/07/02(木) 14:15:06 ID:3jrIt/tw
後神の跫(あしおと)

ってのはどうだ

169 :名無しのオプ:2009/07/02(木) 16:45:02 ID:u1c1RxjH
>>168
なんか違和感ない

170 :名無しのオプ:2009/07/02(木) 18:18:55 ID:3jrIt/tw
ちなみに後神は

うしろ神は臆病神に
つきたる神也。
前にあるかとすれば、
忽焉として後にありて、
人のうしろがみを
ひくといへり。
―――今昔百鬼拾遺/下之巻・雨

らしい

171 :名無しのオプ:2009/07/02(木) 19:17:13 ID:8cThRj2B
レナ「圭一くんは今も幸せなんでしょうか?」
京極「そりゃそうだろうよ。幸せになることは簡単なことなんだ」
京極堂がテレビに映るらき☆すたを見た
「ロリコンになってしまえばいいのさ」

私は想像する。
様変わりした秋葉原をひとり行く男を。
男の背負っているリュックにはらき☆すたのDVDが入っている。
男は満ち足りて、どこまでも、どこまでも歩いて行く。

圭一「(路上でDVDに向かって)ほうらメロンブックスだよ、メイドさんが踊ってるねえ」
関口「………」
圭一「おや、お気づきになりましたか」

172 :sage:2009/07/02(木) 19:21:06 ID:2n4MgD89
ちょwwwwwwwww
違和感ないなんてレベルじゃねえしwwwwwww

173 :名無しのオプ:2009/07/02(木) 21:46:53 ID:u1c1RxjH
>>170
ほんとにあるのかよwwww
お前さんが考えたのじゃなかったのかwwww

174 :名無しのオプ:2009/07/02(木) 22:33:23 ID:3jrIt/tw
手元の画図百鬼夜行全画集(角川書店)開いたらそのページだったんで
そのまま使ったんだ

175 :名無しのオプ:2009/07/03(金) 01:45:10 ID:INnAY6NB
開いた項には海老剃りになった女が描かれていた。
女には顔が無い代わりに後頭部に大きな目が在る。
女の下方には松らしき木の幹や傘も描かれているが、何とも統一感の無い不思議な絵だ。
「ああそれは後神だね」
「後神とはどういう妖怪なんだ?」
「その今昔百鬼拾遺にも書いてあるだろう。文字通り後ろにいる神さ」
「じゃ、じゃあ僕や圭一くんが聞いた足音は…オヤシロ様の正体は後神か?」
「それは違うよ」
「どう違うっていうんだ?」
「後神はそのまま後ろ髪。後ろ髪を引く妖怪だ」
「しかし後ろに居るのなら足音くらいするだろう」
「足音などするわけがない」
しかし──と続ける私を遮るように京極堂は言葉を繋げていく。

176 :名無しのオプ:2009/07/03(金) 02:21:09 ID:INnAY6NB
「井原西鶴によると後神は伊勢神宮に祀られている」
「伊勢神宮だって?アマテラスと何か関係あるのか?」
「天照大神は伊勢神宮の内宮だ。外宮には豊受大神が奉じられている」
「聞いたことがないな。有名なのか?」
「目潰し魔の件でも関係していたが、羽衣伝説は君も知っているだろう」
「水浴びをしていた天女が羽衣も盗まれて帰れなくなるという、あれか?」
「そう、その天女こそ豊受大神であるという話もあるんだ」
「君の話が回りくどいのはいつものことだが、それと後神がどう関係するっていうんだ」
「天女は隠された羽衣を見つけ天に帰っていくんだ。男と成した子供を残して」
「それがなんだ?」
「いくら君にだって親の気持ちを慮ることくらいでかるだろう。子供を残していくんだ。当然引かれるだろう──後ろ髪を」
「なるほど、それで伊勢神宮に後神が祀られているっていうんだな」
「理由の一つといってもいいだろうな」
「おい、足音の話はどうなった」
「君もせっかちだな。つまり後神はただ物理的に髪を引っ張るだけの妖怪じゃない。何かに懸念を抱かせる、心情的にも後ろ髪を引く妖怪なんだ」
「そうするとどうなる?」
「足音などしたら後ろを振り向いてしまうだろう。君もそうだったんじゃないか?」
「確かに足音の元を確かめようと振り向いたな」
「後ろを振り向いたら物理的に髪を引くことができない」
「顔を戻した時に引けばいい」
「その時には足音の正体が気になって他の何かに懸念を抱ける状態じゃない」
「つまり、もし後神だとしたら足音などさせずに近付いてさっさと後ろ髪を引くはずだということか」
「まあそういうことだ」
「じゃあやっぱりオヤシロ様は後神ではないのか」
「しかし後神に憑かれているかもしれない人間はいる」
「誰のことだ?」
「古手神社の御嬢さんさ」
「梨花ちゃんが後神に憑かれてるだって!」
「ああ、彼女は何かを気にして後ろ髪を引かれ続けている。まるで大量の人の死の上に彼女の人生が成り立っているかのようにすら思える」
「そんな…大戦で前線にいた僕だってそんなことはないぞ…」
「彼女は人間ではなく天女なのかもしれないな」

177 :名無しのオプ:2009/07/03(金) 02:53:49 ID:SHTJ/b/k
なんですかこれは。


立場上、先生はパロディ書けないことになってるんですよね?
だからここで鬱憤晴らしでもしてるんでしょうか。

178 :名無しのオプ:2009/07/03(金) 15:03:32 ID:uwsYuQje
京極先生が光臨したようです

179 :名無しのオプ:2009/07/03(金) 17:42:02 ID:6tMia7p6
原作読んでる気分だったよ・・・天女って所で魍魎の2人が出てきたな

180 :名無しのオプ:2009/07/03(金) 17:58:33 ID:WyWzBX7p
ttp://uproda11.2ch-library.com/185165Cc9/11185165.jpg

勢いで最初のページ作ってみた
フォントが明朝とゴシックしかなかったのでディテールは微妙

181 :名無しのオプ:2009/07/03(金) 19:12:41 ID:WvJkET9Q
GJ!!

182 :名無しのオプ:2009/07/03(金) 19:34:50 ID:uwsYuQje
いや、むしろすごいこれはすごい
超GJ awesome job

183 :名無しのオプ:2009/07/03(金) 19:45:49 ID:inRPAhKD
>>180
うめえwGJ

184 :名無しのオプ:2009/07/03(金) 20:14:51 ID:INnAY6NB
>>180
うめぇw
さぁ表紙を作る作業に戻るんだ

185 :名無しのオプ:2009/07/04(土) 05:04:04 ID:4Y7CS6Ls
>>180
>>65-68
>>72
>>103
>>134-136
>>175-176

何人ゴーストライターがいるのかわからないけど
>>1000いく頃には一章分くらいできそうだなw

186 :名無しのオプ:2009/07/04(土) 05:21:51 ID:Vi5DpdOy
>>185
まとめ乙。
基本、京極との対話メインだけど
或る程度構想練らないと進めようがないな。

今更だけどスレタイ完全無視になってるな、でも面白いからいいか。

187 :名無しのオプ:2009/07/05(日) 02:31:22 ID:A+6DyTUW
「くだん!よげん!」
そう叫んで立ち上がると、センセイはどしどしと店の奥のテーブルへと突進していった。
今しがた人魚の話をしていた男は鯨になって酔っ払いの海を邁進していく。
俺がしぶしぶセンセイを追いかけると、俺と同年代の青年が困ったような顔をしてセンセイと話していた。
「ですから、私たちは妖怪の話などしていないんですよ」
「しかしあなたが件だとか予言だとか言っているのを僕はこの耳でしかと聞いたんだッ」
「件の予言の少女ですが、と云っただけです」
「多々良さんに沼上さんじゃないの」
青年の向かいに座っていた男の声に顔を向けると、見覚えのある薄くなりかけた頭があった。
「ぬ」
別にセンセイは言葉を詰まらせて意味の無い音を漏らしたわけではない。
これは沼上の、ぬ、なのだ。
センセイは人の名前をろくすっぽ覚えない。
そこで適当に思い付いた名前を云う。
この場合横にいた僕の名前を呼びかけての──ぬ、なのだ。
「里村さんじゃありませんか」
「そうそう里村さん。何してるんです?」
何してるんですはどう考えても向こうの台詞だろう。
里村は前にある事件で知り合った風変わりな医者である。

188 :名無しのオプ:2009/07/05(日) 10:13:31 ID:FY8G33D/
圭一「・・・オヤシロさまの祟りは本当にあるんです」

京極堂「この世には不思議なことなんて何一つないのだよ、前原君」

圭一「・・・でもありえない事が次々と・・・」

ガリレオ「 『ありえない』? 誰が決めた?」

青島「・・・天国と地獄だ・・・」

189 :名無しのオプ:2009/07/05(日) 10:14:06 ID:e+rOTWDS
湯川先生自重wwwwww

190 :名無しのオプ:2009/07/05(日) 10:42:32 ID:FY8G33D/
袴田課長 「青島くん、君は湾岸署に戻っていいぞ。君が絡むと不必要に自体が深刻になる。以上だ」
青島「ええっ! どういうことですか!?」
袴田課長 「本店からの命令だ。興宮署は、和久さんに行ってもらう事にしたから」
和久「何なんだよ、俺は指導員だろ〜事件なんか手伝わせるなよ〜」






191 :名無しのオプ:2009/07/06(月) 00:53:45 ID:uV3aKje7
↓これ以上広げようもないし話の本筋には組み込み難いアナザーストーリー的なもの


 鬼、ですか――と年齢の判らぬ古書肆は神妙な面持ちで云った。
「ええ鬼です。寄って集って獲物を喰らうという、まあ人喰い鬼ですね――それが何か」
「はあ、なんと云いますか」
 薫紫亭こと宮村加奈男は愛想よく笑いながらも、どこか困ったような顔になった。
「以前にも、鬼について話したことがあったなと思い出しましてね。あれは確か――そうそう」
 昭和27年の9月ですよ――と宮村は云った。
 それは――その年の9月と云えば、あの武蔵野連続バラバラ殺人事件の――バラバラ?
 ――馬鹿な。
 私は頭を振った。あの事件はとっくに解決してる。雛見沢の事件と関係など、ある筈がない。
 急に黙りこくったのを訝しんだのだろう宮村に大丈夫ですか――と尋ねられ、慌てて平静を取り戻す。大丈夫ですと告げると宮村はやや不安そうにしながらも話を続けた。


192 :名無しのオプ:2009/07/06(月) 00:55:37 ID:uV3aKje7
「そうですねえ、その頃は丁度大変な事件が起こって世間が騒がしかった時分ですから、印象に残っていたんですね。武蔵野の――そうですそうです、9月の中旬ですよ。3人目の被害者の腕だか脚だかが見つかったと騒ぎになっていた。
その頃よく店に来て頂いていたお客さんと、鬼について語ったんです」
「鬼について――とは」
「それはもう、私が存じていること総てですよ。鬼とはいったいどんなものかと――そう持ち掛けられたんでしたっけねえ。これがなかなか面白くッて、京極堂さんにもお話しようかと思っていたことなんですけれども。
まあそれはそれでいいのですが、実は気になることが御座いまして」
「気になること?」
 泣き笑いのような顔で宮村が頷く。
「そのお客さんなんですがね、それまでは足繁く通って頂いていたのですが――鬼の話をした日を境にぱたりと見えなくなりましてねえ。今思うと話をしていた時から何やらただならぬ様子ではあったのですよ。兎に角拘っておられましたし、その、人を喰うとか云う話もしました」
 人食い鬼――。
「詳しくは知らないのですが、その後どうも逐電されたようなんですよ――」
 宮村の声はもう私には届いていなかった。ただ齎された情報が、ぐるぐると頭の中を廻っていた。
 人食い鬼――バラバラ殺人――失踪――。
 これは。
 これはなんて厭な符合だ。

193 :名無しのオプ:2009/07/08(水) 11:03:12 ID:1dCXE6k7
>>191
乙!お前なにもんだ

ちょww神降臨しすぎwww
まじでこのスレまとめたら一章分できるぞw

194 :名無しのオプ:2009/07/08(水) 21:00:07 ID:+bkmp+tl
>>134>>175は出されたお題に対して
京極堂らしい例えとか、回りくどい話し口、蘊蓄でまとめてるからすごい

195 :名無しのオプ:2009/07/08(水) 21:09:11 ID:B/klvyN7
俺は>>187に期待してる

196 :>>187続き:2009/07/08(水) 23:53:57 ID:+bkmp+tl
「いやね、彼に─赤坂くんに相談を受けてたの。彼は大学の後輩で今は公安にいるんだけど───
 そうだ赤坂くん、この多々良さんに相談したらいいよ。妖怪の研究家だから僕よりはいい助言がもらえると思うなあ」
その後、終始訝しげな面持ちで赤坂が話したことをまとめるとこうなる。
雛見沢という村を訪れた際、彼は一人の少女と出会った。
彼女は村の祭で人が死ぬこと、その数日後自分が殺されること、
そしてすぐに東京に戻らなければ赤坂にも不幸が訪れることを予言した。
普段の愛くるしい雰囲気から豹変した神憑りのような態度に赤坂は戦慄したのだという。
予言を信じたわけではないが、嫌な予感がして東京に帰った後も彼女の事が気掛かりになっていて
その事を里村に幾度か話していたということだった。
「噂をすればというやつだね、沼上さん」
「噂って──里村さんの噂なんかしてたっけ?」
「違うよッ、件!予言!僕らが話していたのは人魚だッ」
「件はわかるけど、人魚は予言と関係ないだろう」
「何云ってるんだ沼上さんは。アマビエがいるだろう。半人半魚の妖怪だよ」

「そのアマビエっていうのは予言をするんですか?」
「ぬ、赤坂さんその通りです。尼彦というのも予言をする半人半魚でアマビエと同一視される──
 というか僕はアマビコが読み間違えられてアマビエになったと考えています。
 僕は大陸の方が専門なんですが、予言をする半人半魚の妖怪は大陸も大陸
 西洋の方まで辿ることができるんですよ。まあ辿ると云っても元が西洋であるとは限りませんがね。
 それに件やアマビエと違って西洋の人魚は凶兆、悪い予言専門なんですね」

197 :名無しのオプ:2009/07/08(水) 23:55:48 ID:+bkmp+tl
もう少し我慢してくれ、と赤坂と里村に目で合図を送る。
「中国には白澤というのがいます。
 件と同じで牛の様な体をしています。
 何故か予言をする妖怪は半人半獣なんですね。
 さらに白澤と件の共通項としてその絵が幸せを呼ぶ、お守りになるという伝承があります。
 このことから僕は白澤が件のモデルの一つであると考えています。
 そうだ、その件の少女の絵──というか写真はありますか?
 魚みたいな顔で牛みたいな体してたら面白いなあ」
キヒヒヒと神経に障る笑い声が耳をつく。
ここに──と赤坂は写真を取り出した。
可愛い。
センセイと同じ人間だとは思えない。
「おおッ!」
「まさかロリコンてやつじゃないだろうねセンセイ」
「古手神社と書いてある」
「ええ、古手梨花は古手神社の娘ですが」
「オヤシロ様だッ」
「え、ええ、そんな名前を聞いた覚えがあります」
「気になってたんですよ、オヤシロ様。どうも古神道や神社神道にもそぐわない。
 そうか、オヤシロ様が予言をね──半人半獣──」
ぶつぶつと独白を続ける赤坂は困り顔で俺を見、里村はにやにやと3人を見回している。
「次の旅先が決まったね」
突然、喜色満面で振り向いたセンセイに俺は何故か腹が立った。

198 :名無しのオプ:2009/07/08(水) 23:59:28 ID:+bkmp+tl
誤って書いたの消しちゃって沈んだんだけど
なんとかやる気だして再現してみた
期待にそぐえたかどうか……

199 :名無しのオプ:2009/07/09(木) 00:01:44 ID:QxIu50VG
>>196
おまえがんばりすぎだろ
好きだけどなwwww乙すぎるw

200 :名無しのオプ:2009/07/09(木) 00:24:38 ID:jLP3Vlk+
やべえ、これはやべえ
GJとかそういうレベルじゃないな本が出たら買うぞ

201 :名無しのオプ:2009/07/09(木) 01:42:11 ID:VlYXXCR+
多々良、沼上と里村は赤坂からの話で古手家へ
木場は大石と知り合いで、青木と興宮へ
あとは京極堂が鑑定に行った今川に呼ばれて公由家へ行き
榎木津が子爵経由で園崎家から事件解決の依頼を受け
伊佐間は友達の前原家へ遊びにきてた
関口は鳥口と怪事件の取材
とかなら塗仏以上のオールスター戦

読みたいw

202 :名無しのオプ:2009/07/09(木) 11:40:59 ID:zuF3k4rq
とっくの昔に廃墟になったスレだと思ってたのに

203 :名無しのオプ:2009/07/09(木) 14:39:04 ID:yqrTJbF7
書く人はコテ付けてくれw

204 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 00:48:59 ID:nqa9zxq3
あぅあぅ
>>180が消えてるのです

205 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 03:37:08 ID:hm1qrVH0
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0001470-1247164538.jpg
やっつけ

206 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 06:35:08 ID:r5PMcIdD
>>205
素敵

207 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 08:51:22 ID:hiPeqfk0
書いてる人達有難う!面白いw支援して待ってるよー!

208 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 10:31:04 ID:9KvTnxk+
保守や支援や、神待ちの流れになると過疎るよね

209 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 11:36:59 ID:TtoLgo5D
>>205
即効保存した
保守

210 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 11:43:30 ID:CwohJ9FE
>>205
音速で保存した

211 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 17:06:28 ID:HRY75vT2
>>201
お前もうそれで書いちゃえYO!!

212 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 19:13:22 ID:nqa9zxq3
よし頑張れ>>211

213 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 19:15:41 ID:r5PMcIdD
>>211ならやってくれるよな当然

214 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 20:54:00 ID:HRY75vT2
工エエェェ(´д`)ェェエエ工

215 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 20:55:29 ID:HRY75vT2
ひぐらし風にかけばいいのか、京極風に書けばいいのか、それが問題だな
このスレで今まで出たのはほとんど京極風だけど
ひぐらし風なら、京極風よりは簡単に書けそうな気がする

216 :名無しのオプ:2009/07/10(金) 20:57:11 ID:r5PMcIdD
京極風に書かなかったら意味がないジャマイカ

217 :名無しのオプ:2009/07/11(土) 02:21:59 ID:LHJ6SUud
「ひぐらし風」っていえるほどの作風あるの?
ろくにやってないから特徴的な言い回しとかあるのかもしれないけど

218 :名無しのオプ:2009/07/11(土) 06:51:51 ID:2n6fc0+6
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0001543-1247262573.jpg

219 :名無しのオプ:2009/07/11(土) 13:13:45 ID:6wKqG9BK
>>218GJ!
総じてこのスレの職人はいい仕事し杉田w
ひぐらし風なら「ひぐらしのなく頃に 憑物落し編」って題でいいんじゃないか?

220 :名無しのオプ:2009/07/11(土) 14:31:31 ID:YVm/9boH
うめえwなんかもう尊敬するわwww
そろそろ誰かまとめ頁作ろうぜ

221 :名無しのオプ:2009/07/11(土) 15:33:32 ID:s9zciXIx
偽彦wwwwwGJwwwwww

222 :名無しのオプ:2009/07/11(土) 15:52:07 ID:PBxffP1K
まとめサイトとかできると廃れるよね

223 :名無しのオプ:2009/07/11(土) 19:17:05 ID:2n6fc0+6
まとめサイトもできないスレが9割
まとめサイトができる程度のスレが8分
まとめサイトができて更に盛り上がるスレは2分
だからまとめサイトができると廃れるように思えるだけだろ

224 :名無しのオプ:2009/07/11(土) 20:43:53 ID:k5egClpn
>>218
sugeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee

225 :名無しのオプ:2009/07/12(日) 06:10:34 ID:/5sFtCi/
場には嫌な沈黙が立ち込めている。
榎木津と付き合うようになってもう随分と立つ。
中禅寺の「榎木津と付き合うと馬鹿になる」という助言はやはり正しかったのだと改めて思う。
馬鹿でなければ善良な図面引きが何故ヤクザの屋敷で正座するものか。
「受けてくれるのかいね?」
そんな問いは僕にはなかった。
薔薇十字探偵社のヒューズの調子が悪いと呼び出されたと思ったら、あれよあれよと木曽だか飛騨くんだりの山奥に連れてこられてしまった。
そんな僕に与えられたのは「あらゆる駒を揃えなければいけないそうだ!」とかいう理由にもならない理由だけ。
仕事を受けるか受けないかの問いかけなどない。
もっとも榎木津の口からそのような台詞が吐かれたら気持ち悪いだろうが。
「受けるも何も、何をしたらいいのかわからん。どの事件だ?この村はどいつもこいつも馬鹿ばかりだ!」
「榎木津子爵は聡明な方だで敬意を払っとったが、息子はとんだドラのようじゃな」
「あの馬鹿親父に敬意を払うとはあんたも馬鹿の一人だな!」
「本島さん、僕たち生きて帰れますかね」
剣呑なことを呟いた益田の顔は泣き笑いだ。
僕だってきっと病人より蒼白い顔になっているに違いない。

226 :名無しのオプ:2009/07/12(日) 06:11:42 ID:/5sFtCi/
何せ榎木津と相対するはヤクザの親玉らしき鬼のような婆さん、その横には賽でも振れば映画の一幕になりそうな姐さん、周りはいかにもな強面の男がずらっと取り囲んでいる。
「このお魎を舐めとるんか!」
「棟梁だか魍魎だか知らんが、棟梁は箱を作る人で魍魎は箱に入る人だ!京極が云っていたぞ!」
「しかと探偵引き受けさせて頂きます!」
益田が割って入った。
このまま榎木津に喋らせておくよりは、と意を決したようだ。
「毎年綿流しというお祭りの日に誰かが死に、別の誰かが失踪する事件を調査すればよろしいんですね?」
「勝手に話をすすめるな、マスカマ!だからどの事件だと云っている!」
「ですから綿流しの夜に──」
「事件が多すぎる!誰を退治すればいい!あの変な男か?妙な女か?それともこの婆さんの孫か?」
「この糞餓鬼、叩っ切ってやろうか!」
今度は姐さんが袖を捲って片膝を立て凄んだ。
やっぱり映画のようだ──とどこか他人事の様に感じてしまう。
「ならあんたが犯人だ。まったく、こういう面倒なのは京極向きなんだ」
それだけ云うと榎木津はごろんと横になってしまった。
周りの男衆はどう対処したものか困っているようだ。
「本島さん、どうしましょう?」
嗚呼──本当に馬鹿ばかりだ。

227 :名無しのオプ:2009/07/12(日) 06:19:54 ID:/5sFtCi/
起きがけにケータイでぽちぽち書いたら
改行ミスってた、申し訳ない

228 :名無しのオプ:2009/07/12(日) 09:54:01 ID:y/jDdBHS
乙。
さあ続きを書く作業に入るんだ

229 :名無しのオプ:2009/07/12(日) 11:01:19 ID:BwyV34dP
>>225>>226>>227乙!
本島きたああああああああああああああ
牛五郎がんばってくれ!!

>>218お前には神の下僕の称号を授けよう

230 :名無しのオプ:2009/07/12(日) 18:02:43 ID:6BJ0fgMZ
>>225-227
超乙!!!!!!!!!!!!

いつのまにか良スレだなw

231 :名無しのオプ:2009/07/13(月) 22:27:48 ID:koCiM75E
>>229
なんて扱いに困る称号wwww

232 :名無しのオプ:2009/07/16(木) 00:54:13 ID:IANK4QPD
支援あげ
だけでもなんなので
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0002011-1247673139.jpg

233 :名無しのオプ:2009/07/16(木) 06:49:37 ID:/FigADYS
GJ

234 :名無しのオプ:2009/07/16(木) 07:42:25 ID:D0OaU/s0
>>232
GJ
俺は「京極堂、蜩の鳴く村へ。」とか考えてた。

235 :名無しのオプ:2009/07/16(木) 11:57:48 ID:J5W3PagR
>>232
すげえええ!グレードアップしてやがる乙!

>>234
いつものあおりに合ってるな
あとは後ろの紹介文とかか

236 :名無しのオプ:2009/07/16(木) 16:55:19 ID:AywnIBjO
>>232
        グッジョブ!!           ∩   ∩
       _ _∩           (⌒ )   ( ⌒)       ∩_ _ グッジョブ!!
        (ヨ,,. i             |  |  / .ノ        i .,,E)
グッジョブ!!  \ \          |  |  / /         / /
  _n      \ \   _、 _  .|  | / / _、_    / ノ
 (  l     _、 _  \ \( <_,` )|  | / / ,_ノ` )/ /    _、_    グッジョブ!!
  \ \ ( <_,` ) \         ノ(       /____( ,_ノ` )    n
    ヽ___ ̄ ̄ ノ   |      /   ヽ      | __      \     l .,E)
      /    /     /     /    \     ヽ   /     /\ ヽ_/ /

237 :名無しのオプ:2009/07/17(金) 17:59:28 ID:jEKCLBNL
保守

238 :名無しのオプ:2009/07/19(日) 17:03:21 ID:KLGmVDls
保守なのです

239 :名無しのオプ:2009/07/20(月) 20:56:58 ID:ZdaHMhte
保守らればなるまい

240 :名無しのオプ:2009/07/21(火) 17:55:41 ID:S1nGwAJv
俺は腹を立てていた。
なんだかこう書くと俺が短気であるように思われるかもしれないが
決してそんなことはない。本来は気の長い人間である。
ところがセンセイにかかるといとも簡単に腹が立つ。
センセイは常に最短距離を進む。
一番早く行ける道を行くのではない。
地図上の最短距離を進むのだ。
街の中ならばまだいい。しかし山の中など沢や勾配を関係なしに直進する。
だから迷う。
直進しているはずなのに迷う。
そして怪我をする。獣道ですらないところを歩くのだから当然である。
しかも、センセイが怪我をするなら自業自得というものだが怪我をするのは俺なのだ。
聖人君子だって舌打ちくらいしそうなものだと思う。
そしてほうほうの体で雛見沢に辿り着いた俺は唯一の医療機関である入江診療所へと駆け込んだのである。
「面白い方ですねぇ」
診療後玄関口で、院長の入江は女のように束ねた髪を靡かせながら云った。
若いながら好好爺じみている目の先にはセンセイがいた。
ぶつぶつ何かを数えながら診療所の壁沿いを歩いている。
「蟻でも数えてるんでしょう」
「何か異変を感じたらいつでもいらしてください」
一瞬、入江の目が鋭くなったような気がする───
いや、気のせいだろう。
連続殺人事件が起こった村だということで、きっと俺も気が立っているのだ。
また足が痛みだしたらお世話になるとしよう。

241 :名無しのオプ:2009/07/21(火) 17:56:56 ID:S1nGwAJv
「ふろいでしぇえねるげってるふんげん」
俺の診療が終わったことに気付いたセンセイは歌いながらこちらへ近付いてきた。
「何かのおまじないですかね?」
やはり柔らかい目をしている医者は俺に問い掛けてきた。
「発音が悪いのと音痴なせいでわかりにくいですけど歓喜の歌ですね、きっと」
余りのはずれっぷりに立っていたはずの腹がくすぐられはじめている。
そしてその事実が再び俺の腹を立てた。
「センセイのせいで俺が怪我したっていうのに何歌ってるんだよ!」
「沼上さんが怪我したのは沼上さんのせいだろう。それにこの場所には歓喜の歌がよく合う」
──────地上にただ一人でも
心を分かち合う魂があると言える者は歓呼せよ─────
確かそんな歌詞だった。
こんな小さな村だ。
皆で心を理解しあえば惨劇は起きるはずがない。
あの写真の美しい少女───古手梨花も死ぬことなどない。
センセイはそう云いたい───わけがない。
そんなに深く考えているとは思えない。
大方この高台から見える美しい景色に昂り、知った歌が口をついただけだろう。
気がつくと歓喜の歌はいつの間にか遠ざかり
目的地、古手神社へと向かっていた。

242 :名無しのオプ:2009/07/21(火) 19:25:38 ID:EMZkS5XP
乙!

243 :名無しのオプ:2009/07/21(火) 19:38:46 ID:S1nGwAJv
突然俺たちに職務質問をかけた三人は刑事であるらしかった。
警察に足止めを喰らうのは最早慣れっこになっている。
未解決の殺人事件が起こった小さな村を見慣れない男が二人連れで歩いていれば尚更だろう。
しかし、今回は驚くほど早く解放された。
村を訪れる切っ掛けとなった赤坂の名が聞いたのだ。
三人の内最も年配の大石は地元の刑事だが、赤坂と懇意にしているらしい。
世の中は狭い。
解放されたのはいいのだが、宿代わりに貸してもらっている神社の社務所で捜査会議を開くのはいただけない。
俺は事件に関わるのはまっぴら御免だ。
オヤシロ様のことを少し調べられたらそれでいい。
「五年前の誘拐事件では敵はそれなりの組織力を持ってたらしいですね」
殺人事件だけでなく誘拐まで起こっていたのか。
田舎の村の割に物騒過ぎる。
「ええ、私たちも少ぉし痛い目見せられちゃいましたからねえ」
「敵の正体がわからねえことには動きづらくて仕方ねえな」
三人の刑事──大石、木場、青木は真剣に顔を突き合わせている。
矢張り興宮の警察署でやればいいと思う。
しかし「話を聞いて居ればオヤシロ様の正体に近付けるかもしれないじゃないか」
と主張するセンセイのせいで三人の刑事は留まっている。
俺達の同席を大石が易々と許可したところを見ると、赤坂は随分信頼されているのだろう。
「そうだ、人数いるならどこかに根城があるはずじゃあねえか」
「雛見沢にそんなものあったら目立ってしょうがありませんよ。あるとしたら興宮でしょう」
「待ってください大石さん。何度も興宮とを往復したらそれこそ目立ちますし
 少なくとも詰め所の様なところはあるかもしれません」
「山狩りでもするか?」
「怪しい建物ならあるじゃないですか」
予想もしなかった場所からの唐突な声に会議は刹那停止した。

244 :名無しのオプ:2009/07/21(火) 19:43:18 ID:S1nGwAJv
全員の目がセンセイを捕える。
「ほら、あの、ぬ───なんとか診療所」
「入江診療所のことですか?」
「そうその診療所。あれは変ですよね」
「俺も入江ってのには会ったが別段怪しいとは思わなかったぞ」
木場の言葉に青木も頷いた。
「僕は今は在野の妖怪研究家ですがね、昔は理系だったんですよ
 だから戦争にも行かずにすみました」
木場と大石の表情が僅に歪む。
二人とも随分丈夫そうな体をしているから、先の戦争にはそれなりの想いが在るのだろう。
「建築も一応修めてるんですよ。ところで地盤の弱い土地の簡単な見分け方知ってます?」
「粘土質の土地──とか?」
青木はしどろもどろに答えているが、俺にもその程度の知識しかない。
「今の僕らの研究分野にも関わるもっと簡単な方法があるんですよ。ね、沼上さん」
「えっ俺は知らないよ」
「勉強不足だね。沼、芦、池等の漢字がつく土地は地盤が弱いことが多いんです」
「昔は水場だったからってえことか」
「そうです、後は沢や淵も──」
「雛見沢に鬼ヶ淵ですか」
「そんな土地のしかも高台というのは医療機関の立地としては些か不自然ですよ。
 例えば興宮から繋がる道沿いの林を切り開いた方がよっぽどいい」
「しかし予算の都合ということもありますし、それだけでは──」

245 :名無しのオプ:2009/07/21(火) 19:44:00 ID:S1nGwAJv
「大石さん、こんな小さな村の診療所に地下室は必要ですかね?」
「入江診療所に地下室があるんですか!」
「基礎の配筋が見えてたんで数えてみたらどうも多いんですよ」
─────あの時か!
「それに換気口も多すぎる」
─────換気の歌。
気分が昂ったわけでもなかった。ただの駄洒落だ。
「あれは地下があるとしか思えませんね。
 高台に立てたのも建築中の地下室を村人に見られないためだと考えれば辻褄があいます」
センセイの癖に冴えすぎている。
気味が悪い。
青木と大石はセンセイに賛辞を送っている。
一方木場はどこかへ電話をかけていた。
早速入江診療所への調査を考えているようだ。
電話口から声がきこえる。
「いいけど───伝承通り喉を掻きむしった死体が出たら解剖してもいい?」
世間は狭い。

246 :名無しのオプ:2009/07/21(火) 20:37:45 ID:J1ZKeG54
おお・・・続編がきている・・・!!
もう俺この人にどうやって最高級の賛辞を贈れば良いのかわからない

247 :名無しのオプ:2009/07/22(水) 18:21:39 ID:BfkB1FNt
>「それに換気口も多すぎる」
>─────換気の歌。
>気分が昂ったわけでもなかった。ただの駄洒落だ。
わろたw

しかも里村もきたああああ
全く神がおおすぎるスレだw
>>240 マジ乙!!!!!

248 :名無しのオプ:2009/07/22(水) 20:14:30 ID:yKWPsxMy
やべぇ面白すぎる。
これ本格的にプロットまとめたら相当すごいものになるのでは・・・?

ただ年代の差がなぁ。
京極シリーズとひぐらしの年代ってだいたい30年くらい離れてるし、
その辺を上手くできないものか。

249 :名無しのオプ:2009/07/22(水) 20:29:23 ID:GEXRnFOX
「東京」を操っている黒幕は堂島だったりして・・・。
雛見沢を次の「ゲーム」の舞台に選んだか。
あるいは「しずく」のような兵器の開発が目的かも。

250 :名無しのオプ:2009/07/22(水) 21:02:26 ID:yKWPsxMy
京極・今川→公由家へ。

関口・鳥口・(敦子)→怪事件の取材。富竹辺りと合流?

榎木津・益田・本島→園崎家へ。

木場・青木→大石と共に連続殺人の捜査へ。

多々良・沼上→赤坂の話から古手家へ。入江診療所を経て木場たちと合流。

里村→木場・多々良たちと合流。

宮村→チョイ役。

堂島→憑物落とし後、最後の最後に登場。事件の黒幕?


うーん。肝心の圭一とレナ、それと沙都子がどこにも絡まんなw
>>201のいさま屋との絡みってのがそれか?
増岡や川新や朱美さんは登場させようがないし。

251 :名無しのオプ:2009/07/22(水) 21:31:48 ID:O6MrDSHx
藍童子→雛見沢分校へ潜入し圭一たちに取り入る

とか

252 :名無しのオプ:2009/07/22(水) 21:32:17 ID:zrJufARd
>>250
完全に行き当たりばったりで書いてるけど
増岡は絡ませる考えがあったりする

川新は榎木津の「あらゆる駒」に入れられるし
朱美さんは生家が雛見沢と近い

253 :名無しのオプ:2009/07/22(水) 21:50:11 ID:yKWPsxMy
そっか、最初は圭一たちの視点ではいきなり京極キャラと絡ませる必要はないのか。
>>251みたいに、実は藍童子が潜入・偽装していたっていう点で繋げてもいいんだしな。

>>252
増岡登場させる予定あるんだw
期待してる。

朱美さんの生家の位置は盲点。
少女時代か奉公時代の友人(故人?)を訪ねに来るとかかね。
困ってる人をほっとけない彼女の性から、沙都子辺りと絡ませてもいいかもね。

京極キャラ一情の深い朱美さんは好きなキャラなので個人的には出番がほしいw

254 :名無しのオプ:2009/07/22(水) 23:20:28 ID:K/ErULGl
巷説の人たちも絡められるかな。

神主の話のように。

255 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 00:20:05 ID:EdMQtY8G
とりあえずモチーフ妖怪は>>170の言う「後神」で決定か?

あとこのスレで出てきた画像まとめて欲しいナリ。
全部見れねぇ・・・。

>>254
京極堂の薀蓄部分で巷説の話がちょっと出てくる程度ならいいかもね。

256 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 00:31:27 ID:yFyLCrJr
実は京極だけしか知らないんだけど、
ひぐらしってこの世に不思議なものがある世界観?

257 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 00:46:16 ID:5IBKei0q
ありまくる
ぱっと思い付くので
1平行世界の同じ時間を何百年と生きるキャラがいる
2生物学的にありえない寄生虫かウィルスがいる
3小中学生7人に壊滅させられるレベルの国の特務機関小隊が存在する

1に関しては榎木津の能力みたいな説明付けをして
2はこのスレで京極堂が否定してて
3は榎、木場、川新参戦でクリア
で百鬼夜行の世界にも馴染むかな

258 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 09:46:27 ID:ucttZH4S
憑き物落としの対象は鷹野?

出題編のノリなら圭一。
あるいは梨花もありえるか。

259 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 10:09:48 ID:KTqIlAbd
てか、榎木津が梨花視たらどうなるんだろう?
記憶全部引き継いでるならかなり混乱するだろうな。

260 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 11:48:00 ID:z0s8qZVD
百鬼夜行的に章ずつに視点が変わっていくしかないな
とりあえず視点候補は、すでに神作品があげられてる通り
関口
本島
沼上
圭一
こんなもんか?

261 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 12:10:41 ID:ucttZH4S
警察の視点も必要じゃね。

木場か青木、または大石かな。
赤坂は終盤の登場だろうし。

262 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 14:16:10 ID:znMXL6cj
憑物落しの対象はいっそ村民全員とか
あるいはオヤシロ様狂信者たち
少なくとも御三家の連中は何かしら憑いてそうだから落しといた方が良いんじゃね

263 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 16:35:10 ID:EJfL0CFO
神社にある村の会議所で憑物落としかー
一番酷いのは梨香ちゃまなのかな

264 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 21:23:06 ID:EdMQtY8G
纏めて落とす、
ってのは何か塗仏っぽいね。

確かにひぐらしの登場人物って、
編にもよるけど何かしら憑かれてる奴ばっかだよな。

265 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 22:01:23 ID:ucttZH4S
榎木津の役割ってなんだろう。
最後に暴れるだけじゃな。

266 :名無しのオプ:2009/07/23(木) 22:36:30 ID:4XtCrnz7
梨花の記憶見るにしても
富竹の遺体を直接見たことはないだろうし
鷹野に殺される場面も覚えてないからな

鷹野、入江、沙都子の記憶見た方が早そうだ

267 :名無しのオプ:2009/07/24(金) 02:52:49 ID:IAmESG0s
京極というか、民俗学的に憑き物には富の偏りに対する説明らしいけど、
そういうのも絡められるかな?

病気・災厄、宗教者の神秘的な力の説明にもなるらしい。

268 :名無しのオプ:2009/07/24(金) 11:48:48 ID:9cppKWQy
そういや京極シリーズって、タイトルになってない妖怪も石燕の絵つきで登場するよね。
(魍魎の火車や鉄鼠の大禿など)

まあ解説があるかないかは作品次第だけど、
内容に関わりのある妖怪は複数出してもいいかも。

269 :名無しのオプ:2009/07/24(金) 12:54:13 ID:MMOpay1v
>>268
詩音の魅音に対する嫉妬を象徴して橋姫なんてどうだろう。
あと鬼も使えそう。

270 :180:2009/07/24(金) 19:32:04 ID:P+xLJpip
後神再うp
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0002890-1248431256.jpg

あと>>269の橋姫ってのが本当に詩音ぴったりで良いと思う
鬼はひぐらしを代表する存在だし
ってことで↓おまけ
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0002891-1248431256.jpg
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0002892-1248431256.jpg

271 :名無しのオプ:2009/07/24(金) 19:46:01 ID:+3swb1KC
詩音の憑物を落とす・・・
というと、ちょっと目明しっぽい展開にもなるのかな?

暴走して沙都子or魅音監禁→榎木津によって殺害阻止、後に京極の憑物落とし
って感じか。

>>270
うp乙。
橋姫も鬼もひぐらしに合ってるなぁ。

272 :名無しのオプ:2009/07/24(金) 21:42:42 ID:rUknhPsN
鬼はひぐらしで使われてはいるけど
妖怪として捉えると鬼は相応しくない感じがする

273 :名無しのオプ:2009/07/25(土) 03:35:19 ID:1SfBo5fK
鷹野は玉藻前?
大物妖怪すぎるか・・・。

274 :名無しのオプ:2009/07/25(土) 04:57:27 ID:67Qsv/wo
>>273
玉藻前ほどの悲劇感はないな
実の両親と育ての親が死んだだけだし

275 :名無しのオプ:2009/07/25(土) 14:15:04 ID:zeMnZVpY
鷹野と堂島だとやっぱり堂島のほうが力は上なのかな
最後倒されていないのと貫禄がある分堂島のほうが強そうに見えるが
特殊部隊を(一応)動かせたりする鷹野も中々強敵に思える。
小中学生に負けたのはお話の都合上として

276 :名無しのオプ:2009/07/25(土) 14:53:06 ID:CjEIH9zM
鷹野≒居場所を獲得した蜘蛛<堂島 とか?

277 :名無しのオプ:2009/07/25(土) 15:01:09 ID:1SfBo5fK
堂島も山狗程度の部隊なら動かせるんじゃないか?
軍時代のコネとかで。

コネが無くても操って動かすくらいのことはできるだろ。

>>272
狂骨に出てきた「骸骨」や「返魂香」、絡新婦に出てきた「丑の刻参り」みたいに、
妖怪としてというより象徴的なものとして石燕の絵を出すのはありだと思う。

あ、そういや宇治の橋姫が行ったのも「丑の刻参り」だったなそういや。

>>274
まぁぶっちゃけ見た目がキツネっぽいから選んだだけなんだけどなw

278 :名無しのオプ:2009/07/25(土) 18:53:12 ID:HHSpazkS
鬼(妖怪)というのは神の反対でもあるらしい。

ある存在が、善なるものの時、神として扱われ、
悪なるものの時、妖怪と言われる。

また、妖怪を封じ奉り、神として扱うケースもある。
この場合、人に恩恵を与えるらしい。

他にも色々あるけど、本質的には
妖怪=神、らしい。

279 :名無しのオプ:2009/07/25(土) 19:36:19 ID:67Qsv/wo
>>278
京極堂に凄い顔で睨まれるぞ

280 :名無しのオプ:2009/07/25(土) 23:59:03 ID:d0RfA67Y
とりあえず人食い鬼は黒塚でいいんじゃない?
後、梨花についているのは件でいいと思う。

281 :名無しのオプ:2009/07/26(日) 00:50:54 ID:NE+vW/Ya
>>280
たしか件は画図百鬼夜行に無いな

282 :名無しのオプ:2009/07/26(日) 01:07:18 ID:URewYD/a
>>280
石燕の絵が無いのは痛いなぁ。
件は確かに合ってると思うんだけど。

283 :名無しのオプ:2009/07/26(日) 01:20:12 ID:sClM0Tx+
梨花ちゃんに憑いてるのは後神じゃないのか?

284 :名無しのオプ:2009/07/26(日) 05:17:16 ID:zJIXMQKD
L5になった人が聞く足音=後神じゃないか?

285 :名無しのオプ:2009/07/26(日) 23:52:56 ID:URewYD/a
いまのところレナが一番影が薄くなりそうな予感w

286 :名無しのオプ:2009/07/27(月) 00:53:27 ID:GFHLSVbr
レナ・詩音は暴走要員だな。
絡新婦でいう蜘蛛に操られる目潰し魔・絞殺魔のポジション。

藍童子辺りに色々吹き込まれたりして、目明しや罪滅しと同じような行動を取らされてしまうとか。
で、中盤辺りで憑物を落とされると。

287 :名無しのオプ:2009/07/27(月) 04:33:39 ID:YP3JDsNp
妖怪だけじゃなく、キリスト教やら禅やら哲学の話題も出てくるけど、
そういうのも入れれるかな?

288 :名無しのオプ:2009/07/27(月) 08:15:11 ID:Wmuc54hN
精神病や寄生虫に関する蘊蓄なら入れられそうだな

289 :名無しのオプ:2009/07/27(月) 12:12:27 ID:feVLUB2d
妖怪そのものの説明には意外とページを割かないんだよね。

絵だけで説明の無いものも多い。

むしろそれ以外の要素の蘊蓄が多いわな。

ひぐらしだったら上でも出てるけど祟りとか、村社会に関すること、または土着宗教に関することかな。

290 :名無しのオプ:2009/07/27(月) 15:04:47 ID:k0Ks3cqk
>>284
後神って梨花ちゃんにとってのループ中の事件や
鷹野にとっての一二三じゃないの?
過去の何かに後ろ髪を引かれて憑き物状態になってるわけでしょ

でも足音の正体は羽入でしたっていうのは百鬼夜行に合わないし
統失的な症状として降旗に語らせるとか

291 :名無しのオプ:2009/07/27(月) 15:12:26 ID:1ImQw2nX
これまでのうpされた画像でよくできた偽表紙がうpされてたが
それと石燕の妖怪図画以外にうpされてたものあったっけ?

俺はあおり文がついてるバージョンの表紙保存してるが
もっかいうpしてほしいやついる?

292 :名無しのオプ:2009/07/27(月) 17:16:57 ID:TawkH7wB
>>291
本人以外の再うpはやめとけ

293 :名無しのオプ:2009/07/27(月) 17:49:19 ID:cN8LSOEQ
画像全部消えちゃってるよね
再うpしてよ

294 :名無しのオプ:2009/07/27(月) 17:52:18 ID:feVLUB2d
うん、せっかくだから見たいね。
もったいないし。

295 :名無しのオプ:2009/07/27(月) 21:49:46 ID:GFHLSVbr
み・・・見たい!
好奇心がツンツン刺激されるじゃあないか・・・。

296 :名無しのオプ:2009/07/28(火) 00:36:38 ID:nS45Tj6P
いやあ・・・プロット考えるだけでも骨だぞこれは。
全員マトモに描写しようとしたら塗仏並のページ数が必要になるw

297 :名無しのオプ:2009/07/28(火) 07:53:32 ID:tjrhVxC+
実際塗仏以上のオールスターになりそうだしな。
いかに短くまとめていくかが鍵だろう。

298 :名無しのオプ:2009/07/28(火) 16:23:01 ID:45J6lxUI
舞台は祭囃し編もどき。
みんな朧気に他の編の記憶を持ってて
梨花ちゃんには「平行世界を想像して他人にもその世界を経験したかのように錯覚させる能力」
でもあるんじゃないかと京極は勘繰る。
諸々の登場人物は詩音やレナから他の世界の話を聞いたり聞かなかったり
(面倒なので○○編参照で省略)
藍童子なんかに唆されて暴走しかけたり
なんだかんだでオールスター探偵ズは真相に近付き
陽子の手元にあった鷹野一二三レポートから雛見沢症候群の存在に気付く。
綿流しの夜、京極は鷹野の憑き物落としを試みるも、鷹野無しでも東京は突き進む。
しかし最初から山狗とやり合う気まんまんの榎木津と愉快な仲間たちと
部活の活躍で見事陰謀を阻止。
ラストに関口、沼上、本島の引き立て役倶楽部大活躍の
百器のような仕掛けを東京に施すも
背後にいる堂島までは手が届かずに終わる。

みたいなのを何となく考えてた。

299 :名無しのオプ:2009/07/28(火) 17:34:31 ID:45J6lxUI
「勿体ないな」
綿流しの予行練習をする青年団を見ながら僕は呟いた。
綿流しとは、夏になり不要になった布団の中の綿に感謝の意を込めて川に流すという行事なのだそうだ。
勿体ない。
京極堂は相変わらずのしかめっ面で練習を眺めている。
「いつからそんな倹約家になったんだい、関口くん」
「昭和の時代ならまだしも、これは古くからのしきたりなのだろう。
 冬は豪雪になるこの辺りは綿の栽培には向かないし
 他地域との交流が少ないなら買ってくることも難しい。
 それなのに毎年綿を捨てるなんて矢張り勿体ないだろう」
京極堂は、ふむと考え込んだ。
いつもは僕のいうことなど小鳥の囀り程度にも気にかけないのにである。
僕は気をよくして更に言葉を繋げる。
「だから鷹野さんの云っていた通り、腸流しなんじゃないか?
 鬼ヶ淵の鬼が人を食って──」
「調子に乗ったな、君は」
ため息混じりに図星を突かれた僕の顔は見る見る赤くなった。

300 :名無しのオプ:2009/07/28(火) 17:36:22 ID:45J6lxUI
「まず前半部分に反論をするなら、綿とは別に木綿のみを指す言葉ではない。
 布団や座布団に入っているなら仮令藁でも「綿」と呼ぶのだよ。
 だから昔の綿流しは木綿ではなく他の物を流していたのかもしれない」
なるほど、聢それなら勿体なくなどないし合点もいく。
「次に鬼による腸流しだったかな。
 鬼が何故腸を捨てる?獣は腸を好むものだ。
 丑と寅を合わせた鬼だって腸を喰らうだろうし
 現にそういう話は各地に伝わっている。
 内臓を放る物──ホルモンなどと呼ぶのは人間だけだよ」
「そうか、そうだな」
「では何故人間は腸を捨てる?」
「雑菌や寄生虫がいるからだろう」
「その通りだ。それを踏まえると腸を川に流すという
 おどろおどろしい行為の印象が別の物に変わるだろう」
───内臓を川で清めている。
「つまり、綿流しではなく腸流しだとすると
 鬼ヶ淵には鬼に例えられるような風土病──それも伝染するような──
 があったという考え方もできるということだ。
 淀んだ沼からやってきた鬼は、清らかな川を下って消える」
青年団が流した綿は既に見えなくなっていた。
「そんな病気があったとしたら、医者なら何か知っているかもな」
そう云って診療所があると教えてもらった方へ目をやると、
坂の途中に数人の男がいた。
下駄のような四角い顔の男が、丸く肥えた男に詰め寄っている。
四角い方は、こんな所にいるはずもない良く似た男を知っている。
鬼の木場修──病気になどなりそうもない頑丈な男だ。

301 :名無しのオプ:2009/07/28(火) 17:57:51 ID:BODT6vdb
いつも思うが「── 」の使い方がうまいなw

302 :名無しのオプ:2009/07/28(火) 18:07:25 ID:Cb4wemMO
>>298
乙!お前マジで素人じゃねえだろw
会話が普通に原作でありえそう

303 :名無しのオプ:2009/07/28(火) 19:07:49 ID:sBa/cVHz
地の文じゃ関口の一人称は私じゃなかったか?

304 :名無しのオプ:2009/07/28(火) 19:15:43 ID:45J6lxUI
おう、そうでした
確認しようと本棚見たら絡新婦しかなくて段ボール引っ張りだすはめにw

305 :名無しのオプ:2009/07/28(火) 19:36:08 ID:nS45Tj6P
なんというやせいの京極・・・
乙。

あとすごい今さら、かつ恐らく書いたのは>>298じゃないだろうけど、
>>135
京極「君は神を信じているのかい?」
関口「信じてはいるが、躓いたのを神のせいになんかしないよ」

とあるが、魍魎ではっきり「無信心な私は宗教に対して偏見を持っている」と書かれているぜ。
その次に京極「信仰のない君には分からないだろうが・・・」と続く。

306 :名無しのオプ:2009/07/28(火) 22:44:26 ID:ksDeR/v/
>>305
信仰心はないけど、なんとなく神様はいる気がする
っていうのが大半の日本人の感覚じゃないか?

307 :名無しのオプ:2009/07/29(水) 07:51:59 ID:tBWAMDR7
圭一に出番は来るのだろうか。

308 :名無しのオプ:2009/07/29(水) 09:46:38 ID:12+m69jD
>>298に便乗
梨花の能力について

症候群にかかった人が症状の進行にあわせ、強迫観念がかなり重くなった状態で人を殺す夢を見る(実は高段階の症状)

夢を見た本人はあたかも現実にあったかのように錯覚(これは別にストーリー進行によってはなくてもいい)

梨花の能力はある種榎木津と同種で、症候群の人間が見た夢を読み取る
しかし梨花が幼いゆえか、若しくは榎木津と若干異なる見方をするゆえ、何度も過去を繰り返し見たと錯覚

てのを考えたんだが
穴もいくつかボコボコありそうだが、京極ワールドにあわせたら楽に辻褄あわせできるかなあと

駄文すまん

309 :名無しのオプ:2009/07/29(水) 14:56:34 ID:BaE81vHB
そもそも羽入をどう扱う?
完全スルー?

310 :名無しのオプ:2009/07/29(水) 15:14:05 ID:tBWAMDR7
>>羽入
最後にちょっと実在を匂わす程度の描写を入れればいいんじゃないの。

311 :名無しのオプ:2009/07/29(水) 16:40:45 ID:jCZlC/yg
羽生は三津田信三みたいに最後に残る不思議として取り扱えばいいんでない?

312 :名無しのオプ:2009/07/29(水) 17:12:12 ID:ruU/c2CR
又市さんが演じたタケミナカタのように解釈できないかな。

313 :名無しのオプ:2009/07/29(水) 19:06:59 ID:JuQgTxGy
まつりばやし採用して羽生は梨花のいとこだったってのは?
ちょっと奇形で頭部に角が生えてるような隆起がある(実際あんな大袈裟な角じゃなくても)
梨花がその角を見て羽生こそオヤシロ様であると勘違いしたとか。
んで奇形故に村にいても見えない扱いを受けてる→オヤシロ様は私にしか見えない!で更に梨花の妄想が増長とか

314 :名無しのオプ:2009/07/29(水) 19:47:28 ID:BaE81vHB
>>313
梨花ちゃんすごく可哀想な子になってしまうwww

315 :名無しのオプ:2009/07/29(水) 19:47:52 ID:0OFMmqU3
>>311
「合理的な解釈も可能だけどもしかしたら・・・?」みたいな感じか。
まぁ三津田じゃホラーになっちまうけどなw

316 :名無しのオプ:2009/07/29(水) 22:36:03 ID:dzxu6YLY
無理に京極世界に合わせなくても良いんじゃない?
京極世界にだって超能力は出てくるわけだし、
鉄鼠の鈴の行方みたいな臭わせ落ちもあるし。
多少無理がある設定でも、詭弁で納得させちゃうのが京極堂だと思う

317 :名無しのオプ:2009/07/29(水) 22:43:53 ID:0OFMmqU3
久保の最期のシーンとかな。
冷静に考えたらありえないことだけど、
なぜか納得できてしまう。

とはいえ、さすがに羽入の扱いには気をつけた方がいいと思うんだ。
間違えると全部崩壊しかねんw

318 :名無しのオプ:2009/07/30(木) 07:57:56 ID:9++W3b3L
このシリーズって毎回なにかしらのテーマが(蘊蓄とは別に)盛り込まれてるけど、
今回は何になるんだ?

魍魎は「境界」、邪魅は「個人と世界」って感じで。

319 :名無しのオプ:2009/07/30(木) 19:13:27 ID:Q7trjLd9
後神と関連するが、
過去にあったことに縛られることと、そこからの解放というテーマでどうだろう。
ひぐらしの登場人物は圭一を筆頭に、過去に色々やらかしてる人間が多いからな。

関口はそんな彼らと自分を重ねるとか。
関口にとって、姑獲鳥の一件は一生忘れることのできない出来事だっただろうし。

320 :名無しのオプ:2009/07/30(木) 19:58:16 ID:u7bfrfrN
>>319
「犬を散歩に連れていく時は縄で縛る。
 しかし犬が大きければ、引き摺られている人は散歩させられているようにも見える。
 過去を糧にする事と、過去に囚われる事。
 その違いはただ犬の大きさ、それだけなのだよ関口くん。
 そして屡々引き摺られている飼い主は滑稽だ」

321 :名無しのオプ:2009/08/01(土) 12:26:58 ID:nj+o89+G
ループ世界の経験を元に、適切な行動を取れたのが祭囃しだが、
今作ではむしろその記憶が暴走の引き金となって事件が起きるのか。

322 :名無しのオプ:2009/08/01(土) 17:21:58 ID:MNWEN4SA
>>319
沙都子が自分の過去と向き合うと、
必然的に両親の殺害事件にも触れざるを得なくなるよな。
さすがにその憑物を落とすのはまずくないだろうか。

323 :名無しのオプ:2009/08/01(土) 18:50:26 ID:yQQvH3ST
>>322
絡新婦の理みたいなケースもあるからなぁ。

324 :名無しのオプ:2009/08/01(土) 19:45:17 ID:erczakcO
>>322
どっかで本当に事故だったって結論見た覚えがある

325 :名無しのオプ:2009/08/01(土) 20:09:47 ID:MNWEN4SA
>>324
澪尽し編では事故ということに改変されてたね。
まぁこっちを公式とするならそれが正しいんだろう。
ただ原作者が書いたシナリオじゃないからなぁ・・・。
主要人物の過去に関することの改変である以上、原作者の許可はもらって書いてるんだろうけど。

個人的には鬼隠し〜祭囃しまでの8編とは別の物語だと思ってる(過去の出来事も含めて)。

326 :名無しのオプ:2009/08/02(日) 03:15:41 ID:kvewQStw
三津田信三って誰かと思って調べてみたが、
こういう人がいるのか。
京極に似た小説書いてるのかな。

327 :名無しのオプ:2009/08/02(日) 03:42:20 ID:bh7LLleX
京極というよりは横溝+色んなホラーからの影響を受けてるね。

「この世の全ての出来事を人間の理知だけで解釈できると断じるのは、人としての驕りである。
かといって安易に不可解な現象そのものを受け入れてしまうのは、人として余りにも情けない」

というのが考え方の根本にあるからか、どっちのサイドにも極端に偏らないスタンスが気に入ってるな。

それと徹底したメタ嗜好か。
「作中作を先に発売し、その本に書かれた内容を元に怪異が侵攻していく」という作品とか書いてる。

328 :名無しのオプ:2009/08/02(日) 04:46:37 ID:Td593BKk
>>325
事件の真相って
たまたま綿流しの夜に一人死に一人行方不明になってただけ
超偶然で、オヤシロ様の祟りとか関係ありません
って事だろ?

だったら北条夫婦はただの事故でした
の方が救いがあるじゃないか
京極堂ならそういう事に落ち着けると思う

329 :名無しのオプ:2009/08/02(日) 07:25:10 ID:JaB5Rgqk
>>328
そうか?頼子が加菜子を突き落としたって事も明らかにしたし。
まぁ本人が生きてるか死んでるかの違いがあるが。

330 :名無しのオプ:2009/08/02(日) 08:00:33 ID:bh7LLleX
絡新婦の時は碧に「全部落としてしまうのは少々酷な気もする」とか言ってたからな。
全部明らかにするとも限らない。
(結局全部明らかになるのが今までのパターンではある)

ちなみに事故といえば事故だが、
沙都子が両親の胸に飛び込む→後の柵が壊れる→両親沙都子を突き放し自分たちだけ落ちる
という流れなので、沙都子が責任を感じてしまうのも無理は無い。

まぁそれでも明確な殺意があったわけじゃない・・・
ということである程度落とすことはできるよな。

331 :名無しのオプ:2009/08/02(日) 16:46:14 ID:JaB5Rgqk
>>330
でもそれは澪尽しだけの設定なんだよね。
今となっては真相はわからない、としておくのが無難か。

332 :名無しのオプ:2009/08/04(火) 12:45:40 ID:kR4a3aIu
榎木津の能力なら羽入が見えない世界でも
梨花が見た記憶の中で羽入が視れそうだな。
皆が見えない解釈としては姑獲鳥と似た理由で。

333 :名無しのオプ:2009/08/04(火) 12:51:25 ID:5bdnyCdX
なのですが3人もおったら書き分けしんどいから
羽入にはいなかったことにしてもらったらいいんじゃね?

334 :名無しのオプ:2009/08/04(火) 15:26:50 ID:GW4ex/uJ
榎さんは沙都子や梨花をかわいがりそうだ。
(ロリコン的な意味でなく)

335 :名無しのオプ:2009/08/04(火) 17:36:23 ID:/Ea4ZYGo
雛見沢に菅野を放り込んだら……

336 :名無しのオプ:2009/08/04(火) 18:51:05 ID:5bdnyCdX
>>334
「にーにーとはなんだ!呪文か?
そんなもの僕だって云える。くわばらくわばら。
どうだ、参ったか!」
とか叱りそうな気もする

337 :名無しのオプ:2009/08/04(火) 20:00:31 ID:GI2kNuUd
そういやこの話っていつ起きた設定?
とりあえず本島くんいるし、邪魅・百器風の後であるのは確定か。

338 :名無しのオプ:2009/08/04(火) 20:47:30 ID:5bdnyCdX
>>337
もともとひぐらしとの間に30年の差があるんだし
こまけぇこたぁいいんだよ

339 :名無しのオプ:2009/08/04(火) 20:52:06 ID:GI2kNuUd
そういやそうだったかw
ひぐらしは80年代前半の設定だもんなぁ。
気にしたら負けかw

340 :名無しのオプ:2009/08/05(水) 14:48:09 ID:wMQp/H33
石燕の書いた後神を見て一つ気になることがある
海老反りになって左手は手の平を上に、右手は手の甲を上に向けると
(つまり常態で左手は手の甲が上、右手は手の平が上)
それぞれ親指は右を向くだろ
ところが石燕の絵では親指は左を向いている
ということは、この後神は左右の手が逆なんだよ
石燕がこんなミスするとは思えないし、たぶん意図的に逆なんだと思う
俺らが右手だと思っていた手は実は左手で左手だと思っていた手は右手なんだ
ここでこの後神は手が左右逆についていると考えるわけだけど、可能性はもう一つある
実はこの絵は海老反りになっているのではなく、腰をくの字に曲げて覗き込んでいる絵なんじゃないか

341 :名無しのオプ:2009/08/05(水) 15:01:41 ID:wMQp/H33
あとひっかかるのは「うしろ神は臆病神につきたる神也」の一文
臆病神とは臆病者や優柔不断な人間に取り憑く妖怪であって、人間じゃないんだ
そのままの意味でとればこれは妖怪に憑く妖怪ということになってしまう
ちなみに臆病神といえば震々の別名で、恐怖を感じた人間の首筋がぞっとするのは
この震々が人間の襟元に取り憑くためとある
構図で言えば人間の襟元に憑いた震々の後にいるのが後神、想像すると少し間抜けだな

342 :名無しのオプ:2009/08/05(水) 15:30:04 ID:wMQp/H33
>>175では「後神は足音など立てずさっさと後ろ髪を引くはずだ」としているが
そもそも後神が現れるときはまず目前に現れる。それがいなくなったと思ったら後にいる
足音とは違うが注意を引くという点では変わらない、というか姿を現している分
あとの行為が心情的な意味より驚かせることを目的にしているように感じる
後神と後ろ髪を関連付けて考えたのは村上健司氏(沼上さんのモデル)だけど
私的には後ろ髪に関連性はないとする水木御大の説を推したいね

まあ全部素人の考えたことなので話半分に聞いてくれれば

343 :名無しのオプ:2009/08/05(水) 16:10:44 ID:YlWye2We
リアル中禅寺さんですか?

344 :名無しのオプ:2009/08/05(水) 20:02:43 ID:9mrFNuVU
>>342
お前は大学で民俗学でも勉強してんの?

345 :名無しのオプ:2009/08/05(水) 21:08:43 ID:wMQp/H33
いや、>>342にもある通り浅学極まりないまったくの素人だw
今読み返すと結構無茶なこと言ってると思う
ただ左右の手云々は前から気になってたんだよな
考えたんだけど、後神って「うしろ上」なんじゃないかな
うしろ――つまり背中が上。絵で云うとやっぱり海老反りではなくて
屈んでる姿勢。着物は後ろ前に着てるのかな
まあこの場合顔の向きがありえないので無理があるか
ていうか妖怪話もここまで来るとスレチかも…あとは控えます

346 :名無しのオプ:2009/08/05(水) 21:14:46 ID:DZE4HB+9
いやこういう解釈の違いも作品に流用できると思わんか?
せっかく多々良センセイもいるんだし、
京極堂と妖怪談義させてもいいだろう。

あるいは後半で別の解釈を持たせ、
憑き物落としに流用することもできるんじゃないか。

347 :名無しのオプ:2009/08/06(木) 00:01:04 ID:O/0hk6A3
>>345
顔は後頭部に目があるんじゃなくて顔面が髪の毛に覆われてるようにも見える。貞子みたいに

348 :名無しのオプ:2009/08/06(木) 14:20:50 ID:E/Uf0N2V
>>347
そう見れば後神は後頭部に髪が生えていないことになるのかな
後ろ髪を引く妖怪に後ろ髪が無いって云うのは面白い解釈かもしれん

傘が裏返っているのも気になるな。骨の多い和傘って早々裏返らないと思うんだ
で、傘で気付いたんだけど和傘には蛇の目傘って云うのがある
蛇の目はそのままへびの目を象った模様、二重丸の中の丸を塗りつぶした図形だ
後神の頭頂部の一つ目は蛇の目なのかな

349 :名無しのオプ:2009/08/06(木) 18:20:13 ID:eB/dckDa
多々良センセイか君は!
まったく妖怪バカの多いスレだ!

350 :名無しのオプ:2009/08/06(木) 21:50:35 ID:FXYOqFp6
>>345
344だがお前の解釈素人にしてはすごいなって言いたかったんだが
どんどんこういうのやってくれよ
どうせ最初のスレ主旨とはかなり違ってきてるんだし
元々過疎スレでまだ半分も言ってないんだし
まったりこういう談義もまぜていこうぜ
なんかたまにリアル関口とか降臨して小説落としてくれるし

351 :名無しのオプ:2009/08/06(木) 21:58:08 ID:OnMwRljK
京極スレらしく妖怪談義もいいもんだ。

ってか意外とひぐらしと京極両方知ってる人多いのな。

352 :名無しのオプ:2009/08/09(日) 00:09:00 ID:jJhboH8K
初めて見たけど面白いなこれ

353 :名無しのオプ:2009/08/09(日) 08:59:49 ID:xhqQMyjz
雛見沢に又市さん達が仕事をした痕跡があるとかおもしろそう

354 :名無しのオプ:2009/08/10(月) 21:16:55 ID:sYKTuyI1
保守

355 :名無しのオプ:2009/08/11(火) 16:03:49 ID:mOEWOlZd
保守なのです

356 :名無しのオプ:2009/08/11(火) 22:40:09 ID:q9VsZcW1
保守なんていらねえww

357 :名無しのオプ:2009/08/13(木) 03:23:52 ID:LrrS7p6F
>>340-348を読んで、なんか俺も自分なりの解釈をしてみたい!
と思ったものの、この頭じゃ何も浮かばねぇ。
ので、無理矢理捻り出した俺なりの考え。


傘が裏返ってることについて。
(つーか俺はこのスレにある画像を一つも見れていないので、
傘が裏返ってるってのは>>348で知った)
傘の裏っ側が見えてる状態。
「裏=後ろ」
後ろが見えてる。
「うしろがみ=後ろが見」

さらに、臆病神の後ろに憑く妖怪ってんなら、
臆病神に憑かれてる人間のことを、臆病神の後ろから見てるんだろ?
人間からすりゃ、臆病神の後ろにいる奴が自分のことを見ている。
「後ろが見」ているってわけだ。


っつーわけで俺は「うしろがみ」のことを、「後神」「うしろ上」、そして「後ろが見」を掛けているものだと考える。

こじつけすぎだし、めちゃくちゃなのは自覚している。
だから言い逃げするぜ!

358 :名無しのオプ:2009/08/13(木) 03:49:58 ID:LrrS7p6F
言い逃げとか言っちゃったが、また思いついたので書く。
俺は「後神=後ろ髪」っていう考えは面白いと思うので、なんとか関連付けたい。
っつーわけでさらにこじつけ。


後神は臆病神に憑く。
>>176の天女を例に挙げさせてもらうが、
天女は子供を置いていく。
「子供を置いていって大丈夫だろうか」という不安、恐怖を抱え、臆病な気持ちになる。
天女が臆病神に憑かれる。
すると、その臆病神に後神が寄ってくる。
ってことは、臆病神ってのは「後神が惹かれる」存在。

ただこうなると、>>170の「人のうしろがみをひくといへり」が納得できない。
んで、これはもう完全に妄想だが、
後神が、良い妖怪っていうのはどうだろう。
臆病神にも「神」って付くよな?
つまり臆病神も、天女の後ろにいる神(=後ろ神)ということになる。
その臆病神を、後神が引っ張って天女から離す。
そうすることで、天女は臆病神から解放されるんだ。
これなら後神の行為が「人の後ろ神を引く」という意味で説明できないだろうか。

359 :名無しのオプ:2009/08/13(木) 17:28:17 ID:Vty+oWKS
おおおおおもしれええw
これこんだけいろいろ出てんだから
一つぐらい石燕が狙った思惑と合ってるかもな
当時もこうやって石燕の画集見て議論してたやつがいたんだろうなあ

360 :名無しのオプ:2009/08/13(木) 20:38:08 ID:Msx/fbum
説明も何もなく、絵だけが残されてる奴とかもあるもんな。
「わいら」とかがそうだけど。

361 :名無しのオプ:2009/08/13(木) 22:06:20 ID:7tnX2Z8l
>>360の言うとおり『畫圖百鬼夜行』は説明書きがないものがほとんだね
後神が載っている『今昔百鬼拾遺』については、創作が多いらしい
岸涯小僧という名前は創作の可能性があるように
後神も石燕オリジナルのものかもしれないなぁ。村上氏も創作だって言っているしね

言葉として解体していくと「うしろ」には「背中」「うしろ姿」「過去」という意味があり
またマイナーなものでは「舞台の後方で役者に台詞をつけたり着付けを直したりする者」という意味もある
さらに「前神」という言葉も存在するらしい。関係があるかはともかく
前神は2座以上を祭った神社で、主神を除いた他の神のこと
だからと言ってその主神を後神というわけではないみたいだしやっぱり無関係かな
言葉だけで解明するのは難しいな当然だけど

ていうか皆の石燕の絵の解釈を聞きたいな。俺もう見過ぎてよくわからん
ウィキペディアに大きい画像があるので良かったら

362 :名無しのオプ:2009/08/13(木) 23:08:53 ID:LrrS7p6F
>>361
ウィキ見てきた。
やっと後神の絵が見れたぜ……。

裏返しの傘、前後逆の着物、髪の生え方。
これらを見る限り、共通するのは
「逆」「さかさま」「後ろ」
って感じか。
後神が、木のうろ(?)から出てるのも気になるな。
「うしろ」と「うろ」って、似てるな。関係なさそうだけど。

363 :名無しのオプ:2009/08/13(木) 23:11:58 ID:LrrS7p6F
思いっきりsage忘れた……

364 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 00:04:33 ID:aPfRwrtg
>「うしろ」と「うろ」って、似てるな。関係なさそうだけど。

いや、これはちょっとした発見かもしれん
後神の体勢、反転した「し」に見えないか?
逆向きの「し」が「うろ」から出て「うしろ」とかどうだろう

365 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 01:10:18 ID:qGmckvIj
なんと知的好奇心の刺激されるスレよ

366 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 09:58:06 ID:7BFhDrs2
逆なんだよお。センセイはにやにやと気味の悪い笑みを浮かべた。
「何だよ、逆って」
「わからないのか沼上さん。後神だよ後神! この図に共通するのは――」

「さかさまだッ!」
「そう、逆さま――ん?」
突如割り込んできた男の声に、俺とセンセイの目がそちらへ向いた。
俺たちが座っているところの、通路を挟んだ隣のテエブルに三人の男たちが居た。
若い男が二人と――いやに綺麗な、人形のような顔をした男が一人。
若い男たちは困ったように綺麗な男を見ている。
「榎木津さん、いきなり何言い出すんですか。
 ああごめんなさいねそこの方たち、気にしなくて結構です」
若い男の一人、前髪が欝陶しい男が、俺たちを含む周囲の人間にに頭を下げた。
「へこへこするなマスカマ。さっき出会った女学生だよ。名前は何といったかな。
 まあいい、あれは逆さまのあべこべだ」
「あ、あべこべって」
もう一人の平凡な若い男が綺麗な男の言葉を繰り返す。
周りの目が気になるらしく、そわそわとあちこちに目をやる彼の声は、
少し抑え気味の小さいものだった。
そうやって、暗に綺麗な男に声を抑えるようにと示しているようだ。
どうやら――通じなかったようだが。
「何をぼそぼそしゃべッているンだ佐渡島君!
 君は猿か! 猿のようだぞ!」
猿はぼそぼそ喋らないだろうと思ったが、佐渡島とかいう平凡な男は嫌そうな顔をした。
前髪が欝陶しい男は、けけけと笑っている。
恐らく彼らにしか分からないことなのだろう。

367 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 09:59:07 ID:7BFhDrs2
俺はあの三人から目を逸らし、センセイに向き直った。
「で、後神が何ですって?」
しかし、センセイは未だに三人をじろじろ眺めていた。
舐めるように、という表現がひどく似合う目で、気持ちが悪い。
「おいセンセイ」
「沼上さん、こんな辺鄙な村にどうして彼らのような三人が来るのだと思う。
 僕らみたいにオヤシロ様目当てかな」
「地元の人じゃないの」
「違うだろう、これだけの村ならみんな顔見知りのはずだ。
 女学生、なんて表現はおかしい」
「センセイだって顔見知りの名前をなかなか覚えないだろ」
センセイが黙ってしまった。
うんうん唸っている。まるで牛の鳴き声にしか聞こえない。
みおんとしおんですか。
前髪が欝陶しい男が言う。
「そう、その女学生たちだ。
 あれは――」
逆なんだよ。綺麗な男はそりきり黙って寝転んだ。



すまん、勝手に書いてみた。

368 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 10:05:52 ID:7BFhDrs2
ああ、間違い……。

×逆なんだよ。綺麗な男はそりきり黙って寝転んだ。

○逆なんだよ。綺麗な男はそれきり黙って、その場に寝転んだ。


何か他にも誤字脱字ありそう。

369 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 10:09:36 ID:7AnBU+mB
乙!!
面白いな

370 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 16:42:17 ID:JuyHf8IW
ラスト3行でゾクッとした
やべーおもしれー

371 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 17:28:45 ID:JDavyi4z
乙!
でも榎さん達って多々良先生と面識無かったっけ?

372 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 18:17:19 ID:7BFhDrs2
>>371
そういえばそんな気が……。
手元に本がなくて確かめられない。
……こまけぇことはいいんだよ!



本当に申し訳ございません。

373 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 18:45:44 ID:qkChvePY
単行本で出てる限りでは面識はないはず

でもみおんとしおんが逆なのって
ミステリ的になんか意味あったの?

374 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 18:55:33 ID:7BFhDrs2
ミステリっつかひぐらし的に意味がある。

何にせよ俺は単なる思いつきで書いたんで、矛盾やら何やらが酷ければ無視してくれー

375 :名無しのオプ:2009/08/14(金) 22:40:59 ID:35bD/kwC
塗仏で中禅寺・関口・鳥ちゃんの3人と多々良先生は会ってるね。

ぬの人は確か百器でそれ以外の人と面識できたんじゃなかったかな。

376 :名無しのオプ:2009/08/15(土) 11:32:04 ID:z9lfU7EB
上でもちょっと言われてるけど、
京極シリーズって妖怪そのものの蘊蓄より、その背景にあるもの、
歴史とか口承とか、宗教とか自然科学の話の方が圧倒的に多いんだよね。

で、夏彦が言うには妖怪そのものの研究はできないってのね。
ある学問を突き詰めるとその妖怪に行き当たるかもしれないけど、
妖怪自体を研究しようとしても即行き詰まるらしい。
語ることが無くなるから。

民間伝承とか、その辺りを突っ込んで調べたら妖怪的なものが浮かび上がるのかもね。

377 :名無しのオプ:2009/08/15(土) 16:26:06 ID:HahCeuy5
妖怪そのものの定義が一定してないからな。

昔は、状況(コト)だったし、その内キャラクター(モノ)になったし。
水木氏の妖怪像にも影響されてるし。

小松和彦氏によれば、異人=妖怪=神でもあるらしいしね。


378 :名無しのオプ:2009/08/16(日) 09:06:16 ID:i49wXLQU
ひぐらしが出始めの頃は「京極っぽい」と言われたこともあったなあ。

裏に謎の組織が!
っていう超展開なんか、
案外京極とも馴染むんだなw
(まぁ塗仏で京極もやってるけど)

379 :名無しのオプ:2009/08/16(日) 09:44:00 ID:ukzJZD3Y
>>378
謎の組織は暴走した国家機関でした
っていうのはハリウッドのあるあるだけどな

380 :名無しのオプ:2009/08/19(水) 19:06:45 ID:Yob7D6k5
中学生に負ける特殊部隊だし、
榎さんたち相手だとボコボコにされるだろうなぁ。

381 :名無しのオプ:2009/08/19(水) 19:07:50 ID:b+Piksm/
>>380
小学生じゃなかったっけ?

382 :名無しのオプ:2009/08/20(木) 23:51:26 ID:7kP1Cqi2
>>381
梨花と沙都子は小学生で他の部活メンバーは中学生設定だった筈…

383 :名無しのオプ:2009/08/21(金) 02:52:55 ID:X130g3iY
―――――祭囃子のようだ、と思った。
何千もの蝉の声は夏の暑さを何倍にも増して感じさせるので不快になる。
否、蝉の生涯の短さ故に最期の悪足掻きと言わんばかりに鳴いている様子が不安にさせるのか。
土の中で未来を夢見る幼きものに見せ付けるかのように、あるいは嫉妬しているかのように喚く、騒ぐ、叫び続ける。
祭囃子が止んでしまえば祭は終わってしまうのだ。

夏の終わりは、祭の終わりは、なんだか物悲しい。

私は―――――
私は叫び続けていられたのだろうか。
それとも土の中で外の世界に憧れながら指をくわえて腐って死んでいるのだろうか。

いずれにせよ私の祭は幕を閉じたのだ。

いつの間にか蝉の声は止んでいた。

次の祭の準備のためだろうか、辺りは不自然に静かだが空気がざわついている。
私の祭は終わったはずなのにまた心がざわつく。


―――――嗚呼、蜩が鳴いている。

384 :名無しのオプ:2009/08/21(金) 03:02:16 ID:X130g3iY
素人臭くてスマソ。
じゃみで京極夏彦が全章の冒頭を死に纏わる言葉ではじめたように、各章のはじめにひぐらしのサブタイトルが入ってたらにやりとするなあと思って。

385 :名無しのオプ:2009/08/21(金) 13:02:43 ID:BAkHL2OE
いや全然素人臭くなんかないぞw

386 :名無しのオプ:2009/08/21(金) 13:06:13 ID:YeZ0LZFE
むしろプロいw
もっとやってくだちい

387 :名無しのオプ:2009/08/21(金) 13:25:53 ID:9iOLZtl0
いやプロくはないだろう

388 :名無しのオプ:2009/08/21(金) 14:38:48 ID:O+wFQAWQ
すげええええ
こういう冒頭で始められると誰の視点なのかが気にかかって
どんどん先読みたくなる

389 :名無しのオプ:2009/08/21(金) 20:02:19 ID:jHT9AEr+
一瞬、蜩が鯛に見えたのはナイショだ。

390 :名無しのオプ:2009/08/21(金) 20:22:48 ID:X130g3iY
――――罪滅ぼしなのですよ、と少女は云った。

「僕はずっと見て観ぬ振りを――しているのです。昔も、今も。きっとこれからも。だからきっと僕は死に続けるのです。ずっと。ずっと。」

可憐で幼けな容姿にも関わらず老婆と話をしている錯覚に陥る。

――だからこれは御仕置きなのです。と老婆のような少女が結んだ。

何もせずただ見て居ることが罪ならば私だってずっと見ていた。ただ見ていた。
――――何もせず。

「貴方だって殺されていくのをただ見られるのは厭でしょう。」

厭だ。
否、本当に厭なのだろうか。
置いてきぼりにされるのは寂しい。
寂しい。助けて。
厭だ、厭だ、厭だ。
嗚呼でも独りは―――楽だ。

391 :続き:2009/08/21(金) 21:10:19 ID:X130g3iY
私はわからない、と伝えると少女は激昂した。

―――馬鹿にするな
鬼の形相とは善く云ったものだ。

似合わない。入れ物と中身がちぐはぐだ。
まるで下手な声優が吹き替えた外国映画のようだとぼんやり思う。

ややあって少女が一息着く。
「余所見れば雛見澤は愚かしく、狂っているように見えるでしょう。しかし我々は田舎者だが阿呆じゃない。何人かの年寄りは外で暮らす方法を知っているのですよ―――誰ひとり行動に移さないし口外はしないですけれども」

一体何故。知っていたならば今頃―――今頃あの人は。私は。

「ここの村人は皆子供なのです。幼いのです。親離れ出来ていないのです。親鳥から離れた雛は生きていくのは難しいでしょう。巣立ち方を知っていてもまだ巣立てる程成長できていない。」

じりじりと太陽が肌を焦がす。
少女は汗ひとつ掻いていない。

「だから我々にオヤシロ様が憑いているのでなく、我々がオヤシロ様に憑いているのですよ。親子の情に理由がないように理なんてそこにはないのです。―――だから子を持たない者が親の気持ちを解せぬように、余所者には決して解せないのですよ。」


私はなんだか拒絶された気になる。
私も――私も仲間に入れてはくれぬだろうか。

すると少女は困ったような顔になり懇願した。

「憑物を落とさないで下さい。この村に憑いているものは僕の大切なものなのです。」

――お友達に伝えてください。

そう括ると老婆のような少女は林の中に消えた。

392 :名無しのオプ:2009/08/21(金) 21:28:38 ID:X130g3iY
>>383は入江視点、
>>390はりかと関口視点で書きました。
素人の同人感覚と思って許して下さいね。
蘊蓄が書けないので京極堂、多々良先生を書いてる人はすごいな!

ひぐらし読んだのかなり前なのでキャラが違ってたらごめんなさい。

393 :名無しのオプ:2009/08/21(金) 22:00:22 ID:jHT9AEr+
>>ID:X130g3iY
GJ!
何気にひぐらしキャラ視点で書いてる人は少なかったからありがたい。

つーか入江か、気付かなかった。

394 :名無しのオプ:2009/08/21(金) 23:39:39 ID:e3OCQeRj
>>392
俺は妖怪の蘊蓄なんか皆無だよ
全部wikipediaの情報
それを都合のいいところだけ抽出して組み換えて
京極や多々良先生に喋らせてるだけ

395 :名無しのオプ:2009/08/22(土) 01:41:21 ID:uxAyDDIh
>>393
入江は憑いたものが素直にすっきり落ちるんじゃないかなーと思って。
ひぐらしは子供の話だしその将来を案じる村人以外の大人はいるな、と思ったんだけどわかりづらいね。

>>394
蘊蓄を話に折り込んで各キャラクターの特徴を生かしてるのはすごいと思った!てか普通に京極作品を読んでる気分になったし続きが気になった。

でも皆の妖怪談議なり京極とひぐらしの接点だったりを読むのは愉しいね。

私は雛見澤(雛)に対しオヤシロ(親)という名前から村の名前が変わったことでどーたらこーたら考えてたけど文章にするのは難しいし伝えたいこと全然だったよ。

みおんの橋姫もどう絡ませるかわくわくするね。

396 :名無しのオプ:2009/08/22(土) 10:20:58 ID:J9VW39xa
>>390
これもいいわあ
ほんとに職人に恵まれたスレだな

397 :名無しのオプ:2009/08/23(日) 00:51:07 ID:Lowpd16b
おお、このスレまとめて全部読みたいな。最終的には雛見沢は滅亡して終わるのかな。

398 :名無しのオプ:2009/08/23(日) 01:21:01 ID:8C80tGVM
>>395
橋姫伝説に目明しと共通点があると言えなくもないんだよな

(橋姫)  夫を取られた公家の娘が相手の女に嫉妬、生きながら鬼女と化した後、
      女やその親戚縁者、終いには関係ない人間まで殺し始める 

(ひぐらし)圭一&魅音の仲に嫉妬、”鬼”と化した後、(以下略


後、宇治の橋姫神社に祀られてる瀬織津姫(せおりつひめ)は穢れを川や海に
流す女神ってのもなんか使えそうな気がする。
なんかこの女神伊勢神宮にも関わりがあるみたいだし。
    

399 :名無しのオプ:2009/08/23(日) 01:25:02 ID:GlScE+P+
なんかこのスレ凄いな・・・
全部読み返してみる。

400 :名無しのオプ:2009/08/23(日) 19:44:08 ID:NUTaI9aS
憑き物落としの対象がたくさんいて大変だなこりゃw

401 :名無しのオプ:2009/08/24(月) 02:01:00 ID:+OvDSAWL
>>398
そうするとどうにかして雛見沢と宇治か伊勢を関連付けたいね。
綿流しは伊勢神宮から来た云々って。

雛見沢は白川郷付近がモデルだし調べてないけどそこらになんかありそうと無責任に言ってみる。



なんとなく上に出てた話の大筋に肉をつけてみた

木場の管轄で一家惨殺事件が起こる→唯一の生き残りが雛見沢だのオヤシロだの言うけど意味不→雛見沢をよく知る大石に聞く→オヤシロ様が鍵となるが住民の話がよくわからない→京極堂へ

一家惨殺の事件で足音が余分に聞こえるオカルト現象と某村の呪われた祭についてカストリ誌→京極に聞く→関鳥取材で雛見沢へ

霰もない噂で全国から注目を浴び、村人は村八分が怖くて口にはしないが失踪について園崎が絡んでると疑う→園崎家、榎に依頼

402 :名無しのオプ:2009/08/24(月) 02:12:35 ID:+OvDSAWL
今川→公由家になんかを鑑定→こういうのは中禅寺さんの管轄なのです→京極

朱美→生家の恩人だがなんだかが雛見沢付近に越す。旦那が岐阜あたりに今いるようだし待つ間にでも尋ねてみっか。→園崎に捕まる

多々良先生のくだりは詳しく書いてるし、こんな感じならはじめられるかと妄想した。
不備が沢山あるけど

403 :名無しのオプ:2009/08/24(月) 05:28:10 ID:XUXfkBXM
京極大忙しだなw
それだけ引っ張り出そうとする奴がいれば
尻も重たくなるってもんだ

404 :名無しのオプ:2009/08/24(月) 12:22:22 ID:GhLDJAoK
それだけ多いとラストに一回の憑き物落としでは無理だなw
鉄鼠みたいに中盤で何人かは落とした方がいいかも。

405 :名無しのオプ:2009/08/24(月) 14:00:46 ID:Bzw1IHrf
蛇足だが後神はどうも岡山に関係がありそう
水木御大が後神の目撃談として岡山での話を挙げているし
どうやら「後神」と書いて「ごかん」と読む姓の人が多いのも岡山らしい
もしかしたら泥田坊同様、後神は実在の人物を示したものなのかも

406 :名無しのオプ:2009/08/24(月) 14:19:10 ID:+OvDSAWL
>>405
後神の目撃談kwsk

木場はスレの前の方に多々良先生と出会ってる書き込みがあるし、オヤシロ様については多々良先生の協力を仰ぐ方がいいかもね。

407 :名無しのオプ:2009/08/24(月) 15:39:47 ID:Bzw1IHrf
>>406
妖怪漫画家・水木しげるは「後ろ髪」と「後神」とは関連性のないものとし
岡山県津山地方に後神が現れた話を述べている。それによれば
臆病な女が夜道を歩いていたところ、突然現れた後神がその女の束ねた髪を
くしゃくしゃに乱し、火のように熱い息を吹きかけたという
また、風を起こして傘を飛ばしたりして驚かしたり
冷たい手や熱い物を首筋につけたりするものともいう

wikiより

408 :名無しのオプ:2009/08/24(月) 18:16:09 ID:BVgyZLzo
京極堂は高野一二三と面識があり、雛見沢症候群を知っているため関わらないように警告するとか

409 :名無しのオプ:2009/08/24(月) 18:35:46 ID:lUEs/JBX
研究者時代の知り合い?>>一二三
美馬坂や堂島とも面識あった設定にすると色々繋がってくるか。

410 :名無しのオプ:2009/08/24(月) 23:03:51 ID:BVgyZLzo
雛見沢症候群の研究を大佐が放っておくとは思えない。

411 :名無しのオプ:2009/08/25(火) 01:59:52 ID:YApyQmy8
>>408
匣の時と違って、知ってる人間が全ての元凶で
その真相もすぐ看破できるだろうから
最初から京極が症候群を知ってる設定だと
全部知ってて動かない榎木津並に胸糞悪い

412 :名無しのオプ:2009/08/25(火) 09:30:36 ID:JEYU77T2
同じ研究チームだと名前は知っているが面識はないし、鷹野は一二三と関係があることを隠して改名してたから、
一二三がある特定の地域にあるウイルスについて研究していることは知っていてもその地域が雛見沢で鷹野が一二三の養女ということは知らない、でいいんじゃないかな。

>>407
ありがとう。Wikiに乗ってたことか。
林真理子だったかな。江戸時代に女性の髪をばっさり切る凶行(それは妖怪というか曖昧にお化けという感じだったと思う)が流行ったっていう話があったから昔から後ろから髪に悪戯することはよくあったのかもしれないね。

413 :名無しのオプ:2009/08/26(水) 16:42:12 ID:4xboORQ3
水木御大は良くも悪くも発言力がでかいから、
伝承や文献といった裏付けが無い言説もあるので注意。

414 :名無しのオプ:2009/08/26(水) 17:05:28 ID:57+icy1D
ひぐらしの檻
おやしろの夏
綿流しの宴
けいおんの澪
ギー太の恋


415 :名無しのオプ:2009/08/26(水) 17:19:33 ID:wPosARSJ
中禅寺「父さん、僕の顔をお食べ」

416 :名無しのオプ:2009/08/26(水) 17:29:44 ID:/XyYTrDH
>>414
おい途中から関係ないの混じってんぞ
>>415
なwwwぜwwwwww

417 :名無しのオプ:2009/08/28(金) 00:19:46 ID:K6NbS7VQ
久しぶりに来たら、すごいことになってんのねw
ってゆうか、ここの職人さん達、今度立ち上げるコンビニ本で書いてくんねーかなー。
許可さえとれれば絶対面白いと思うんだけどね。


418 :名無しのオプ:2009/08/28(金) 22:11:52 ID:T1xqMfyX
京極側・ひぐらし側、双方これだけ登場人物がいても、
キャラが被ってる奴がほとんどいないってのもすごい話だなw

ああ口調が被ってる奴ならいるか・・・。
(マチコと梨花と羽入)

419 :名無しのオプ:2009/08/28(金) 22:19:43 ID:jIek3uSl
>>418
作者の精神年齢が違うからな

420 :名無しのオプ:2009/08/29(土) 00:17:27 ID:hYW+YWX1
竜騎士は良くも悪くも同人的だからね

421 :名無しのオプ:2009/08/29(土) 12:57:31 ID:s7zO3QVO
京極のキャラもかなりキャッチ―だとは思うんだが

422 :名無しのオプ:2009/08/29(土) 13:07:59 ID:hANnO5N7
分厚いラノベみたいだもんな

423 :名無しのオプ:2009/08/30(日) 00:03:10 ID:uY3lDjI7
すべては決まっていることなのです――少女は静にそう告げた。
山深い寒村で起こる、毎年一人が死に一人が消える祟り。
疑心に駆られ、鬼に魅入られる物達。
誘われるように雛見沢村を訪れる文士・関口、探偵・榎木津等に迫る事件の跫。村に潜む憑き物を、京極堂は落とす事ができるのか?



人か、祟りか、偶然か――。
京極堂、蜩の鳴く村へ。

424 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:24:59 ID:2djbnKoT
うめぇなw

425 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 18:43:39 ID:xnslWg15
>>423
GJ

426 :名無しのオプ:2009/08/30(日) 22:43:15 ID:UFjePwJE
>>423
読みたくなるなるw

しかしここの職人達みんなクオリティ高くて
ワクワクするわ

427 :名無しのオプ:2009/08/31(月) 09:54:56 ID:6r0hzSkN
>>413
邪魅と魍魎のビジュアルが逆なのは何か意味あんのかねぇ。

ttp://f.hatena.ne.jp/images/fotolife/g/ggg_mik/20071008/20071008194927.jpg

428 :名無しのオプ:2009/08/31(月) 18:37:32 ID:q1kIsMNU
>427
それ水木先生が「間違えた」とか言ってなかったっけ

429 :名無しのオプ:2009/09/03(木) 07:17:22 ID:hNfBdHYo
>>428
間違えたのかw
石燕の絵なんかにもそういうのあるかもなあ
歴史的に重要視されてる文献の中にも書き間違いで意味が
全く違ってるものってけっこうあるし

430 :名無しのオプ:2009/09/03(木) 07:54:36 ID:qHauHLe2
石燕は創作妖怪も多かったはず。

431 :名無しのオプ:2009/09/03(木) 21:41:29 ID:pgPO2f/m
         _,,.. -──-- 、.,_/⌒ヽ        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ,.::'"´::::::::::::::::::::::::::::::_;:,! i  ノ'-、     /. 何. 道. あ .大
    /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i´ _,ゝ+‐'- _ノ     |.   と. 端. な .丈
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::[_'ーァ' |`ヽ ),     |.   も. の. た 夫
   ,':::::::::;::::::::::::::/|::::::::::::::::::::;:::::!、__,ハ、_ノ、_,.>.    |.  .思. 石 の で
   |:::::::;'::::::::/_/__|:::::/´|:::::::ハ:::::::';:::::::::::';::::|.〉     |   っ. こ 存 す
   |:::::::|::::::/|:/__ |:::/  |::::/‐!-:::::i::::::::::::|:::|.     .|.   て. ろ. 在 よ
   レ、__|ハ_| ' ̄`ヽ'   レ',.==、/|:::/|:::::|:::|.     .|.   い. の な
    |:::::::|:|""          `i/:::|_ハ|:::|....    |.   ま  よ ん
    |::::::从      '     "",ハ|::::|ノ::::::|.     .|.   せ. う. て
   ノ::::/|:::|ヽ、  「 ̄`i   ,/::::|::::|::::::i::::',.   <.   .ん に
  ∠、:::::|:::|へ|`ヽ、.,__‐'_,,. イ/::::/|:::|::::::ハ::::|..    .|.   か 誰
    レヘ、|_,>イ  |  /`レ'、/:;ハイ::::|/      ',   ら  も
       ,..‐''/ .|  |/  /  /`' 、ハ'"      ヽ、
     /_,r/  |/  /   /_  とヽ.         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   〈Y (_,イ  /  /   Y___)    ',
   _ハ.',  |. / /      |       |
 ,.r''"ヽア`r」、__/____    ___!  ,.-、  |
/ 、 ヽ._|、ノキ (><) ̄´ュ7  ヽ-'   ',
 、 ヽ,.イヘ〉、へ、.,________,,.ァ'"-‐ 、_    ノ-‐ァ、
:アー'´:::| ヽ!ー'^ヽ-ヘ-/_)        /|:::::/7


432 :名無しのオプ:2009/09/06(日) 18:40:41 ID:OW8Jzqye
ほしゅ

433 :名無しのオプ:2009/09/07(月) 03:16:23 ID:HlBvLJW3
おいおい、久しぶりに来てみたらなんだこの魑魅魍魎どもは
いいぞもっとやれ

434 :名無しのオプ:2009/09/09(水) 02:49:06 ID:86s7zs9I
ほしゅ

435 :名無しのオプ:2009/09/12(土) 01:21:04 ID:Ejt3q6/o
ほしゅ

436 :名無しのオプ:2009/09/12(土) 02:13:21 ID:sp+H+EYI
普段どこの板にいるのか知らんが
ミス板じゃ数ヶ月は保守なんて必要ない

437 :名無しのオプ:2009/09/24(木) 23:42:33 ID:N71LL6w7
保守必要ないってレスがついてから
とんと進まなくなったな
やっぱり神職人が投下してくれて初めて機能してるのか…
俺も文章力があればなんか貢献したいんだがなあ

438 :名無しのオプ:2009/09/26(土) 23:40:38 ID:jDppWmD8
―――初めに―――

この物語は以下の作品を用いた2次創作です

京極夏彦著 「京極堂シリーズ」
竜騎士07作「ひぐらしのなく頃に」

そして以下の作品の概要や真相に触れています、ご了承ください

京極夏彦著 「姑獲鳥の夏」
竜騎士07作「ひぐらしのなく頃に」

また、文中の誤字・脱字・言葉の誤用・文法的な誤りなどは仕様もとい、指向です
決して、推敲の不足や文章力の欠如等によるものではございません、重ねてご了承ください

439 :名無しのオプ:2009/09/26(土) 23:43:30 ID:jDppWmD8
我はオヤシロさま。
我こそはオヤシロさまの祟り。
我を祟めよ、讃えよ、そして畏れよ。
我が紡ぐは祟りにあらず、死にあらず。

我が紡ぐは歴史なり。
歴史は祟りを語り、我が存在を
永劫に語り伝えるであろう。

我こそは祟りなり、
肉で出来た身を超越し者なり。
この身が例え朽ち果てようとも、
我が紡ぎし歴史は
永遠に残り続けるであろう。


「ひぐらしのなく頃に」より

440 :名無しのオプ:2009/09/26(土) 23:45:42 ID:jDppWmD8
目覚めた、目覚めてしまった。
目が覚めなければよかったのに――少し思う。

けれど、今日も陽(よう)として日は昇り、陰として月は沈む。

今日はいつ? 歳を取ると月日の早さに目がくらんでしまう。

時刻は平等ではない、そう思う。
5歳にとっての1年は人生の5分の1である。
50歳にとっての1年は人生の50分の1である。
生きれば生きるほど、速度が早くなる。

まるで、同じ事を何度も繰り返しているように。

今日、目にする陽と、昨日の陽は何かが違うのだろうか?
去年の今の陽と、今年の陽は何かが違うのだろうか?

今日はいつ? 昨日? 明日? それとも?

ただ、それでも、時刻は刻刻と過ぎていく。

何かが泣いている、鳴いている、啼いている。

ああ、あれは・・・せみ?・・・ひぐらし?・・・とり?・・・とり!?

441 :名無しのオプ:2009/09/26(土) 23:47:58 ID:jDppWmD8
「鳥!!」
 思わず叫んでしまった。
「何ですか先生!、いきなり!!」

 ここは・・・夕暮れに染まった世界のどこに自分がいるのか、わかるまで一刻かかった。

「寝ぼけたんですか、僕は鳥ではなく鳥口ですよ」
 ごめん――そう答えて、私は私を取り戻す。
「もうすぐ雛見沢につきますよ」
 時刻は4時を大きく過ぎていた、朝の8時前に出たのだから8時間以上も過ぎている。
5・6時間で着くと予定だったはずだが、思ったよりも時間を喰ってしまったようだ。
私は窓を大きく開けた、東京とは違う匂いがする。

ああ、ひぐらしが鳴いている。


「後神の刻(とき)」〜神降ろし編(出題編)〜

442 :名無しのオプ:2009/09/26(土) 23:49:58 ID:jDppWmD8
六月十六日(木)

「ご免ください、ご免ください」
 無粋な声によって私の静寂は打ち砕かれた、あの声は多分鳥口だろう。
鳥口は所謂(いわゆる)カストリ誌の「月刊實録犯罪」の編集者である。
私は文筆業で身を立てようと、志を立てたのだが、
何箇月もかかって面白くもない短編小説を送り出しているようでは、今のご時世生活ができない。
とはいえ、私のような人間に他の商売など最初(はな)からできないわけで、
已む(やむ)を得ず、小説以外の雑文の執筆を引き受けざるを得ない羽目なのである。
確か、原稿の依頼を受けていたのだが、あの締め切りはいつだったろうか?
今日・・または昨日か・・・だが一枚も書いてはいなかった。

 ここ3日ぐらい持病の鬱を再発してしまい寝込んでいたのだ。
私は学生時代に神経衰弱に陥り鬱病と診断されている。
鬱病は治らない病気ではない、だが再発しない病気でもないのだ。
なぜ再発したのかは―――――だがこうなってしまった以上仕方がないのだ。
妻には夏風邪と言い張った、妻も心得ているらしく詮索はしないでくれた。

 この3日間私の家は水を打ったように静かだった、静寂はいい。
結局私は思考を停止している。
あの日私が妻に何を言ったのか、何を忘れているのか、そんな事はどうでもよくなっている。
 私において日常を生きるというかとは何も考えないという事と同義であるようである。
考えるのを止めれば、大方の日常は平穏で生暖かく心地がよいのである。
 進歩がない事は素晴らしい事だ。
そう思うと、まるで膜が一枚剥がれたように、世間が明るく思えてきた。
これでいつものつまらない日常に戻る事ができる。
そう思った
その時―――「ご免ください、ご免ください」―――私の静寂は打ち砕かれた。

443 :名無しのオプ:2009/09/26(土) 23:51:44 ID:jDppWmD8
それでも―――
 私は襖を閉めて蒲団を被った、会いたくなかった、
原稿を書けなかった言い訳するのが辛かった。
 そんな私の様子を察して、妻が玄関に向かう。
 蒲団を被っていると妻の声が聞こえる。
 多分私の状態を説明しているのであろう。
私は蒲団を被ったまま、客が帰るのを凝乎(じつ)と待った。
しかし―――客は帰らなかった。
 どたどた言う跫音が聞こえて襖がすらりと開いた。

「何だ先生――困ったな」
 鳥口守彦(とりぐちもりひこ)は私の隣に座った。
「聞きましたよ、奥方から、夏風邪ですか、大変ですな、
 ところで先生締め切りてのは、いつだったか覚えてますか?」
 鳥口は巫山戯たように聞いてきた、答えられない私は鳥口に背を向けたまま狸眠りを決め込んだ。

「わっはっはっは、先生やめてください、いいんですよ、暫くうちの本は出ないですから」
「出ない?」
声が掠れた。
「引っ掛かりましたね、起きてるじゃないですか」
「う、嘘か」
 ところが嘘じゃありません、鳥口は眉をへの字にして神妙な顔をつくったような顔をして
「――ネタがなくて、雑誌が発行できないんですよ、うちは猟奇事件一辺倒ですから」
「――そうか、なら書かなくていいのか」
私は胸をなで下ろした、
「しかし、雑誌が出ないなら原稿は不要だろ」
「廃刊になった訳じゃないんですよ」
鳥口は憮然とした顔で発売の目途が立たないだけですと云った。
「同じ事じゃないか」
「違います、お稲荷さんと狐憑きぐらい違います」
どういう比喩なんだろう、私は思わず失笑した、鳥口はにやにやしている。

444 :名無しのオプ:2009/09/26(土) 23:55:34 ID:jDppWmD8
 そこに妻が茶を持ってきた。妻はちらりと鳥口を見た。
――なるほど
 私は鳥口のような、調子のいい男に引きずられる癖がある、これは妻なりの治療法なのだ。
妻は私が茶を飲み終わるのを待って買い物に行ってきます、と出て行った。
この3日間家を空ける事ができなかったのであろう。
妻がいなくなるといっそう鳥口はにやにやした。
「何だ――気持ちが悪い」
「いや――寛い(くつろい)だんですな」
「君は最初から寛いでいるじゃないか」
人の気も知らないで
私は照れ隠しで精一杯虚勢を張った。
「ああ――君の寛いだ顔を見ていたら、緊張が抜けて、夏風邪まで一緒に飛んでいったよ」
「うへえ。夏風邪は何とかしかひかないとも云いますもんね。おっと失礼。
 ――それより先生いけませんよ。生意気なような事を云うようですが」
「いけない?」
「奥さん泣かすようなことしたンじゃないですか?奥さん、ありゃだいぶ疲れてますぜ」
「そんなこと――」
していないと――と云うのを私は口の中で噛み砕き、飲み込んだ。
確かに私はある意味では最低の配偶者だと思う。
 妻は疲れているだろう。
「ま、先生のことだから浮気や博打ってこたァないでしょうが――どうもねェ」
「いくら夫婦でも、ひとつ屋根の下で朝から晩までずうっと一緒にいるってェのはどうなんですかね。
 そりゃ先生も気が鬱ぐ(ふさぐ)でしょうが、奥さんだって――」
「解っているよ」
 取材にでも出りゃいいんですよ、と鳥口は云った。
「取材って――」
「いいじゃないですか、小説でも取材は必要でしょ。犬も歩けば打たれまいと云うじゃないですか」

445 :名無しのオプ:2009/09/26(土) 23:56:45 ID:jDppWmD8
「だからって――僕の小説は」
「ですから――そう、うちの記事の取材してくださいよ。気晴らしになりますよ、陰惨だし。
 兎に角、その、締め切りは延びただけでですね――」
「しかし――君の依頼は海外ネタじゃないか」
「そこはそれですよ」
「どれなんだよ。まあ確かに僕は僕なりに考えたんだが、どうもね、海外の猟奇事件の記事なんかを
書くのは――僕には無理のようだよ。今回もそれで根を詰めて躰を壊したのだから」
「根を詰めたってほど、升目は埋まってないようですがね――」
 鳥口は伸び上がって文机(ふづくえ)を覗き込んだ。
「――何枚書いたんです?」
 一枚も書いていなかった。
 悪かったよ―――私はぞんざいに云った。
 困ったなあと鳥口は腕を組む。
「―――そうだ先生、明日から僕は取材旅行に行くんですけど,
一緒に行きませんか?気分転換にもなるでしょうし」
「取材旅行?一体どこに行くんだい?」
 鳥口が取材に行くところなんかは、犯罪現場に決まっているのだが。
「いやぁ、変な手紙が届きましてね、雛見沢っていう美濃じゃなくて岐阜の方の寒村らしいですけど、
 空気が美味くていいところですよ」
「鳥口君、君はそこに行った事がないだろう?」
 うへえ、鳥口は云い――ま、田舎の空気は美味いに決まってますよと笑った。
「どうです先生、行きませんか、旅費はこちらが持ちますから」
 気を付かせていると思った。――鳥口にも――妻にも、私は少し逡巡し、
―――よろしく頼むよ、と答えた。
「本当ですね先生、本当は1人で取材に行くのが心細かったんですよ」
鳥口はうそぶいた、――私に気を付かわせないためだろうか?――考え過ぎか?
「ところで鳥口君、その変な手紙ってのは、どんな内容なんだい?
『實録犯罪』の記者が取材に行くような事件なのかい?」
それが・・変な手紙でして、と前置きをして鳥口は鞄をまさぐり1通の手紙を見せた。

446 :TIPS「月刊實録犯罪 編集部 御中」:2009/09/26(土) 23:58:30 ID:jDppWmD8
4年前の綿流し祭の日にダム現場の監督が殺されました
3年前の綿流し祭の日にダム反対派の住民が殺されました
2年前の綿流し祭の日に神社の神主が殺されました
1年前の綿流し祭の日に2年目の被害者の親戚が殺されました

そして今年は私が殺されます

これは、計画殺人? それともオヤシロ様の祟り?

OO県 鹿骨市 雛見沢

447 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 00:00:37 ID:7cYTUVHA
六月十七日(金)

「タツさん、タツさん、起きてください」
 妻の・・雪絵の声だ、妻は2人の時は私の事をそう呼ぶ。
私は頭を振り時計を見る、7時半前、鳥口は8時前には向かえに来ると云っていた。
いつも昼近くまで自堕落に寝ている為か、頭が重かった。
鳥口が来たのは事実8時前だった、妻から旅行道具一式を受け取り、私たち2人は車を走らせた。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「もうすぐ雛見沢につきますよ」
 時刻は4時を大きく過ぎていた、朝の8時前に出たのだから8時間以上も過ぎている。
5・6時間で着くと予定だったはずだが、思ったよりも時間を喰ってしまったようだ。
私は窓を大きく開けた、東京とは違う匂いがする。
「思ったよりも遅くなっちゃいましたね、今日は取材は無理ですかね――先生が居眠りするからだ」
「誰のせいだよ、いきなり東北に向かって走り出そうとしたり、同じところをぐるぐる回ったり」
鳥口のただ1人の上司、妹尾氏の云っていた通り、
鳥口には目的地に行くという能力が欠如しているようだった。
「うへえ、まあ、今日は下見という事で取材は明日からにしましょう、
 ああ、ちょうどいいあれが多分古手神社ですね、今日はあそこを下見しておきましょう」
鳥口は車を路肩に止めた。

448 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 00:03:32 ID:7cYTUVHA
 あれが古手神社、端から見ているうちは普通の神社のようだが。
鳥口はカメラを持ち出し俯瞰の写真を撮っている。
鳥口は元々カメラマン志望があり、雑誌の写真は全て自分で撮っているらしい。
幾段かの階段を上がり、鳥居をくぐる
そういえば、友人によると、鳥居とは外の世界と内の世界の境を示すものらしい。
その中の世界の中央、もう一つの鳥居の奥に本堂がある。
左手には別の棟があり、右手にはかなりの敷地の境内がある。
「先生、1人で先に行っちゃうなんて酷いじゃないですか」
鳥口が追いついてきた。
――こうして見ると普通の神社ですね、鳥口は私と同じ感想を述べた。
この2人で来たのは間違いだったのかもしれない。
「こんなのどかな所で、今年も事件が起こるのかな」
「ま、起こってくれれば大スクープなんですけどね」
鳥口によると―3年目の事件までは裏付けが取れたらしい。
けれども4年目の事件は何も報道されていなかったようだ。
「そんな、不謹慎な考え方の君が被害者にならない事を祈るよ」
「うへえ、死人に口なしですか、先生」

そんな馬鹿な事を話しながら境内を後ろに回ってみた。
少し歩くと視界が開けて、村全体が見渡せる所にでた。この神社は村の中で高台に位置しているようだ。
――うへえ、こりゃ凄いや、鳥口がファインダーを覗く。
夕日に照らされて、輝いている古風な住居と田園地帯はまさに一枚の絵のようだ。
思わず言葉を無くし、鳥口のシャッター音だけが響いていた。
その時―――後ろから跫音(あしおと)が聞こえてきた。

―――振り向くとそこには1人の少女がいた。

少女は微笑みかけた―――この顔を私はどこかで見ている―――
いつだろう――いつだろうか――

449 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 00:05:44 ID:jDppWmD8
「ここは私有地なんですよ」
少し幼さが残った声が聞こえた。
「うへえ、すみません、実は僕たちは雛見沢の取材に来てまして」
「そうなのですか、お仕事なのですか」
「こっちは作家の関口先生で、僕は――」
鳥口と少女の会話が頭の上を滑っていく、やはり私は彼女に会った事がある。

――白いブラウス。黒い色のスカート。そこから覗いている2本の白い脛。――

「せっかくだから、一緒に遊びたかったのです」

――うふふ。

――あそびましょう。

夕日が世界を赤く染めている、赤く、赤く、赤く・・・




私は意識を失った。




450 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 00:08:59 ID:7cYTUVHA
目が覚めた、目が覚めてしまった。
目の前には白い天井がある・・・ここは・・・
辺りを見回すと病院のベッドの上のようだ。
腕に違和感を感じる、腕から線がでている、その線は上の液体に繋がり

「気が付きましたか」
白衣を着た眼鏡の優男風の男性がカーテンを開けた
「ダメですよ、きちんと食事していますか?」
――はぁ、そういえばここ3日ほど、きちんと食事をしていなかった。
「旅疲れってヤツですかね、気を付けないと」
男は入江と名乗った、年は30代中盤ぐらいだろう、風袋のせいかもっと若く見えるが。
――はぁ、私の気の抜けた顔を見て入江は軽く笑った。
――30分ぐらいで点滴が抜けますから、と云い入江は出て行き、入れ替わりに鳥口がやってきた。
「先生、吃驚するじゃ、ないですかいきなり倒れて、これじゃ命がいくらあっても足りませんよ」
――はぁ、私の気の抜けた顔を見て鳥口は大きなため息をついた。
「栄養失調らしいですけど、大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫、ちょっと目眩がしただけだよ」
――後、30分ぐらいで点滴が抜けるらしい、と告げると――飲み物でも買ってきますと出て行った。
小1時間後病院を出た、ここの名前は入江診療所というらしい、
外から見てみると寒村の診療所としてはかなり立派だった。

451 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 00:10:13 ID:7cYTUVHA
宿泊所は雛見沢から車で15分ほどの興宮(おきのみや)という隣町らしい。
鳥口によると雛見沢には宿泊施設がないとの事である。

「何か精のつくものを食べていきましょう」
時刻はもう8時近くだったが点滴のおかげか食欲は無かった。
――食欲が無くても、食べなきゃダメですよ、鳥口は車を駅前の食事処に止めた。

――うへえ、うへえ、先生、うへえ、
中に入ると、鳥口は得意の感嘆符をなぜか連呼していたが、私の頭には入ってこなかった。
私は、彼女の事を――少女の事を考えていた。
私は彼女と会った事がある。それは間違いないと思う。それはいつだろうか?
自分の意識を探るのだが、見つからない。
いや正確には、あるのだが、開ける事ができない。

・・・檻・・・・いや汲ゥ、
存在は認知できても中身が認識できない、鍵のかかった求E・・
これは開けてはいけないものなのだろうか?

遠くで鳥口の感嘆符が聞こえていた。

452 :TIPS「見慣れぬ顔」:2009/09/27(日) 00:13:15 ID:7cYTUVHA
「あれは一体誰なの?見た事無い顔よ」
「あうあう、多分観光客の人なのですよ、最近はお祭りも賑やかですから」
「観光客・・・そう・・・確かにそうかもね、でもあの人はなぜあんな風になったのかしら」
「僕には解らないのですよ、梨花」
「もしかして、あなたが見えたんじゃないの?」
「僕は梨花にしか見えないんですよ」
「じゃあ、あの人は何を見たの?」
「あぅあぅあぅ」

まあ、どうでもいいか、この世界はもう・・・
でも、変な顔だった、関口に、富竹3号か・・・

453 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 00:57:30 ID:7cYTUVHA
六月十八日(土)

――
―――
――――
―――――
――――
―――
――


――――――――騒々しい騒音によって目が覚めた、受話器を取る。

――先生、いつまで寝てるんですか。
――それとも調子が悪いんですか?
そんな事はないよと答えて、覚醒する。時刻は8時半だ。
――早く降りてきてくださいよ、待ちきれなくて朝飯食べてますよ。

 付属の食堂で鳥口は定食をがつがつと食べていた。
「先生、こっちですよ」
鳥口が立ち上がって手を挙げる。
「早起きだな、君は」
「先生が遅いんですよ、早起きは3円の得ですよ」
「いつもは、自堕落な生活をしているからね、朝は辛いよ」
「ダメですよ、体あっての物種って云うじゃないですか」
鳥口は巫山戯て(ふざけて)答え、一生懸命食事を取るのに戻った。
私は食欲がなかったので熱いお茶を貰った。
鳥口は綺麗に食事を平らげた。

454 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 00:58:32 ID:smlSTJme

とんでもなくwktkするが、完結させようと思うと超大作になるなwww

455 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 00:59:29 ID:7cYTUVHA
「さて、先生どうしますか?、僕は今日2年目の事件が起こった自然公園を見に行くつもりですけど・・」
 鳥口は人心地ついたのか、お茶を啜りながら聞いてきた。
ここから1時間ぐらいの所にその公園はあるらしい。
だが当然、1時間で着くはずもなく往復だとかなりの時間車に乗る事になる。
「あんまり、気乗りしないね。体調も悪いし・・・」
「そうですか――それじゃ、僕1人で行ってきますか、
 先生は雛見沢の観光でもしていてください、午後からそっちに戻りますから」

――そうさせて貰うよ、と答えると。
――じゃあ早く出発しましょう、光陰あざなえる縄のごとしですよ。

鳥口は何故必ず間違った慣用句を使うのだろうか?――よく解らなかった。

――ガタガタ――ガタガタ――ガタガタ――
 道路が舗装されていない道に入った。
宿泊所がある興宮から雛見沢までは車で15分ほどだ。
話によると、バスなどの公共機関は無いそうだ。
――住むとなったら大変だろうな。
――だが住めば錦ですよ。
――・・・

456 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 01:01:43 ID:7cYTUVHA
 村の真ん中ぐらいで降ろしてもらう。
「先生これ、持っていってください」
そう云って鳥口は握り飯と水筒を渡してきた。
先ほどの食堂で作ってもらってきたらしい。
「ちゃんと食べないと、また倒れられたらこっちが困りますからね」
ありがとうと答えると、鳥口は嬉しそうに笑った。
――待ち合わせは夕方に古出神社でお願いします。
そう言い残して鳥口は去っていった。

 さてどうしようか、日はまだ低く時間はたっぷりある。
私は特に目的地も決めずにトボトボと歩き出した。
初夏の青空に澄んだ空気、遠くには蝉の声が聞こえる。
いくら私が偏屈な人間でも多少心が明るくなる。
下手に別れる道に入ってみた、何となく川の近くに行ってみたかった。
川原まで降りるとそこは最高の景観だった。

・・・東京とは違うな。

木陰に入って季節はずれの夏の太陽から身を隠し、木洩れ日を満喫する。
鳥口から渡された、握り飯を頬張る。

・・・とても美味い。

・・・

・・・来てよかった。

・・・

・・・

・・・

457 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 01:02:44 ID:7cYTUVHA
――
―――
――――
―――――ご
――――ご免
―――ご免な
――ご免なさ
―ご免なさい
ごめんなさい

誰かが・・・謝っている。
誰だ?・・誰が?・・誰に?

ご免なさい
ご免なさい
ご免なさい

誰かが・・・謝っている、それも泣きながら。

もう許してあげればいいのに、こんなに必死に謝っているんだから。

ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい

誰かが・・・謝っている。




458 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 01:04:12 ID:7cYTUVHA
 目が覚めた、目が覚めてしまった。
川のせせらぎが聞こえる――頭を2、3度振る――
夢か・・あれは・・・そう・・・だろう・・・
変な格好でうたた寝をしたから、悪い夢を見たのか。
太陽は天辺(てっぺん)を過ぎた辺りにあった。
折角だから村の観光をしようと、私は立ち上がった。

 何の気なし小径を歩いていると、拓けた所に出た。
まるで私の小説のように、中途までが更地にされている。
どうやら鳥口が云っていた、中止になったダム計画の跡地だろう。
それを横目で見ながらさらに側道を上に進む、するとその脇に塵(ゴミ)の山が在った。
不法投棄されたのだろう。周りの自然とその不自然さの非現実感は何とも云いがたい物があった。

――カシャ、後ろの方で物音と人の気配がした。
振り向くとそこにはカメラを持った、青年がいた。
私の驚いた表情を見て彼は――すみません、と謝った。
「僕は富竹と云います、フリーのカメラマンをしてます。あまりに絵になっていたものでつい――」
――それは、私の顔が猿に似ているという事に対する嫌味だろうか――
「――雛見沢の人ですか?」
彼の言葉で、彼がここの人でない事がわかった。確かに訛りがない。
「いえ、僕も旅行雑誌の取材で来ていまして」
鳥口に殺人事件の取材ではそれこそ村八分にされると、身分を詐称するように云われていた。
――奇遇ですねえ、僕の専門は野鳥とかが主ですけど。
富竹と名乗り、青年は笑った。
年の頃は30代中盤辺りだろうか、穏和さがにじみ出たような顔だ。
頭には黒い野球帽を被り、黒い眼鏡に、黒い袖無し丸首シャツを着ている。
体格もガッチリしていて、私のような貧弱な体型ではない。
鳥口もそうなのだがカメラマンとはやはり肉体派なのだろう――少し嫌な気持ちになった。

459 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 01:06:15 ID:7cYTUVHA
 富竹は7〜8年前から、年に2・3回雛見沢には野鳥の写真を取りに来るらしい。
「それにしても、この塵は酷いですね」
「ええ、何でも都会の方から捨てに来るらしくて、それが上手いもんでこっちが警戒していない時を狙って、
 いつも来るらしいです。こういった自然の素晴らしさなんてわからないのかな」
そう云って富竹はカメラのファインダーを覗いた。
「もし雑誌に載る事になっても、こんな物は載せないでくださ――ん、誰かいるな」
富竹がカメラを向けている方を見ると確かに塵山の中腹あたりに誰かがいる――少女のようだ。
「はは、あんな所で何をしているのかな」
富竹が笑いながら聞いてきた。
「死体でも探しているんじゃないですか」
何の気になしに答えると。
「ああ、関口さんも知っているのか、悲惨な事件だったね」
富竹は急に真面目な顔になった。


何故かおかしな空気が流れ、言葉は失われてしまった。




460 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 01:20:48 ID:7cYTUVHA
――悲惨な事件

 鳥口が云っていた過去の事件の事だろうか。
そういえば鳥口からまだ事件の詳しい内容を聞いてはいなかった。

――正確には聞いたのだが、記憶していないのかもしれない。

「ま、取材は僕がしますから、村の雰囲気だけ味わってもらって、後は小説家の創造力ってヤツで」
と云われて、それにこんな村で本当に殺人事件など起こらないだろう等とあまり気にしていなかった。

「しまった、もうこんな時間か、いけない待ち合わせに遅れてしまう」 
 奇妙な沈黙を打ち破るように富竹は、戯けた(おどけた)声を出し。
――じゃあ、また、と去って行った。

 私は少女が何をしているのかが無性に気になり、塵山を降りていった。
少女はあんな所で何をしているのだろうか?

――まさか本当に死体を探して――

そんな事を考えていると、注意が削がれたのか不意に足下の塵肌が崩れた。
私は塵山の上を滑るように少女の近くまで、落ちていった。



少女はこちらを振り向いた。
手には鈍く光る鉈を握りしめて。


461 :TIPS「鳥口守彦(起)」:2009/09/27(日) 01:23:33 ID:7cYTUVHA
 関口を降ろすと、鳥口は白川自然公園を目指した。
鳥口が調べたところ、北条某(なにがし)という夫婦が、
3年前の綿流しの日にそこから転落死したとの事だ。(それ以外はその日に雛見沢の住民は変死していない)
1時間ほどで着くらしい、時刻は9時半。――到着したのは12時近くだった。


 鳥口は白川自然公園で五平餅をがつがつと食べていた。――空振りかな。
事故があったという場所の写真は撮ったが、当然3年前の事件の痕跡はなかった。
また目撃証言を集めてたものの、どれも空振りだった。

――まあ、仕方ない。
鳥口は気持ちの切り替えがはやい、伊達にカストリ雑誌の記者をしているわけではない。
――よし、雛見沢に戻ってその家の近所の人から聞き込みだな。
鳥口は行動力に優れている、酔狂でカストリ雑誌の記者をしているわけではない。

――帰りは流石に速かった。

462 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 03:05:54 ID:kMZKfCyz
おおう、すげぇのが来てるな。

463 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 10:01:23 ID:pJoDS41Q
最初の部分まんま川赤子じゃねーかwww
何はともあれ乙w

464 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 23:10:32 ID:kMZKfCyz
ほんとだ、読み返したら確かにそのまんまw
さすがにこれはちょっとw

465 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 23:53:55 ID:7cYTUVHA
―――中途に―――

この物語の中には以下の作品の無断引用等が含まれます

京極夏彦著 「京極堂シリーズ(川赤子含む)」
竜騎士07作「ひぐらしのなく頃に」

京極先生ならびに竜騎士07先生、ごめんなさい


またそれに伴い(文学的な)文体の壊れ等がございますが、そちらは仕様です
決して、文章構成能力の不足などではございません、けれども・・・ごめんなさい

466 :名無しのオプ:2009/09/27(日) 23:58:49 ID:7cYTUVHA
少女はいる、少女がいる。

少女が振り返る、手には鉈を握りしめている、足下には人の様なモノがある。

少女は私を見留め(みとめ)近づいてくる、手に鉈を握っている。

少女は近づいてくる、手には鉈を握ってる、少女は――

「うわああああああ――」
私は悲鳴をあげ、後ずさった――転がった時に何処か打ったのか、腰が抜けたのか、立ち上がれない。
少女は近づいてくる、私は這った状態で離れる。
だが地面は這うより歩く方が速いのだ、――少女は近づいて――  
――私は―――意識を失った





467 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 00:00:20 ID:SesO3DJk





目覚めた、目覚めてしまった。
青い空、ここは――傍らを見ると少女がいる――少女が振り返る――手には鉈が――
「ひいいいいいいい――」

私は後ずさる――けれど腰が抜けたのか、立ち上がれない。

少女は「落ち着いてください」と云った。
何を云っているんだ、私は混乱した。
少女は「大丈夫です」と云った。
何が大丈夫なんだ、私は混乱した。


少女は私の視線が鉈に在るのを見留めて、鉈を置いて――落ち着いてください、と繰り返した。


私は何とか自分を取り留めた。



468 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 00:02:16 ID:SesO3DJk
 少女は竜宮レナと名乗った。
私が何をしていたのか尋ねると、顔をほんのり手に染め。
「健太君人形が、かあぁいいの〜だからお持ち帰りしたいの〜」
と答えた、意味がわからない。
少女の暗号の様な言葉を纏める(まとめる)と、

――捨てられていた健太君人形が可憐だから、持って帰りたい、との事だ。

健太君人形というのは、全国に支店を出す大衆食堂の象像(キャラクター)である。
しかし、七福神の大黒様と恵比寿様を喚起して創られた物であるため。
力士体型に無理矢理洋服を着せた形で、また顔は朗らかだが無駄に陽気な中年男性にしか見えない。
しかも、その身長は6尺近くもあるため、とても私には可憐とは云えない代物である。

――何故鉈を?
私の問いに、少女は健太君を示した。
健太君の上に梁(はり)が乗っている、そして梁の先は塵山の中に埋まっている。
梁は半分ほど欠けていた――なるほど、彼を助けるために必要だったのか。

少女――中等学校ぐらいだろうか――の腕では大変だろう。

私は少女から鉈を借り受けると、思い切り梁に叩きつけた。
梁は意外と強固で、私は何度か鉈を振り落とした――まるで何か別の物を叩きつけるように。

469 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 00:03:44 ID:SesO3DJk

めきい――嫌な音をたてて梁は途切れた。
私は日頃から運動をしないためか、汗をかきやすいので、体中びっしょりしていた。

少女は健太君人形に何かを呟きながら頬ずりしている――やはり意味がわからない。

乗りかかった船で、少女が用意した大八車で家まで送っていく事にした。
大八車に中年の男性を乗せ、それを(私のような)男と少女が運んでいる――非現実的だ。
少女の家に着くとさらに愕然とした。
庭には健太君だけではなく、信楽の狸、河童のパオ、蛙のげろ吉、郵便ポストなどが雑然と並んでいた。

意味がわからない。

少女は茶を奨めてきたが固辞した、やはり自分が理解しにくいものはある種の畏怖になる。

陽はもう傾きかけていた。

470 :TIPS「鳥口守彦(承)」:2009/09/28(月) 00:06:33 ID:SesO3DJk
雛見沢に戻ってると、今度は事故(?)にあった北条家を探した。
住民は(あんな事故があったからか)口がかたく一苦労した。北条家は村の外れにあった。
廃墟になっているのかも、と思っていたがそれほど荒れてはいない、
いや、むしろ生活感がある、これは今でも誰かが住んでいるのだろうか?

もしかしたら証言が取れるかも、淡い期待を胸に鳥口が玄関に近づくと

「――――――――――――!!」
もの凄い怒鳴り声が聞こえてきた、鳥口は思わず身を隠した。

「―――――!!、――!――!」
耳をそばだてていた鳥口に、再び罵声と何かを殴りつけるような音が聞こえた。

――うへえ、これは何かの事件なのかもしれない――鳥口は思った。
――もしかしたら廃墟を隠れ家にしていた凶悪犯罪人かも――鳥口は考える。
――もしそれが本当だったとしたら、これはもの凄いスクープだ――鳥口は想像する。

鳥口がくだらない妄想に勤しんでいると、
――ガラガラと扉が開かれ中から少女が出てきた。
鳥口の予想は外れたようだ。

471 :TIPS「鳥口守彦(承)」:2009/09/28(月) 00:08:01 ID:SesO3DJk

少女は自転車で何処かに行くようだ。
鳥口の記者の感が様子がおかしい事を告げていた。

――まさか監禁しているのか?
――いや、それだったら1人で外に出す事はないか。

家の中からは何も音が聞こえなくなった。
鳥口は少し離れた所に身を移し少女が帰ってくるのを待ちかまえた。

――もし、戻ってきたら話を聞いてみよう。

15分ほどで少女は戻ってきた。
そこで、鳥口は話しかけてみたのだが少女の目の焦点が合っていない。
また話している内容も、支離滅裂の錯乱状態である。
少女の乗っていた自転車のカゴには一升瓶が入っている。

――これは、虐待だ。

鳥口は前に子供の虐待による親殺しの記事を載せた事があった。

――うへえ、これは厄介ですよ。

472 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 00:09:14 ID:SesO3DJk
 少女――竜宮レナといったか
おかしな少女と別れて、私は古手神社を目指した。
日はもう暮れ始めていた、鳥口を待たせているかもしれない。

境内まで来たが鳥口の姿はなかった、代わりに老人達が酒盛りをしている。
辺りを見ると昨日来た時と違って天幕が張られ、椅子が準備されている。
明日の祭りの支度をしていたのだろう。
私は鳥口を待ち受けるために鳥居の所まで戻った。

「あれ―、関口さんじゃないですか」
すると誰かが声をかけてきた、見ると富竹と見た事がない女性が2人いた。
女性の1人は富竹より少し下ぐらいのの年齢で、もう1人は少女――さっきの少女と同じぐらいだろうか。

473 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 00:10:34 ID:SesO3DJk
「いや〜、奇遇ですね、こう何度も会うなんて」
富竹は人の良さそうな顔を綻ばせた。
「ジロウさんたら、隅に置けない人」
女性が笑った、とても艶っぽい声をしている。
「ええ、いや、そういう訳じゃなくて、え―紹介しようか、こちらは旅雑誌の作家の関口さん」
私は頭を下げた。少女も園崎魅音(そのざきみおん)と名乗って頭を下げた。
「私は―昨日―診療所でお会いしましたよね」
そう云うと女性は妖艶に笑った。
「―――」
昨日会ったのだろうか、私の記憶の中には無かった。
「あら―」
女性は首を傾げて私を見つめ、云った。
「―――」
顔が赤くなるのを感じる、私は鬱の他にも多人恐怖症に赤面症、失語症も持っているのだ。
「鷹野さん、いじめちゃダメだよ。こちらは診療所で看護婦をしている鷹野三四(みよ)さん」
私を見かねた富竹が助け船を出してくれた。
鷹野三四は嬉しそうな笑みを浮かべ――よろしく、と云った。


「旅雑誌の記者の方が来るって事は、雛見沢が載るんですか?」
少女が聞いてきた、何処か男児風(ボーイッシュ)な印象の少女だ。――ふくらみは大きいが――
「ええっと、まだいつ載るかとかは決まってないというか、まだいつ刊行されるかも――」
後半は嘘ではない。
――そうなんですか、少女は残念そうな表情を浮かべた。
――雛見沢は良いところだから、是非載せてくださいね、と笑った。
私は複雑な表情を浮かべた。

474 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 00:12:24 ID:SesO3DJk
「おやおや、勢揃いですね、皆さんこんばんは〜」
少し変な節回しの声がして、恰幅のいい中年の男がやって来た。
「ああ、大石さんこんばんは、明日の警備の話ですか?」
富竹が答える。
「んっふ〜そうですね、今年こそ何も無いと良いんですがね」
そう云って大石と呼ばれた男は全員の顔を舐めるように一瞥(いちべつ)した。
少女は嫌な者を見るような目で、男を睨み、
――明日のお祭りには来てくださいね、と私に云って去っていった。
「おやおや、嫌われちゃいましたかね、ところでそちらの方は?」
大石は私に顔を向けた。
「こちらは、関口さんと云って、東京で旅雑誌の作家さんをなさっている方ですよ」
富竹が私よりも早く応答した、――どうも、私は頭を下げた。
「雑誌社の方ですか、いや雛見沢も有名になったもんですな。私は大石蔵人と云います。
 興宮、隣町で刑事をしています」
「大石さん、刑事さんですか」
「ええ、何なら蔵ちゃんでもいいですよ、んっふっふ」
大石はねちっこく笑った。
「さてさて、そろそろ行かないと、もうちょっと遅刻ですね」
――よいお年を。
大石はそう云い残して、警官達が集まった方へ向かっていった。

475 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 00:13:55 ID:SesO3DJk
――今年も起こるのかしらね、オヤシロ様の祟りは。
――いやあ、君も好きだなあ。
鷹野三四が富竹に話しかけている。

――いいじゃない、こんな渇いた時代には潤いが必要だわ。
――でも、ほら関口さんもいるんだから
鷹野三四は私の方をちらりと見た。猫が鼠を確認するように。

――都会じゃこういった怪奇譚は喜ばれるのよ。
鷹野三四は富竹に云った。

彼女はこちらに向き直り。
「関口さんは祟りを信じるかしら」

――祟り――そういえばあの手紙にもオヤシロ様の祟りと――

「祟りですか、面白いとは思いますがあんまり信じていませんが――」
そう答えた私の目を彼女は少し非難の混じった視線で捕らえた。
「そう――でも、祟りを信じるかどうかは話を最後まで聞いてからゆくっり考えてください」
そういって彼女はくすりと嗤った。

476 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 00:16:05 ID:SesO3DJk
そんな私たちを見て、富竹はヤレヤレという表情を浮かべ一度大きく息を吐いた。
「それじゃ、少し僕が話そう―関口さんは雛見沢ダムの事件はご存知ですよね?」
「ええと、実は詳しくは知らないんですよ、何かがあったらしいという話は聞いているんですが・・」

――そうか、と富竹は頷いて。
「なら最初から話しましょう、昔といっても数年前ですが、
 雛見沢ダム計画という、ここら辺一体がダムの底に沈む大がかりな国のダム計画があったんですよ
 そして、それに反対するために住民運動が結成されて国と激しい戦いを繰り広げたんです」

――確か――あの手紙にもダムの事は書かれていた――

「その雛見沢の人達が結束して旗揚げした、反対同盟の事務所があったのがこの神社なんです」
「ほらあの集会場がその名残よ、解散後は老人会のサークル活動にしか使われてないけど、
 当時はまさに最後の砦だったそうよ」
鷹野三四が本堂に向かって左の別棟を指した。

「そういった事務所とかは普通、村長宅等が兼務するものじゃないのですか?」
「通常はそうだろうね、けど彼らは雛見沢の守り神様である
 オヤシロ様を祀るこの神社に本陣を置く事で必勝を祈願したんだよ」
富竹が答えた。


・・・オヤシロ様・・・
―――間違いない―――
さっきオヤシロ様の祟りと云っていた。

477 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 00:17:41 ID:SesO3DJk
「オヤシロ様というのはこの神社の祀る神様の名前です、雛見沢を守っていると伝えられている」
富竹は一呼吸置いて――ここからは鷹野さんの方が詳しいかな、と鷹野三四に視線をふる。

「平たく云えばそのままよ、オヤシロ様はこの雛見沢に伝わる古い神様で、
 神聖なこの地が俗世に汚される事がないよう、守り続けて来たと伝えられているわ」
「オヤシロ様崇拝は一種の選民思考の表れではないかと、研究されているわね。
 大昔の雛見沢の人達は自分たちが人間とは違う、格が異なる存在だと強く信じていて、
 下界との交流を『格が落ちる』として忌み嫌ったそうなの。・・・だから村に下界の人間が来ると
 不純が混じってオヤシロ様のバチが当たると強く信じ、何者も近寄らせなかったそうよ」

「よく推理小説に出てくるよそ者を嫌う村、そんな感じだったらしいです」
富竹が補足する。
「だから下界からやって来た穢れたダム計画に立ち向かう為にこの神社に本陣を置いたんだろうね」

富竹は続ける。
「縁担ぎも万端、村民達は死力を尽くしてダム計画に立ち向かうんだ・・・・その最中なんだよ。
 事実上あの事件でトドメが入ったと云ってもいい」
「雛見沢ダムの建設現場の監督がね――殺されちゃったの――」
鷹野三四が云う。

478 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 01:11:35 ID:zkDamkbb
おお続きが。
頑張ってくれ。

479 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 01:23:26 ID:SesO3DJk
「4年前だね、関口さんが見たのはこの事件だと思うよ、凄惨な事件だったから結構取り上げられたから」
富竹が云う。
――凄惨な事件?
「バラバラ殺人だよ」
富竹が答える。

――バラバラ殺人――
――4年前の綿流し祭の日にダム現場の監督が殺されました――

「その翌年にはね、雛見沢の住民でありながらダムの推進派のグループを結成していた男がね、
 旅行先で崖から落ちて死んじゃったの。これは事故だそうよ」
「何しろ雛見沢中から敵視されていたからね。警察も念入りに他殺の線を洗ったんだけど、
 結局、事故と断定したみたいだよ」

――これは今日鳥口が調べに行った、3年目前の事件――

「更に翌年、今度はね、この神社の神主さんが原因不明の病で倒れて急死しちゃったの」
「前の神主さんはちょっと日和見的な性格だったらしいね、何しろ本陣を構えている所の
 主だからね、反対運動の盛り上がっている村の中では不満もあったらしいね」

――2年前の綿流し祭の日に神社の神主が殺されました――

「しかもね、面白い事に、これらの事件や事故はみんな綿流しのお祭りの晩に起こるんだよ」
「ね、――ちょっと祟りっぽくなってきたでしょう?」

――という事は、やはりあの手紙――告発文は本当なのか?――

「さらに翌年。つまり去年だね。今度は、事故死したダム推進派のリーダー格の男の、
 弟夫婦の奥さんが撲殺死体で発見されちゃったんだ。もちろん犯人は捕まったけどね」
「ね?やっぱり祟りっぽいでしょう?」

――やはりあの手紙は真実なのだ、では一体誰があの手紙を――

480 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 01:26:32 ID:SesO3DJk
「最近では、みんなオヤシロ様の祟りだと噂しているらしいね、
 実は何年か前までは綿流しのお祭りはそこまで盛況じゃなかったんだよ。
 不信心者にはバチがあたるかもしれない、だからお祭りには行こうって人も多いだろうね」
富竹はそこで一区切りつけた。

「さて、ここまで聞いて関口さんは祟りはあると思いますか?」
鷹野三四が語りかけてくる。

「まあその、それでも祟りなんかないと思いますけど、信じる人の気持ちはわかりますが・・・」
私は答えた。
「祟りでもなく、偶然のはずもないのなら、――これらの事件はどういう事になるのかしらね」
鷹野三四が尋ねてくる。

「―――」
返答に困った私に、富竹が助け船を出してくれた。
「鷹野さんはね、これは人の仕業かもしれない、って云っているんです」
「だってそうでしょ?祟りでもなく偶然でもないなら、人の意志が働いているとしか考えられないもの」

――これは、計画殺人? それともオヤシロ様の祟り?――


481 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 01:28:36 ID:SesO3DJk
「――でも人の仕業だとすると、村の中に犯人がいるという事になりますよね?」
私は問うた。

「そうね、警察の大石さんはそういう風に考えているみたいね、
 それに村の中ではオヤシロ様の祟りはダム計画抵抗運動の暗部じゃないかとも云われているわ」
鷹野三四は嬉しそうに答えた。
「まず、動機が村の内部の人間以外には無いもの、
 ――それにね関口さん、雛見沢の人間にはわかる、雛見沢の人間の犯行だという証拠があるんです」
鷹野三四は続けた。
「必ず1人が死んで、1人が消えるの――」

どういう意味だ?
「――消えると云うのは、失踪するという事ですか?」
新しい情報に私の頭はパニック寸前だった。


482 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 01:30:57 ID:SesO3DJk
「そう、忽然と、跡形もなく――」
鷹野三四は私の目を覗き込む。
「実はね、雛見沢に伝わる古い古い伝統のひとつに
 オヤシロの様の怒りを鎮める為に生け贄を捧げた、というのがあるの」
鷹野三四は楽しそうに。
「それが、簀巻き(すまき)にされて、底なし沼に生きたままじわじわと時間をかけて沈めたんですって」
鷹野三四は更に楽しそうに。
「文献を調べた限りでは、3日3晩かけて本当にゆっくりと、じわじわと、沈めたそうよ。
 ほら昔の人って駄洒落が好きでしょう?、『沈める』と『沈める』をかけたんていたんでしょうね
 『時間をかけて鎮める』という意味があったんでしょうね――」

――くすくすくす
鷹野は嗤った。

483 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 01:35:18 ID:SesO3DJk

3日3晩かけてじわじわと沈めていく、
想像しただけで、私は顔から血の気がひいていくのを感じた。



「鷹野さんは雛見沢出身じゃないけど詳しいでしょう、
 彼女は郷土史とか民間伝承が好きでね。全部独学で調べたんですよ」
呆然としている私に富竹が云った。
「そんなにかっこいいものじゃないのよ、単なる知的好奇心。
 ・・子供と同じよ、ただの怖い物みたさなんだから」
鷹野三四は恥ずかしそうに云って富竹と笑いあった。


「ちょっと待ってください、という事は人が1人亡くなる意外にも
 1人がいなく――生け贄にされているという事ですか?」
私は話を本題に戻した。

484 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 01:36:10 ID:SesO3DJk
「うーん、生け贄にされているかは別にして、
 過去の事件では必ず1人が死んで、1人が消えているんだよ」
富竹はさらりと云う。
「例えば、一番最初のダム現場の監督が殺された事件も、
 複数犯の最後の1人がまだ逮捕されてないらしいんだ」
富竹は平然と続ける。
「で、次の年のダム推進派のリーダー格の男なんだけど、崖から落ちたね、
 その時奥さんも一緒に落ちたらしいんだよ、けどその奥さんが見つからなくてね。
 警察も懸命に捜査したらしいけど、増水していたらしくて奥さんの遺体は見つからなかった」
富竹は悠然と続ける。
「その次の年の神主の病死の時はもっとはっきりしている、奥さんが遺書を残していたらしい
 『死んでオヤシロ様の怒りを鎮めに行きます』みたいなのが自宅にあったらしい。
 その奥さんが入水自殺した沼は、さっき鷹野さんが話した底なし沼って事になっていて、
 警察が沼を調べたけど、遺品が見つかっただけで、遺体は見つからなかった」
富竹は忽然と続ける。
「その次、去年か、殺された主婦の義理の甥だっけ、
 確か2年目の祟りの事故に遭った夫婦の子供だったらしいんだけどその子が消えたんだ」

「まあ、ざっとこんな感じね、1人が死んで、1人が消える」
鷹野三四が締めた。
 

485 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 01:37:58 ID:SesO3DJk
 私は頭の中を整理しようと勤めた。
1人が死んで、1人が消える、それが事実なら、やはり村の内部に犯人(犯人達)がいる事になる。
それはオヤシロ様信仰というものに取り憑かれた、狂信者達という事になるのだろうか。
もちろん祟り等という非科学的な物を排除するならばだが・・・

――これは、計画殺人? それともオヤシロ様の祟り?――

「という事はやっぱり、オヤシロ様の信仰者、この村の中に犯人がいると言う事になっちゃいませんか?」
私は考えを述べた。
「そうね、そういう事になるわ」
鷹野三四が云った。
「それなら、一体誰が――」


今度の私の問いには回答はなかった。


暫く時間が止まった。鷹野三四は黙って私の顔を覗き込んでいる。




486 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 01:39:34 ID:SesO3DJk


「鷹野さん、もういい加減にした方がいいよ、関口さんが本気にしてるじゃないか」
富竹が時間を破った。
「関口さん、あくまでもこの話はそういった符号があるというだけの、ただの噂話ですから」
富竹が明るく云った。
「まったく、鷹野さん悪い癖だよ、そうやって人を驚かして喜ぶのは」
「くすくす――ご免なさいね、関口さんが真剣に聞いてくれるからつい嬉しくなっちゃって」
鷹野三四は続ける。
「でも、明日のお祭りでは一体、誰が死んで、誰がいなくなるんでしょうね――」

――そして今年は私が殺されます――

「鷹野さん」
富竹が子供をしかる親の様な声を出した。
鷹野三四は――ご免なさい、と云ってペロリと舌を出してはにかんだ。

487 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 01:44:56 ID:SesO3DJk
「関口先生ーー」
ちょうどその時、階段を上がりながら鳥口が声をかけてきた。

「さてと、それじゃ僕らも行こうか」
富竹が鷹野三四に声をかける。

――それじゃ関口先生、明日のお祭りで会いましょう。
富竹はそう陽気に云って去っていった。

その去り際、鷹野三四がこちらにやって来て。
「今日は話していてとても楽しかったです――是非また今度も聞いてください。
 雛見沢の昔話とかお伽噺(おとぎばなし)にも興味深いのがたくさんあるの。
 もちろん、薄気味悪いのがたくさん――」

そう云うとゆっくりと嗤った。


私は顔が赤くなるのを感じた。


488 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 07:30:45 ID:YI3iP2KR
所々日本語が怪しいのが勿体無いな
>富竹は忽然と続ける。
とか。〜然で韻を踏みたかったのかもしれんが文章としてはおかしい
あと台詞の間にそんな地の分を無理矢理入れようとしなくてもいいんだよ


489 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 09:44:03 ID:YI3iP2KR
あれ?
誰かまとめサイト作ろうとした?
ttp://www12.atwiki.jp/kyougokusure/

490 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 18:40:27 ID:WweI+5sq
>>488
乙も言えないのに大口叩くなら自分でこれくらい書いてみろ

>>440->>487
職人乙!!すげええええええええええええ
ちょっと最初っから何回か読み返すわ
久しぶりにきて本当によかった

491 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 19:55:30 ID:YI3iP2KR
乙は素で忘れてたごめん

492 :名無しのオプ:2009/09/28(月) 21:37:15 ID:SHgEL2On
面白い!頑張ってくれ

493 :TIPS「鳥口守彦(転)」:2009/09/29(火) 00:16:23 ID:DVgMrmgC

空が橙色(だいだいいろ)になる頃、鳥口は小学校の職員室にいた。
と云っても小さな分校の小学校だ、そんなには大きくない。

「それじゃ知恵先生、もし上手くいったら、こちらの取材に全面的に協力してもらいますからね」
鳥口が云う。
「はい、わかりました」
知恵と呼ばれた女性は頷く。
鳥口は云う。

「まあ、泥船に乗ったつもりで安心してください、義を見てせざるは優なきなりですよ」

後半は意味が通じても漢字が違う事に、鳥口は気が付かなかった。

494 :TIPS「前夜祭」:2009/09/29(火) 00:18:40 ID:DVgMrmgC

「皆さん、明日のお祭りの準備、遅くまでご苦労様です。
 近年連続して起こっている、所謂雛見沢連続怪死事件ですが。
 今年も昨年の様な、便乗した模倣犯の犯行などに十分注意してください。
 んっふっふ〜まあ、と云っても多分事件を未然に防ぐ事は不可能でしょう。
 今年も1人が死んで、1人が消えます」

部屋内に苦笑の波が起きる。

「大事な事は、明日の晩に起きた事にしっかりと食らいついて、
 その裏側にあるモノを引きずり出す事です」

「今年こそオヤシロ様の祟りの化けの皮を引っ剥がしてやるぞ!」

――おおおおお!!

部屋内に野太い咆哮があがった。 

495 :名無しのオプ:2009/09/29(火) 00:25:17 ID:DVgMrmgC
基本的に週末に投稿しようと思っています
(今週は京極が登場予定)

長めの雑文になると思いますが、
「面白くない本など無い」の精神でお付き合い頂けたら幸いです

496 :名無しのオプ:2009/09/29(火) 01:04:51 ID:R9hMoWZ6
乙。結構な量になるとは思うが、頑張ってくれい。

497 :名無しのオプ:2009/09/29(火) 10:27:11 ID:EWbUvFWc
なんとなくでも最後まで構想できてる?
横からちゃちゃ入れたら困る?

498 :名無しのオプ:2009/09/29(火) 19:26:54 ID:4G76E0Qq
>>495
乙!あなたが神か…
京極キャラとひぐらしキャラが違和感なく絡んでるな
情景が目に浮かぶようだ
続きがものっそ楽しみだが無理はせず適当なペースでいいんで
陰ながら全力で応援してます!

499 :名無しのオプ:2009/09/29(火) 21:31:31 ID:zlAoBHQs
スレも半分にきて面白いことになってるよなぁ
最初はこんなことになるなんて露ほども思ってなかったw

500 :名無しのオプ:2009/09/29(火) 21:35:02 ID:fC8icgSd
乙!面白かった!
三四と京極の共演に期待してます

501 :名無しのオプ:2009/10/03(土) 23:48:30 ID:MQiFXX9z
六月十九日(日)


私は川を見ている。
水はやや濁っているが流れは緩やかで、
川音がしなければ止まっているように思える程である。
 
私は溜め息を吐いた。

水辺が――好きな訳ではない。

例えば海などは、広過ぎて、深過ぎて、激し過ぎて美し過ぎて、だからかえって厭になる。
海を眺めていると見ている自分の方が矮小で、浅薄で、自堕落で汚らしいモノだと思い知られる。
そんな気がするから、私は海がそれ程好きではない。

紺碧の天空。雄大な海原。そもそもそんなものが私に似合う訳はないのだ。
健康的なもの。真っ当なもの。熾烈なもの。整然としたもの。
私は元来、そうしたものが苦手なのである。

だから――この程度でいい。
――それだけか?
ふと、不安が頭を擡げる(もたげる)。

それは確かにそうなのだ。私はそう云う性質の人間なのである。
でも――




502 :名無しのオプ:2009/10/03(土) 23:50:25 ID:MQiFXX9z
目が覚めた、覚めてしまった。
ぼんやりとした頭で時刻を見る、11時半ぐらいだった。

「鳥口は・・・」
声に出して云ってみた――掠れた。

この時間まで寝ている事は、私としては普通なのだが――

身支度を整えて、下に降りてみる。
言づけをもらった、

――ちょっと出てきます、夕方までには戻りますので、その後お祭りに行きましょう。

だ、そうだ。

いきなり暇になってしまった。

「さて、どうしたものか」
声に出して云ってみた――浮かばなかった。

とりあえず、食堂に行って何かまずいものを食べた。
そして、腹が膨れたところで部屋に戻ってみる。
とはいえ、戻った所で何もする事がなかった。
よって、座敷に大の字になり天井を見つめる。


思い浮かぶのは彼女――あの少女――何て名前だったか――


私は思索の海に落ちていく。



503 :名無しのオプ:2009/10/03(土) 23:54:02 ID:MQiFXX9z
――まず、始まりは月刊實録犯罪に送られてきた1通の手紙からだ。

『4年前の綿流し祭の日にダム現場の監督が殺されました
 3年前の綿流し祭の日にダム反対派の住民が殺されました
 2年前の綿流し祭の日に神社の神主が殺されました
 1年前の綿流し祭の日に2年目の被害者の親戚が殺されました

 そして今年は私が殺されます

 これは、計画殺人? それともオヤシロ様の祟り?』

富竹と鷹野三四によると、この文面は真実らしい。
雛見沢では毎年綿流しの晩に人が死んでいる(殺されている?)
しかも、それだけではなく1人が失踪するという(拉致?)
オヤシロ様の怒りを沈めるには生け贄を捧げるらしい(失踪した人は生け贄に?)
オヤシロ様はこの村の守り神・・・(オヤシロ様の祟り?)

被害者の共通点・・動機?(反ダム運動にそぐわない者?)
ダム現場の監督・ダム反対派の住民(これはわかりやすい)
神社の神主・・・神主はダム反対運動に消極的だった(けれども)
ダム反対派の住民の親戚・・・最後の事件の理由は曖昧すぎる(曖昧になっている?)

昨日の夜、鳥口に確認したところ、
2年目の転落死は事故、神主は病死として報道されているらしい。
去年の事件は報道されていない(秘匿指定がかかったのかもしれないとの事――)

そして――今年は私が殺されます
今年は誰が死ぬんだ?――私とは誰だ?
本当に事件は起こるのか?――また1人が死んで1人が消えるのか?

それはいつ?――今日――でも――


504 :TIPS「鳥口守彦(結)」:2009/10/03(土) 23:55:50 ID:MQiFXX9z

男が2人いる。

「わかった、出て行けばいいんだな」
「ああ―――」

1人の男の手には、映像記録媒体(えいぞうフィルム)が握られている。

「け、大体俺もこんなしけた村にいるのは飽き飽きしていたんだ」
「なら、ちょうどいいじゃないか」

答えた男はにやり、と微笑む。

「なぜそんな事をする」
「なぜ?、人助けに理由が必要かい?、義を見てせざるは優なきなりだぜ」



505 :名無しのオプ:2009/10/03(土) 23:57:19 ID:MQiFXX9z

でも――私が海を好まぬ理由はそれだけではないように思う。
何か自分にとって決定的な事柄を、私は失念しているのではないか。

そうなら――それは何だ。
――何を忘れてる?
何も思い当たる事はない。
――どうでも――いいことか。
多分、どうでもいいことなのだ。
例令(たとえ)何かを忘れているにしろ、私は取り敢えず日常生活を送れているのだから。

――でも。

私は何か忘れている事すらも忘れて、それで諾諾(だくだく)と暮らしていたのではないのか。
そう考えると少しだけ怖くなった。
私は精彩の欠いた景色を焦点の定まらぬ眸(ひとみ)に映し乍ら(ながら)ただ悶悶とした。

淙淙(そうそう)と川の流れる音がする。
――水の匂いがする
私はその湿り気を、胸いっぱいに吸い込む。
ああ、生きている、と思う。

まるで湿性類だ。ほとんどの人が額に汗して働いているであろうその時間に、
私はただ無為に、呼吸をすることで生を実感している。
そうして私は、社会の一部として機能していないへの背徳さ(うしろめたさ)を満喫する。
私はいつもそうだ。
無為だ。徹底的に無為だ。
草の間に水鳥がとまっている。

――鷺か。
違うかもしれない。
私は無心に鳥を見つめた――鳥を――

506 :名無しのオプ:2009/10/03(土) 23:58:49 ID:MQiFXX9z

――鳥を――

「鳥!!」思わず叫んでいた。
「うへえ」誰かが叫んでいた。

ここは――この天井は――

「関口先生ー吃驚(びっくり)するじゃないですか」
誰かが云う。
「大体、何度も云いますけど、僕は鳥じゃなくて鳥口ですよ」
鳥口が云う。
「それに先生、鍵もかけないで不用心ですよ――さあ早く起きてください、お祭りに行きますよ」

――ううーん
頭を振る、陽が低く色が変わりだしている。
もう夕刻だ。

「鳥口君、一体どこに行っていたんだい?」
「いやあ、僕は優しい男ですから、義を見てせざるは優なきなり、ですよ」
「鳥口君、その『ゆう』は優しいじゃなくて、勇ましい、勇敢の『ゆう』だよ」

「うへえ」



507 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 00:08:48 ID:o5udKT5r
死体には乳房が無かった。綺麗に切り取られていたのである。
およそ素人の技量とは思えぬほどのわずかな出血量であるから、おそらく医術に心得があるものの所業であろう。
それにしても…臭い。死体とは斯様にも臭うものなのか。口で息をせぬと嘔吐するのは時間の問題である。
『クセエよ…』そう僕は呟きながら、作業に取りかかった。

508 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 00:10:27 ID:OpiGXL/x

雛見沢に向かう途中、鳥口が仕入れてきた情報を聞いた。
「4年目の事件、去年の事件ですね。どうやら本当にあったみたいです。
 話によると被害者は北条玉枝、2年目の事件の、北条夫妻の親戚にあたるみたいですね。
 やっぱり秘匿捜査の指定がかかって報道はされなかったようです」

富竹と鷹野三四の話は真実だったのか・・・

「それで、これが凄い情報なんですけど実は全部の事件が被害者は1人だけじゃないんですよ、なん―」
「1人が消えるんだろ、一緒に」
鳥口が嬉しそうに語るので、突っこみを入れてみた。

「先生!なんで知ってるんですか!」
「いや、昨日鷹野さんと富竹さんに聞いたんだよ」
「なら、僕にも教えてくださいよ、大体文屋にとって情報は命の次に大事な――」

――悪かった、と謝っておいた。

「で、ですね、どこまで知ってるんですか」
「えーと、最初が殺人犯の犯人、次が一緒に落ちた奥さん、死んだ神主の奥さん、
 そして、えーと、2年目の夫妻の子供だっけ」

ガタガタ――と車が舗装されていない道路に入った。


509 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 00:11:20 ID:OpiGXL/x

「最初の方はともかく、最後の事件の消えた被害者には関連性が見えないよ」
「最後の事件の失踪者は、北条・・・えー・・沙都子(さとこ)ちゃんのお兄さんだから、
 北条悟史 (さとし)君ですね」
鳥口が答える。
「悟史君は、2年目の事件の後、沙都子ちゃんと一緒に親戚の家に預けられたみたいですね。
 ホント北条家ってのは呪われているんですかね、沙都子ちゃんも大変な目に遭っていたし」
鳥口がぼやく。
「沙都子ちゃん?それは誰だい?」
「それは、ほら、さっき云った、今日助けた、少女ですよ」

そう云えば、部屋で鳥口が何か云っていた――
鳥口は私の横顔をちらりと見て、溜め息をついた。

「北条沙都子ちゃんは、義父の北条鉄平に虐待されていたんです。
 いや、実は北条鉄平は最近雛見沢に帰ってきたらしくて、そこで僕が人肌脱ぎまして――」

私の頭は処理能力を超えてしまったらしく、頭が痛くなってきた。

「鳥口君、もう『北条』が多すぎて、僕には何が何やら」
「関口先生、それは"順番が間違っているから、わかりにくい"だけですよ」

順番が間違っているから、わかりにくい――そうなのかもしれない。

「でも鳥口君、それは君の説明能力が足りないんじゃないのかい?」

――うへえ


510 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 00:12:51 ID:OpiGXL/x

鳥口はゆっくり、丁寧に説明した。

北条家には2人の子供がいた、悟史と沙都子。
2人は2年目の事件で北条夫妻がいなくなると、親戚の鉄平・玉枝夫妻に預けられる事になる。
(北条夫妻は2年目の被害者、ダム推進派のリーダー格だった)
けれど、4年目の事件で今度は、玉枝と悟史がいなくなった。
残ったのは鉄平と沙都子だけ、だが鉄平は沙都子を残して雛見沢を離れていた。
そして、最近なぜか鉄平が戻ってきた。そして沙都子を虐待していた。――らしい。

「で、そこで、鳥口守彦様登場と云う事かい?」
「そうです、先生にも見せたかったな僕の雄志を」
鳥口は誇らしげに云う。

「でも、それで鉄平がいなくなったら、沙都子ちゃんはどうなるんだい?」
「これは、鉄平がいなかった間もそうなんですけど、
 古手神社で古手梨花ちゃんと一緒に暮らしていたそうです。だからその後も問題は無いですよ」
「古手梨花?」
「何云ってるんですか、一昨日会ったでしょう、ほら神社で――」

――ああ、あの少女だ。

「神社で暮らしているって・・・」
「古手梨花ちゃんは3年目の事件で両親を亡くしています、その後しばらくは村長の所でいたそうですが
 今は神社の中の家に1人で、沙都子ちゃんもいれると2人で住んでいるそうです」

――また、頭が痛くなってきた。


511 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 00:14:07 ID:OpiGXL/x

「でも、まだ子供じゃないか、大丈夫なのかい?」
「まあ、ここら辺は田舎ですからね、そこらへんは大らか何でしょう」
鳥口は笑う。

「それにしても確かに北条家は呪われてるのかもしれないね、残された沙都子ちゃんには
 両親の他界、兄の失踪、叔母の殺害、叔父の虐待、不幸の大行列だ」
「そうですね、今は入江診療所に入院しているみたいですけど」
鳥口が告げる。
「入院してる?」
「ええ、虐待によって、ちょっと錯乱状態と云うか、おかしい感じで――」

――幼少期の精神的外傷はその後の人格形成に大きな影を落とす――

私は学生時代、自分の鬱病を克服するために神経医学や精神医学を志した時期がある。
そうして手に入れたのが――鬱病は完治する事はないという事実だった。

彼女、北条沙都子に共感を覚えた。
「それは・・・」

鳥口は私の顔を見て――明日にでもお見舞いに行きましょうよ、と陽気に云った。


少し気が滅入った。



512 :TIPS「入江診療所にて」:2009/10/04(日) 00:15:43 ID:OpiGXL/x

「入江、沙都子の病状はどうなのですか?」

「今は薬が効いてきて、落ち着いて来ています。もう大事にはならないでしょう」

「それは良かったのです、よろしくお願いするのです」

「はい――沙都子ちゃんは私の命に代えても守ってみせます」

「なら、もっと早く動いて欲しかったのです」

「それは・・・・」

「冗談なのですよ」

そう云うと少女はにぱー、と笑った。


513 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 00:19:01 ID:o5udKT5r
『マンコをそのままにしておくなんてあり得ないのです』

514 :TIPS「白馬の猿」:2009/10/04(日) 00:26:33 ID:OpiGXL/x

「沙都子、良かったですね」

「そうね、何が起こるのかわからないものだわ」

「梨花・・・もしかして期待しているのですか?」

「・・・」

「梨花・・期待した分だけ、失望は大きくなるのですよ・・・」

「羽入(はにゅう)、それはそうだけど、でも今回は今までとは違うわ
 今まで関口や鳥口なんて、登場した事がないわ」

「でも梨花、あんな猿顔の男は主役には成れないのですよ」

少女は頬笑んで。

「でも羽入にはお似合いじゃないかしら、羽入が見えているかもしれないし――」

「あうあう、梨花がひどい事を云うのですよ」



515 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 00:31:35 ID:/mM+3uyK
白馬の猿www

516 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 00:46:12 ID:OpiGXL/x

「凄い人ですね」鳥口が云う。
「ああ、2000人はいるね」私は答える。

男2人で縁日を回る。
遠くで花火があがり、祭囃子が聞こえる。


――狂騒


やはりこうした賑やかなものが好きではないのだ。


――喧騒


やはりこうした華やかなものが好きではないのだ。


――陰陽


光があるから、影があるのか、明と暗は分かれていく。


気が滅入る。



517 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 00:47:47 ID:OpiGXL/x

お祭り騒ぎの一層騒がしい方から、見た事がある顔がやって来た。
竜宮レナと園崎魅音そして、古手梨花だった。

「関口先生、楽しんでますか?」
園崎魅音が声をかけてくる。
「まあね」――嘘を吐いた(ついた)。

私は子供が苦手なのだと思う――嫌いではないのか?
あまり接触する機会がなかったせいなのだろうか?
多分子供が持つ性質が私には合わないのだろう。
生命力に満ち溢れて、未来に向かっていく、しかも純粋に。

やはり私は子供が苦手なのだと思う――でも理由はそれだけだろうか?

竜宮レナが云う。
「折角だから、関口さん達も仲間に入れてあげようよ」――いや
古手梨花が云う。
「そうなのですよ、3人では少し寂しいのですよ」――嫌
竜宮レナが云う。
「関口さんは健太君を助けてくれたし」――嫌だ
古手梨花が云う。
「鳥口は沙都子を助けてくれたのですよ」――厭だ
園崎魅音が云う。
「よーしそれじゃ、園崎魅音の名において関口巽と鳥口守彦を仲間に加えます」


さらに気が滅入る。



518 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 00:49:09 ID:OpiGXL/x

少女達と射的をすることになってしまった。
しかも私が最後、トリを務める事になってしまった。

竜宮レナが云う。
「あの熊さんの人形かわいい〜」
子供というのは、皆こうなのだろうか?、それとも女性とは、なのだろうか?

熊を目指して皆がコルク玉を弾いていく。
けれども、当然、軽いコルク玉では簡単には落ない。
少し位置をずらすのが関の山だ。

「関口先生、あとちょっとですから、落としてくださいよ」
私の前に撃った鳥口が云う。

私の順番が来てしまった。

少女達が盛り上がっていたせいか、少なくない野次馬達が私を見ている。

「関口さん、絶対、絶対、熊さんとってね」
竜宮レナが云う。
「関口、ふぁいと、おー、なのですよ」
古手梨花が云う。
「関口先生、決めてね」
園崎魅音が云う。


かなり気が滅入る。



519 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 02:00:38 ID:OpiGXL/x

銃を手にした、手の平はびっしょりと濡れていた。
みんなの視線が痛い、みんなの期待が痛い。
私は何故こんな事をしているのだ?

―――期待が大きいほど失態は大きくなる―――

銃をかまえる、いつ以来だろうか?
多分あの戦場以来だろう。

私は戦争に行っている、それも将校として。
そもそも理系だった私は戦争には行かない事もできたはずだ。
私は何故、戦場に赴いたのだろうか?
もしかしたら、死にたかったのかもしれない――そう思う。
小隊長として南方の前線に送られた、結局私と木場修太郎以外は全員玉砕した。
私は戦ったのだろうか?――何故か必死に逃げまわっていた気がする。
――死にたかったのに?

銃口を向ける、手が震える。

がたがた――音をたてて、銃口がぶれる。

――ここは、何処だ?

指を引き金にかける、遠くで祭囃子が聞こえる。

私はためらいがちに――引き金を引いた。


520 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 02:01:38 ID:OpiGXL/x





弾は―――――はずれた――――――






521 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 10:19:03 ID:sqOpmaUP
おうふっ職人乙!
ほんとすごいわ
何も返せなくて悪いんだがマジで楽しみにしてる
これからの展開が気になってしゃーない


522 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 17:09:07 ID:C3Mqo10k
段々京極の雰囲気が薄れていってないか?なんつーか読みづらい。京極シリーズに影響受けたラノベって感じ。竜騎士と京極の間の子のなりそこないみたいな

523 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 19:15:25 ID:OowQeyow
読みづらいって言ったらお前の改行なしのレスも読みづらいけどな
まあ言いたいことはわかる

524 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 19:18:17 ID:9Re39/+r
別に京極風に書くスレではないだろ、自分は素直にGJだ
ひぐらしを題材にしてるんだから竜騎士っぽくなってもおかしくないし、関口と女の子達の会話とか良かったぞ
ただ、(びっくり)とかは京極読者はルビなくても読めるんじゃないか
気になったのはそれくらいだ

525 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 20:15:07 ID:OowQeyow
>>215-216みたいな意見もあるしなぁ。まあこれは極論だがね
どうせ読むなら京極風で、と思う人も少なからず居るだろうさ
むしろ自分は>>468のレナの台詞
>「健太君人形が、かあぁいいの〜だからお持ち帰りしたいの〜」
に違和感を覚えるな

526 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 20:38:47 ID:/mM+3uyK
完璧に真似るのは無理だろ。
本人じゃないんだし・・・。
完結するまでは横槍入れずに見てろって。

527 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 21:39:16 ID:RdtE02UJ
そもそもがネタスレだから、そこまでのクオリティを求めるのは酷だろ

528 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 22:35:24 ID:UXASUtKU
逆に考えるんだ

> 京極シリーズに影響受けたラノベって感じ。竜騎士と京極の間の子のなりそこないみたいな


つまり2人のイメージがくっついた形態がこの小説と考えるんだ

529 :TIPS「始末の支度(壱)」:2009/10/04(日) 22:53:04 ID:OpiGXL/x

どこまでもだらだらといい加減な傾斜で続いている坂道を登り詰めたところが目指す京極堂である。
木場修太郎(きばしゅうたろう)は坂道を登っていく。
木場は真四角の顔に、目と口が申し訳なさそうに付いている男だ。
美丈夫というには無理がある、だがそのがっしりとした体躯に合わせるとなかなか風格があるのだ。


木場はためらわずに母屋の戸を開ける。

京極堂は古本屋だ。主(あるじ)は神主で、陰陽師である。

京極堂の細君――中禅寺千鶴子(ちゅうぜんじちずこ)が応対に出てきた。
色白の、大層目の大きな、一見西洋人風の顔立ちをした美人である。

「京極はいるかい?」
主である中禅寺秋彦(ちゅうぜんじあきひこ)は屋号の京極堂が通り名だ。

京極堂は座敷で呪いにかかった芥川龍之介の様な顔に、
太宰治を拗らした(こじらした)ような表情を浮かべ、古い和綴じの本を読んでいた。

「旦那、公僕たる国家警察には休日なんてものはないんじゃないのか?」
京極は木場を旦那と呼ぶ、それは木場が旦那にふさわしい風袋をしているからだ。
――うるせいや。木場は座敷にあがった。

「さてこんな、時間にやって来るなんて――飯でもたかるなら、もう少し早いほうが」
京極堂が憎まれ口を叩く。
「よせやい、仮にもこの木場修太郎そこまで落ちぶれちゃいねいぜ」
京極堂は口の角を少しだけ上げた。


530 :TIPS「始末の支度(壱)」:2009/10/04(日) 22:54:14 ID:OpiGXL/x

「今日は聞きたい事があって来たんだ、京極――未来予知ってのはできるのかい?」
「不可能だよ」
京極は眉根を寄せて、即答した。

「まあ普通はそうだが、ほら榎木津の馬鹿みたいな"未来が見える"奴がいる事はねえのかい?」

榎木津――榎木津礼二郎(えのきづれいじろう)は2人の共通の友人だ。
榎木津は戦争で致命的に視力を失ってから、"人の過去が見える"という能力を手に入れた。
今ではそれをいかして、神田で探偵をしている。

「いいかい、旦那、過去と未来というのはまったく違うんだ。
 確かに榎木津には人の過去を見るという、云うなら超能力がある。
 けれどもそれはそんなに難しい話でもないんだ、何なら科学でも推測できる」
「どういうことだ?」
「旦那、過去というのは確定した事柄だよ、記憶の積み重ねだ。
 仮令(たとえ)ば記憶というのはど何処にあると思う?」
「この脳味噌じゃねえのか、よくわかれねえけど」
木場にとっては理論など、どうでもいい。
映画は見て面白ければそれで良し、画が映る仕組みなど興味もなかった。

「所謂(いわゆる)科学の信奉者達もそう考えているね、脳の大脳新皮質がどうとか。
 科学的に推測するから、ここではその説を採用しよう。記憶は脳の細胞に刻まれたものだとする。
 だとすると、人の記憶・過去を見る事、観測は不可能だろうか?」
「見えるわけねえだろ、人には頭蓋骨があるんだから」
「確かに今の科学では不可能だろう、でも進んだ科学、進(しん)科学とでも云おうか。
 今から何百年も後、科学が発達して頭蓋骨の外側からでも脳の動きが観測できるようになったら?」
「そりゃ何百年も後なら可能だろうが」
京極堂は手で顎を撫でる。

531 :TIPS「始末の支度(壱)」:2009/10/04(日) 22:56:27 ID:OpiGXL/x

「なら今度は、その脳の動きと同じ動きを自分の脳に行えばいいんだ。
 そうすれば、科学的に人の過去が見えた事になるだろ」
「けど、そいつはずっと先の話だろ?」
「旦那、重要なのはそれが可能かどうかという話だよ。
 榎木津には人の過去が見える、これは現時点では超能力さ、でも何百年も後なら不可能じゃない。
 榎木津は"見る事ができないものを見ているだけさ、見えないものを見ている"訳じゃない」

「まあ、あの馬鹿の話はそれでいいにしても、
 その進科学か、そいつを使えば未来だって見えるんじゃねえのか?」
「未来は過去みたいに一筋縄ではいかないんだよ、未来は可能性の塊で不確定な物だ。
 例令るなら旦那が昨日食べた晩飯と、明日食べる晩飯のような関係なんだよ。
 旦那が昨日食べた物は現在において確定していて変わったりしない、
 けど明日何を食べるかは現在においては未確定なんだ。
 もちろんある程度の予測や予報はできるけどね、
 男独身(おとこやもめ)が食べる晩飯なんて店屋物か何かに決まっているから」
「ほっとけよ、じゃあ何百年たっても未来予知はできないのか」
「基本的にはそうさ、もちろん高度の予測や予報はできるようになるだろうがね。
 ただ天気予報でも99.9%雨が降ると予報して、例令雨が降らなくてもそれは外れた訳じゃない。
 残りの0.1%は当たった訳だからね、未来とはそう云う曖昧模糊な物なんだ。
 未来は観測されて初めて現在、現実、今となる。云いかえれば未来は実存なんかしない」
京極堂は続ける。
「時間と云うものはね、1・2・3・・・と過去、現在、未来、
 という並びじゃなく。0・1・2・・・と未来、現在、過去と並んでいるんだ。
 そして、零――"ないものは見えない"」

532 :TIPS「始末の支度(壱)」:2009/10/04(日) 22:57:21 ID:OpiGXL/x

木場はうーんと唸った。
「なら、その高度の予測か、例令ばそいつが百発百中までいく事はねえのか?」
「もちろん可能性はあるよ、でもそれは下手したら何千年後とかの話になるよ、
 お釈迦様が弥勒菩薩になって56億7千万年後に人々を救いに来るのと同じような話さ。
 さっき云った過去を見る、こちらは後2百年か百年ぐらいでできるかもしれない、
 あるものを観測するだけでいい訳だから。
 けど、未来の場合は観測しなくちゃいけないものが多すぎる。
 旦那の明日の晩飯ぐらい短期的で限定的な物でも、さっき僕は店屋物だろうと予測したけど。
 同僚と飲みに行くかもしれないし、急な事件が起こって抜きになるかもしれない、
 飯をたかり損ねた帰り道に、拾い食いでもして腹を壊すかもしれない、可能性は無限に近い」
京極堂は仏頂面で笑った、そして――

「もし、森羅万象全てを観測し、それを理(ことわり)の中に入れ、確実な未来予測、いや予知か、
 それができるとしたら、それはもはや―――神の所業だよ」

京極堂はそこで一区切りをつけた。
それを見計らったように千鶴子がお茶を持ってきた。

京極堂はお茶を一啜りすると。
――で、本題は何なんだい?、と聞いた。

木場もお茶を少し飲み。

「実はな――

533 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 23:09:30 ID:OpiGXL/x
とりあえず今週はここまでです
(本当はもっと書きたかったのですが達成できず・・・)

この次ぐらいから後半戦に入ります
ここまでは明るい感じでしたが、
後半は暗い感じになっていきます(いくと思います)

なるべく京極成分を増やそうと思っていますのでよろしくお願いします。
(といっても、直木賞作家には当然太刀打ちできませんのでそこはご了承ください)

534 :名無しのオプ:2009/10/04(日) 23:11:07 ID:/mM+3uyK
乙。
やっぱ京極が登場すると面白くなるな。

535 :名無しのオプ:2009/10/05(月) 09:53:56 ID:D7W1T7Qz
>>533
乙!
これだけ書けるんだからたいしたもんだよ
できれば、もし後半グロイ場面があるなら、その辺は適当に描写してくれw

むしろ>>522>>528が言うようにこれを読んで
>京極シリーズに影響受けたラノベって感じ。竜騎士と京極の間の子のなりそこないみたいな
って思わせるのがすごいと思う

ちゃんと全く文章体が違う両方の要素を混ぜ合わせてるんだから
なりそこないじゃなくてこれこそが「なるべくしてなった形」なんじゃないか

536 :名無しのオプ:2009/10/05(月) 09:59:31 ID:wL4Yigz7
乙・・・
ってかもう後半?
まだ榎木津も出てないけど大丈夫か?

537 :名無しのオプ:2009/10/05(月) 12:59:20 ID:kJ90MSTK
大量投下乙

しかし、やっぱりなぁ……
関口あたりが喋っているならまだ良いが京極堂がおかしな日本語を喋っていると
猛烈に突っ込みたくなる
>>438で言う「指向」とやらが一体どこに向かっているものか見当もつかんが
少なくとも京極堂自身の台詞くらいは正しい日本語を使って欲しい

538 :名無しのオプ:2009/10/05(月) 16:34:13 ID:9cIVhhWA
>>535
楽しませてくれるんだから
礼を言って労うべきだとは思うが
それはさすがに甘すぎる

539 :名無しのオプ:2009/10/05(月) 19:56:04 ID:zmUIdo9w
>>537
趣向って書きたかったんじゃね?
>>538
でも京極レベルで書けるのなんて
本人くらいしかいないだろうよ

540 :名無しのオプ:2009/10/05(月) 21:19:04 ID:kJ90MSTK
指向だろうが趣向だろうが同じこと
どういった目論見かは判らないが果たして京極堂に
間違った日本語を喋らせるに足る理由があるのかが問題

541 :名無しのオプ:2009/10/05(月) 21:25:58 ID:eHxpVbAD
チトこだわりすぎじゃないか?
本人以外が書いてるもんにそこまで求めるなよ。

542 :名無しのオプ:2009/10/06(火) 00:34:10 ID:5r4rZ1c7
本編とのつながりを考えるのは野暮かも知れんけど。
時系列としては川赤子からつながってるから姑獲鳥の前後?
なんにせよ、楽しく待ってます。

543 :名無しのオプ:2009/10/06(火) 00:45:06 ID:UmP1AMoT
ひぐらしの時期と3〜40年の開きがある時点で時系列を考えても仕方無い気がw

益田とかがいれば絡新婦の後、とか考えやすいんだけどね。

544 :名無しのオプ:2009/10/10(土) 23:47:34 ID:IBn9hUzq





――静寂、静粛、閑静、静かだ、水を打ったように音が溢れていない――
――静寂は素晴らしい。このまま、そうこのまま時間が止まってしまえばいいのに――


「り、り、梨花ちゃん、そ、そろそろ奉納演舞のじ、時間だよ」
園崎魅音の言葉によって静寂は打ち砕かれた。

私を取りまいていた人々が、蜘蛛の子を散らすように去っていく。

――ここは、何処だ?
そうだ、私は銃を構えていて・・・

「せ、関口先生、写真を撮らなきゃいけないから、先に行きますよ」
鳥口が云う。

――弾はどうなったんだろう?
よくわからない・・・

祭囃子が聞こえる。


――1人になった。



545 :名無しのオプ:2009/10/10(土) 23:49:52 ID:IBn9hUzq
本殿の方に三々五々、人が集まっていく。
私もつられるように、そう向かっていく。
人垣ができつつある、境内を目前にして。

何かが行われるのだろうか?
背の低い私には見えずらい。

歓声があがる――少女――古手梨花が巫女のような服で出てきた。
鍬(くわ)のような物を持っている――奉納演舞――何かの儀式か。

人混みはつらかった。
眸に入る光が厭だった。
もっと暗い所に行きたい。
私の脚は暗闇に向かってく。

月が輝いている。

私には輝かしい光などは似合わない、相応しくない。
太陽の光は生命の輝き――私には向いていない。
私には月光がちょうどいい、それでいい。

私がこんな風になってしまったのはいつからだろう?――考える。
鬱病が激しく発病したのは学生の頃だった。
何故発病したのだろう?――考える。
当然だが、なりたくて、なったわけではない。
私は生まれつき、そういった人間だったのだろうか?――考える。
元々そういった素養を持っていたのかもしれない。
だが何かを忘れている気がする。何か"きっかけ"があったような?――考える。
私が発病したきっかけ、引き金――思い出せない。
ただ何かがあった気がする、けれど内容がわからない。


546 :名無しのオプ:2009/10/10(土) 23:56:41 ID:IBn9hUzq
暗闇の中を歩いていると、それまでより少しだけ心が落ち着いてきた。

やはり私は日陰の人間なのである。
『蔭花植物』等という、ありがたくない仇名まで頂戴した事がある――命名者は榎木津だったか。
戦争からおめおめと戻ってきた後、私は大学に戻り粘菌の研究をしていた。

粘菌は走る黴、動菌とも云われ、面白い特性がある。
粘菌は葉緑素を持たず、動物のような栄養摂取をするのに、胞子をつくって繁殖する。
粘菌は動物と植物の合いの子の生き物なのだ。

私が粘菌の研究を辞めたのは、雪絵――妻と身をかためる事にしてからだ。
私はその時、副業にしていた、小説家などと云うものを職とした。
私のような社交性の欠片もない人間には、他の職業を選ぶ事などできなかった。

妻は私には勿体ない女性だ。気立ても、器量もどちらも優れている。
妻は何故私などと夫婦(めおと)になったのだろう?――考える。
妻は私の事を好いていてくれるのだろうか?――考える。

私は私の事がこんなにも嫌いなのに。

人間は考える葦だとは云うが、考えてはいけないものも、あるのかもしれない。
下手の考えは休むに似たりとも云うが、私の思考は物事をより良く捉える事ができないようだ。

考える事を止めるにはどうしたらいいのだろう?――考える。
ただ、考える事を止めた人間は、人間なのだろうか?――考える。
私は人間の範疇に入れてもらえるのだろうか?――考える。

私は葦――いや粘菌だ。
私は動物と植物の合いの子なんだ。

――粘菌は胞子をつくって繁殖する――

547 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:00:07 ID:IBn9hUzq


月夜の凶人のように、月光の中をふらふらと歩いた。
何処に行こうとするのか、何をしようとするのか。

あてもなく歩いていく。

拓けた所に建物がある――倉庫――倉――蔵――
ちょうど少し腰を下ろしたいと思っていたので、近寄ってみる。
近づくと入り口に影がある――影――陰――人影――
瞬時に躰が緊張した、今の私には人と接するには準備がいる。

「―――――あらあら。どなたかしら?」
聞いた事がある声を感じた。

――こんばんは、何とか声を絞り出した。

「あらあら、関口さんじゃないですか――今晩は」
声の主(ぬし)は鷹野三四だった、隣には富竹もいる。

これはとんだ出歯亀だったのかもしれない。
――え、ええと、上手く言葉にならなかった。

私の狼狽を察して富竹が答えてくれた。
「いや関口さん、そう云うんじゃないんだよ」
「くすくす―――残念だけど、関口さんが覗き見したくなるような場面じゃないのよ。
 期待に添えなくて申し訳ないわね――」
鷹野三四は嗤った。


548 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:02:29 ID:IBn9hUzq
――じゃあ、こんな所で何を?
「いやあ、これはね・・・」
富竹は言葉に詰まり鷹野三四を見る。
「ここはね。祭具殿と云ってね。祭具をしまっている倉庫なの。
 ―――いえ、祭具を祀っている神殿と云ってもいいかもしれないわね」
鷹野三四の言葉に建物を見る、確かに古式ゆかしい佇まいの建物だった。
「今日、梨花ちゃんが使っていた、祭事用の鍬(くわ)もここにしまってあったの。
 雛見沢の神主の血筋、古手家の人間以外は『不浄』を持ち込むから立ち入り禁止の不可侵領域――」

――聖域なの。

「じゃ・じゃあ、こんな所で何をしているんですか?」
鷹野三四は稚気の混ざった口調で。
「私、雛見沢の昔語りや伝承を趣味で研究しているって云ったでしょう。
 私の知的興味の様々な答えがこの中に詰まっているの。
 この中に入れる機会(チャンス)を今日まで、ずっと待っていたの――」

どうやら、この祭具殿の中に侵入しようとしていたらしい。
確かに今の時間帯はみんなお祭りに気を取られていて機会なのかもしれない。
けどそれは許されない事なのでは――考える。

富竹が私の視線に気づき。
「いや僕も、いけない事だとは思うけどね、鷹野さんが『どうしても』って云うから」
「つき合わせてしまってごめんなさいね。でも、ジロウさんのお陰よ感謝してるわ」
「やれやれ・・・でも鷹野さん、こういうのはこれっきりにしてくれよ?
 こういう所に黙って入り込むのはやっぱり気が引けるよ」
「くすくす―――やっぱりジロウさんはいい人ね」

そう云うと富竹は扉に付いている南京錠に手を加えた。
ゴトリ――神聖なる建物を護っていてモノが外れた。


549 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:04:15 ID:R3AFmaLb

「いよいよね」
鷹野三四は唾を飲み込むと一呼吸して扉を押した。
中から黴(かび)くさいような歴史のにおいが漂ってきた。

「どう?関口さんも共犯なんだし、せっかくだから一緒に見学しません?
 雛見沢の秘史を埋める。貴重な文化遺産の見物会よ。――今日だけの限定会館――くすくす」
鷹野三四は嗤った。

――共犯なんて・・・上手く声にならず、むにゃむにゃとした言葉が出た。

富竹は階段部分に腰をおろして
「ここで見張りをしていますから、見てきたらいいですよ。
 僕はあまり趣味じゃないですけど、結構面白いかもしれませんよ――ふっふっふ」
富竹は笑った。

――この中に何があるのか、富竹さんは知っているのですか?
「まあね、鷹野さんに散々聞かされているからね・・・」
富竹は苦笑した。


結局私は反対の意志を示す事ができなかった。


550 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:06:59 ID:R3AFmaLb
祭具殿の中は真っ暗で鷹野三四がもっている角灯(ランタン)の灯りで、そこが狭い前室だとわかった。
「真っ暗だね、転ばないように気をつけるんだよ」
「ご心配ありがとう、――じゃあ門番をよろしくね。ここ、閉めるわよ」
鷹野三四は嗤い乍ら(ながら)扉を閉めていく。
――やれやれ・・・、富竹の声が少しずつ遠ざかり

――扉は閉められた。

扉が閉ざされる事で辺りには闇と閉塞感が漂いだした。
鷹野三四がもつ角灯の光で世界が揺れる。

前室の奥には古い乍らも頑丈そうな、厳かな装飾のされた、重そうな扉があった。
――奥にあるモノを封じ込める、最後の砦のようだ――

「ただの倉庫なのに前室があるなんて変わっているでしょう。
 ――1枚ずつ扉を出入りさせる事によって、中が外に見えないようにしているのよ」
鷹野三四が語る。

私は暗い壁ぞいにある切替(スイッチ)を見つけた。
――これは、何の気なしに入れてみると上に吊されている電球に灯が点り、世界は光に包まれた。
私の暗闇に慣れていた眸にはあまりに眩しかった。

すると鷹野三四は私の手に触れると、その上から切替を切った。
「関口さん、私たちは忍び込んでいるのよ、明るいのもいいけど――今は、ね――」
鷹野三四が私の耳元で囁いた。

雪絵――妻以外の女性の手に触れたのはいつ以来だろう?――考える。


彼女の手は白く、冷たかった。


551 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:08:38 ID:R3AFmaLb

前室の奥には広い空間が広がっているようだった。
鷹野三四が角灯をかざすと、正面の一番奥には、仏像のようなご神体が立ち、
侵入者である私たちを見下ろしていた。

「あれが雛見沢の守り神、――オヤシロ様よ」

あれがオヤシロ様、雛見沢を外界の穢れから守り、祟りを起こしているという・・・。

「――想像していたより、たくさんの祭具が収められているようね。
 ――でも残念、どれもあまり手入れがされていないわ。
 ――状態が悪いのが悔やまれるわね」

壁や天井や棚に色々なものが並べられている。
どちらかと云うと、祭事的、芸術的な形のものはなく、大工や鍛冶屋の作業場のような、
そんな感じの木製や金属製のものがごろごろと並べられている。
美術品の様なものがあるのを想像していた私は拍子抜けしてしまった。

「――あら、面白くないかしら」
鷹野三四が声をかけてきた。
「ええ、まあ、こういったものに興味がある人には楽しいのでしょうが・・・
 僕にはよく価値が・・・」
鷹野三四は私の顔を覗き込むと、手帳の様な物を取り出すと。
「――それじゃあ、関口さんに昔話でも聞かせてあげようかしら。
 この地方では一般的な昔話よ。みんなが知っているくらい」
彼女はそう云うと
「いーい?じゃあ―読むわよ」
母親が子供に聞かせるように語り始めた。


552 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:12:16 ID:R3AFmaLb

昔々、ある山奥の村にね、村があったの。その沼はね、底無しの深い―深い―沼でね。
地の底の、鬼の国に繋がっていたんですって、その沼は海よりも深いと云われて、
飲み込まれればそのまま黄泉の国まで沈んでいくと伝えられる、底なしの沼だったの。

その名を――鬼ヶ淵と云いました。

村人たちは鬼の国、つまり地獄のことね。――鬼の国と繋がるという沼を崇め乍ら過ごしてきたの。
でもね、ある日の事――

――沼の底から鬼が次々と現れたの。

村人たちは――地獄が溢れたと、怯えたそうよ。
そうして鬼たちは村人たちに襲いかかった、村人たちは隠れて怯えているしかなかったの。
鬼たちは残虐非道に村人たちを迫害していたそうよ、でも村人たちが本当に諦めた、その時――

――神様が――『オヤシロ様』が降臨したの。

天から降臨したオヤシロ様の力は鬼たちとは比べ物にならなかった。
鬼たちは戦うまでもなく、その威光の前に平伏したのよ。

けどね、オヤシロ様が鬼たちに元の鬼の国に帰るように諭したけど、
鬼たちは涙ながらに訴えたそうよ。鬼の世界にも厳しい戒律があって、
彼らは鬼の国を追放された鬼たちだったんですって。

鬼の国にも、もちろん人の世にも彼らの居場所は無かったの、
もちろん村を襲ったのは悪い事だけど彼らはそれを反省したの。

村人たちも話を聞く内にね、少しずつ気の毒になっていったわ。
それでね、村のみんなで話し合って、鬼たちと一緒に住む事を決めたの。

553 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:16:57 ID:R3AFmaLb
鬼たちは村人が自分たちを受け入れてくれるという申し出に、
まず耳を疑い、次に感涙に咽びいたそうよ。
村人たちは鬼たちに生活の場を与え、
鬼たちは恩返しに自分たちの持つ様々な力や秘法を村人に授けたの。

オヤシロ様はその微笑ましい交流をとても喜んでね、
鬼たちが村人と分け隔てなく暮らせるように人間の姿を与えたの。
そして自らも地上に留まり、末永く両者の交流を見守る事にしたそうよ。


554 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:20:00 ID:R3AFmaLb

「普通の御伽噺ならここで終わりなんだけどね。このお話は後世にだいぶ加筆されたみたいで、
 まだまだ続く、ずいぶんと長い話になっているわ」
鷹野三四はそこで、目線で感想を求める。
「なかなか・・面白いですね、神と人と鬼が共存する話なんて聞いた事がないです」
私は彼女に声で答えた。
「ここからは、もっと面白くなるわよ、その後鬼と人との混血が進み、もう何も区別がなくなったの」
「鬼の存在は結局村にとけ込んで消えてしまった、という事ですか?」
「いいえ、鬼の存在は半分はちゃんと、残ったそうよ。
 でも村人たちは鬼の持つ力が異端である事を充分に理解して、
 ふもとの人々に崇められ乍らひっそりと暮らしていたの――でも、その残った鬼の血が重要なのよ」

鬼か―――ふと、友人が何時か(いつか)話していた話が浮かんだ。
「その鬼というのは、何か実際に起こった出来事が元になっているとか考えられませんか?
 例令(たとえ)ば、有名なのでは漂流異人説とか」

古代の日本で近海で難破した西洋人をあまりの風貌のちがいに『鬼』と呼んでいたなんて話だ。
当時の日本では西洋人の存在などは知られていなかっただろう、
その体格や顔のつくり、肌の色から、赤鬼や青鬼などと、そう呼ばれていたという説だ――確か・・・

「遭難した異人たちが流れ着き、言葉も通じないで鬼と呼ばれ排斥を受け、山に逃げ込む、
 彼らも生きるために山賊化して村々を襲撃して食料を奪ったとか・・・」
「確かに、実際に漂流異人説を唱える人はいるわ、でも実際にはどうだったのかは誰にもわからない
 山賊化した異人たちか、本当に地の底からやって来た鬼たちだったのか――ね」

鷹野三四は何故か少し嬉しそうに答えた――私は彼女に何故か親近感(好意?)を感じた。

555 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:28:13 ID:R3AFmaLb

「さて、いよいよ、ここから面白くなっていくの――」
鷹野三四は語り出した。

「――村人たちに半分、鬼の血が流れているのは話したわね、実はその血なんだけど、
 鬼は鬼でも『人食い鬼』の血なんだ、って云われているの。
 その血は今でも村人たちに脈々と受け継がれていてね、――時折、目を覚ますらしいの」
彼女の言葉は、人と鬼の共存の美談を生々しく変えていく。
「鬼の血をひく者たちはね、周期的に『狩猟者』としての本能が目覚めて、
 獲物を求めて人里に姿を現すの、そうしてその際に行われるのが『鬼隠し』なの」
彼女の声は、女性としては若干低く、優しく、響く。
「『鬼隠し』はね、人としての理性を失って文字通り鬼と化した村人たちが大挙して、
 彼らが穢れた俗世と忌み嫌う村々に襲いかかって、まるで狩りをするように人を攫う(さらう)の」
彼女の唇は、妖艶に、淀むことなく動き続ける。
「しかもね、その『鬼隠し』はオヤシロ様も了承していたそうなの、
 『鬼隠し』は無差別でなくて、神様が認めた生贄以外には誰もさらわなかったそうよ」
彼女の瞳は、角灯の光の中で静かに揺れる。
「そうして生贄を攫ってきた夜にはね――『綿流し』の儀式が開かれたというわ」
彼女の息は、壁にふんわりと形を創る。


私は何かがこみ上げてくる気がした。


556 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:30:26 ID:R3AFmaLb
「た、確か今日のお祭りも『綿流し』って云うんじゃ―――」
「関口さん、ワタって云いません?――臓物(ぞうもつ)の事」
鷹野三四が聞いてくる。
「ワタ・・・そう云えば魚のワタとか・・・・『腸流し』・・・」
自分の声から連想されるものを、ここまでおぞましく感じた事はなかった。
「そう、関口さんが想像しているとおり、『わた』というのは腑(はらわた)の事なの――
 今でこそ綿流しは毎年6月に行われる、少し早い夏祭りに過ぎないけど、昔は違った――
 それは、祭囃子で賑わうものではなく、もっと違う身が凍るような、凄惨な宴だった――」

彼女はそう云うと、私の方へ1歩近づいた。

「今日行われた奉納演舞は見ましたか?」
鷹野三四が尋ねてくる。
「・・・少しだけ・・・さわりだけは・・」
「そう――じゃあ、あの奉納演舞が何を意味しているのかわかってくるでしょ?
 古手梨花――少女が持っていた祭事用の鍬(くわ)――あれは田畑を耕す鍬ではなくて――
 あの後、あの鍬で祭壇の蒲団からワタを取り出すの、そうしてそのワタを一人ずつ沢に流すの」

彼女は頬笑むと、私の方へ1歩近づいた。

「これで、ここ祭具殿の中にどういうものがあるのか、わかってきたかしら?」
鷹野三四が問う。

「人ってね、上手にやれば結構殺さずに済むものらしいの」

彼女は私の耳元で囁いた。


私は何かがこみ上げてくるのを感じた。


557 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:35:37 ID:R3AFmaLb
知らぬが仏と云う言葉がある。この世には知らない方がいい事もあるという意味だ。
さっきまで大工や鍛冶屋の作業場のように見えたこの祭具殿も一つの情報で色が変わった。
これは、この祭具たちは、日常生活で目にする物ではない。ある目的のために造られた物だ。
壁に立てかけられた明らかに人型と見える求iはこ)、天井に吊されている鉄格子の様な檻、
中にはどうしても用途が理解できない怪しげな物もあった――自分が理解できない物は畏怖になる。

鷹野三四は一つだけの灯りである角灯(ランタン)を持って、壁沿いに先導していく。
時折嬉しそうに解説を交えながら、嬉々としている。

私は先ほど彼女に親近感を感じた理由が理解できた。
――彼女も狂っているのだ。

――さて、これで軽く1週できたかしら、彼女はそう云うと、私を向き。
「これで関口さんも何となく信じてもらえた?この雛見沢に伝えられる、恐ろしい儀式の数々が」
こうして実物を見せられては否定する事はできなかった。

――どん、どん
その時何処か遠くの板の間で子供が跳ねているような音がした。
けれども、彼女は気に留めなかった。

「で・でも、それは中世の魔女狩りのように大昔の出来事だと思いますが・・」

彼女は再び顔を寄せ、私の耳元に囁いた。
「関口さん、私はその風習が現代でも残っているんじゃないかと思っているの」
彼女は私の近くで嗤って、云った。
「でもね、これは絶対に内緒にしていてね、知られたら私、オヤシロ様の祟りにあうか――
 生贄にされちゃうかもしれないから――そう云えば今夜、オヤシロ様の祟りがあるの――」
彼女は嬉しそうだった。


私は何かがこみ上げてくるのがわかった。


558 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 00:52:59 ID:LKX00KeQ
乙!
やっぱ関口視点は鬱々としてんなw

559 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 01:46:19 ID:R3AFmaLb

そして、彼女は手帳からある切り抜きを取り出し、私に見せた。
それは古い、新聞記事だった。
「これはね、実際にあったお話よ、明治の終わり頃にね。
 鬼ヶ淵、もう気づいているだろうけどこれは雛見沢の旧名ね。
 その鬼ヶ淵村でね、身元不明の惨殺死体が発見されたんですって。
 当時の警察の資料がほとんど残ってないそうだから、
 口伝(くでん)と記憶によるものだけどね。これが当時の新聞の切り抜きなの」

『―――カクモ無惨且ツ残虐非道ヲ尽クサレタ遺体ハ嘗テ無ク――鬼ノ仕業カ』

「どういう事かわかるかしら?」
「・・猟奇的な事件が明治に入っても起こっていたっていう事ですか?・・」
「そう――1説には明治は元より昭和の始め頃まで、その因習は残っていたとも云われてるわ」

――どん、どん

再び、何処か遠くの板の間で子供が跳ねているような音がした。
矢張り、彼女は気に留めなかった。

「で・・でも、め・明治だってそうとう昔の話ですよ・・・」
私の声は上擦っている。

――ぎぃいいいいい

その時、いきなり扉が開き、富竹が顔を見せた。


私は何かがこみ上げてきた。


560 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 01:49:43 ID:R3AFmaLb

「あっはっは、驚かせちゃったかな?」
「あら、ジロウさんも見たくて我慢できなくなったかしら?」
「僕は遠慮させてもらうよ。――あははは――生来ね、こういうのは苦手なんだ」
男のくせに、とでも云いたいのか、鷹野三四は押し殺した声でお腹を抱えて笑った。

「それより、演舞と祭典(セレモニー)が終わって、みんな沢の方に降りていったよ。
 後何分もしないでお祭りは終わっちゃう」
「あら、いけない、関口さんがあまりにも聞き上手だから、また話しすぎたわ。
 ジロウさんは表で待っていてくれるかしら、私はちょっと写真を撮るわね。
 本当はいくつか道具を持って帰りたいんだけど、流石(さすが)にそれは無理そうだから」
鷹野三四はそう云うとカメラを取り出し、写真を嬉しそうに撮り始めた。

私は鷹野三四を残して、祭具殿から出た。

「どうだい、面白かったかい?」
「・・・・・・・・」
「あっはっはっは!!」
富竹は私の顔を見て痛快に笑い転げた。

「鷹野さんは大人しく見ていたかな?ほら、彼女、子供っぽい所があるだろう?
 宝の山を前に、さぞや興奮してたんじゃないかな。特に何か持ち出したり、触って壊したりし――」
「・・・・・・・・」
富竹は喋っていたが、私は何も答えられずに藪の方へ向かった。


そして――


561 :名無しのオプ:2009/10/11(日) 01:51:00 ID:R3AFmaLb





私は―――――嘔吐した――――――





562 :TIPS「始末の支度(弐)」:2009/10/12(月) 00:01:07 ID:91obwu4S

「実はな――

木場修太郎は四角い顔をさらに角張らして、話し始めた。

「赤坂――俺の後輩に、と云っても警察じゃなく公安なんだが、
 赤坂ってのがいるんだ。それで、こないだその赤坂と飲む事があってな、
 赤坂はこれでなかなか酒が強くてな、まあ、2軒、3軒とハシゴしてだな」
京極堂はむっつり、聞いている。
「それで、酒の肴で榎木津の話や、なんだ20ヶ月妊娠している妊婦だとか、
 そう云った怪奇譚、不思議な話か、していたんだが、
 そうしたら赤坂が自分も不思議な体験をした事があるって云いだしてな」
京極堂はぷっくり、聞いている。
「そんで赤坂が今から5年前に赤坂はある事件で、ある村に捜査にいったらしいんだが、
 そこで不思議な少女にあったらしい、最初は普通の感じだったらしいが、
 その少女が突然、神降ろしみたいな状態になってな」
京極堂はじっくり、聞いている。
「で、その少女が未来予知――予言か?、それをしたんだそうだ。
 で、ちょうど同期の大石って奴が近くの警察にいたもんで聞いてみたんだよ。
 で、そうしたら、どうやらその少女が5年前にした予知は当たっていたんだ」
京極堂はしっくり、聞いている。

「しかも、その予知って云うのが人が死ぬ――所謂(いわゆる)物騒な話なんだ。
 ほら知ってるだろ、4年前に雛見沢ダムで起きたバラバラ殺人」

京極堂は『雛見沢』と云う言葉に反応し、眉尻をつり上げた。

木場は残っていたお茶を飲み干すと、
「その少女ってのは、その村の神社の子供でな、
 その村では、神様の生まれ変わりなんて云われていたそうだ、んで、今から5年前に月夜の晩に――」


563 :TIPS「始末の支度(弐)」:2009/10/12(月) 00:04:14 ID:91obwu4S
「私ね―――後、何年かすると、殺されるの」

「梨花ちゃんが・?・・どうして・・・」

「―――とても不愉快な事だけど。―――それも多分決まっている事なの」

「決まっているって、・・・誰がそれを決めるんだい?」

「それを私も知りたいの」

「―――ここは、人の命を何とも思わない連中でいっぱいです。
 ―――これを伝えても何も変わらないかも知れないけどでも、
 ―――死という月を映す水面を掻き消すためなら、小石を投じる事もあるかもしれない」

「――来年の今日、綿流しの日にダム現場の監督が殺されます」

「恐ろしい殺され方をした後、体中をバラバラに引き裂かれて捨てられてしまいます」

「バ・・・バラバラ殺人・・・・」

「その翌年の今日、――沙都子の両親が突き落とされて死にます」

「そして、さらに翌年の3年後の6月の今日。――私の両親が、殺されます。
 そして、さらに翌年の4年後の6月の今日。沙都子の意地悪叔母が頭を割られて死にます。
 そして、さらに翌年の5年後の6月の今日。――――――――あるいはその数日後か」

「――――私が殺されます」

「全ての死が確定事項なら。―――――最後の死もまた決まっているのでしょうか?」


「―――――――――――死にたくない」

564 :名無しのオプ:2009/10/12(月) 00:07:41 ID:91obwu4S

私が落ち着きを取り繕って戻ると、鷹野三四は既に祭具殿から出ていた。
――大丈夫ですか?富竹の問いに、――まあ、何とか、と無理して笑った。

富竹は申し訳なさそうな表情を作り。
「僕たちは今からでも沢に行ってみますけど、関口さんも一緒に来ますか?」

沢で――綿を流し――ワタを流し――腸を流し――

「僕はもう・・・」
それだけ云うと富竹は察してくれたのか、鷹野三四に声をかけて沢への下り坂に向かった。

私が2人の後ろ姿を、安堵の気持ちで見送っていると、
鷹野三四が戻ってきて、手帳を出した。

「関口さんなら、馬鹿にしないでちゃんと読んでくれそうな気がするから、
 私の秘蔵の切り抜き集(スクラップ)を貸してあげます。
 本当は門外不出なのよでも、でも関口さんだから特別よ」
鷹野三四はそれを私の手に握らせた。
 
「是非、感想を聞かせてね、それと――これと、今日の事は絶対に内緒よ。
 それこそ連中に知られたら、消されてしまうかもしれないもの――くすくすくす」

鷹野三四は嗤って、去って、行って、


――私は暫し呆(ぼう)とした。


565 :名無しのオプ:2009/10/12(月) 00:10:58 ID:91obwu4S
体も心も消耗していた。
鷹野三四――彼女が持つ毒気に当てられてしまった。
少し時間が欲しかった。
もう一度――自分の心と体に平常を取り戻すために。

――私は暫し呆とした。

遠くの祭囃子さえ消えて、世界は静寂に包まれていた。
静寂はいい、動物でも植物でもない私はそれを暫し忘れる。
考えるからいけないのだ、何も考えずにいればいい。
時の流れに思考を乗せるのだ――そう時間の流れのように唯(ただ)流していけばいい。

「――関口、見ーつけたー、なのです」
背後から声をかけられ、瞬間に心が緊張した。今の私には人と接するには準備がいる。

振り向くとそこには少女――古手梨花がいた。

「こんな所で、何をしているのですか?」
「え、・・えーと、月夜の散歩だよ」
私はどぎまぎした。

「でも、ここら辺には祭具殿しかないのですよ」
「そ、・・そう、あの建物は祭具殿なんだ・・へ、へぇー・・」
私はあたふたした。

「関口はボクの奉納演舞を見てくれましたか?」
「も、もちろんだよ・・・」
私はびくびくした。

「関口は嘘がへたくそなのです」
少女は私の顔を上目づかいで見上げ、にぱーと笑った。


566 :名無しのオプ:2009/10/12(月) 00:13:53 ID:91obwu4S
月光を浴びて少女の髪は蒼く輝いている。
少女はその可愛らしい瞳で私の目を見つめた。

――関口は"見えているのですか"

「な、何が・?・・」

少女はほんの少しだけ、落胆の表情を見せ、逡巡し、
そして、何かを決心した様な顔になり。

とても信じられない様な表情で、
とても信じられない様な口調で、
とても信じられない事を話した。

そして、少女は最後に云った。

――今日、鷹野と富竹が殺されます。

――――そして、明後日にも私が殺されます。

――――――未来はもう決まっているのでしょうか?

――――――――運命は受け入れなければいけないのでしょうか?



――――――――――死にたくない。



そして――

567 :名無しのオプ:2009/10/12(月) 00:15:07 ID:91obwu4S





私は―――――失神した――――――





568 :名無しのオプ:2009/10/12(月) 00:25:44 ID:91obwu4S
今週はここまでです。

>>536
榎木津は解決編からの登場になります
(ただでさえ取り扱い注意なキャラなのに、過去が見える能力は使い勝手が・・・)

あと、余談ではありますが
京極堂シリーズで一番の不思議は、
雪絵さんがあんな鬱病のチビザルと結婚した事だと思います
(当時の結婚はそういうものだったのかもしれませんが・・・)

569 :名無しのオプ:2009/10/12(月) 00:29:26 ID:a2d8bAo+
>>過去が見える能力は使い勝手が・・・

最近本編でも出番が少ないのはこれが理由なのかね。

570 :名無しのオプ:2009/10/12(月) 01:58:52 ID:NlN4Z0/L
>雪絵さんがあんな鬱病のチビザルと結婚した事だと思います
>(当時の結婚はそういうものだったのかもしれませんが・・・)

いや、あの二人は恋愛結婚だから、
雪絵さんの好みのタイプだったか、
なぜか惹かれたのか。

571 :名無しのオプ:2009/10/12(月) 12:25:02 ID:Q3Jp4vl0
>>568


どうやら姑獲鳥と同時期みたいだね

572 :名無しのオプ:2009/10/12(月) 18:13:33 ID:m7bhXdMw
>>568
乙!
毎週楽しみにしてます
しかし関さん嘔吐したり失神したりw大変だな

>>570
雪絵さんはダメ男に尽くしちゃうタイプなのか

573 :名無しのオプ:2009/10/12(月) 21:34:01 ID:a2d8bAo+
雪絵さんは母性本能が強いんだろう。
「この人は私がいないとダメになる」みたいな。

574 :名無しのオプ:2009/10/14(水) 22:25:16 ID:R6zQ7RJZ
だめんずうぉーかー

575 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 00:38:59 ID:2D3AzNYg
六月二十日(月)

海岸のような荒野のようなところである。
私は女に手を引かれて歩いている。
今日はお祭りなのだ。
私はこんな齢になってもまだ手を引かれて歩いているのがとても気恥ずかしい。
でも、私は子供なのだからこれがいいのだ。そう思うと気が楽になった。

海岸には黒衣の、徳の高そうな僧侶が何人も立っていて、
手に手に錫杖(しゃくじょう)を持ってじゃらじゃら鳴らす。
私はそれが面白くて、ついつい見とれてしまう。

しかし女は私の腕をぐいと引っ張って、無理矢理夜店の方に私を引き寄せ
「ほうら、綺麗でしょう」
などという。

私がそれでも僧侶を見ようとすると、女はとても嫌な顔をする。
私は彼女に謝らなければいけないと思った。しかし、何と呼んでいいのか思い出せない。
この女は私の母親なのだから普段から何度も呼んでいるだろうに。

576 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 00:41:38 ID:2D3AzNYg

女は私が口籠もっているのが気に入らないので折檻(せっかん)をするという。
私はそれも仕方がない、と思った。

女は私の頭を掴むと、砂浜にぐい、と押しつけた。砂はとても熱くて、
おまけに砂の中には座頭虫が沢山混じっているので私は随分不快な気持ちになった。
座頭虫は何百疋(ぴき)と私に取りつき、背といわず腹といわずちくちくと歩きまくった。

耳に座頭虫が入っては大変な事になってしまう。私は痛いのを堪えて、頭を上げた。
女の力は強くて、私は大層難儀したが、
上げた顔の目前に女のはだけた襟元があったので、私はいよいよ困った。

襟元からは女の白い乳房が覗けていて、
私はそれを見てはいけない、と思うのだが、目を瞑ることもできなかった。

私は仕方がないので、扉の方へ行こうと思い、女の手を擦り抜けた。
砂浜を二三歩よろよろと歩いた。

扉を開けると、白い廊下で向こうに見たこともない女性がいた。
女性が怪訝な顔で見る。それもまたやむを得ないと思う。
何しろ私は母に折檻をされるような子供なのだから。

私は座頭虫がついたりしては大変なので、ばたばたと体を叩き虫を払う。
女性は眉間に皺を寄せて口をぱくぱくとさせている、
――大丈夫ですか?、私は尋ねた。
女性は更に怪訝な顔をして、私を見ると向こうへ行ってしまった。

577 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 00:42:59 ID:2D3AzNYg
暫く(しばらく)すると向こうから見たことがある顔が来た。
確か、入江と云ったか。最近見た顔だ。

「関口さん、大丈夫ですか?」
入江は声をかけてきた。
――はぁ、私はいまいち事情がつかめなかった。

入江は確か医者だったはずだ。そう云えば先ほどの女性も看護婦のような格好をしていた。
ここは病院なのか?――なら私は何故ここにいる?
――私は病院に入れられたのか?――入れられてしまったのか?

私の戸惑いを知ってか知らずか、入江は笑った。
「いやあ、大変でしたよ昨日は、梨花ちゃんが急に関口さんが倒れたって云ってきて」
――はぁ、私は昨日の出来事を思い出そうと努めた。

そうだ、昨日の夜『綿流し』のお祭りに行って、祭具殿に入って、そして――


―――――――――――死にたくない

少女の告白を聞いたのだった。

578 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 00:44:47 ID:2D3AzNYg

「どうですか、頭が痛いとかありませんか?」
入江が聞いてくる。
――はあ、答えながら私はやっと目が覚めていくのを感じた。

「それにしても、一度大きな病院で見てもらった方がいいかもしれないですね。
 こう短期間に意識を喪失するのは何かの疾患かもしれません。
 昨日はちゃんと食事はしてますよね」
入江が問う。
――ああ、そう云えば昨日の朝(昼?)から何も食べていなかった。

「まったく駄目ですよ、先日も云いましたが、きちんと栄養をとらないと」
入江が云う。
――すみません、私は謝った。

入江は何か持ってきますから、病室で待っていてくださいと云って、去って。

私は出てきた部屋に戻った。部屋は白い壁に囲まれて、ベッドが4個と窓しかなかった。
私が寝ていたであろうベッドの隣には少女が寝ている、あの少女――古手梨花と同じくらいか。
服を脇に置かれていた開襟とズボンに着替えた。
すると衣服の下に1冊の本があった――これは鷹野三四が渡した切り抜き帳だ。

――今日、鷹野と富竹が殺されます。

古手梨花はそんな事も云っていた――馬鹿げた話だ、その一寸前まで私は彼女らと一緒にいたのだ。
だいたい子どもは昔から、"ああいう訳のわからない事"を云うものなのだ。
そうして、大人をからかって喜んでいるのだ。


579 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 00:46:36 ID:2D3AzNYg
そんな事を考えてると、入江が粥らしき物を持ってきた。
「こんな物ですみません」
「いえ、そんな――」

「お連れの鳥口さんは午後ぐらいには来るって云っていましたよ」
私がそれを受け取ると入江は隣のベッドに近寄った。

「その子は?」
私の問いに入江は。
「鳥口さんに聞いていませんか、この子は北条沙都子ちゃんと云いまして」

――ああ、そう云えば云っていた、確かもの凄く不幸な・・・

「確か身内に大変不幸が続いているとか」
「ええ、そうかもしれませんね、――北条家は貧しい家庭でした。
 ですから、雛見沢ダムの話があがった時に立退料を求めてダム推進派になったのです。
 けれども、村は反ダム運動で団結してしまい、こんな村ですから北条家は村八分にされていたのです」

入江は3日前に合った時より疲れた顔で続ける。
「その後はご両親が不幸に遭われて、しかも里親の北条鉄平達はたちが悪かったです。
 本当は私の養子にしようかとも考えましたよ――けどまあ、無理だったんでしょうけど」

なかなか、親族の里親がいるのに養子にもらうと云うのは難しいのかもしれない。

「今は彼女が16歳になったら結婚を申し込もうと思っていますよ」
入江は少女の頭を優しく撫で、かるく笑った。

そんな入江を見て思う――矢張りあの娘(こ)が云ったのは、戯れ言だ。
たいてい子どもは昔から、"ああいう訳のわからない事"を云うものなのだ。

580 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 00:55:50 ID:2D3AzNYg

入江はそれじゃあ、と云い、出て行こうとした。

私はそこで気がついた、少女が云っていた事の真偽をはかるのは簡単なのだ。

――今日、鷹野と富竹が殺されます。

昨日の今日なのだから、今日、今、鷹野三四が生きているのが確認できれば、それだけで否定される。
鷹野三四はこの診療所に勤務している。しかも今日は平日だ。通常なら出勤しているはずだ。
私は尋ねた。
「入江先生、鷹野さん、鷹野三四さんは今日は出勤していますか?」

瞬間、入江の表情に酷い狼狽が浮かぶ。
「な・何故、鷹野さんの事を・・・」
「え・えーと、・・こ、この切り抜き帳を借りていまして、それをお返ししようかと・・」
とっさに嘘を吐いた。

入江は何とか動揺を抑えて、平静の顔を作った。
「な、なるほど――いえ、実は今日は彼女の出勤日なのに、一寸連絡がとれなくなってまして。
 そ、それで少し驚いただけです――何なら私から渡しておきましょうか?」
「い、いえ感想を伝えたいので、また後で来ますよ」
ふたたび嘘を吐いた。

入江はそ、それじゃあ、と云い、出て行った。

581 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 00:59:49 ID:2D3AzNYg

――今日、鷹野と富竹が殺されます。

鷹野三四がいない・・・"ではあの少女の云っていた事は全て真実か?"
もしそうだとすると・・・この村には大きな陰謀がある事になる。
これはもう私になどは・・・手に余る事柄なのかもしれない。

私は窓の外の長閑(のどか)な風景を見た――とてもそんな恐ろしい事柄が隠されているとは思えない。
ふと、硝子(ガラス)に映る猿のような顔を見つけた。

――君は猿に似ているね。

榎木津――榎木津礼次郎が初めて私と会った時に云った言葉だ。
京極堂はそれを聞くと、
――この男は鬱病だ。いじめると失語症を併発する。先輩は躁病なのだから、彼を見習うがいい。
と、訳のわからない事を云った。

榎木津は、私や京極堂の旧制高校時代の1期先輩に当たるのだが、これが相当に変わった男なのである。
当時榎木津は恰も(あたかも)帝王の如く学内に君臨していた。
学問、武道、芸術は勿論、喧嘩色事に至るまでやること為すこと人並み外れて優秀で、
加えて家柄も良く眉目秀麗だった。
榎木津は躁病の気があり、いつも陽気で天衣無縫、天真爛漫、子供のようなところがあった。
だから(?)、鬱病の私とは何故か気が合い大層親しい間柄になっていた。

しかも戦争に行ってから人の過去が見える能力を手にしてから、豪放磊落さに磨きがかかっている。
今では神田に生前分与された遺産で、ビルを買い、悠々自適な探偵をしているらしい。

榎木津や京極堂なら、こんな事柄にもきちんとした形を造れるのかもしれない。

私はそんな事を考えた。

硝子の中の猿が溜め息を吐いた。

582 :TIPS「始末の支度(参)」:2009/10/18(日) 01:03:39 ID:2D3AzNYg

「それで、どうだった?」

「!、旦那、その名前は本当なのかい?」

「だとしたら――これは大事だよ」

「そうだ――もし、赤坂君が聞いた事――その少女が本当にそう云ったとしたら。
 これは急がなくちゃいけない、えーと、赤坂君か今すぐ連絡とれるかな?」

「旦那、詳しい説明は後だ――あと、現地の警察には情報を流さないで欲しい。
 多分、現地の警察内部には密通者がいる可能性が高い」


583 :TIPS「美代子へ」:2009/10/18(日) 01:05:42 ID:2D3AzNYg

先立つ不幸を許せ。

余命幾ばくもなく、薄れる意識の中でいつが己の死する時もわからず旅立つよりは、
自らの足で死出の旅路に踏み出したい気持ちをどうかわかってほしい。
そのお陰でこうして文を残せる。

無意味な延命に寝惚けた意識の中で死を迎え、何も残すことができない恐怖に私は耐えられないのだ。

だが、結局、私は何も残せなかった。
私の積み上げてきた人生も誇るべき実績も結晶も、何もこの世に残せなかった。
私の死後に忘れ去られるのでなく、私が存命している内から忘れられた。
それを見ながらこの世を去らねばならぬ苦痛は筆舌に尽くし難い。

お前は祖父を越えなさい。
祖父の至れなかった先へ至りなさい。分野は何でも構わない。

それが無理なら偉業や成果を残しなさい。
人の身である以上、私もお前もやがては死ぬ。
人の身である以上、やがては焼かれて灰になる。肉の身は灰となるのが定めなのだ。
だが、お前が優れた偉業を残し名を残したなら、灰となっても永遠に生き続ける。

人の身を失いても生き続ける時、人はそれを神と呼ぶ。
祖父もそうなりたかったが至れなかった。


お前は神になりなさい。


584 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 01:12:50 ID:2D3AzNYg

鳥口がやって来たのは2時をまわってからだった。
何処か、何故か、嬉しそうだった。

「先生ー、もう何やってるんですか」
「いやあ、面目ない」
鳥口の声は浮かれている。

「鳥口君、何か嬉しそうだけど良い事でもあったのかい?」
「先生ここの自然は凄いですよ、カメラマンには天国ですよ。
 こないだ大枚叩(はた)いて、カメラを買った甲斐がありましたよ」
鳥口はそう云うと、肩から掛けたカメラを見せつけた。

「いやあ、そんな物見せられても僕にはちっとも――」

「うへえ」

入江に声かけてを入江診療所を出た。鷹野三四とは未だに連絡が取れないらしい。

「それにしても、こう何度も気を失うのは変ですね。水が合わないのかな?蓼食う虫も何とかですね。
 どうしますか、とりあえず取材は一通り終わってますので、もう東京に戻ってもいいですけど」
車に乗る前に、鳥口が問いかけてきた。

確かに、もうこの村にはそう長くいたくない。
私の心はもう無理が来ているような気がする。
私の体はもう限界まで近づいてしまっている。

「・・・そうだね、鳥口君がそう云うならできれ――」
――関口さーん!
私の答えは遮られた。

585 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 01:20:25 ID:2D3AzNYg
声の方から中年の男――大石がやって来た。
「いやー関口さん探しましたよ、ま、午後には退院するって聞いたから待っていたんですけど。
 んっふっふっふ、ちょっと、お時間いいですか?、二三、聞きたい事がありまして」

大石はたしか刑事だった――刑事が私に何の要だ?

「大丈夫ですけど・・・」
「それじゃ、ここじゃあれですから、車まで来てもらっていいですか?
 えーと、お連れの鳥口さんでしたか、ちょっと時間かかるかもしれないので、
 関口さんは私が宿まで送っていきます、宿は調べてますから心配しないでください」
勝手にそう云うと、大石は少し離れた所に停めてある車まで、歩き出した。

「あれは誰ですか?」
鳥口は気の抜けた声で聞いてきた。
「警察の人だよ、だから心配はいらない。まあ、よくわからないけど行ってくるよ」
そう答えて私も大石を追う。

大石は車の後部座席を開けて待っていた。
私がそこに乗り込むと、大石も隣に座った、あまり気分のいいものではない。

「関口さんは雑誌の取材でこちらに来られているんですよね」
「ええ、まあ」
「どんな、雑誌ですか?」
「え、えーと旅雑誌ですよ」
私は嘘を吐いた。

「関口さん嘘は良くないですよ、これでも私、警察ですから」
大石は私を睨みつける。
――う、嘘・なんか・・声が震える。
「ま、いいでしょ、それは。でもね関口さん、貴男凄くわかりやすい性格してますよ。
 んっふっふっふ、そんなんじゃ1人前の犯罪者にはなれませんよ」

586 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 01:28:22 ID:2D3AzNYg
「それでは、本題に入りましょうか、この写真の男女をご存知ですか?」
大石は2枚の写真を渡してきた。

その写真には富竹と鷹野三四が写っていた――何故、警察がこの2人の写真を?

「富竹さんと鷹野さんですか・・・」
「そうです、この2人に最後に会ったのはいつですか?」
「え・・昨日のお祭りで会いましたけど・・」
「それは何時くらいでしたか?」

――何故、警察がそんな事を聞いてくるのだ?

「詳しくはちょっと」
「そうですか、実は私、関口さんが富竹さん達と話をしているのを見てましてね。
 こっちは色々警備でうろついていたんですけど、ほら祭具殿の前の辺りで話ししていたでしょ。
 ワタを流し出すころかな、その時の事を詳しく教えてもらっていいですかね?」
「ぐ・偶然会ったんです・・・富竹さん達は、2人でワタを流しに行くと云って別れました」

――いったい何故警察がそんな事を聞いてくるのだ?

「な・何故そんな事を聞くんですか?」
私は声を振り絞った。
大石は暫し沈黙して。

「関口さんはオヤシロ様ってご存知ですか?」
「え・し・知りません・・」
「んっふっふ、関口さん正直ですね、
 私は貴男達はそいつを調べに来たんじゃないかと践んでるんですが」
――すみません、私は謝った。

587 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 01:32:04 ID:2D3AzNYg

「どこまでご存知です?」
「一通りは知っていますけど」
「それなら、話は早い、関口さんは祟りなんか信じないでしょ」
「・ええ・・」

「それなら大丈夫だ。実はね、富竹さんが昨晩、お亡くなりになりました」

――何を云っているんだ?

「よりにもよってね、お亡くなりになられたのが昨日なんですよ。
 つまり綿流しの当日―――意味わかりますよね」

――彼は何を云っているんだ?

「これはここだけの話でお願いしたいんですけど、その死に様がね異様だったんですよ。
 第1発見者は祭りの警備を終えて帰還中のうちの者でした、時刻は24時5分前」

――こいつは何を云っているんだ?

「場所は、町へ出る道路がちょうど舗装道路に変わる所の路肩でした。
 辺り1面血まみれでね、始めは轢き逃げかとも思われたんですが近寄って見るとこれが違う」

――コイツは何を云っているんだ?

「"喉がね、引き裂かれていたんですよ、それも自分の爪で"」

――此奴は何を云っているんだ?

588 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 01:35:03 ID:2D3AzNYg

「検死の結果、矢張り自分の爪で、と云う事が判明しました。
 要するに富竹さんは自分の爪で、自分の喉を掻きむしって、死んだようです」
大石は続ける。
「薬物を疑いましたが、そう云う類(たぐい)のものは検出できませんでした。
 ただ、体からは本人によらない外傷がいくつか発見されました。
 富竹さんは何者かに暴行を受けた可能性があるということです」
大石は進める。
「死亡推定時刻は21時から23時頃のようです。
 つまり、関口さんが昨日別れてからすぐの出来事なんですよ」
大石は喋る。

――意味が解らない。

昨日の夜、私と別れた後、富竹が自分で、自分の喉を掻きむしり、死んだ?
死んだ――自殺?――そんな馬鹿な――そんな様子はなかった――
なら何故?――祟り?――それにあの少女が云っていたことは――

「それとね、富竹さんと一緒にいたと思われる鷹野三四さん、こちらもお亡くなりになっています」

――意味がわからない。

「こちらは、何故か離れた隣の県で焼死です。もっとも正確には首を絞められた後、焼かれたようです」

――いみがわからない。

「しかもね、初期の検死では死亡から24時間は経過しているって出ちゃったんですよ」

――イミガワカラナイ。

589 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 01:42:14 ID:2D3AzNYg
「これは隣の県だから、ちょっとアレなんですけどね――検死が正しいとしたら、
 鷹野三四さんは昨日は疎か、一昨日には死んでいたことになっちゃうんですよ。
 だとすると、一昨日、私や関口さんが会った鷹野三四は一体何なんでしょうね」
大石は私に云う。
「今までの事件は別個に解決していますが、これで雛見沢連続怪死事件は5年連続です。
 バラバラ殺人、事故死、病死と自殺、そして撲殺、さらに今年は喉を掻きむしる自殺に焼死。
 我々もあらゆる面から捜査を進めますが、
 村人達はオヤシロ様の祟りの話になると兎に角、口が重くなる」
大石は私を見る。
「このままでは、富竹さんと鷹野さんはオヤシロ様の祟りで死んだことになってしまいます。
 ただ、当然――そんなモノはあるわけがない」
大石は紙を渡し。
「これは、私の電話番号です。不在でしたら出た者に伝言してもらえれば結構ですから。
 何か気になるものを見たり聞いたりしたら教えてください」

「・・・・」
私は言葉を失っていた。
失語症を発症したのかもしれない。
もう私の脳味噌の許容を大きく越えた。
もう無理だよ――多分、きっと、確実に。


空はゆっくりと色をかえていく所だった――遠くで蜩(ひぐらし)が啼いている。


590 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 01:46:33 ID:2D3AzNYg

「さて、お話はこれで終わりです、送っていきますから」
そう云うと大石は車を動かす。

車を動かしながら大石は独り言のように云う。

「実は、私、雛見沢の連続怪死事件は、村ぐるみで引き起こされているんじゃないかと思ってるんです」

――ガタガタ、振動がする。

「証拠はないんですが、毎年綿流しの日に村の仇敵が死ぬんです。過程はともかく結果がそうなのです」

――ガタガタ、振動がする。

「もし、それが可能だとしたら。矢張り園崎家が有力なのかな、古手は子供1人だし公由はお飾りです」

――ガタガタ、振動がする。

「関口さんも気をつけてくださいよ、雛見沢では刺されても、下手をしたら無罪になるとかありえます」

――がたがた、振動がする。

「それにしても、富竹さん達は何で祟られたんですかね。いくら何でも、余所者ってだけじゃ弱いです」

――がたがた、振動がする。

「あれか、それじゃ関口さんこの事はくれぐれも内密にしてください、何かあったら、連絡待ってます」

――がたがた、振動がする。

591 :TIPS「色あせたノート」:2009/10/18(日) 01:55:24 ID:2D3AzNYg

神がいつ降臨されるのかは誰も知りません。
それはたとえるなら、泥棒がいつ訪れるのかわからないように。
だから予期せずにしてその時を迎えて、不信心であったことを悔いぬよう、常に目を醒ましていなさい。
その日が何時なのか、神さえも知り得ないのです。
神はいつその時が訪れてもいいように、常に目を醒ましているのでしょう。
常に自分の中に神を信じよ。
いつ日の光を浴びるかは、その神すらも知り得ないのだから。
努力を惜しむな。常に勤勉であれ。探求に情熱を。
報われる日は神でも知り得ないが、その日は約束されているのだ。
約束の日まで、私は自らの情熱の炎を消えさせることはない。
(略)
神は自らが三日の後に復活すると予言しました。
罪人たちは兵にて墓を封じ、その体が蘇ることがないように監視しましたが、
それはとても愚かしいことでした。
復活とは肉体が蘇ることではなく、その心と教えが蘇ることだからです。
肉体の死を恐れるな。
自らの貢献が揺らぎ無いなら、必ず自分は蘇る。
その時、自分は死を超越し永遠の生を得るのである。

そして悪魔は、神の子を断崖に連れて行き、飛び降りるよう言いました。
自らが神の子を名乗るなら、神は奇跡にてその身を守るはずだと言うのです。
それを試すことは即ち、神を試すということです。
神は人を試しますが、人が神を試してはなりません。
試すことは疑うことです。
疑いは悪魔の囁きに耳を貸し、あなたを堕落させるでしょう。
自らの成果を疑うな。自らの人生を疑うな。自らの貢献を疑うな。
そして自分の実績を人が評価することを試してはならない。
それを試すということは、自らの人生を疑うのと同じことなのだ。

Hifumi.T

592 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 02:32:36 ID:2D3AzNYg
私は部屋で考えていた。
この雛見沢に来てからの事を。
頭の中の粘菌は何も導かなかった。
そして絡まった糸のような形を造った。
それは、その形は、信じられない形だった。

――考えてはいけないものも、あるのかもしれない――

もうどうしようもなくなってしまって、私は京極堂に電話をしようと思った。

京極堂は、学生時代からの友人で、理(ことわり)が服を着て本を読んでいるような人間である。
京極堂は、仏教、基督教、回教、儒教、道教、陰陽道、修験道などに通じている。
京極堂は、今は古本屋であり、副業で神主や拝み屋をしている。
京極堂は、曖昧模糊な私にも輪郭をくれる。

あいつに、
京極堂に、
京極堂に解いてもらうのだ!

私は電話をかけた。
指が番号を覚えていた――覚えているのは、自宅と京極堂だけだろう。
呼び出し音が鳴った。
電話口から妙に懐かしい声が聞こえる。

「僕だ」――この言葉で判ってくれるのは、雪絵と京極堂だけだろう。

「ああ、関口君か。今忙しいから切るよ」

――ガチャン。

京極堂は電話を切った。

593 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 03:00:46 ID:EJO9B9E4
中禅寺ひでえw

594 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 20:56:44 ID:b2Bi7GRr
酷すぎるwww関口哀れ
いつもいつも楽しく読ませてもらってます。来週も楽しみだ!!

595 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 23:42:38 ID:2D3AzNYg
――ガチャン。

京極堂は電話を切った。

私は再び電話をかけた。

「い、いきなり切る事はな――」

――ガチャン。

京極堂は電話を切った。

私は三度電話をかけた。

「は、話を聞いてくれ――」

京極堂は溜め息を吐くと。

「いいかい関口君、僕は電話を待っているんだ、君の与太話に付き合っている暇は無いよ」
「た、頼む京極堂、お願いだ・・・」

京極堂は再び溜め息を吐くと。

「しかたないな――わかったよ、なるべく簡潔に頼むよ」

そして、私はとても簡潔とは云えない、たどたどと、おどおどと、おずおずと、語った。
京極堂は最後まで話を聞き終えると。

――なんて偶然だ、と呟いた。

596 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 23:44:45 ID:2D3AzNYg
電話口から京極堂が驚いているのを感じる――滅多にあることではないのだが。

「ぐ・偶然とは、どういう意味だ!?」

京極堂は何か別のことを考えているように。
「木場の旦那が昨日来てね、君が会った少女――古手梨花か、
 その少女が、その雛見沢連続怪死事件を5年前に予言していたらしい」

と云う事は――少女の云っていた事は本当なのか?

――と云う事は、京極堂はまた呟いて。

「関口君、一つ確認させてくれ、その少女は早ければ明後日、
 今日から見ると明日、殺されると云ったんだな」
私がそうだ、と答えると。

――時間がないな、京極堂はまたまた呟いて。

「いいかい関口君、話は解った。君は今すぐ東京に帰れ」
「な、何が解ったんだ、京極堂、詳しく説明してくれ」
「関口君、詳しい説明は後だ。"とりあえず、君の出番は終わったんだ"。
 だから、早く東京に帰ってこい」
「きょ、京極堂、意味が解らないよ」
「関口いいか、これは忠告じゃない警告だ――」

――これ以上深入りすると、死ぬぞ。

そう云って――

京極堂は電話を切った。

597 :名無しのオプ:2009/10/18(日) 23:56:23 ID:2D3AzNYg
今週はここまでです

>>593-594
的確なつっこみありがとうございます

このくだりは、まとめて投稿した方が良かったのでしょうが
タイムリーで読んでくれている方に一服の微笑みを与えられるのでは、
と思い、少し投稿時間をずらしました
(小説だったら改ページをしたい程です)

誠に申し訳ないのですが、頂戴した微笑みを返還する事はできませんので、ご了承ください

598 :名無しのオプ:2009/10/19(月) 00:51:30 ID:SPvkQ55H
乙、やっぱこの二人の絡みがあると楽しいなw

599 :名無しのオプ:2009/10/19(月) 18:36:49 ID:BDyDO5sz
>>597
おおおお乙!
関口の独白がすでに核心突いてるってのがうまい!
ひぐらし読んだことない人が呼んだら、あとでああ、ってなるな。
京極堂の態度に笑ったww
しかし関口は絶対この忠告聞かないんだろうなwいつものことながら

600 :名無しのオプ:2009/10/20(火) 19:28:17 ID:nRSRuozA
>>597
乙!
ここ最近の神展開に興奮してホイホイまとめサイト作っちゃったよ!
・・・なんか邪魔だったらゴメン



ttp://www12.atwiki.jp/kyougokusure/

601 :名無しのオプ:2009/10/20(火) 20:18:18 ID:Bh7wUDwf
               /} ))
             /   !____
     | ̄`ヽ、_/  〈: : : : : : `: . 、 ))  。
   ((  |   - Y     }ニニ=、: : : : : \  ・ o っ o    _____
    , オ    r'`t---': : : :.ヽヽ: :   ヽ/〃/ , "       ==- ____
   //{   /:∧:ヽ: :ヽ: : : : : : ! : :.:.l. . :;ゞ______________,.へ   ____
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  /:,イ: : : : :.l: :|/          l: : : |/ :.:ミ` ────┘____   / /
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   | : :l : : |ヽ -─‐ァ        |: : :.|x: :∧  。 ゚           |  {         j  ヽ
((.. |: /l : : |::.ヽ /       xx|: : :.l^}/                ',  `ー――‐"  ノ
   |/ !: :ト:.::八 xxx   o .ィ'´|: :./ ̄歹                ` ----------‐´ ____
.     c ヽ|:.:.:∧`:.ーr:t.7T 「/ ノ/   <__}{.|               ==─
.         |:.:/ V:.:∧l./ | / /         | , -‐┐
.   ((.  ∨  ∨ /  /  l        |'´ : : :.:}    これは刺さってるんじゃなくて
               /) V   !  / , '´  ! : : : : :|     乙なんだからねっ!
           〈¨ /    |  //     |: : : : : }

602 :名無しのオプ:2009/10/20(火) 20:58:19 ID:AQa+XaNY
>>600
あなたも神か
まとめサイト作ってくれて感謝!!ありがとう

603 :mmm:2009/10/24(土) 19:42:39 ID:euI32tSY
おもしろおおおい(^_^)/~
モットよみたあああい!(^^)!
ガンバってくだせぇ

604 :名無しのオプ:2009/10/24(土) 23:15:38 ID:ACdHrUDv
六月二十一日(火)

気が萎えたので川原に行ってみた。
川原と云っても、そこは都会(まち)中を流れる河川であるから、長閑な景観など望めない。
薄汚い板塀やら黄ばんだ漆喰壁やらの不愉快な影が暗い水面に映り込んでゆらゆらと淀んでいる。
家屋が川岸ぎりぎりまで迫(せ)り出して建っているのである。

綺麗なものではない。

梅雨時の空は陰鬱で、明るくも暗くもない。見上げると、
お前なぞどうでも良いとばかりに投げ出されてしまったような気怠さが湧いて来る。
凪いでいる訳ではないが風を感じることもなく、寒くもないが暑いこともない。
ならば適温なのかと云うと、これが快適とは程遠い。只管(ひたすら)に鬱陶しい。

それは承知のことだった。

それでも、家にいるよりはマシな気がした。澱(よど)んでいようと穢(きた)なかろうと、
それで一層に落ち込んでしまおうと、私は水辺に行ってみたかったのだ。

もう少し歩くと、小振りの橋が架かっている。
そこまで行ってみようと、何故かそう思った。
理由は解らない。ただ朦朧とした意識の上に、橋の架かった模糊とした風景が想起されたのである。

その橋の袂(たもと)から川岸まで下りることが出来る。
その所為(せい)かもしれなかった。きっとそうだろう。
流れに沿って暫く歩いた。


605 :名無しのオプ:2009/10/24(土) 23:17:36 ID:ACdHrUDv

橋はいつもと変わらぬ色褪せた粗末な姿を、
同じように色褪せた風景の中に、何の主張もなく曝(さら)していた。
それは、暈(ぼや)けた私の記憶の中のそれと寸分違わぬ暈けた景色であった。

私は奇妙な安心感を持つ。
恒久的に変化しない絵柄。
代わり映えのしない現実。
進歩がないことは素敵だ。

少なくとも――いつまで経っても時間の先端にあることを認めたくない(私のような)臆病者にとって、
或いは世間の矢面に立たされていることを自覚したくない(私のような)卑怯者にとって、
――それは素敵なことなのだ。

泥で顔を真っ黒に汚した腕白そうな児童(こども)が三人ばかり橋を渡って来て、
私の脇を闊達に笑い乍(なが)ら駆けて行った。私は無表情にそれを眺める。

眼が渇いている。眠いのかもしれなかった。
瞼を?叩(しばたた)く。矢張り眠いんだ。

――ああ、生きているのは面倒臭い。

そんなことを思う。死にたいと思う訳ではない。

――死ぬ――か。

死ぬなんてとんでもない。

死ぬには労力が要る。そんな能動的な行為が今の私に出来る訳もない。
否、そうした劇的な変化を、今の私の神経はまったく受けつけないだろう。


606 :名無しのオプ:2009/10/24(土) 23:18:26 ID:ACdHrUDv
私は橋の上に立って背を丸め、川面を見つめた。
目の奥が濁っているような、どんよりとした倦怠感に支配されている。

どこか遠くに行きたい。

――逃げ出したい。

何から逃げる。
幼い頃から私は逃避し続けて生きている。

私は不器用で鈍感で、怠惰で、要するに駄目な人間である。
ただ日常生活を送っているだけで、私は自分が何ひとつ"まとも"に出来ないと云う現実に直面し、
恐れ戦(おのの)いて逃避を繰り返してきたのだ。
授業を抜ける、親の目を盗む、仕事を投げ出す――。
しかし逃げ出したところで何をする訳でもなかったし、また何かが変わる訳でもなかった。

それでも私は逃げ続けた。

それは幼稚な現実逃避であって、主義主張に基づく抗議活動などではなかったし、
臆病な私には刹那的に享楽を貪るような真似も出来なかった。
逃げ出したところで、私は精精、義務を放棄したことに対する罪悪感を噛み締めて震えるだけだった。
ただ震えるために私は逃げて、震えることで私は自分の境界を再確認した。

自分が無能であること。
自分が世界から必要とされていないこと。

それを実感することで、私は安心した。

私はずっと、逃走し、そしてただ怯えて、
再び元の場所に戻ると云う無為な運動を繰り返しているのである。
卑怯者なのである。

607 :名無しのオプ:2009/10/24(土) 23:19:11 ID:ACdHrUDv

ああ、川の音がする。水が――

――
―――
――――
―――――
――――
―――
――


ああ、遠くで囁くような――

――
―――
――――
―――――ご
――――ご免
―――ご免な
――ご免なさ
―ご免なさい
ごめんなさい

誰かが・・・謝っている。

誰だ?・・誰が?・・誰に?


謝らなくては、いけないのは私なのでは?


608 :名無しのオプ:2009/10/24(土) 23:25:53 ID:ACdHrUDv
御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免
なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさ
い御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御
免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免な
さい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい
御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免
なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさ
い御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御
免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免な
さい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい
御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免
なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさ
い御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御
免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免な
さい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい
御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免
なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさ
い御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御
免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免な
さい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい。

609 :名無しのオプ:2009/10/24(土) 23:35:11 ID:ACdHrUDv

目が覚めた、覚めてしまった。
時刻を確認する――11時前だった。
頬がひりついている、とても酷い夢を見ていたような気がする。

身支度を整えて、下に降りてみる。
言づけをもらった、

――ちょっと出てきます、夕方までには戻りますので、その後どうするか決めましょう。
だ、そうだ。

前にもこんな事があったような――

兎に角、私は部屋に戻った。
どうせ鳥口は写真でも撮りに行ったのだろう――呑気な者だ。

「鳥口が戻ってきたら東京へ帰る」
声に出して云ってみた――そうしてみると、決まった事柄の様だ。

――いいかい関口君、話は解った。
京極堂は云っていた。

確かにそうなのだろう。
私の様な無能な人間には解らないのだ。

――とりあえず君の出番は終わったんだ。
京極堂は云っていた。

確かにそうなのだろう。
私の様な無用な人間の出番は終わりなのだ。

私はいつもそうなのだ。

610 :TIPS「時刻は6月20日<夕>」:2009/10/24(土) 23:39:11 ID:ACdHrUDv

「園崎家頭首代行、園崎魅音です。本日は頭首お魎(りょう)に代わりまして出席させて頂きました。
 ――さて不幸にして、オヤシロ様のお怒りは5年目にも下される事になりました。大変悲しい事です」

辺りに緊張が張りつめる。

「どうして今年も祟りがあったか。わかる方はいますか?
 ――それは祭具殿の禁を犯し、土足で聖域を踏み荒らし、穢れを持ち込んだからです」

――なんちゅーーーことをッ!!
――あほんたれが・・!信じられん小僧どもだ!!
――ハラワタ引き裂いても飽きたりんガキどもしゃあん!!

辺りは怒号に包まれる。

――オヤシロ様、お怒りをお鎮めください―――なむなむなむなむ。
――なんて事を、なんて事を―――オヤシロ様オヤシロ様―――――

辺りは苦悩に見舞われる。

――大体、あんな、ちゃっちい鍵に変えなければよかったんじゃ!!
――そうじゃ公由さん、あんた甘いからじゃ、責任の一端はあんたにもある。
――すったら事云っても、梨花ちゃまにはあの大きい閂は難儀だったじゃろうに。

辺りは狂騒に囚われる。

611 :TIPS「時刻は6月21日<朝>」:2009/10/24(土) 23:45:02 ID:ACdHrUDv

「僕もお邪魔でしょうから、梨花が呼ぶまで消えていますのです」

「――気が利くのね」

「――百年生きていても、梨花は梨花です。百歳の仙人には成れないのです。
 ――梨花には年相応に悩んで、考える時間があってもいいと思います。
 ――僕が梨花に、背伸びを強いたこともあるかも知れませんのです」

「――僕とおしゃべりしたい時は呼んでくださいです」

「もう泣きつかないの?私がこの世界で終わりにするのを撤回してほしいって」

「――梨花は頑固な人ですから。云えば云う程、逆効果になりますのです」

「くすくす。――流石、付き合いが長いだけの事はあるわね」

「――もう梨花も悟っている様ですから云います。――今日です」

「梨花が何をしても、しなくても、この世界は終わります。でも梨花が望めば次の朝も訪れる。
 ――それはまたしても今年の6月かも知れないけれど、――朝は朝」

「――もっと小さい頃。毎日が退屈で、毎朝起きても
 同じ日が繰り返されているんじゃないかって思った事がある。――それが本当になるだけの事だしね」

「・・・今日を有意義に生きてくださいとだけ、云いますのです。これ以上は何も云いませんのです」

「多分、今日だろうと思っていたけど、――あんたにはっきり云われると堪(こた)えるわね。
 ――――矢っ張り終わるのね、今回も」

「はい。今回も終わりますのです。――いつもと同じ様に」

612 :TIPS「始末の支度(肆)」:2009/10/24(土) 23:47:20 ID:ACdHrUDv

木場はある建物前にいた。
少し憂鬱な気持ちになっていた。

ビルの入り口のプレートには榎木津ビルヂングと書かれている。

――あいつを連れ出すのは一苦労だからな。

木場は思う。

――戦争の後はますます酷くなっている。

木場は考える。

――昔は、ガキの時分は、可愛い奴だったのにな。

木場は嘆く。

ふと、テーラーの硝子に、四角い顔をした厳つい男を見つけた。

――まあ、俺も人の事は云えねえか。

木場は呟いて、

幼なじみに会いに行った。

(支度の完了)

613 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 00:23:30 ID:ARumaBUe
ようやく神の登場かwktk

614 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 00:54:58 ID:0EGOGJ9V

東京へ帰る。

そう決めると大分心が落ち着いた。
この部屋から出なければ安全だろう。
例令(たとえ)、何があったとしても。

――これ以上深入りすると、死ぬぞ。
京極堂は云っていた。

これは深入りしなければいいのだ。
私はもう東京へ帰るのだ――だから何も問題はない。

そう後は鳥口が帰ってくるのを待てばいいのだ。
それまで何をする?――帰り支度だ!

私はいそいそと荷物の整理を始めた。
鞄の中に出していた衣服などを詰めていると、ひとつの手帳を見つけた。

これは?――鷹野三四の切り抜き帳・・・

どうせ、私にはもう関係のない事なのだが、暇つぶしに何となく読んでみた。

そこには驚くべき事が書かれていた。


そして、私は解った。

この村で起きている事柄の形が。

"そう云う事だったのか"。

615 :TIPS「切り抜き帳より(抜粋)」:2009/10/25(日) 00:56:33 ID:0EGOGJ9V

<綿流しの意義について>

生贄を狩り、それを饗す宴、綿流し。

それ自体は異常なものでありながらも、同時に娯楽性を伴うものだと考えられてきた。
(異常な行為に娯楽性を感じるという「無理」によって、
 自分たちが人間を超越した存在だと信じこもうとしたのかもしれない)
だが、その説に一石を投じる興味深い文献を見つけた。

口伝らしく、鵜呑みにできるものではなさそうだが、その内容は少し興味を惹く。
それによると、鬼ヶ淵村の住民にも、この儀式を「恐れる」感情があったと云うのだ。

これは非常に面白い異聞だ
私はこれまで、鬼ヶ淵村の住民は綿流しの儀式にある種の陶酔を得ていると考えてきた。
だが、この儀式によって村人が得ていたものが陶酔ではなく恐怖だったとすると、
儀式の意味するところは大きく変わってしまう。

つまり、有力者達が自分達の都合のいいように組み上げた戒律を厳守させるために催した、
見せしめの処刑だった可能性が出てくる。
鬼ヶ淵村を実効支配してきたのは御三家と呼ばれる3つの旧家だ。
この御三家の研究なくして、鬼ヶ淵村の真実には迫れまい。

616 :TIPS「切り抜き帳より(抜粋)」:2009/10/25(日) 00:58:04 ID:0EGOGJ9V

<御三家について>

御三家は鬼ヶ淵村を実効支配してきた3つの旧家を指す。
内訳は公由家、古手家、園崎家で、いずれも現存している。
(古代ほどの支配力はないにせよ、今日でも強い影響力は堅持しているようである)
御三家は、鬼ヶ淵沼より現れた鬼の血を最も濃く残すと伝えられている。
●公由(きみよし)家
公由家は筆頭家として大きな力を持っていたらしいが、今日にあっては御三家を牽引する程ではない。
原則村長はこの家から輩出され、現村長(公由喜一郎)はこの家の出身である。
●古手家
古代から信仰の中心となり、オヤシロ様を祀る唯一の神社を守ってきた一族である。
オヤシロ様の代弁者として長く崇められてきたが、戦争で分家がほとんど絶え、今では本家のみである。
その本家も現在では一人娘を残すのみなので、この代で潰えるかもしれない。
また、古手家の女子を尊ぶ古い習慣があるらしく、一人娘の梨花は年寄り連中に崇められている様だ。
●園崎家
鬼ヶ淵村の戒律を守るある種の警官的な役割を担ったと伝えられている。
ただ、古代の御三家の中では一番弱い立場であったらしい。
もっとも、今日の園崎家は隆盛を極め、御三家内における立場は完全に逆転している。
御三家で合議するの残っているが、形骸化し、実質現園崎家頭首のお魎が決めていると云っていい。

<現在の御三家について>

前記の様に、今日では御三家は形骸化し、園崎家の独裁となっている。――(略)――
最も新しい「綿流し」と思われる明治末期の事件も園崎家主導で行われたと考えられる。――(略)――
加えて、近年続発している連続怪死事件についても園崎家の暗躍があったのではないかと云われている。
連続怪死事件は紛れもなく、古式ゆかしい「綿流し」の再来である。
本来の「綿流し」を、ただの村祭りに落ちぶれた「綿流し」の当日に行う事で、
村人たちに鬼ヶ淵村の戒律を思い出させようとでもしているに違いない。

園崎家を探る事が、今日における研究の一番の近道であると断言できるだろう。

617 :TIPS「切り抜き帳より(抜粋)」:2009/10/25(日) 00:59:24 ID:0EGOGJ9V

<オヤシロ様について>

オヤシロ様が、どういう字で書くのかはあまり知られていない。
と云うのも、時代によって様々な修飾詞が付き、微妙に名称が変わったり、
当て字が変わったりするため、正式な名称を知る事が大変難しいからだ。

全ての時代に共通するのは、名称の読みに必ず「オヤシロ」の4文字が入るという事だけ。
オヤシロ様を祀る「社(やしろ)」が、そのまま礼拝対象になり、
「御社さま」と呼ばれるに至った云う説があるが、あまり頂けない。

これに関連するかわからないが、オヤシロ様を祀る高貴な血筋である古手家の人間には、
オヤシロ様の血が流れていると云う。

そして古手家に伝えられる伝説では、八代続いて第一子が女子ならば、
八代目のその娘はオヤシロ様の生まれ変わりである――と云うのだ。

この伝説に従うなら、オヤシロ様は「御八代様」と書くのが正しいと思う。
(この当て字はあくまでも私の思いつきなので、真偽は確かめようもないが)

だとするなら、御八代様は再び降臨する事を前提にした名称と云う事になる。
崇拝対象の再臨は、いくつかの宗教でも見受けられるので、そんなに珍しいものではない。
だが、さらにその中のいくつかでは、崇拝対象の再臨を「審判の日」等と呼び、
世界の終末を意味するものである事も忘れてはならないだろう。

村中の年寄り連中に、目に入れても痛くないくらい甘やかされている少女、古手梨花。

――彼女が、その八代目、「御八代様」であると云う噂がある。

古手の家系図はわからないが、少なくとも過去2代の間、第一子が女児である事は私も確認している。
雛見沢を見守る少女、古手梨花。彼女の加護を村が失ったらどうなるのか?
人と鬼は和を失い、どうなるのか?想像するだけでも――胸が、躍る。

618 :TIPS「切り抜き帳より(抜粋)」:2009/10/25(日) 01:01:46 ID:0EGOGJ9V

<「帰巣性」と「望郷症」について>

広義の意味で「帰巣性」を取り扱うなら、およそほとんどの生き物に帰巣性があると云えるだろう。
人間についても同じで、我々は睡眠や休息、食事と云った行為を、馴染んでいる家で行いたがる。
この家は、まさに巣に通じるだろう。故(ゆえ)に人にも帰巣性があると云える。

そもそも何故動物は巣を必要とするのか。
睡眠や休息、食事と云う行為は、生存のために不可欠な行為であり、同時に隙を見せる行為でもある。
その為、隙を見せても大丈夫な「安全地帯」を設ける必要があったからである。
この「安全地帯」を得ない事が、高度な精神的抑圧を与えることは自明だろう。

動物を慣れない環境に強制的に移せば、相当の精神的抑圧を与える事になるし。
人間とて、不慣れな土地で気を許せない生活を強いれば、相当の精神的抑圧を受ける。
そしてその抑圧から生じる症状が「望郷症」である。
本邦ではあまり馴染みがないが、西洋では「ホーム・シック」(家の病)と呼ばれ、
中世から研究され、精神的なものではなく、肉体的な病気とまで信じられていた。
(略)
ただし、病と呼ぶのは正しくない。正確には「望郷症」とは、
郷里と云う「安全地帯」へ戻りたいと脳が要求する、帰巣信号であると云えるからだ。
始め脳は郷里などへの思い出などを掻きたて、自然な帰郷を促す。
だが理性がそれを咎め帰郷を果たせないと、脳は身体に異常な信号を送るようになる。
その結果、衰弱が起こり、より異郷での生活を困難としていき、
最後には理性を曲げる事で、帰郷を果たすのである。

つまり「帰巣性」ゆえに「望郷症」が生み出されるのである。
同時に、「帰巣性」が強ければ、より強力な「望郷症」が生み出されるわけでもある。
また「帰巣性」の強さには、個人差や、環境の安全性の多加や、文化的な地域差もみられる。

619 :TIPS「切り抜き帳より(抜粋)」:2009/10/25(日) 01:03:12 ID:0EGOGJ9V

そんな中にあって、極めて過剰に「帰巣性」が強いと考えられるのが「鬼ヶ淵村」の仙人達である。
彼らは、戒律により村から出る事を禁じていた。
(これには前記の選民思想や穢れ意識などが作用していると思われる)

禁を破って村を捨てれば、必ずオヤシロ様が追ってきて祟りを成すと云う、
現在でも強く信じられている迷信は、前記の「望郷症」と捉える事もできる。
「帰巣性」と「望郷症」の関係が比例的であるならば、
祟りと云う大袈裟な表現はまさに「望郷症」及び「帰巣性」の強さを示すものである。
その「帰巣性」の強さ故に、下界を強く忌み嫌い閉鎖社会を形成したのではないだろうか。
(略)
ところが、明治以降の近年になって事情が一変した。
近代化の波が押し寄せ、村人の流出が始まったのである。
ここで、鬼が淵村の仙人の末裔達は、初めて己の「望郷症」の強さを知るのである。

雛見沢住民は異常に「望郷症」が強かったのである。
やがてその「望郷症」を誰ともなく「オヤシロ様の祟り」と呼ぶようになった。
しかも、出稼ぎに出た誰かが、異境の地で祟りに遭い、変死したとの噂が流れると、
流出住民達は次々と村か、周辺の町に舞い戻ってくる事となる。

この「望郷症」「帰巣性」の強さは、おそらく文化によるもの、即ち雛見沢独自の信仰である
オヤシロ様信仰により培われたと考えるのが妥当だろう。
彼らは生まれた時から無意識にオヤシロ様の戒律を刷り込まれ、
村を出る事に対し、無意識の内に罪を感じていたに違いない。

その結果「望郷症」を「オヤシロ様の祟り」と捉えたのだろう。

オヤシロ様の戒律があるから「帰巣性」が強まったのか、
「望郷症」が強すぎるからオヤシロ様の戒律を作ったのか。

――卵が先か鶏が先かははっきりしない。

620 :TIPS「切り抜き帳より(抜粋)」:2009/10/25(日) 01:04:23 ID:0EGOGJ9V

<「オヤシロ様の祟り」について>

明治の頃の、流出住民集団帰郷の際、帰郷者達のある異常現象の噂が流れた。
雛見沢を離れると、傷口から得体の知れないものが湧き出し体中を内側から食い尽くすと云うのである。

その帰郷者達の異常について、当時の古手神社の神主はそれこそ「オヤシロ様の祟り」の印と説いた。

当時の口伝によると、神主は不出である絵巻物を広げ、
その「虫湧き」が太古の昔から語り継がれていた事を示したらしい。

何でも、鬼たちがやって来たという「鬼の国」は「死者の国」とも読み取れるらしく
死者の国の鬼たちは、常にその身には寄生する何かが棲み続けていると云うのである。

その鬼たちの血を宿す彼らは、オヤシロ様の加護がある雛見沢では問題がないが、
異境の地で加護を失うと、鬼の血の中で眠っていた奇妙な存在が目覚め、
全身に溢れかえって、その身を食い尽くしてしまうというのだ。

しばらくの間、この異常現象はひどく恐れられ、仕事の都合で郷里を離れなければならない時には、
この「祟り」から許しを得る免罪符を神社に求めたという。
(略)
ここで、興味深いのは、異常現象の噂が流れる以前には、住民達はこれについて知らなかった点である。
私の刷り込まれた信仰が「望郷症」を「祟り」と認識させるという説と真っ向から対立する。

祟りを鵜呑みにした集団帰郷者達にある種の集団妄想が取り憑き、
それを神主が巧に信仰心へ誘導したと読み取るのが確かに自然ではあるのだが――。

偶然の集団妄想が、たまたま太古の絵巻物と一致しただけとするのは、どうにも腑に落ちない。
「オヤシロ様の祟り」を受けると何の予備知識が無くても傷口から何かが現れるのだろうか?

誰か「祟り」を私の目の前で受けてはくれないだろうか――是非観察してみたいものだ。

621 :TIPS「切り抜き帳より(抜粋)」:2009/10/25(日) 01:06:03 ID:0EGOGJ9V

<「寄生虫」による宿主支配について>

集団帰郷者に起こった異常現象について考えたのだが、そもそも雛見沢の過度な「望郷症」が、
何らかの寄生虫による感染症とは考えられないだろうか。

これは、彼らが傷口から湧き出す得体の知れないものをみたからと云う事ではなく、
そもそも彼らが文化(信仰)だと思っているものが、感染症と関連するのではないかと云う仮説である。

感染症の多くは、寄生虫たちが望まず引き起こしているものである。
寄生虫にとって宿主は文字通りに宿である。
よって、彼らにとっての究極の寄生とは、宿主に気付かれない完全な共生であろう。

だが、寄生虫たちは時に、宿主を支配して自らの繁栄に利用しようとすることがある。
たとえば、中間宿主を経由して感染する寄生虫にみられる能力に、宿主の行動を支配して、
より上位の宿主にわざと補食させ、伝染しようとする試みが知られている。

代表的な例では、蝸牛、蟻を中間宿主とし――(略)――伝染させる確率を向上させている。
また、不特定多数の宿主への無差別感染を目的とし――(略)――ちなみにこれは破傷風の事。

このように、寄生虫には自らの繁栄の為に、宿主を支配する能力を宿すものも少なくない。
さて、これまで挙げたもののほとんどは、寄生虫たちがより繁栄し伝染していく為のものだが、
もっと単純に、彼らがより過ごしやすい環境を欲して宿主の行動を支配する事もあるのではないか。

622 :TIPS「切り抜き帳より(抜粋)」:2009/10/25(日) 01:07:18 ID:0EGOGJ9V

ここで、かつて提唱した、鬼ヶ淵村住民の異常な「帰巣性」と「望郷症」を関連させられないかと思う。
つまり、雛見沢にはある種の寄生虫が蔓延していて、村人全てに寄生していると仮定する。

その寄生虫たちは、この雛見沢がもっとも居心地のよい環境であり、
宿主に対してこの地に留まり続けるように、強い「帰巣性」を与え、無視して土地を離れようとすると、
「望郷症」を引き起こして抵抗するのではないだろうか。

寄生虫は名が示す通り、宿主に寄生しなければ生きていけない。
そんな彼らにとって、自分たちの過ごしやすい環境に、
宿主である人間が社会を形成して住み続ける事は都合がいいはずだ。

この宿主を自分たちの過ごしやすい土地に縛り付けようとする寄生虫の存在を仮定すると、
意外にもこれまでのナゾに説明がつけやすい。

つまり、太古の鬼ヶ淵村の仙人達は、この寄生虫の存在を知っていた事になる。
だから、宿主である自分達が村を離れて生きていけない事を知っていて、俗世を嫌う文化を創った。

それは近年のダム戦争の異常な盛り上がりも説明できる。

では、オヤシロ様の伝説で語られる、沼から湧き出した鬼とはつまり、
寄生虫の大量発生の事なのではないだろうか。

鬼たちが村を襲ったという記述は、おそらく末期の感染者の錯乱した行為を示すに違いない。

623 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 01:10:43 ID:0EGOGJ9V


黄昏になった頃、鳥口は戻ってきた。


私は自分が理解した真相を告げようかとも思ったが、止めにした。
この好奇心の塊のような男に告げれば、物語は続いていってしまう。
今必要なのは一刻も早く、この村から逃げ出すこと、それだけだから。


夕暮れを車は切り開く。

――このまま帰っていいのか?

ふと、そんな事を思う。

もえる緑が後ろに流れていく。

――本当にこのまま帰っていいのか?

いいに決まっている。
私の様な人間にこれ以上何が出来るのだろう。

遠くで蜩が鳴いている。

――本当にこのまま帰ってしまっていいのか?

私は何を拘(こだわ)っているのだ。
今までも、そしてこれからも、私は。

そう、私はいつもそうなのだ。

624 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 02:03:40 ID:0EGOGJ9V

西日が差し込んでくる――赤く、赤く、赤く・・・

私は少女の顔を思った。あの夕日に染められた微笑みを。
何かが引っ掛かっている。ずっと昔に会ったことがあるような?
何かをしなくてはいけない。そんな気がする、何かをやり残したような。

私は何を忘れているのだ?

思い出せ。


されど、その時私の頭に浮かんできたのはあの晩の、祭りの晩の彼女との会話だった。

「関口は"見えているのですか"」

「な、何が・?・・」

少女はほんの少しだけ、落胆の表情を見せ、逡巡し、
そして、何かを決心した様な顔になり。

「私は見えているの」

今までの稚気のこもった子供のしゃべり方ではなく、大人の喋り方で云った。

「な・何が?」
「羽入が」

はにゅう?それは何だ?

625 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 02:05:22 ID:0EGOGJ9V

「そ・それは何?」
「名――名前。呼び名よ」

呼び名?

「い・生き物?」
「そうね――動くし、喋るし、五月蠅いぐらいよ」

喋る?

「よ・妖怪?」
「うふふ――関口は面白いわね。確かにそうかも、本人はオヤシロ様の化身だと云っているけど。
 一応、角もあるし――鬼と云ってもいいかもしれないわね」

鬼――金棒を持って、虎のパンツを履いたあの鬼か?

「妖怪ね――ふふ――今度云ってみようかしら」
「い・今もいるの?」

私は辺りを見回した。

「今はいないわ、多分祭具殿にいるんじゃないかしら。
 だから関口も、中で会っているかも――」

私も会っていた?――そう云えば祭具殿の中で妙な音がしていた。

「きっとふて寝でもしてるんじゃないかしら。
 あそこは羽入のお気に入りの場所だから、勝手に入られて怒っているわよ――きっと」

そんな・・怒った鬼が近くにいたなんて――想像したら、ぞっとした。

626 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 02:07:03 ID:0EGOGJ9V

少し間ができ、そこで彼女は視線を中空に向け。

「関口、未来は決まっていると思う?」

そう彼女は尋ねてきた。

「わ・わからないよ」
「では、過去は?」

彼女は続ける。

「私にとって、今は過去なの」

どういう意味だ?――意味が解らない。

「私は随分長い間、生きてきました」

どういう意味だ?――意味が解らない。

「けど――もうすぐ――また――終わる」

どういう意味だ?――意味が解らない。

「それは運命と呼ぶべきものなのかもしれません。
 けど――それでも――私はそれに抗ってみたい」

どういう意味だ?――意味が解らない。

「私を――助けてください」

そう云うと彼女は私を見つめた。

627 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 02:08:28 ID:0EGOGJ9V

「き・君の力には、なりたいけど僕には意味が・」
私は云った。

「関口――私の云うことを信じてくれますか?」
彼女は云った。

私は何故か頷いた。

「私は何度も死んで、何度も生きています――この世界を。
 それは羽入の力――彼女には時間を戻す力があるのです」

時間を戻す――なんだそれは?

「私は必ず、今年の6月に死にます。その理由は解りません、
 けれども、それは間違いなく起こるのです」

彼女が死ぬ――なんだそれは?

「そ・それは、雛見沢連続怪死事件の・・5年目の祟り・・と云う事かい?・・」
「それは違います。雛見沢連続怪死事件などは存在しないのです」

存在しない――なんだそれは?

「そ・存在しない、それはどう云う意味・・」
「雛見沢連続怪死事件は、連続してはいないのです」

連続しない――なんだそれは?

「今から、雛見沢連続怪死事件事件の――いや、この村にある惨劇の真相を語ります」

そう云うと、彼女はゆっくりと息を吸った。

628 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 02:10:10 ID:0EGOGJ9V

少女の事を考えていたら頭が痛くなった。

求\―パンドラの求\―開けてはいけないもの。

車は速度を上げる――逃げていく。
風景は流れていく――逃げていく。

あのとき、
"あのとき"なぜ私はあんなにも少女を畏れたのか。

少女は笑っていた。

白いブラウス。暗い色のスカート。そこから覗いている二本の白い脛。
そして真っ赤な、真っ赤な・・・―――頭が痛い。


――――――――――死にたくない。

少女はそう云っていた。
私があの娘(こ)にしてやれる事はないのだろうか?
真相が私の想像通りだとして、彼女はこのままでいいのだろうか?

冷静になれ。

どうすればいい。
何をすればいい。

そうだ――私は天啓を受けた。

「鳥口君、引き返してくれ。あそこへ――古手神社へ!」

629 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 07:28:29 ID:MoC0KqWr

いろんな意味で関口がやばい

630 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 18:03:03 ID:wVcLnVsD
乙です!
匣や箱じゃなく汲使ったのは何かの伏線?

631 :TIPS「いつかの会話」:2009/10/25(日) 23:02:21 ID:0EGOGJ9V

「例えば、思想を病気と置き換えなさい。完治するまで退院させない、
 触れた物は感染の疑いがあるから焼き捨てる。家族にも感染の疑いがあるから強制入院。
 ――結局は同じ事だ、入院という言葉が弾圧に変わっただけの話だよ」

「でも、思想なんて個人の自由なんでしょ?ペストとは違う」

「そうだ。しかし人間の思想が、感染能力を持ったある種の生命体によって
 生み出されていると仮定すると、ペストとまったく同じ意味になるのだよ。
 つまり、思想は治療不可能な伝染病と置き換えられるのだ」

「じゃあ――、異なる思想を持った人を、えっと、重症患者と同じに扱う?」

「そういうことだ。この考えを延長すると、無差別、そして無秩序な大量虐殺が起こる」

「――そうすると、人類は大規模な粛正を肯定してしまう論調になりかねん。
 だから脳内で宿主を支配する生命体を語ることは、今の時代では禁忌なのだ」

「禁忌って・・?」

「触れてはならない、考えてもならないと云う事だな。だから、誰も研究せん。
 いや、それどころか、脳内に侵入し、影響を及ぼす存在がいると考える事すら忘れている。
 ――万物の長たる霊長類を支配する未知の生命体などいるはずがないと頭から決めつけている」

「あははは。何だかお粗末な話。いない事の証明なんて『悪魔の証明』。絶対不可能なのに」

「その通り。悪魔がいる事を証明する事は容易い。悪魔を連れて来ればいいのだからな。
 だが、いない事を証明する事はできん。『いない』を連れて来る事などできんのだからな」

「あははは。何だか、脳を支配する生命体が、自分たちの存在を秘密にするために、
 その宿主の人間を操っているみたい」


632 :TIPS「いつかの会話」:2009/10/25(日) 23:04:11 ID:0EGOGJ9V

「お前は、神様と云うものをどうのように考えている?」

「えっと、そうだね。信じるものは救われる、なんて聞いた事はあるけど。どうなんだろ。
 さっきの悪魔と一緒で、いない事が証明できないからとりあえず『いる』って信じるしかないけど」

「ふむ、なるほど。しかし神の存在を教えて回ったかつての予言者達は、そうは答えなかった。
 『いる』と信じ続ける事で、その存在は本物へと昇華されてゆくと説いたのだよ」

「――どうして?実際に『いる』って事が証明されない限り、
 それが嘘か本当かなんて誰にもわからないじゃない」

「はははは、それは確かにそうだが。つまり彼らは、大切なのは神の存在を確かめる事ではなく、
 神の存在を信じて言動を律する節度そのものなのだ、と伝えたかったのだよ。
 ほとんどの予言者達は、当時の支配者によって疎まれ、追放されたり迫害を受けたりもした。
 だが、彼らは神を信じ続けて、救いを乞う人々に手を差し伸べ、希望と幸福を説いた。
 その結果、神を信じる人々はいつか、自分達が絶望と苦悩から解放される事を期待して邪心を捨て、
 苦境からの脱却に力を振り絞っていた。
 そうして、正しく導かれようとする人々は自らの幸せを手にする事ができたのだ。
 それこそがつまり、神による正しき導きの結果。
 信仰する人々の心の中に神は宿る。その時、神という存在はすでに地上にはない。
 心の中にある。――つまり、神が絶対の存在となって復活した瞬間なのだ」

「だから、強くいつまでも、信じ続ける事が必要なんだ。例え死後であっても、
 同じように信じてくれる人々によって正当な評価を受けられたなら。その偉業は必ずや蘇る。
 その時、私の体が朽ち果ててしまっていても、私の存在は蘇って評価を受けるのだ」

「それはおじいちゃんが、神様になったと云う事・・・?」

「そうだよ。私の研究はいつか必ず認められる。その時、お爺ちゃんは神様になれると云う事なんだよ。
 その時が訪れるのが、私が生きている内なのか、そうでないのか。それは神様にもわからない。
 だが、その日は必ず訪れる。だからその日の訪れを疑わずに、努力を続けなくてはならないのだよ」

633 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 23:08:07 ID:0EGOGJ9V

車は夕暮れを切り裂く。
そして古手神社の前に停まる。

「エンジンは掛けたまま、待っていてくれ」
そう云うと、私は階段を駆け上がる。

急げ――今なら間に合うだろう。

息が切れる、鈍りきった体だ。
裏手に回ると、小屋があった。
鍵はかかってない、中に入る。

1階は倉庫の様になっていた。
私は迷わずに2階に上がった。

そこに――少女はいた。

窓際に腰かけて、片手には葡萄色の飲み物を持っている。

そして――少女は云った。

「関口、"また来てくれたの――"」

「ぎ、ぎみをざらういにきた」

私は噛んだ、意味は伝わらなかっただろう。
だが構わない、人を攫(さら)う時には同意は必須ではない。

私は少女を無理矢理抱きかかえると、

少女を攫った。

634 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 23:09:53 ID:0EGOGJ9V

車は夕暮れを切り裂く。
そして古手神社の前に停まる。

「エンジンは掛けたまま、待っていてくれ」
そう云うと、私は階段を駆け上がる。

急げ――今なら間に合うだろう。

息が切れる、鈍りきった体だ。
裏手に回ると、小屋があった。
鍵はかかってない、中に入る。

1階は倉庫の様になっていた。
私は迷わずに2階に上がった。

そこに――少女はいた。

窓際に腰かけて、片手には葡萄色の飲み物を持っている。

そして――少女は云った。

「関口、"また来てくれたの――"」

「ぎ、ぎみをざらういにきた」

私は噛んだ、意味は伝わらなかっただろう。
だが構わない、人を攫(さら)う時には同意は必須ではない。

私は少女を無理矢理抱きかかえると、

少女を攫った。

635 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 23:11:04 ID:0EGOGJ9V

少女を連れて戻ると鳥口は驚いていた。

「うへえ、先生何をするんですか」
「いいから、車を出すんだ鳥口君」

――立つ鳥跡を濁さずですよ。

鳥口は訳のわからない事を云って、車を発進させる。
少女は私の膝の上で、喜怒哀楽の喜と怒と哀が混ざった様な顔をしていた。

これでいい、このまま東京に帰ればいい。
あいつらも、東京までは追っては来ないだろう。

ガタガタ

振動を感じた。
少女の形を感じた。
私は以前、矢張りこうして抱いたことがある。
それは妄想だ。遥か前世の記憶のように朧げな。

私はその肌の温もりを吸い取るように、実にゆっくりとした動作で彼女を抱きしめた。

これでいい――そうこれでいい。
東京に帰ろう――この娘も一緒に。
そうだこれいい――これで全ていい。

いきなりこの娘を連れて帰ったら、雪絵は驚くだろうか?
私と、雪絵と、一緒に暮らすのも悪くないのかもしれない。

そんな気がする。

636 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 23:16:52 ID:ARumaBUe
ちょw関口何しとるんw

637 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 23:20:39 ID:0EGOGJ9V

私がくだらない妄想に浸っていると。
私の膝の上に座っていた少女が云った。

「関口。気持ちはとても嬉しい――けど、
 矢っ張り未来は決まっているのですよ」

少女は何故か、泣き出しそうな表情だ。

「大丈夫だよ――僕には全てが解った」

私が答えると、少女は。

「今回の関口は、今までで一番格好いい――でも」

――どういう意味だ?

その時、車の前方で破裂音。
刹那に、平衡(バランス)が崩れる。

――うへえ!!

鳥口の間抜けな叫び。

制御を失った車は脇の雑木林に――

私は咄嗟(とっさ)に少女の頭を抱え込んだ。

そして――

激突。

638 :名無しのオプ:2009/10/25(日) 23:45:22 ID:0EGOGJ9V
今週はここまでです

次で出題編は終わりです
解答編は一息にやりたいので、暫しお時間を頂戴するつもりです

>>630
たいへん素晴らしい観察眼だと思います
とは言え、言わぬが花と言うこともございますので、回答としては

「ミス」「ミスリード」「ミスマッチ」「ミステリアス」「ミスター、あたいに一杯おごらせて」
「匣と言う漢字を使いたかったが変換されなかったので、手書き入力を使った際の誤り(2度目)」

以上の6つのどれか、と言う事にさせて貰います、申し訳ありません

(ちなみに今回の「しばたたく」は文字化けです、重ねてすみません)

639 :名無しのオプ:2009/10/26(月) 03:05:22 ID:PfviB4x8
関口の精神がやばい

640 :名無しのオプ:2009/10/26(月) 07:18:28 ID:Zr/N1eC3
関口死んだな

641 :名無しのオプ:2009/10/29(木) 20:42:19 ID:Cn3RzQ3W
久しぶりに来たらやべえw
まとめサイトまで出来てるし職人絶好調だな
それこそ一杯でいいから「ミスター、あたいにおごらせて」
いよいよ大詰めか…


642 :名無しのオプ:2009/11/01(日) 15:33:20 ID:0KbErkFH
もうそろそろかな?
職人さま楽しみにしてますね!

643 :名無しのオプ:2009/11/06(金) 09:57:23 ID:xabGCxXt
今最初から読みなおしたんだが、
このスレ読み応えあるなあ
最初の方のレスもところどころネタ満載でいいわw

644 :名無しのオプ:2009/11/08(日) 00:35:05 ID:cZBhTAg6
所謂岡田規制に巻き込まれてしまいました
この1週間で他のIP番号の規制は解除されたようですが、私の番号だけは解除されず・・・
(少なくとも一人はいる!!)期待してくれている人には大変申し訳ないのですが、
もう暫し、お待ち頂けますようお願いします
(本文は先週の時点で完成していますので、このまま放り投げたりは致しません)
もし、今週規制が解除されないならば、

その時は、


その時は、


うーん・・・。

645 :名無しのオプ:2009/11/08(日) 14:46:24 ID:Tv/RgKuW
>>644
どんまい
かなり規模のでかい規制だったもんなぁ…
律義にかきこんでくれてありがとう
いつまでも待ってるから!

646 :名無しのオプ:2009/11/08(日) 18:59:23 ID:5p8yjDyH
>>644
規制なら仕方ないよなぁ・・・
マジで待ってるから!

647 :名無しのオプ:2009/11/09(月) 00:55:35 ID:XfPbinXU
>>644
楽しみにしてる人は現時点で少なくとも3人は確実だぜ!
後ちょっとで終わりってところで残念だ
いつまでも楽しみに待ってますね!

648 :名無しのオプ:2009/11/10(火) 23:20:43 ID:++4f0A+w
俺も待ってる

649 :名無しのオプ:2009/11/11(水) 00:46:34 ID:0RGseH7q
私も待ってますよー

650 :名無しのオプ:2009/11/11(水) 00:53:18 ID:w135IKYf
昨日このスレ初めて見て、朝まで読み耽ってしまった自分も
待ってます
このスレ神だらけだろ…

651 :TIPS「交信」:2009/11/14(土) 22:41:15 ID:P19vnqJr


「――本部より鶯(うぐいす)、男性2名がRを奪取した。
 車にて逃走。これを阻止し、Rを奪還せよ」


「――鶯1より本部、任務了解、発砲許可を申請」


「――本部より鶯1。発砲を許可する」


「鶯1より狙撃班、発砲を許可する。R確保のため、障害を阻止、排除せよ」


652 :TIPS「交信」:2009/11/14(土) 22:42:36 ID:P19vnqJr

多重構造の建物の中を逃げ惑っている。追われているのだ。
振り返ると仲間が次々と殺されて行くのを見ることができる。
私は息を止めて身を屈め、死んだ振りをしてそっとそれを見る。
しかしはっきりは見えない。両目が濁っているせいか。
いや、周りが暗いのだ。真っ暗だ。

比較的都会で育った私は未だかつてこれ程の闇を経験したことがない。

異郷の夜には電灯はおろか松明の灯りさえなかった。藪蚊がいる。いや、蚊ではない。
得体の知れない昆虫だ。油断をすると皮膚の下に卵を産みつけられてしまう。

小隊は全滅した。部下は一人を除いて皆死んでしまった。
私の責任なのだろう。

あの気味の悪い声は何だ?鳥だろうか。

――ジャングルの鳥は夜でも啼くのだ。

男がいった。真っ暗で顔などわからない。
明るくなるまでじっとしていよう。右も左も解らない。

――朝までいたらボーイに見つかる。捕虜になって辱めを受けたいか?
  それともいっそ自決するか?他の部隊の隊長なら皆そうする。
  それが玉砕というものだ。

甲高い声で男がいう。死ぬのは嫌だ。

急に怖くなった。日頃からあれ程生きることを厭(いと)い、
この雑駁(ざっぱく)とした日常から逃避することだけを願い、
つまりは死にたいとばかり考え続けていたというこの私が。

653 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 22:44:11 ID:P19vnqJr

多重構造の建物の中を逃げ惑っている。追われているのだ。
振り返ると仲間が次々と殺されて行くのを見ることができる。
私は息を止めて身を屈め、死んだ振りをしてそっとそれを見る。
しかしはっきりは見えない。両目が濁っているせいか。
いや、周りが暗いのだ。真っ暗だ。

比較的都会で育った私は未だかつてこれ程の闇を経験したことがない。

異郷の夜には電灯はおろか松明の灯りさえなかった。藪蚊がいる。いや、蚊ではない。
得体の知れない昆虫だ。油断をすると皮膚の下に卵を産みつけられてしまう。

小隊は全滅した。部下は一人を除いて皆死んでしまった。
私の責任なのだろう。

あの気味の悪い声は何だ?鳥だろうか。

――ジャングルの鳥は夜でも啼くのだ。

男がいった。真っ暗で顔などわからない。
明るくなるまでじっとしていよう。右も左も解らない。

――朝までいたらボーイに見つかる。捕虜になって辱めを受けたいか?
  それともいっそ自決するか?他の部隊の隊長なら皆そうする。
  それが玉砕というものだ。

甲高い声で男がいう。死ぬのは嫌だ。

急に怖くなった。日頃からあれ程生きることを厭(いと)い、
この雑駁(ざっぱく)とした日常から逃避することだけを願い、
つまりは死にたいとばかり考え続けていたというこの私が。

654 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 22:45:35 ID:P19vnqJr

――あんたは取り返しのつかないことをしてしまった。
  もう後には戻れないんだ。だから先へ進むしかない。

甲高いこえが告げる。この、生き残った部下の名前は何といっただろう?

取り返しのつかないこと。

折れそうな程細い腰。
蝋細工のような白い肌はひんやりと冷たい。
そして赤い、赤い・・・

私は壊したかった。
簡単に壊れる癖に、一度壊れてしまったら二度と元には戻らない何かを。

急がなければ、こんなところにはいられない。臆病な私は逃げなければならない。

どこへ?
あそこだ。
あの四角い明りは神社の鳥居なのだ。

――何をしている?

体が思うように動かない。足が縺れる。闇が纏(まと)わりついて来る。
これ程の闇夜は経験したことがない。いや、違う。あの日もそうだった。
あの、夏の夜。

ああ、何かが泣いている、鳴いている、啼いている。

ああ、あれは・・・せみ?・・・ひぐらし?・・・とり・・・とり!?

「鳥!!」

655 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 22:46:31 ID:P19vnqJr
「鳥!!」

目が覚めた、目を覚ました。

運転席では鳥口がいびきをかいている。

辺りはもう暗く夜が訪れていた――時刻は10時過ぎだった。
そして、私は気付いた――少女がいないことに。

なんて事だ――奴らだ――奴らの仕業だ。

鳥口を起こそうと試みたが、起きなかった。
外傷は無いようなので大丈夫だとは思うが。
私は鳥口にもしもの為の書き置きを残した。

車は前部が大破しており、動かす事は無理そうだ。

私は走り出した。

急がなければ、こんなところにはいられない。

どこへ?
あそこだ。

古手神社だ。

私は先へ進むしかない。


――何をしている?


656 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 22:47:54 ID:P19vnqJr

私は走る。

体が思うように動かない。息が切れる。
足が縺れる。闇が纏わりついて来る。

私は走る。

夜と云うのは、こんなにも暗いものだったろうか。
比較的都会で育った私は、未だかつてこれ程の闇を経験した事がない。
ざわざわと森が騒ぐ。闇の中では木々は明らかに生きている。
いきなり恐怖心が湧いた。

――何故、走る?

闇と云うのは、これ程畏ろしいものだったのか?
光を失っただけで、世界はこれ程に違った様相を示すものなのか。
そんな、空恐ろしい世界に私達は目を瞑り、知らぬ顔をして、のうのうと暮らしていたのか。

――何で、走る?

光が欲しい、明かりが欲しい、灯りが欲しい。
陽光でも月光でも構わない、私の心に纏わりつく、
私の後ろから、憑きまとってくる闇を、祓って欲しい。

――どうせ、無駄なのに。

無駄なのかも知れない、けれども私は走る。
躰は悲鳴をあげだした、けれども私は走る。
心の内の虫が叫びだす、けれども私は走る。

――お前の様な人間が。

657 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 22:50:26 ID:P19vnqJr

お前の様な人間が。

この言葉は堪(こた)えた。
確かに私の様な無能な人間が走ってどうなる?
私が行ったところで何かが変わるのだろうか?

私は走っている。

本当にそうだ、私に何が出来る?
少女がいなくなってから何時間経っている?
今さら行ったところで手遅れに決まっているじゃないか?

私は走っている・・。

何故?
何で?
何の為に?

私は―――

その時、足下に小さな障害。
慣性に任せて前進しようとする躰。
手をつくことも出来ずに叩きつけられる。

そして――


私は立ち上がる事が出来なかった。


658 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 22:54:48 ID:P19vnqJr

私は倒れて、
萎えて、挫けて、折れて、潰れてしまった。

ああ、愚鈍な躰だ、すぐに息切れがする。
ああ、胡乱な心だ、そんな躰を支配も出来ない。

そう、無駄な行為だったのだ全て――無為だ。

京極堂が云う様に何もせずに帰ればよかったのだ。
私の様な人間が出しゃばるべきではなかったのだ。
私には英雄の様な活躍など出来るはずがないのだ。

私はいつもそうなのだ。

間抜けな話だ、自分の分もわきまえず。
奔走し、迷走し、失速し、失敗する。

もし、神の様な全てを見通せる存在がいるとして、私を見て嘲笑っているのだろうか?
まるで、釈迦の手の上で、弄ばれる孫悟空の様だ。

と云っても、私は無能な猿なのだが。

私は大いに笑った。


そして、少し泣いた。

それは、とても滑稽で。
それは、とても惨めで。

それは、とても私だった。

659 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 23:21:57 ID:P19vnqJr

汗が冷たくなり、頬がひりつきを覚える頃。
踏み潰された座頭虫の様に、私は空を眺めていた。
月は雲に隠されていたが、空には数多の星が煌めいていた。

ああ、あれは私なのだ。
灯りとしては役にたたず。
ただ、そこに存在している。
とても小さな、かすかな光だ。

胡乱な心が動きだす。
愚鈍な躰に心が戻る。

私にはまだしなくてはならない事がある。
道化師として、最後まで役目を果たそう。

――ご免なさい。

謝らないで欲しい、謝らなければならないのは私の方だ。

遠くで、気味の悪い声がする。
ここらの鳥は夜でも啼くのだ。

行こう、行かなくてはならない。
私は取り返しのつかないことをしてしまった。
もう後には戻れないんだ。だから先へ進むしかない。

そして――


私は立ち上がった。


660 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 23:23:46 ID:P19vnqJr

闇夜の凶人のように、闇の中をふらふらと歩いた。
何処に行こうとするのか、何をしようとするのか。

目指すのは古手神社だ。

勿論、私が行っても何も変わるはずもない。

――――――未来はもう決まっているのでしょうか?

そう、決まっていたのだ、私の様な無能な人間では。

――――――――運命は受け入れなければいけないのでしょうか?

そう、受け入れなければいけない、私の様な無能な人間には。

――――――――――死にたくない。

ああ、御免よ、御免なさい、私の様な無能な人間には、君を救う事は出来なかったのだ。
あの時、あの娘(こ)の告白を聞いたのが私でなかったら、中禅寺や榎木津だったなら。



「今から、雛見沢連続怪死事件事件の――いや、この村にある惨劇の真相を語ります」

そう云うと、少女いや彼女はゆっくりと息を吸った。

「雛見沢には、ある特別な病気があるのです。その病気の名前は、
 仮なのか正式なのかはわかりませんが『雛見沢症候群』と呼ばれています」

雛見沢症候群?

661 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 23:27:00 ID:P19vnqJr

「この雛見沢症候群と云う名称は古く、実は戦前くらいに名付けられたものです。
 雛見沢近隣の出身者が遠方で患う重度の望郷症とそれに伴う精神不安定などの症状。
 それにある医師が注目し、様々な文献に基づいて調査を行いました。
 そしてその医師は、この特異な症状が雛見沢の特殊な文化性ではなく、
 外因性によるものではないかと仮説を立てたのです」

外因性による症状?

「この医師はさらに仮説を立てました。
 雛見沢にはある種の風土病があり、その地から離れると分泌物の異常などを引き起こし、
 過度の被害妄想を膨らませるのではないかと云うものです」

過度の被害妄想?

「雛見沢のオヤシロ様信仰をその見知から見ると、明らかに古代鬼ヶ淵村の人々は
 この風土病を理解している様に思われました。
 自らが村を出ては生きられない事を理解し、また他所から人が来れば感染し、
 2度と村から出られなくなるため、村に近づけまいとする土着の教義。
 古代の人々はそれを病気と云う概念ではなく、祟りと云う概念で捉えたのです」

村から出られなくなる?

「そして、この病気の最大の特徴は、発症時の極端な被害妄想と、それに起因する過剰な攻撃思考。
 それと、末期に至った際の自傷行為です。
 この末期患者の異常行為は、鬼ヶ淵の村から鬼が湧き出して村人を襲った、と云う伝承の行を、
 ガス災害と云う見方ではなく、何らかの感染症が突如大発生し、
 急性発症した村人達が被害妄想を肥大させ、村人殺しに発展したと読み解けました」

発症時の極端な被害妄想?

662 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 23:28:44 ID:P19vnqJr
「その感染症も長い時間の中で、非適合な人間がほぼ淘汰されると、
 村人達は自分達の病気、祟りの法則を理解し始めました。
 まず、この病気は一度罹患(りかん)すると治せない。
 そのため、村を閉ざし余所者を近付けない教義が生まれた」

罹患すると治せない?
 
「そして、この病気を発症させる要因、大きな条件は二つ。一つは疑心暗鬼。
 人を疑る気持ちは被害妄想を膨らませ、自ら末期症状を引き起こしてしまう」

疑心暗鬼? 

「そしてもう一つは、こっちの方がわかりやすくて教義の根幹だけど。
 それは雛見沢を離れると、距離、時間に比例して発症確率が高まると云うもの。
 現代の村民達は長期旅行にいっても発症する事はほぼないけど、
 当時の村民達にはとても顕著で、劇的だったそうよ」

雛見沢を離れると確率が高まる?

「この二つの発症要因を治める為にオヤシロ様には禁忌が生まれた。
 まず、村人達は村社会への帰属意識を強くして、疑り合うことがない様にした。
 最近は薄れてるけど、そもそも、オヤシロ様は縁結びや隣人愛の神様なの。 
 そして、雛見沢を離れてはいけないと云う禁忌。
 それに伴い、これに逆らうと、オヤシロ様の祟りが起こると云う罰則」

オヤシロ様の祟りが起こる?

「オヤシロ様伝説の最初の、オヤシロ様が降臨し人と鬼を融和させた云う行は、
 この二つの禁忌を守らせる為に、生まれたと云ってもいいかもしれない。
 そして村に残る、残酷な儀式の風習はその禁忌を強固にする為の抑止力だったのでしょう」

オヤシロ様の降臨?

663 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 23:30:19 ID:P19vnqJr

彼女はそこで、長い話に一息ついた。
私は思わず大きな溜め息を一つした。

「と・とても信じられない」
「私もそうよ、でも私が見てきた色んな世界でも、雛見沢症候群は発症している。
 今年も、例えばレナが発症する世界もあった」

レナ、竜宮レナ――あのおかしな少女か。

「他にも、魅音の双子の妹、詩音が発病する世界」

魅音、園崎魅音――あの子に双子の妹がいたのか・・・そう云えばどこかで。

「後は、あの馬鹿叔父が戻ってきたせいで、沙都子が発症する世界」

沙都子、北条沙都子――鳥口が云っていた子か。

「他にも、転校生が発症する世界もあったわね」

転校生、流石にこれはわからない。

「そ・それじゃあ、その雛見沢症候群がこの連続怪死事件に関わっているの?」

「そう、1年目のダム工事の現場監督殺害事件、これは主犯の男が発症。
 2年目の北条夫妻は沙都子が発症して突き落とした」

「さ・沙都子?、でもその子はまだ生きているじゃないか、発症しても生きているのか?」

「ああ、そうね――まだその事を話てなかったわ」

彼女も大きな溜め息を吐いた。

664 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 23:32:56 ID:P19vnqJr

「さっき話した、最初にこの雛見沢症候群を発見した医師は、
 これを何か有効利用出来ないかと当時の政府、軍部に主張した。
 けれど当時は戦争の戦局が思わしくなく、そんな異常現象の研究に予算を割けなかった。
 そうして、この雛見沢症候群を研究しようとする話は潰えるはずだった」

戦争――あの戦争か。

「そして、終戦。日本は新しい価値観を受け入れる、いや、受け入れざるおえなくなった。
 けど、詳しくは説明しないけど、中にはもう1度日本の独立を願う有力者達がいたの。
 そんな彼らは日本の復興にあわせて手に入れた、大きな資金力と政治力があった。
 そこで戦時中に忘れ去られた雛見沢症候群に注目された。
 雛見沢症候群が軍事的価値を持たないかどうかね」

馬鹿げている――だが、あの時は我々だって馬鹿げていたのだ。

「そこで、送り込まれたのが入江京介。関口も知っているかしら、雛見沢の診療所の所長よ」

そう云えば――あの診療所は異常に立派だった。

「他にも鷹野や富竹もその雛見沢症候群研究の関係者――これは知らないかもね」

そう云えば――鷹野三四もここの生まれではないと。

「彼らの目的は雛見沢症候群の研究及び管理。そして入江は優秀な研究者だった。
 入江は雛見沢症候群の細菌の特定及び予防薬や治療薬の開発に成功したわ。
 まあ、正確には治療薬と云うよりも抑制薬だけど・・・それで沙都子は生きながらえているの」

そう云えば――鳥口が少女はおかしな感じだと。

665 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 23:35:18 ID:P19vnqJr

「で・でも、そ・そんな危険な病気が今まで発見されないなんて、お・おかしいよ・・」
私は尋ねた。

「雛見沢症候群が軍事利用の優位性が高いとされたのはそこなの。
 その原因である因子体が、宿主が生体でないと検出されないの。
 ――それもかなり非人道的な手法でなければね」

確かに筋は通っている・・・。

「で・でも、何で君がそんな事を知っているんだい、そ・その何度も生きてる中で調べたのかい?」
私は再び尋ねた。

「私は入江達に実験材料にされているの――」

彼女は少し寂しそうな表情をして。

「私の、古手家の血筋にはオヤシロ様の血が流れている。
 その伝承は正かった様で、私の体は彼らの格好の研究材料なの。
 そして、その所為で両親は彼らに殺された」

最後の方は呟く様だった。
彼女は再び溜め息を吐くと、

「さて、話を戻しましょうか。どこまで話したっけ――
 そう、2年目の祟りは沙都子が発症したの、3年目は入江達の仕業。
 4年目は沙都子の兄の悟史が発症――これが雛見沢連続怪死事件の真相なの。
 3年目以外は、本当に連続ではなく偶々(たまたま)同じ日に発症が起こっただけ」

「で・では、1人消える。鬼隠しは?」

「それは、ほとんどが入江達の仕業。感染者の管理、隠蔽も仕事の内なの」

666 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 23:38:46 ID:P19vnqJr
そこまで話すと彼女は月を見やり――いい月ね、と云った。

彼女の話は、矢張り筋は通っている。だが到底信じられない。
「ひ・一つ、き・聞いてもいいかな?」
私は聞いた。
「そ・その雛見沢症候群の感染経路は一体、何なんだい?」
「空気感染よ――もしかしたら関口も罹(かか)っているかも」

彼女は私を見ずに云った。

空気感染だと?――なら私も。

「さて、やっと話は本題に入るわ」
彼女は私に顔を向ける。

「その連続怪死事件とは関係なく、もう間もなく私が殺されるのです」

なら私も感染しているのか?――疑心暗鬼になる。

「それは、必ず、確実に、何度も起こります」

そう云えば、ここに来てから――発病要因は・・・。

「関口、聞いてますか?」

――何を聞いているのだ?

「あ・あ・ああ、で・でも到底・し・信じたくないよ」
私は答えた。

「そうでしょうね、なら一つ予言しましょう」
そして最後に彼女は――

667 :名無しのオプ:2009/11/14(土) 23:43:26 ID:P19vnqJr

朦朧とした意識の中、私は古手神社の石段の前に辿り着いた。

私は躊躇せずに階段を登り始める。
私を支配していたのは諦観だった。

そうきっと、それはある。
きっと本殿の前辺りにだろう。
そして私はそれを見つけ出して。
自分の無力さに、打ちのめされる。

それで私は、私を確認するのだ。

そして、
もはや私は、そんな私を傍観している。

一つ目の鳥居をくぐる。

もうすぐだ。

数段の石段の上に二つ目の鳥居がある。

鳥居は世界の境を示すものなのだ。

あれを越えれば世界は変わる。

もうすぐだ。

そして――


私は境界を越えた。

668 :TIPS「悪魔の脚本」:2009/11/15(日) 00:04:03 ID:P19vnqJr

整理された道が終わり、砂利道がガタガタと車を揺らす。
今年は空梅雨だった。
しっとりとした雨を楽しめるはずの6月も、もう真夏の様な日が訪れている。

あの年も、こんな空梅雨の夏だった事を、彼は思い出していた。

彼の名は赤坂衛。
警察庁に勤める古株の刑事だ。

彼と雛見沢の縁はずっと過去に遡る。
彼はここ雛見沢で、大石と、そして古手梨花と出会った。

古手梨花が予言した自らの死の運命。

赤坂にとっては、この少女を運命から救い出せなかった事は、
今になっても尚、忘れられない痛恨の悔やみだった。

やがて彼は雛見沢大災害を知り、当時世話になった大石と再会。
少女を襲った惨劇を、雛見沢連続怪死事件の謎を、例え今からでも暴こうと誓い合ったのである。

だが雛見沢は気が遠くなる程の長い時間に渡り封鎖され続けていた。
よって赤坂達は自分達の持つ情報を手記にまとめて発表し、
読者に当時の記憶を辿ってもらって情報を寄せてもらう以上の事は出来ずにいた。

しかし、ようやく雛見沢村の封鎖は解かれた。

本来なら大石と来る予定だったのだが、大石の検査入院が急に決まり1人で訪れる事になった。
同伴している2人は、赤坂の後輩の男と、その元部下で雛見沢の封鎖中その任務に関わっていた男だ。

赤坂は自分の荷物から、切り抜き帳を取り出す。
――角はもうよれよれになり、相当の劣化が伺えた。

669 :TIPS「悪魔の脚本」:2009/11/15(日) 00:06:38 ID:IbqbfNWn

「――では、鬼ヶ淵沼をお願いします」

――了解しました。若い男が答える。

車が走り、森を抜けると。
土砂で埋め尽くされた不自然な土地が姿を現す。
沼どころか、水一滴もない――そこが鬼ヶ淵沼跡地だった。

「ははは、沼どころか、水溜まりもないな」
「大災害の後、初期に埋め立てられたと聞いています」

そこは、広大な森の空き地に現れた無垢の巨大な大地。

「――なるほど、これが所謂(いわゆる)未確認飛行物体の着陸場と云うやつか」
「そんな事云われてるんですか」
「オカルト愛好者の間じゃ有名らしいよ、政府がここで宇宙人と交流していたってね」
「わっはっはっはっは」

この沼があの6月末に突如湧き出した火山性ガスの発生場所だ。
致死性の極めて高い、硫化水素と二酸化炭素の混合ガスは深夜の内に村を丸ごと飲み込み、
雛見沢と云う村を一夜にして滅ぼしたのである。
そして封鎖された後、ここを管理していた政府によって沼は埋め立てられた。

「でも彼らにも彼らなりの論理があるらしくて、地質学的に云って、
 ガスの発生源を塞ぐ為に、沼を埋め立てても何の意味もないらしいんだよ」
「そりゃ、そうでしょうね。火山口を埋め立てって話は聞かないですから」

近年、オカルト愛好者達の間でこの雛見沢大災害が話題なのだそうだ。
雛見沢大災害は火山ガスの噴出と決着したのだが、それは政府が事実を隠蔽する為に作った腹案で、
その実態は宇宙人による細菌攻撃だったと云う風説だ。

670 :TIPS「悪魔の脚本」:2009/11/15(日) 00:08:23 ID:IbqbfNWn

彼らが根拠とするのは、『34号文書』と呼ばれる秘密の文献の存在であった。
この『34号文書』は、雛見沢の診療所に勤務していた鷹野三四と云う看護婦が記した手記である。
(34号とはその名前をもじったものらしい)

この女性は雛見沢に伝わる奇妙な鬼伝説の歴史を追い、
その伝説が何を意味するかを解き明かそうとする個人研究者であったとされている。
その内容によれば、あの年の雛見沢大災害は事前に予見されていた、と云うのである。

彼女の研究によるならば、雛見沢には太古の昔、
宇宙から飛来した未確認飛行物体が墜落し、鬼ヶ淵沼に沈んだと云う。
その未確認飛行物体には、地球に存在しない、宇宙の寄生生物が漂着しており、村人達に感染した。
この細菌に寄生された人間は凶暴化し、『鬼』と呼ばれるに相応しい存在と化したと云う。

鷹野三四はこれこそが、沼から湧き出した鬼の正体だとしている。

墜落した未確認飛行物体に乗っていた宇宙人は、地球人達が自分の持ち込んだ細菌の所為で、
大変な事になっているのを知り、その姿を村人達の前に現した。

――これがオヤシロ様の降臨であるという。

宇宙人は、地球外文明の高度な方法で村人を治療したが、対処療法にしかならなかった。
その為、宗教的象徴として、オヤシロ様の名で崇められていた宇宙人は、
症状を悪化させない為に法を科したと云う。
細菌たちは雛見沢の風土にのみ馴染んでいたので、宿主が雛見沢を離れると症状を悪化させてしまう。
その為、村から離れるなと云う規則を作ったのだ。

これがその後の鬼ヶ淵村の仙人を巡る伝説につながっていく。

つまり、仙人達が持っていたと云う仙術や奇跡の技は、全て宇宙人がもたらした英知だったのだ。

671 :TIPS「悪魔の脚本」:2009/11/15(日) 00:13:36 ID:IbqbfNWn

「わっはっはっは。本当にオカルト愛好者達は、そう云った話が好きですよね」

「でも、鷹野三四は雛見沢大災害を予見したらしい。それは嘘じゃない。
 確かにこの切り抜き帳に書いてある」
「そんな、まさか。あっはっはっは。・・・・――赤坂先輩それ本当に?」

仙人達の時代から長い時間を経る内に、人々に寄生した細菌は非常に安定したものになり、
人体に無害なものとなった。そして宇宙人も細菌も、人々の記憶から薄れていく。

だが宇宙人たちは御三家に守られながら何百年もの間、生き続けてきたと云うのである。
古手神社の秘密神殿の中で代々、ご神体として崇められて生きてきたのである。

その宇宙人は寄生している細菌たちを操り、その結果、村人達を何百年も支配していた。
その支配を取り戻すため、彼らは再び寄生細菌の太古の力を取り戻すべく、研究を始め―――。

後は諸説が入り混じり、結局は寄生細菌を地球規模でばらまき、地球の支配を目論もうとした、
宇宙人の地球侵略計画こそが雛見沢大災害の正体である――と云うらしい。

それで、実は日本政府内には宇宙人の侵略と戦うための秘密部門があって、
彼らは米国の秘密基地で訓練を受けていて―――。
そして、彼らが動き出し、この宇宙人の地球侵略を食い止めるため、
村を全て封鎖して毒ガス攻撃で完全に封殺した――と云うのである。

「わっはっはっは!!流石にそこまで来ると、冒険科学小説の域ですな」
「俺もここまで来ると滅茶苦茶だとは思う。
 ただ、この滅茶苦茶を書いた鷹野三四はあの年の6月中旬、正体不明の怪死を遂げる。
 そして、その死の直前に、自らの死を悟ったかの様に、
 村に来ていた1人の男性に、この切り抜き帳を預けて意思を託したと云うんだ」

その男性の名は『関口巽』。

672 :TIPS「悪魔の脚本」:2009/11/15(日) 00:27:47 ID:IbqbfNWn

「その男性も奇妙な行動をして、雛見沢大災害の前日に失踪している。
 だが、残された切り抜き帳には1枚の紙が挟まっていて、それにはこの大災害を予言していたんだ」
「まさか!そんな事ありえない、偶然ですよ」

「わからないが、偶然ではないと思う連中に云わせると、その後の政府の対応がおかしいらしい。
 例えば、この沼の埋め立てが一例だ。
 さらに埋め立て前に、秘密の地質調査をしていたという封鎖に関わっていた者の証言もある。
 否定派はそれを単にガスの発生地だから、危険に備えて立ち入りを制限していた主張するが――」
「それは、多分、否定派の云うのが正しいんじゃないかと思いますね」
「他にも雛見沢を封鎖していた関係者たちは定期的に血を抜かれて厳密な検査を受けていると云う。
 それは、実は、細菌感染の陽性反応を見るものであったと云われている」
「矢張り、ガスが湧き出す危険があったから、健康管理に気を遣っただけじゃないですか」

「まあ、君の云う事ももっともだと思う。あと、他にもっと面白い話もあるぞ。
 雛見沢大災害では火山ガスは発生していないと主張する連中もいる」
「火山ガスが発生していない?どういう意味ですか」
「つまり、元々火山ガスなんか噴出してなくて、ガス災害と云うのが政府の嘘だと主張しているんだ」
「それこそオカルト愛好者のこじつけですよ、一体何を根拠に?」
「封鎖解除後、オカルト愛好者が押し寄せて、未確認飛行物体説を補強するために調査したらしい。
 連中の主張はこうだ、
 『政府発表の火山ガス成分によるなら、硫化水素によって金属が腐食されたり、
  自然体系に大きなダメージが残るはずだ。だが雛見沢にはその痕跡が残っていない。
  よって、火山ガスが噴出したとは到底思えない』――だ、そうだ」

673 :TIPS「悪魔の脚本」:2009/11/15(日) 00:29:32 ID:IbqbfNWn
「もっとも、あれから何十年も放置された村だ、痕跡が発見できたかも疑わしいが」
「はっはっは、まあお話としては面白いですけどね――赤坂先輩はそれを信じてるのですか?」
「最初は信じなかったが、最近は俺もわからない。何割かは真実が含まれているかも、と思っている」
「赤坂先輩ともあろうお方が、未確認飛行物体説を信じるんですか?」
「この切り抜き帳。これが本物の『34号文書』だとしたら?」
「え?」
「あの年の6月、大災害の前日に失踪した、関口巽が所持していた、正真正銘の本物だ」


『34号文書』は雛見沢大災害の混乱で長い事行方不明だったが、私たちの出版した手記を見た、
あの日、関口巽と一緒に取材に来ていたという読者の男性が送ってくれたのだ。
(彼はカストリ雑誌の編集者でもあり、陰謀説の一翼を担っているらしい)

当時は妄想と思っていた大石すら、雛見沢大災害の後では決して笑い捨てられる内容ではなかった。
それは、雛見沢に土着の寄生細菌による風土病が『オヤシロ様の祟り』だったと云う部分だ。
もちろん、病原体は発見されてないので仮説の域を出てはいない。

「大石さんの仮説なんだが、御三家が過去の信仰心を村に取り戻すために、
 大昔の毒性の強い病原体を研究していたのは本当じゃないか、って云うんだ。
 雛見沢大災害はその結果の失敗じゃないかってな」

もちろんこの辺りには、風説や奇説や珍説も入り混じっている。

雛見沢大災害の直前に謎の死を遂げた診療所長。
そして、関口巽失踪の夜に惨殺された古手梨花と云う少女の謎・・・。

診療所の地下に秘密の研究施設があり、そこで入江は細菌の研究をさせられていたが、
罪の意識に耐えかねて自殺。
オヤシロ様の復活と云う宗教的な祭典の何らかの意味の為、梨花は宗教的儀式で惨殺され生贄に――。
だが、彼らが研究した細菌は失敗作だった。
――それは村人達に寄生するどころか、そのまま死に至らしめてしまう殺人細菌だったのだ。
そして村は、一夜にして滅びてしまう事になる。

674 :TIPS「悪魔の脚本」:2009/11/15(日) 00:35:56 ID:IbqbfNWn

「ただのガス災害じゃない事は明白なんだ。ガスが湧く直前に、
 1人の男性がそれを予記して失踪、さらに数人の村人が怪死を遂げている。
 それを切り抜き帳にまとめた鷹野三四本人も含めてね。
 あれを偶然の予見不可能な災害だとするには、どうにも腑に落ちない要素が少なくない。
 この『34号文書』を読めば、それは明らかになってくる」

「じゃあ――、雛見沢大災害は自然的な災害ではなく、人為的な災害?」
「その後の長い封鎖は、その殺人細菌を調査するためじゃないかとも囁かれている」
「まあ、未確認飛行物体がって、説よりは狂信者集団の方が信憑性はありますね」


「――この跡地を見ていると、本当に未確認飛行物体が墜落した可能性もあるかもしれないな」
「馬鹿馬鹿しい――」
「それが馬鹿馬鹿しくて調べたくても、沼は埋め立てられて確かめる術もない。
 地質学的には何も効果は期待できないはずの馬鹿馬鹿しい工事によってだ」

「赤坂先輩がそれを立証するには、あとはここの住民の生き残りを見つけて、
 体内からその特殊な病原体ってやつを見つけ出すしか、ないんじゃないですか」
「――それも致命的だ。大災害の後、雛見沢出身者に対する魔女狩りのせいで、
 今や出身者の存在は不明だ。彼らは名乗りなどあげない」

「じゃあ、お手上げじゃないですか」
「それでも諦めないのが刑事魂ってものだよ。
 あれが自然災害じゃなかったって云う状況証拠はいくらでもあるんだ。
 何か一つの具体的証拠で芋づる式に全てを白日に晒せるかもしれない」

「まあ、あれから大分経過してますからね。真相はあまりに深い闇の中かもしれません」
「そうだな・・・・・新世紀になった、今頃になってここを訪れても、何も解りはしないのかもな」



675 :TIPS「悪魔の脚本」:2009/11/15(日) 00:38:09 ID:IbqbfNWn

あの年の6月に。雛見沢で一体、何があったと云うのだ。

確実にわかっているのは、鷹野三四がそれを予見して怪死を遂げて。
さらにそれを予記した関口巽が失踪し、診療所の所長が怪死を遂げ、
オヤシロ様の生まれ変わりと信じられていた古手梨花と云う少女が、惨殺されたと云う事実のみ。

関口巽の残した紙にはこう書かれていた。

『私、関口巽は真相が解りました。
 誰が犯人かは特定することが出来ません。
 唯、解った事は、オヤシロ様信仰と関わりがある事です。
 雛見沢連続怪死事件は連続ではありません。
 そして、奴らが古手梨花を殺すのです。
 それで、計画を実行するのです。

 これを読んだ貴方。どうか真相を暴いてください。
 それだけが私の望みです。

                         関口巽』

関口巽を真相に辿り着かせ、失踪させた、この切り抜き帳は一体何なのか。
内容が示すとおり、それは壮大な陰謀を暴いた一大告発書なのか。
当時、誰もが思った様に、唯の妄想のでっち上げなのか。

何が真相か解らなくなる時、この惨劇を見て誰かが楽しんでいるのを思う事がある。
この切り抜き帳は、そう、脚本なのだ。
数千人もの村人の命を一夜にして奪う、惨劇の舞台脚本。
人の死を見て笑う地獄の観劇者のための、悪魔の脚本。

この脚本を誰かが書いた、そして誰かが上演した。それを見て誰かが笑った。
くそ!!、あの年の6月に雛見沢で一体何が起こったって云うんだ・・・・!!

676 :名無しのオプ:2009/11/15(日) 00:43:59 ID:IbqbfNWn


境目を越えると、

拓けた所に建物がある――本堂――本殿――本社――

私はおずおずと近寄っていく。

近づくと入り口に影がある――影――陰――人影――

瞬時に躰が緊張した、なぜならその数が多かったからだ。

その人影は4つ。
左から大きい影が2つ。
続いて小さな影が1つ。
一番右に大きな影1つ。

なぜ?

闇にまぎれて顔までは見えないのだが、確かに存在している。
在ったとしても、変わりはてた影が1つのはずなのに、
この影達はいったい何なんだろう?

「――――――」

小さな影が声にならない声をあげた――猿轡(さるぐつわ)でもされているのか?

一刻の間を持って、私は気付いた。


ああ、生きている。


677 :名無しのオプ:2009/11/15(日) 16:14:41 ID:4Inr24fg
乙。
いつも楽しい週末をありがとう!

678 :名無しのオプ:2009/11/15(日) 20:54:17 ID:uOkvjkaO
職人さま乙! 待ってました!
しかし…しかし関口いいぃ!!!


679 :TIPS「神の情報開示」:2009/11/15(日) 23:58:08 ID:IbqbfNWn

緊急要項第1号

自然発生的末期発症者(以下L5と表記)が確認された場合、
施設長はL5が異常的社会行為を起こす前に迅速に事態を収拾しなくてはならない。
ただし、機密保持に厳重に注意する事。

その際、施設長は機密保持部隊に対し応援を要請できるものとする。
機密保持部隊は、確保に当たり必要と判断した場合は発砲許可を施設長に対し申請する事ができる。
L5の確保は極力、生体である事が望ましいが、機密保持上の理由でそれが困難な場合、
生死を問わないものとする。

全てにおいて機密保持と外部発覚を最優先する事。
ただし、機密保持は外部発覚阻止に優先するものとする。


緊急要項第34号(複写・持出・許可なき閲覧――厳禁)

本要項は最高決裁者の決裁によってのみ適用される。如何なる簡易決裁もこれを認めない。
また決裁者は本要項適用の決裁に当たっては可及的速やかに判断する事。

対処不能な事態が発生し最高決裁者がそれを認められる場合、機密保持と外部発覚阻止の為、
入江機関(以下、機関と表記)は最終的解決をしなければならない。

最終的解決とは以下を指す。

・L2以上の潜在患者全員の収拾
・機関施設の完全な証拠隠滅
・本要項の適用の隠蔽

施設長は上記を事態発生から48時間以内に遂行しなくてはならない。
不測の事態により施設長の指揮が困難な場合、長官がこれを兼務する。

680 :TIPS「神の情報開示」:2009/11/15(日) 23:59:12 ID:IbqbfNWn

最終的解決は以下の手順で遂行される。

・ガス災害偽装、及び交通の遮断
交通封鎖部隊は警察官に偽装し、雛見沢地区を外部より遮断する。
その際、自然ガス災害であるよう偽装する事。
(略)

・通信手段の遮断
(略)

・潜在患者の集合
機密保持部隊本隊は雛見沢地区災害集合場所に潜在患者全員を集合させる事。
集合手順は別紙参照の事。集合後は厳重に点呼を行い全員の集合を確認する事。
(略)

・潜在患者の対処
機密保持部隊本隊は集合させた潜在患者への対処を行う事。
対処にあたっては、ガス災害偽装を疑われないよう注意する事。
(略)

・機関施設の隠蔽
(略)

・村内捜索
機密保持部隊は村内の完全捜索を行い、生存者がいない事を厳重に確認する事。
(略)

・完全撤収
全ての作戦を終了し、機密保持部隊は雛見沢地区から撤退する。
後続の一般部隊に不信感を持たれない様厳重に注意する事。
なお、機関施設は秘匿区画の完全撤去が終了するまで継続警備とする事。

681 :TIPS「神の情報開示」:2009/11/16(月) 00:00:44 ID:pw5KXWeZ

<女王感染者ト一般感染者ニツイテ>
病原体ハ蟻ナドノ社会型生物ト同ジ習性ガアルモノト推定。
女王蟻ニ当タル女王感染者ガ常ニ1人オリ、ソレガ古手家代々ニ受ケ継ガレテイルモノト推定。
マタ、一般感染者ハ女王感染者ヲ庇護スル傾向ガ強ク、其レヲ容易ニ観察デキル。
マタ、女王感染者ノ半径ニ束縛サレル一般感染者トハ違イ、
女王感染者ハ土地ニ束縛サレルモノト推測。

(略)

<感染者集落ノ崩壊ニツイテ>
前途ノ理由カラ、女王感染者ガ死亡スルヨウナコトガアッタ場合、
感染者集落ハ集落単位デ末期症状ヲ引キ起コスモノト推定。

末期症状ハ急性ナラバ早クテ二十四時間以内、遅クトモ四十八時間デ発症スルタメ、
四十八時間以内ニ最終的解決ヲ行ナワナカッタ場合、騒乱ハ極メテ甚大ニナルモノト推定。
マタ、集落規模カラ見テ、警察、憲兵程度デハ此レノ鎮圧ハ容易ナラザルモノト推定。
反国家武装蜂起ト位置付ケ、緊急ニ軍ヲ以ッテ鎮圧スルノガ最モ適当ト思ワレル。

昭和二十年一月吉日

宛最高戦争指導会議 小泉大佐殿

高野一二三記ス

682 :TIPS「神の情報開示」:2009/11/16(月) 00:01:52 ID:pw5KXWeZ

「ご存知の通り、アルファベット計画は戦後の日本の国際的な地位向上を目的としたものです。
 そして、我が国は世界への平和的貢献を模索し、国際的地位を確立するに至りました。
 日本は国際社会において重要な地位を担う国家として成熟し、さらにその存在感を強める事でしょう。
 よって、現在、時代に即した形になるよう、アルファベット計画の見直しを進めています」


「そして、この4月に新体制の理事会が発足し、全計画に対する新方針が決定されました。
 この入江機関の研究目的は二つありました。
 一つは雛見沢症候群の研究と治療法の確立。もう一つは多面運用の模索です。
 新生理事会はこの後者の、多面運用の模索については即時の中止を決定しました。
 これらの研究開発が国内で行われていた事実と痕跡は、今後はむしろ醜聞になりかねません。
 入江機関は直ちに、これに関わる全ての研究を中止し、一切を破棄してください」


「また、入江機関につきましては、最長3年を目処に、研究の収束を図ってまいります。
 私どもにとっての最大の目的は、軍事目的の研究が行われていた事の完全な破棄です。
 よって、雛見沢症候群と云う特殊現象が研究されていた痕跡と、
 そもそも存在していた事実についても隠蔽すべきであると考えます」


「誤解ないようにして頂きたいのは、
 私どもはあくまでも研究を直ちに中止させようと云うのではなく。
 円満な形で研究を終了させようと云う事です。この違いをご理解ください」 

683 :名無しのオプ:2009/11/16(月) 00:06:19 ID:pw5KXWeZ

物事が想像よりも悪くなる事は遭っても、良くなる事は少ないのが私の人生である。
その観点から見ると、矢張りこれも悪い事に当てはまるのかも知れない。

私は暗闇の中、少女を拉致した影達と対峙していた。

そして――私は吃驚(びっくり)していた。

どうしよう。

それが私の中に遭った感情だった。
相手は3人、私は1人。
しかも私は丸腰だ。

しまった。

これが私に新たに生まれた感情だった。
私はお世辞にも、体力がある訳でもない。
せめて、武器になる様な物を持ってくれば。

どうしようもない。

右の影が――残念と呟き、首を振った。
左の影達が手に握った何かを私に向ける――銃か?

ああ、私はここで死ぬのか?――そう死ぬだろう。
私は目を瞑り、その時を待ちかまえた――せめて苦しまずに。

矢張り京極堂の云うとおり、大人しく東京に帰れば良かったのだ。

ああ、雪絵に一言謝りたかった。
私はこの時間が、永遠に続くかと思った。

684 :TIPS「決意表明」:2009/11/16(月) 00:12:21 ID:pw5KXWeZ

願いを成就し、望む未来を紡ぐ力。
紡がれる糸の強さは、意志の強さ。
気高く強き願いは必ず現実となる。

それは小さな胸に宿る、大きな決意。
人の命が、もしも地球より重いなら。
私の小さな決意は、地球よりも重い。

運命は個人だけじゃなく、人を、世界を支配する絶対の力。

それはつまり、もはや運命。
私が紡ぐのは、運命。

実現の約束された願いは、もはや願いとは呼ばない。
私の絶対の意思が、絶対の未来を紡ぎ出す。
誰にも邪魔できない、誰にも覆せない。

サイコロの1なんて認めない。
全てのサイコロを6にしてやる。
それは生きながらにして神に至る。
それに気づいた時、私は解放される。

そう。私は神の域を超えるのだ。

サイコロの目など私は越える。
サイコロの目は私が決める。
運命すらも、私が決める。
挫けぬ絶対の意思で。

685 :名無しのオプ:2009/11/16(月) 00:14:45 ID:pw5KXWeZ


永遠に続くかと思われた時間は、音によって破られた。

甲(かん)

かん?――「バン」じゃないのか?

甲(かん)

まただ――これは?――跫(あしおと)?

甲(かん)

私は後ろを振り返る。
鳥居の向こうにあいつの上半身が見える。

甲(かん)

雲に隠れていた月が、不意に丸い姿を現す。
奴がやって来たんだ、物語を終結させる為に。

劇的。

余りに劇的、
まるで活劇。

そして――

月光を背に、

黒衣の殺し屋が登場した。

686 :読者への挑戦:2009/11/16(月) 00:20:29 ID:pw5KXWeZ

物語の世界において、(少なくともその中では)作者は神と言っても構わないでしょう。
ならば神として、この言葉を使う時、神託を告げる刻(とき)が来たようです。

今ここに、全ての情報が提示されました。
これまでに、紡ぎ出されたカケラたちを、理で繋ぎ合わせれば、一つの形を示すでしょう。

ここで私が問いたいのは、
「誰が犯人かを推理する問題」ではなく、
「誰が神なのかを証明する問題」なのです。

ここは小説やゲームなどと言った、一方的な世界ではありません。
貴方は傍観者ではなく、観測者にもなりうるのです。
(そして、この世界では観測者は神と言いかえる事も可能でしょう)

さて、

親愛かつ敬愛なる、読者の皆様の解答を心よりお待ちしております。

687 :名無しのオプ:2009/11/16(月) 00:24:08 ID:pw5KXWeZ


「後神の刻(とき)」〜神降ろし編(出題編)〜  <完>


688 :次回予告:2009/11/16(月) 00:27:00 ID:pw5KXWeZ

ひなびた寒村で起こった連続怪死事件。
そこを訪れた、へっぽこ文士・関口巽に襲いかかる怪奇たち。

物語が混迷の度を極めた時、ついに現れた黒衣の殺し屋。
奴は神か、悪魔か、はたまた妖怪か。

黒衣の殺し屋が理を語る時、世界は一つに集束する。


疾風怒濤、快刀乱麻、驚天動地な解答編。

「後神の刻〜神貶(おと)し編〜」

12月12日(土)投稿予定。


関口巽の明日はどっちだ!

689 :名無しのオプ:2009/11/16(月) 00:28:35 ID:IWpA+p1r
乙乙乙。
ほぼ関口視点で進んだな出題編w

690 :名無しのオプ:2009/11/16(月) 00:52:23 ID:pw5KXWeZ
そんな訳で、何とかひと区切りをつける事ができました

>>642
>>645-650
ご声援ありがとうございます
大変励みになっております


また、ここまで読んでくださった全ての読者の方にも御礼申し上げます

規制されなければ来週にも解答編の予定でしたが、
まだ規制されている方も多いと思いますので、来月まであと一月時間をおく事にしました
(決して、規制された所為で気が萎えて執筆が遅れているわけではないです、思いやりです)


ここまで書いての感想など、他に何か書こうかとも思いましたが何も浮かびません
それは物語が完結してからするべきでしょうし・・・

それではまた、師走にお会いしましょう

691 :名無しのオプ:2009/11/16(月) 07:25:26 ID:mAIGOLWf
おおおおお乙!!
面白かったです!

12月の回答編を楽しみに待ってますよ〜

692 :名無しのオプ:2009/11/16(月) 17:28:37 ID:Xue5XgPu
ふぉおおおおおおおおお乙です!
12月楽しみにしてます!

693 :名無しのオプ:2009/11/16(月) 21:45:34 ID:3TdqKf42
うひょぉぉぉぉ乙!!!
12月楽しみすぎるだろ常識的に考えて・・・
まとめサイトもよろしく

694 :名無しのオプ:2009/11/16(月) 23:52:51 ID:p1ccsmqX
乙です。
12月が楽しみだ

695 :名無しのオプ:2009/11/17(火) 09:08:21 ID:BoVO/BoC
うわあああああああ来てたあああああああああ
すげえええええええええ
なんだこの感動は!
ほんとに最後までクオリティー落とさず乙!
これからも楽しみにしてます!!

696 :名無しのオプ:2009/11/23(月) 18:07:33 ID:ca/DiiGv
お疲れ様です。
これは良い意味で鳥肌たった。
続きがとても気になるw

697 :名無しのオプ:2009/11/26(木) 19:48:10 ID:menK5SAh
すごい面白かった!続きがすごい楽しみだw

698 :名無しのオプ:2009/11/27(金) 22:24:11 ID:ocC7mrS1
出遅れながら読了
なかなかおもしろかった
完結編に期待

699 :名無しのオプ:2009/12/04(金) 00:42:27 ID:GtmWYsg6
12月に入りました
解答編が楽しみで仕方ない
しかし自分もだけど誰も答を考える人がいないなw
誰かがんばろうぜw

700 :名無しのオプ:2009/12/06(日) 20:28:47 ID:O0ZqDnt7
来週の今頃は・・・
もうwktkが止まらない!


701 :名無しのオプ:2009/12/07(月) 19:06:03 ID:Q5iABA3S
>>699
答えっていうかここにカキコしていいのか?
答え合わせまで待たなきゃいけないのかと思ってた

702 :名無しのオプ:2009/12/09(水) 08:05:20 ID:oGilTtWG
他スレに宣伝してる奴がいるが、止めとけ。
荒れる原因になるぞ。

703 :名無しのオプ:2009/12/11(金) 18:07:00 ID:iolF84o6
いよいよ明日だ・・・


704 :名無しのオプ:2009/12/12(土) 23:52:09 ID:TLEIixs5
多分大丈夫だとは思うんですけど、
容量オーバーになったら困るので、一応次スレを立てました。

もし容量オーバーになったら、続きはここでやります


http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1260629374/

705 :名無しのオプ:2009/12/12(土) 23:55:33 ID:TLEIixs5
―――終わりの始まりに―――

私たちの世界では、時間の流れは一方的で不可逆的な物です

口から話す「言葉」はそれを超越出来ずとも、記した言葉はそれを超越出来る
私がこうして記している時間軸と、貴方がそれを見ている時間軸は同一ではないでしょう
(その為に偉大なる先人達は文字を創りだしたのでしょうか)

貴方がいつ、この言葉を見るのか判りませんが
ここで、もう一度警告をさせて頂きます

これから物語は収束に向かいます

その形は貴方が今までに見た物語の中に明確に示されています
再びここで、物語の始まりに戻り、貴方の灰色の脳細胞を活用する事をお勧めします

ただし、貴方がこれから正答に至ったとしても現在進行形の解答時間は過ぎているので、
貴方が手に出来るのは「自分は真相に辿り着けた」という自尊心だけでしょうが・・
(べ、別に誰も解答してくれないから、寂しいわけではないですからね!)

さて、それでは準備は宜しいでしょうか?
貴方が予想しなかった(出来なかったではない)結末が待っているでしょう

さあ、終幕の開幕です

706 :名無しのオプ:2009/12/12(土) 23:56:28 ID:TLEIixs5




この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君



「姑獲鳥の夏」より

707 :名無しのオプ:2009/12/12(土) 23:57:52 ID:TLEIixs5

基督教の聖典によると、神は初めに天と地を創造され、そしてこう云った。

「光あれ」

人間の感覚器官の中の大半は視覚に依存しているらしい。
光があるから我々人間は世界を知覚出来るのであろうか?
確かに漆黒の闇の中ならば見えない物も多々あるだろう。
私の様な人間にとっては、闇というのはとても魅力的だ。

だがどれだけ、厭い、嫌い、疎んでいたとしても、光は陽(よう)として現れる。


不意に姿を現した月光は、
闇の帷(とばり)に覆われた世界を刻々と切り裂いていく。

そして――世界は刻み込まれた、その様相を露わにしていく。

私は終局が近づいているのを感じた。
そう、まもなく、全てが終わるのだろう。

全てが――


「後神の刻」〜神貶(おと)し編(解答編)〜

708 :名無しのオプ:2009/12/12(土) 23:58:32 ID:TLEIixs5

人が一度に処理出来る情報量は決まっているのだろうか?
私の粘菌脳ではそれは低く設定されているのかも知れない。

黒衣の殺し屋が登場した時、私の脳味噌は限界を超えていた。

これは現実なのだろうか?

死ぬ間際に人間は、それまでの人生を走馬燈の様に見ると云う。

これはそれなのだろうか?

ここ何日かで起こった出来事は、私の本質を大きく揺さぶった。
もはや私の心は、ここではない何処かに行ってしまったようで。

黒衣の殺し屋は私の前までやって来た――ああ、こいつは私を殺しに来たのか?

そして――月光に照らされたその顔には見覚えがあった。

「京・・極・・・堂?」

「関口君、僕は東京に帰れと云ったはずだよ」

見慣れた顔の、黒衣の殺し屋はそう云った。


私はその声で、
酷く安心してしまった。


709 :名無しのオプ:2009/12/12(土) 23:59:19 ID:TLEIixs5
心が安定を取り戻すと、思考が現れる。
粘菌脳が獲物を見つけた様に、もぞもぞと動きだす。
私の置かれている世界はどんな形だった?

そう私は、古手神社にやって来て・・・怪しい影と出会って・・・ああ、そうだ、銃を向けられて。

私は本殿の方へ顔を向けた。
そこに影はいた、矢張り銃を構えたまま。

そう京極堂が登場したところで、
何も現実は、現状は変化しないのだ。
私は絶体絶命で、命は風前の灯火なのだ。

京極堂は確かに弁が立つし、頭も切れる。
ただし体力面においては私と大差がない。
痩せぎすで、枯れすすきの様な男なのだ。
徒競走をしても、文字通り五十歩百歩だ。

到底、銃弾をかいくぐり、八面六臂の活躍など望めるはずも無い。

これでは、何の解決にもならない。

「きょ、・・京・・極・・堂・・・・ぶ、・武・・器・・」

私の言葉が終わる前に、向かって一番右の影が再び号令を出した。

「構わない、一緒にやってしまいなさい」

文字通り、冥途の道連れは出来たが、そう云う問題ではない。

ああ、私はここで死ぬのか?――そう死ぬだろう。
私は目を瞑り、その時を待ちかまえた――せめて苦しまずに。

710 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:00:16 ID:TLEIixs5


永遠に続くかと思われた時間は、音によって破られた。

鈍(どん)

どん?――「バン」じゃないのか?

「榎木津手刀!(えのきづチョップ!)」

まただ――これは?――榎木津手刀!?

何かが落ちて転がる音

私は瞼を開く。
幾つかの影が大立ち回りを演じている。

暫くの喧騒の後(のち)、
その中から一つの影が、影を抱きかかえてこちらに歩いてくる。

月の光に照らされたその顔はブロンズ像の様で、
手の内に抱かれていたのは、少女の様で、
それはあまりに、画に映えていて、


ああ、榎木津だ。


711 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:00:59 ID:mrfM1wNf

榎木津は、僕の出番がこれだけなんて到底納得出来るものでは無い、と云う様な目で私を睨むと、
私に少女を渡し、京極堂に何かを囁き、鳥居の方へ向かった。

この急展開に着いていけなくなった私は、とりあえず少女の拘束を解いてあげる事にした。
少女も酷く怯えている様で、私は軽く頭を撫でてやり――大丈夫だから、と云った。

多分大丈夫だろう、榎木津と京極堂がいるなら文字通り鬼に金棒だ。

榎木津が外の世界、鳥居の下に声をかけると一人の男が登場した――大石だった。
本殿の方を見やると、制服の警官が銃を構えていた二つの影を捕縛していた。

目が慣れてきたのだろうか?

警官達の中には、四角い顔の戦友もいた。

制服の警官達が影達と去り、
残ったのは、私と、京極堂と、榎木津と、木場と、古手梨花と、大石と、初見の若い男性と、最後の影。

それまでを飄(ひょう)とした表情で静観していた京極堂が、やっと口を開いた。

「どうやら、役者が揃った様ですね、それでは幕を下ろしましょう」

幕を下ろす?――京極堂はあの真相に辿り着けたのか?

「きょ、京極堂、君はもしかしたら勘違いをしているかも知れないよ」

私は云った。

――私だけが知り得た事実があるんだ。

そう、私は真相に辿り着いている。

712 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:01:47 ID:mrfM1wNf
京極堂は柳の下の幽霊みたいな表情で私を睨んだ。

私は少し、怯んで。
「きょ、京極堂、この村にはオヤシロ様信仰の狂信者達がいて、
 そ、そいつらが宗教的な儀式の為に古手梨花を殺すんだよ」

私は少し、戸惑って。
「そ、そして、連続怪死事件に乗じて、富竹さんと鷹野さんを殺して、
 や、奴らは、雛見沢症候群の研究結果を独占し、もう一度この村を支配するんだ」

京極堂は私の言葉を聞くと、大きな溜め息を吐いた。
「関口君、君は雛見沢症候群に感染しているよ、それも重傷だ」

私は少し、困惑して。
「そ、それは、ど・どう云う意味だい?・・まさか僕も」

「関口君、僕は云ったぞ、君の出番は終わったって。
 君に与えられた役目は、真相に辿り着く役目じゃなかったんだ。
 そう、"ここにいる君には真相に辿り着けるだけの情報が与えられてない"」

――君が知り得なかった事実があるんだ。

京極堂は云った。

「関口君、君は最後だ。大人しく見ていてくれないか」

そして、本殿の最後の影に向きなおり。
「僕は東京で拝み屋などをしている、中禅寺秋彦と云います――鷹野三四さん」

その声で最後の影が動き、月明かりに照らされる。

ああ、生きている。

713 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:03:28 ID:mrfM1wNf
最後に登場した顔に、私は吃驚(びっくり)した。
その顔は間違いなく、私が二日前に見た鷹野三四だった。

「あ・貴女は死んだはずでは・・」

京極堂は嫌な者でも見る様に横目で私を睨みつけた。

私は思わず、口を噤(つぐ)んだ。

「さて、鷹野さん、貴女の計画は全て潰えました。
 工作部隊ではなく、実行部隊が動いています、もう終わりです」

鷹野三四は表情を変えなかった、京極堂はこちらを向き返り、云った。

――今から、この雛見沢で起きた、そして起きようとしていた惨劇の全てを語ります。

京極堂は私を、ちゃんと聞いておけよ、と云う様な目でちらりと見やり、話を始めた。

「まず物語の始まりは、先の大戦中にある科学者が、
 雛見沢村出身者にだけに見られる特殊な症状を発見した事でした。
 その科学者は雛見沢村の口伝伝承などにも当たり、ある仮説を立てました。
 『雛見沢には固有の風土病、雛見沢症候群があり、それは脳に寄生する細菌である』と云う説です。
 そして、その説を提唱した科学者が高野一二三(ひふみ)先生です」

たかのひふみ?――それは・・・

「しかし、大戦末期であり、当時日本軍にはそれを研究する余裕は無かった。
 そして、この仮説はそのまま刻(とき)の流れの中にきえ去るかと思われた。
 けれど、日本の復興に合わせて、この仮説がまた再び陽の目を見る時が訪れた。
 それが、研究用の入江機関であり、その設立に尽力したのが鷹野三四さん貴女だ」

たかのみよ?――やはり・・・

714 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:04:18 ID:mrfM1wNf
京極堂の声はよく通る。

「鷹野さん、貴女が"雛見沢症候群が実在しない事"に気づいたのはいつですか?」

雛見沢症候群が実在しない?

「貴女はその年齢で国家規模な計画の実質的な指揮権を握っている。
 貴女はとても優秀だ、それこそ一瞬たりとも足踏みさえしていない。
 貴女は早い段階で、それが、そう云った病原体が無い事を知ったはずだ」

京極堂は云った――あるものを観測するのは難しい話じゃない。

どう云う事だ?

「けれども、貴女にとって、その病原体が存在しない事は受け入れられない現実だった。
 だから、貴女は、女王感染者と云われている古手梨花を殺して緊急要項34条を発動させ、
 雛見沢村の住民、全ての命を奪う事によって、病原体の存在を確認出来なくしようとしたんだ」

雛見沢村の住民、全ての命を奪うだって!――私は云った。

「京極堂、そんな馬鹿げた話があるもんか!村人全員を皆殺しにするなんて!!」

京極堂は答えた。

「いいかい関口君、政治と云うのは得てして、最悪の想定をしておく物なんだ。
 そして、このアルファベット計画には莫大な資金が動いている。
 大きな金を動かすにはそれ相応の説得力が必要なんだ」

どう云う意味だ?

「彼らは、雛見沢症候群の病原体があると詐称したんだ。
 ただし、確認出来るのは自分達だけだと謳ってね」

715 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:05:38 ID:mrfM1wNf

「そ、それじゃあ」

私は問い、京極堂は答え。
 
「そう、出資者達、パトロン達は雛見沢症候群の病原体があると信じ、金を出していたんだ。
 そして、その『自分達しか確認出来ないと云う』設定の所為で、雛見沢症候群は歪な特性を持つ。
 それが、『その病原体は、雛見沢でしか生息出来ない』であり『生体でないと検体出来ない』だよ」

京極堂は続ける。

「二つとも感染経路を空気感染に設定した為だ、
 空気感染にしておけば検証の方法は限られる。だが病原体が空気感染だとするとおかしな事がでる。
 空気感染にしてはあまりに感染力が弱すぎると云う事だよ、それで出来たのが前者の特性だ」

京極堂は告げる。

「また、後者もそれに派生する。生体からしか検体出来ない、しかも非人道的な方法で。
 そう云う設定にしておくと、検証は容易じゃなくなる。
 冷静に考えてみろよ関口君、君も細菌の友達の研究をしていたじゃないか、
 わざわざ細菌が死んだ後に存在を隠すなんておかしいだろ?
 落語じゃあるまいし、死体が自分の墓穴を掘るなんて馬鹿げた話だ」

確かにそれはそうなのだが・・・――私は云った。
 
「じゃ、じゃあ雛見沢連続怪死事件はどうなるんだ、
 あれは個別に雛見沢症候群が発症した結果の偶然の産物なんだぞ!」

京極堂は述べる。

「関口君、雛見沢連続怪死事件は偶然の産物ではないんだ、神は賽を振らない。
 雛見沢連続怪死事件は、連続している、"連続殺人事件なんだ"」

716 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:06:39 ID:mrfM1wNf
京極堂は顔を一瞬、鷹野三四の方へ向けた。
彼女の顔は月の光の下で、蒼く、妖しく、光っていた。

「関口君、君が信じているのは誰かが考えた一つの筋書きに過ぎないんだよ。
 この雛見沢連続怪死事件は別の視点を加える事によって、"ある形を示す"」

京極堂は云う。
 
「まず、1年目の事件、ダム工事の現場監督が殺された事件だ。
 これはバラバラ殺人と云う、かなり衝撃的な殺し方になっている。
 結果から云うと、この事件のおかげで雛見沢はダムに沈む事がなくなった」

京極堂は問う。

「次に2年目の北条夫妻の転落死、関口君、君は古手梨花が実験体にされていたのは知っているね。
 古手梨花が女王感染者ある事を調べる為に必要なものは何かな?」

女王感染者である事を調べる為に必要なもの?――私は答えられなかった。

「関口君、必要なのは比較対照になる"者"だよ、出来れば、同じ年齢、同じ性別が好ましい。
 そして、それに選ばれたのは北条沙都子だ」

北条沙都子が検体に選ばれた?――なら・・・。

「そう、北条夫妻は娘を検体に取る為に殺されたんだ」

京極堂は吐く。

「3年目の古手夫妻も2年目と同じ理由だ、
 最初は納得していたのかもしれないが心変わりしたんだろう、親にとって子供は可愛いものと云うから、
 あまりに酷い目に遭わされているのが、目にあまったのかもしれない。
 いや――最初から納得などしていなかったのか」

717 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:07:39 ID:mrfM1wNf

「4年目の北条玉枝殺害事件は、少し様相が変わる。
 北条沙都子の両親が亡くなった後、玉枝は里親となった。
 その時も入江の研究の為などと偽って、北条沙都子を定期的に観察、実験していたはずだ。
 もちろん玉枝にはある程度の、付け届けはしただろうが。
 もしかしたら玉枝は沙都子の様子から邪推――いや推測をしたのかも知れない。
 だが結局その口封じの為に玉枝は殺されたんだ」

私は尋ねた。

「そう云った干渉を受けたくないなら、
 2年目の時に沙都子ちゃんを拉致して、施設にでも監禁しておけば良かったじゃないか?」

京極堂、曰く。

「感染経路も解ってないんだ、比較対照と見る時、
 検体はそれぞれ、同じ環境に置かれていた方が良かったんだよ。
 だから北条沙都子にはこの雛見沢で日常生活を送る必要があったんだ」

私はまた尋ねた。

「なら、鬼隠しで消えた人達はどうなったんだ?死体はなかったんだぞ」

京極堂、再び曰く。

「1年目は殺害の実行犯で工作員なのだろう。
 2年目以降は、北条沙都子の実の母、古手梨花の実の母、北条沙都子の実の兄。
 並べてみると解らないか?――彼らは研究材料として魅惑的だと」

京極堂は云った。

「"雛見沢連続怪死事件は、全て雛見沢症候群の研究の為に行われているんだよ"」

718 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:08:35 ID:mrfM1wNf

京極堂が云った言葉に世界は色を変えていく。
それは謎の奇病などと云う、非科学的な色ではなく、
あまりに現実的で、科学的で、残酷な色になっていく。

「そして、その筋書きを書いたのは鷹野三四さん、貴女だ」

京極堂は鷹野三四の方に顔を向けた――私は尋ねた。

「じゃ、じゃあ、今年の富竹さんの事件は一体何なんだ?、喉を掻きむしって自殺してるんだよ!」

京極堂は顔を動かさず。

「富竹さんは喉を掻きむしって自殺したんじゃない、"喉を掻きむしって殺されたんだ"」

喉を掻きむしって殺された?

「どう云う意味だ、京極堂!?」

京極堂は瞳を動かさず。

「関口君、そのままの意味だよ。富竹さんの遺体には外傷の後があった、意識を失わせて――」

喉を掻きむしって殺す?――生きている人間の――人の――喉を――頸動脈を――

「そ!・そ・そんなの常軌を逸している」
「確かに非人道的だ、だが非現実的ではないよ。
 喉を掻きむしって自殺する謎の病気の存在よりもね」

人間が――人間の――生きている人間の――喉を――頸動脈を――刻みこむ――爪で――

「自分で触って確かめればいい、一寸(ちょっと)そう一寸(いっすん)もせずに触れる事が出来る」

719 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:10:40 ID:mrfM1wNf
人の喉を掻きむしって殺す。
想像しただけで、何かがこみ上げてくる気がした。

「で、でも何故そんな事を、そんな残刻な殺し方をするんだ」

私にはそんな事をしなくてはいけない"理由"がわからなかった。

「それはね、4年目までの事件と今年の事件はまったく別の理由、必要性があるんだ」

京極堂は鷹野三四を見据えたまま云う。

「もう間もなく雛見沢症候群の研究は終了する事が決まっていた。
 これにはさっき云った、雛見沢症候群の軍事的研究価値が失われているのと、
 さらにアルファベット計画の理事会、勢力図が大きく変わった事も関係している」

京極堂は鷹野三四を見詰めたまま云う。

「新しく権力を手に入れた連中は、
 結果も出せない様な奇病の研究を渋ったんだ。
 研究の終了は即ち、雛見沢症候群の存在の否定に繋がる。
 だから貴女は、緊急要項34条を発動させ全てを無に帰そうとした」

京極堂は鷹野三四を見留めたまま云う。

「だから、貴女は本部、東京との連絡係っであった富竹氏を、古来の口伝に見立てて殺した。
 それは、雛見沢症候群の存在を示唆する為にです。
 そして、古手梨花を殺して緊急要項34条を発動させるつもりだった」

京極堂は鷹野三四を見たまま云う。

「いいですか、鷹野三四さん、例令(たとえ)筺(はこ)を壊して観測不可能にしても、
 雛見沢症候群の存在が証明されるわけではないんですよ」

720 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:11:59 ID:mrfM1wNf
京極堂の一方的な口撃に、
それまで沈黙を守っていた鷹野三四が口を開いた。

「中禅寺さん、雛見沢症候群は存在します。
 ただ、今の技術では観測出来ないだけです。
 今、観測出来ないとしても存在は否定出来ない」

京極堂は反口する。

「いいですか鷹野三四さん、科学とは既知の技術に依って、未知の領域を観測していくものです。
 "未知の技術に依って、未知の領域を推測する様なものではない"」

京極堂は更に口を開く。

「人間の脳に寄生して支配する生物がいると云う、高野一二三先生の仮説は大変面白いものでした。
 もしそれが本当に存在するなら、第4の衝撃に成りえたと云えるかもしれません」

科学が破壊した人類の自己愛、コペルニクスの地動説、ダーウィンの進化論、フロイトの精神分析。

「高野先生はこの雛見沢に伝わる民間伝承に着想を得たそうですが、
 高野先生はこの伝承の読み解く事を誤ってしまった」

あの、オヤシロ様と鬼と村人が共存したと云う話か―――。

「高野先生は雛見沢に、いや当時は鬼ヶ淵村か、鬼が湧いたと云う件を風土病の発現と読み解きました。
 けれど、この伝承は見方を変えればもっと単純な解法が見つかるのです」

京極堂は顔を振り、私を向き。

「関口君、君はあの昔話を知っているね、知らない人もいるからあらすじを話してくれないか」

京極堂は話を振った。

721 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:13:08 ID:mrfM1wNf

いきなり話を振られて、私は少しどぎまぎした。

「え、えーと。鬼ヶ淵村に鬼がやって来て、村人に残虐非道な行いをしていたら、
 そこにオヤシロ様がやって来て、それで、えーと、みんな仲良くなって、
 オヤシロ様と鬼と村人が共存したんだよ」

自分でもあまりに稚拙な話し方だと思う。

「それで、時間が流れて鬼と村人の血が混ざって、村人達には鬼の血が流れているんだけど、
 その鬼の血は『人食い鬼』の血で周期的に本能を目覚めさせ、
 鬼隠しをして麓の村から生贄を攫って来て、その晩には綿流しの儀式をするんだ。
 そして、その綿流しはオヤシロ様も認めていて、実は村人達も恐れていたらしいんだ」

「なんだか、判る様な、判らない様な話だな」

木場が口を挟んだ。
京極堂が話を受ける。

「まあ、大体は合っているけど、君の話は本当に判りにくいな。
 講談師にはなれないよ、君は」

――放っておいてくれ。

「さて、民間伝承の多くは実際に起こった出来事に尾ひれが付いて伝説となる場合が多い。
 高野先生が未知の風土病の発現と読んだ、『鬼』が湧いたと云う件を別の視点から見てみましょう」

京極堂は話し始める。

「一言に『鬼』と云っても色々な解釈がある、
 それこそ用法は多種多様で、古い伝承の怪異などで登場するのは一般的だ。
 ではこの『鬼』の登場を現実的な視点から捉え、読み解いてみましょう」

722 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:13:55 ID:mrfM1wNf

「関口君、『鬼』と聞いて何を思い浮かべる?」
「そ、それはあの角があって、虎のパンツ、褌(ふんどし)か?それに金棒を持っているあれだろ」

京極堂は聞き、私は答え。

「それでは、どんな時に『鬼』って言葉を用いる?」
「そ、それは――」

どんな時に『鬼』なんて言葉を使うんだ?

「よ、良く解らないけど、あんまり使わない様な――」
「よく用いるだろ、人を罵倒する際にさ、『鬼』って」

確かにそう云った使い方をする事もあるが。

「『鬼』って言葉には人在らざる者、人の道を外れた者って意味があるんだよ」

だとすると――。

「だとすると、鬼が村人達に暴虐の限りを尽くしたって云うのは――」
「そうそのまま、何らかの賊党なり匪賊なりの集団と観ればいいんだ」

それは京極堂が以前話していた――。

「それは漂流異人説と云う事か?」
「違うよ、関口君。漂流異人説をとるには、ここら辺には足りない物がある」

――海だ。

京極堂は云った。

723 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:15:19 ID:mrfM1wNf

「まずそもそも、何故こんな山奥の僻地に『鬼』が現れたのかを考えるんだ。
 この村に在った物は名の通りの鬼ヶ淵村、そう淵、この村には水源が在った。
 人間が生活する為に必要な物は水だよ、多くの文明は水源に基づいて作られる」

京極堂は云った。

「このやって来た『鬼』は略奪を繰り返してもこの地から離れようとはしない、
 オヤシロ様が降臨した後、むしろ自分達には帰る所はないと答えている。
 何故『鬼』たちはこの村を出ていかなったのか、いけなかったのか、
 それは、『鬼』たちこそが逃亡者だったからだ」

『彼らは鬼の国を追放された鬼たちだった』――と云うのは。

「『鬼』とは下界、麓の社会で罪を犯した咎人達なんだ」

――そう考えるとオヤシロ様の存在は。

「彼らも人間だ、長く住めば情が移る、血が混じる。そこで誕生したのがオヤシロ様だ。
 オヤシロ様は略奪者で在った『鬼』を人間にする為に生まれた神様なんだ」

『そもそも、オヤシロ様は縁結びや隣人愛の神様なの』――ああ、そうか。

「そして、オヤシロ様の誕生で禁忌が生まれた『鬼隠し』や『綿流し』、
 これは全て、咎人の存在を知られた際の隠蔽、口封じに行われた行為だ」

全てのカケラが一つにまとまっていく。

「民間伝承には、人が『鬼』になる話が多い。能にもあるし、平家物語の橋姫なんかもそうだね。
 また多神教の本邦では『鬼』が改心し、神になる話も多い。
 あの有名な酒呑童子も首だけになってから、老ノ坂峠にある首塚大明神で神として祀られている。
 橋姫だって宇治橋の橋姫神社に祀られているんだ」

724 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:16:58 ID:mrfM1wNf

京極堂は云った。

「これがこの村に伝わる伝承の全てだ。この村が排他的に成ったのも、
 雛見沢村出身者が戦時中異常行動を起こしたのも、この地域信仰が在ったからだ。
 "雛見沢症候群は全て、人の為せる業なんだ"、未知の病原体の話なんかじゃない、
 それは存在しても実在しない。そう――」
 
――"鬼も神も元は人なんだ"


どこか遠くで、何かが啼いた。
それは物語の終結を告げるのだろうか?

京極堂は鷹野三四を向き、云った。

「鷹野三四さん、科学と云うものはこれまで多くの物を暴き、観測してきました。
 それはあまりに無思慮にも思える程、乱暴で凶暴にです。
 だからこそ科学者は観測し、解が出たならばそれを受け入れなければならない。
 仮令、それが受け入れられない答えだったとしてもです、そう――」

――"高野一二三先生は宗教者ではなく科学者なのです"。


鷹野三四の手から何かが落ちた。


725 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:18:20 ID:mrfM1wNf

幕が下りる時がきたのか?
結局は傍観者であった私には、大きな疑問があった。

彼女は何故?――そこまでして――何故、彼女は雛見沢症候群に固執するのか?

それは私の中で大きく膨らんでいく。

"理由"が知りたい。

彼女は何故――
何が彼女を――

"私と同じように狂わせたのだ?"

私の大きさを超えたそれは、声になった。

「鷹野さん・・・貴女は何故?・・・一体、何が貴女を――」

――止めろ、関口!

京極堂の声が私の声を遮った。

「関口、"それはこの事件の本質じゃない"。
 今ここで、君が彼女の過去を切り取って、さらけ出して、一体何になるんだ」

京極堂は大声を出した。

「どうせ君はそれを手にして、なにも判ってはいないくせに、
 それなら仕方ないと、一方的に納得するんだ――そんな下卑た事は止めろ」

京極堂は怒っていた。

726 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:19:23 ID:mrfM1wNf

「いいかい、仮令彼女の生い立ちに遠因あるとしても、それは原因ではないんだ。
 彼女と同じ環境に生まれついても真っ当に生きている人間はたくさんいる。
 自分に都合がいい理由を創りあげるんじゃない」

京極堂は本当に怒っていた。

「大事なのは"きっかけ"だよ、そしてこの事件の大半はそこに起因する」

きっかけ?――私が発病したきっかけ――引き金。

京極堂は私を見て。

「関口君、まだ解らないのか?
 もうここにいる君でも解るはずだよ」

何が解るんだ?――わからない――思い出せない。

京極堂は云った。


「この事件の後ろには――神がいる」


727 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:21:05 ID:mrfM1wNf

京極堂の云った言葉の意味が判らなかった。

「ど・どう云う、意味だ?」
「判るだろ、大きな矛盾が生じている事に」

そして、私の隣に在る小さな影に目を落とし。

「古手梨花さん、貴女が何故、"予めこの雛見沢連続怪死事件を知り得たのかだ"」

予めこの事件を知っていた?

「貴女は5年前、あそこにいる赤坂刑事にこの雛見沢連続怪死事件を予言しましたね」

赤坂――あの若い男が。

「貴女はどうして、5年前の時点でこれから起こる事件が判っていたのですか?」

それは・・・たしか・・・

「そ・それは・・この娘(こ)には不思議な力が有って、えっと羽入と云う鬼が見えて、その力で、
 何度も同じ時間軸を生きているから、だから知ることが出来たんだよ」

――関口君、君は何を云っているんだ?

私は何を云っているんだ。

「いつから非科学主義者に宗旨変えをしたんだい、そんな事がありえる訳がないだろう、それに――」

京極堂は云った。

――"これはもっと現実的な解釈が出来るんだ"。

728 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:23:17 ID:mrfM1wNf
私の中では終わりかけていた、物語はまだ続いていく。京極堂の手によって。

「関口君、時間の流れの速さは一定だろうか?」
「え、えーと・確かアインシュタイン博士の相対性理論でそうじゃないと・・」
「その通りだ、特殊、一般相対性理論で、時間は速度と重力に関係性を持つことが観測された。
 けれども、この地球上でいるならば、一定と云ってもいいだろう」

京極堂は口を開く。

「さて関口君、次は世界だ、君にとって世界とは何だい?」
「ま、まるで禅問答だよ、京極堂、ここにある、今ここにいるこれか?」

世界?

「なら関口君、君が観ているこの世界は本当に本物なのかい?」

この世界が本物か?

「この世界は何らかの電気刺激で君の脳が観ているだけの世界じゃないのか、
 君が感じている、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、全てを支配しているのは脳だろ?」

脳が全てを支配している?

「例えば、君は夢の中でその世界が、夢と解ることが出来るのか?」
「それは出来ないけど・・・」
「まあ、中には稀に、それが自覚出来る人もいるようだが、通常はできない。
 "仮想の世界の中にいる観測者には、その世界が仮想であると云う事が自覚出来ないんだ"」

仮想の世界の中にいる観測者?

――君がいるこの世界だって、誰かが紙に書いた世界かも知れない、
  いや、ひょっとしたら誰かの頭の中の電気信号に過ぎないのかも知れないんだ。

729 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:24:29 ID:mrfM1wNf
この世界は、本物なのだろうか?
私が目にし、聞き、感じているこの世界は。
私の唯でさえ不安定な世界は大きく揺らぎ出す。

「そ、そんな・・こ・・この世界は・・本物だろ・・・」

京極堂は答えた。

「関口君、だからこそ人は世界を観測し、理(ことわり)を造ろうとしてきたのだよ――」

――科学と云う名の理をね。

京極堂は少女の方を見つめなおし。

「古手さん、今から僕の幾つかの質問に答えてくれますか?」
「な、何をする気だ、京極堂」

京極堂は答えた。

「いいかい、仮想の世界の中にいる観測者に、今いるその世界が仮想だと自覚させる方法がある」

――"その世界の矛盾点を挙げればいいんだ"。

「古手さん、貴女はこの関口君に、今年は色々な可能性が、世界が有ったと云いましたね。
 例えば、竜宮レナさんや、園崎詩音さん、北条沙都子さんが雛見沢症候群を発症する世界が有ったと」

私は尋ねた。

「きょ、京極堂、さっきは雛見沢症候群は存在しないって・・・」
「それは科学では証明されていないという話で、存在する可能性は零ではないよ」

「関口君、少し黙っていてくれ」

730 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:25:41 ID:mrfM1wNf
京極堂は私を一瞬、睨み。

「さて、古手さん。今云った事は事実ですね」

少女は戸惑い乍(なが)ら頷いた。

「では、もう一ついいですか?
 なら、その誰が発症するのかに法則は有るのでしょうか?
 貴女が干渉する事に因って、誰が発症するかを決められるのですか?」

少女は困惑し乍ら首を振った。

「そうですね、例えば北条沙都子さん場合など、彼女の叔父が帰ってくる事に、
 貴女が干渉することは難しいでしょう」

京極堂は少し間を置き。

「なら、そこで疑問が生まれます。もし貴女が同じ時間軸上を移動しているなら、
 "貴女が干渉しない事柄は全て同じ結果にならなくてはいけないのです"。
 何故ならば、過去は確定された事柄なのだからです、未来とは違う。
 けれど、世界は色々な可能性を観せてます。それは何故でしょう?」

少女は困った表情をした。

「きょ、京極堂、それはあれじゃないか、平行世界と云うか。
 冒険科学小説でよくあるだろ、時間と共に空間も跳躍してるとか」

私は思わず口を出した。

「確かに、平行世界以外に整合性をとれる概念はないだろう。
 しかし、もしそうだとしても、それに因って矛盾が生じる」

731 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:27:42 ID:mrfM1wNf
頭が痛くなってきた。

「古手さんの過ごした世界が、多様な可能性の塊で在るとするならば、おかしな事になるんだよ。
 もしそうならば、"雛見沢連続怪死事件は起こりえないんだ"」

雛見沢連続怪死事件が起こりえない?

「そう、雛見沢症候群が存在すると仮定して、貴女が平行世界を過ごしたとするなら。
 雛見沢連続怪死事件は"偶然、毎年、綿流しの日に発症する事になる"。
 3年目の事件を鷹野さん達の行為と観ても、3回も同じ日に発症する可能性はどのくらいだろうか?」

偶然、毎年、同じ日に発症する確率?

「これは、どう云う理を付ける事もできない」

何故だ?・・・なぜ・・・

「た・・例えば・・雛見沢症候群は綿流しの日に発症しやすくなるとか」
「綿流しの祭りは古来は不定期に行われて来た、6月の今の時期になったのは近年だよ」

だとすれば・・・

「これは大いなる、矛盾点だ。特に2年目の事件、北条夫妻が転落事故した事件。
 貴女の云う通りならば、北条沙都子さんが発症し夫妻を突き落とした事になるのですが。
 この事件は時間までも指定しています。"それこそ半刻ずれただけでその様な形にはならない"」

京極堂は云った。

――"貴女の話した世界は理が崩壊している"。
   よって、それは偽りの世界だ。

ああ――世界が揺れる。

732 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:28:50 ID:mrfM1wNf

京極堂は云った。

「古手さん、もっと解りやすい事を聞きましょう、"ここにいる関口君は何人目ですか?"」

『関口、"また来てくれたの――"』
『今回の関口は、今までで一番格好いい』

少女の顔は蒼白に成っていた。

「いいですか古手さん、関口君が初めて貴女と出会ったのは、5日前です。
 きっと、貴女はその5日間に何年もの時間を体感しているのでしょう。
 そう、時間の速度は変えられなくても測る早さ、測度は変えられる」

測度は変えられる?

「ど・・・どう云う事だ、きょ・・京極堂・・・」

京極堂は云った。

「そのままだよ、絶対的な時間の速度は一定でも、それの受け取り側の相対測度は個別なんだよ。
 よく云うだろ、文字通り『一日千秋の思い』とかね。時刻は平等ではない」

京極堂は少女に歩み寄り。

「古手さん、貴女は関口君に出会ってから、関口巽が登場する世界を創りだしたのです」


――"貴女の頭の中で"。


ああ――物語が終わる。

733 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:29:58 ID:mrfM1wNf
これ以上は、止めて欲しい、もうこれ以上私を揺さぶらないで欲しい。

「な・何でそんな事を?」

それでも・・だから・・私は安定を、安寧を求める。

「それにも必然性が有るんだよ」

京極堂は呆然としている少女に近づき――

「僕が会いたいのは貴女じゃない、引っ込みなさい」

そして、少女の耳元で何かを囁いた。
少女は一瞬、蹌踉(よろ)めき――豹変し――告げた。

我はオヤシロさま。 我こそはオヤシロさまの祟り。
我を祟めよ、讃えよ、そして畏れよ。我が紡ぐは祟りにあらず、死にあらず。

我が紡ぐは歴史なり。歴史は祟りを語り、我が存在を永劫に語り伝えるであろう。

我こそは祟りなり、 肉で出来た身を超越し者なり。この身が例え朽ち果てようとも、
我が紡ぎし歴史は永遠に残り続けるであろう。

「神降ろしか」

木場が云った。

京極堂は云った。


「貴方が――神だったのですね」


734 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:32:17 ID:mrfM1wNf
少女、彼女――いや、神がそこにはいた。

「ど・・どう云う事だ」

京極堂が答える。

「関口君、ある意味君の専門分野だろ、こう云った症状は」

私の専門分野?
私は神を見やり。
私に心当たりあり。

――多重人格・・・――それなら。

「古手梨花は幼少期から、実験体として用いられてきた」

――幼少期の精神的外傷はその後の人格形成に大きな影を落とす――

その時、私が何故か思い出したのは――あの、入江医師の顔で――仕草で――言葉で――

「ま・ま、まさか・・・あ・・な・・」
「止せ、関口、それは"言葉にする必要は無い"」

ああ、そうだ、言葉にする必要なんか無い。

京極堂は云った。

「貴方がこの雛見沢連続怪死事件の筋書きを書いた、首謀者ですね」

神はゆっくりと頷いた。

ああ――この存在がきっかけだったのだ。

735 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:34:01 ID:mrfM1wNf

京極堂は云う。

「貴方が誕生したのは、少なくとも5年以上前です。
 貴方は鷹野三四さんを取り込み、この事件を計画した」

神は微動だにしない。

「鷹野さんは優秀です。資金と施設さえあれば、病原体をすぐに特定出来ると思っていたのでしょう。
 けど、それは見つからなかった、そんな時貴方が誕生した。鷹野さんは貴方に神を見たのでしょう」

劇的な回心と云うやつか。

「そして、貴方はある計画を立てる――それは決意と云ってもいいかもしれない――」

――"貴方は神になろうとした"。

神になるだと――
そんな事の為に――
村人全員を殺す?――

「馬鹿げてる!馬鹿げてるぞ京極堂、僕はそんな、そんな"理由"は認めない!!」

京極堂ではなく神が答えた。

私が生まれたのは――
私の体に流れるのは――
私の存在する必然性は――

その声は神のものではなく、"少女のものだった"。

ああ――"それが理由なんだ"。

736 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:35:09 ID:mrfM1wNf

そこには神ではなく、一人の少女がいた。

京極堂は云う。

「貴方は神なんかじゃない、貴方は古手梨花と云う名の少女に生まれた、一つの人格にすぎない」

少女は頷いた。

「そして、今日貴方の計画は瓦解し、雛見沢症候群の研究も崩壊した」

少女は頷いた。

「もう、誰も貴方を傷つけません」

少女は頷いた。


――貴方の出番は終わったのです。


少女はその言葉に安心した顔を浮かべ――

私の方を振り向くと、唇を動かし――

まるで、糸が切れるかの様に――

ゆっくりと私の腕の中へ――


落ちた。


737 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:36:27 ID:mrfM1wNf

どこか遠くで、再び何かが啼いた。
私は両腕に少女の形を感じていた。

全てに、始末を付けよう。

「京極堂、彼女が今回の事件の首謀者だったとして、
 古手梨花が云っていた『羽入』とは一体何なんだ?
 そして何故、古手梨花は過去を反芻し続けたんだ?」

京極堂は答える

「それは、生物の本能の為せる業だよ。彼女、いや彼か、まあ『オヤシロ様』とでも云うべきかな。
 古手梨花の中で『オヤシロ様』が誕生して、自らの命を絶つ事で神になろうとしたんだ。
 けれどもそれは、同じ肉体を共有している古手梨花にとっては唯の突発的な死だ。
 だから、彼女、古手梨花の心は自分の体の死に納得する必要があったんだ」

――それで生まれたのが『羽入』、"彼女は二重人格ではなく三重人格だったんだ"。

そうか、いやそうだろうな。

「『羽入』の役割は彼女の心の保護だ、そこで行われたのが過去と運命の編纂だよ。
 夥しい数の、死の運命を体験すれば、誰だって思うだろ――仕方がないって」

――木を隠すには森の中さ。

羽入は彼女の心を保護する為に生まれたのか。

「勿論、『羽入』だって、もうお役御免さ。彼女はこれからも生きていくんだから――」



738 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:37:53 ID:mrfM1wNf

私の外の世界では、
木場が鷹野三四を連れて行こうとしていた。

京極堂は大きく溜め息を吐くと、鷹野三四を見やり。

「鷹野さん、一つ確認させてください。
 関口君達、『月刊實録犯罪』に告発文を出したのは貴女達ですね」

鷹野三四は表情で答えた。
私は京極堂に尋ねた。

「なぜ、そんな事をしたんだ、僕らを呼んで一体何が――」

京極堂は答える。

「関口君、君はね"物語の語り部として選ばれたんだよ"。
 誰かが語らなければ物語は始まらない、もし君がいなければ
 それこそ偽装されたまま、自然災害と云う形で決着してしまう」

――だから君は生きているんだよ、そうじゃなければとっくに殺されているよ。

ああ、だから京極堂は東京へ帰れと――

「他にも仕掛けは多々支度されている、例えば連続怪死事件が綿流しの日に起こるのもそうだし、
 鷹野さんが用意した擬態の死体が、一日前に殺されていたりね」
「な、何故そんな事を?」

――神の存在には怪異、いや奇跡が必須なんだ。

結局は人の業なのだ。
そう全てが人の業なのだ。

739 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:39:16 ID:mrfM1wNf
何処かから飛ばされてきた雲がまた、少しずつ月を、世界を、覆っていく。
京極堂はその月を見詰めていた。

「京極堂、この子はどうなるのかな?」
「関口君、この事件は刻(とき)の流れの中で少しずつきえ去る様な事件だ。
 決して、表沙汰になる様な物ではないよ――事実が現実になるわけじゃない」

そうだろうな、我々以外の人間にはこの事件は現実にはならない。

幕が――
降りていく――

その様を見ている友人の横顔に、私は思うところがあった。
祭具殿で鷹野三四に親近感を持ったのは、私に似ていただけではなかった。
彼女は私だけではなく、この古い友人にも何処か似ている所があったのだ。

「京極堂、一ついいか?、僕が祭具殿で聞いた子供が跳ねる様な音は何だったんだろう」
「関口君、それは祭りの最中だろ、何かの合図で鳴らした花火が反響しただけだろうな」

くだらない、実にくだらない――そして現実的だ。
けれど、我々は――科学は――それを暴いて。

「くだらないな」

パンドラの匡の中には最後に希望が残されていたと云うが――そんなものが存在するのだろうか?

降りてきた帷(とばり)が京極堂を黒衣の殺し屋に戻していく。
京極堂は云った。


「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」


740 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:42:41 ID:mrfM1wNf
後書きに代えて

始めにこの物語を書き始めたきっかけは、
『ひぐらしをミステリーとして成立させるにはどうすればいいか?』でした

「ひぐらしのなく頃に」は残念ながらミステリー(推理物)とは呼べない作品だったのですが
(作者の方が推理小説自体に詳しくなかったそうなので、故意に詐称したわけではないでしょうが・・)

ならば、ミステリーとして成立させるには何が必要かと考えた時に
出題編で以下の物が提示、もしくは最低でも示唆されなくてはならないだろうと思いました

・精神を錯乱させ、殺人衝動を増幅し、検死では発見されずに、
 末期になると喉を掻きむしって自殺する未知の病気の存在

・特定の人物にしか知覚されない、謎の生命体の存在

・平行世界(?)の同時間軸を何度も繰り返し生きている人物の存在

・殺人の隠蔽等ができうる特殊部隊の存在

・1000人単位で人間を殺害する、国家規模の計画の存在

・警察内部にいる内通者の存在

それらを組み込んで物語を創作してみました、いかがだったでしょうか?
もちろん、これでも狭義のミステリーとしては失格でしょうが(メタ視点の悪用は、悪魔としても・・)

と言っても、結局ほとんどの部分が写経しただけになっているので、
到底、自慢出来たものではないですけども(苦笑)

もう少し、物語に組み込めたら良かったのかもしれないのですが、
そうすると物語があまりに歪になってしまうので・・

741 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 00:44:38 ID:mrfM1wNf
さて、ここからは感想とさせてもらいます

矢っ張り一番の感想としては「推理物は完結してから発表すべきだ」です(苦笑)

後から読み返してみると、もっと伏線を張れた場所(ミスリード含めて)が多々あり、
「勿体ないなあ」っと言うのが素直な感想です(文章の稚拙さは仕方ないとしても)

とは言え、それこそ原稿用紙2枚以上の文章を書いたのが高校の卒業文集以来という事もあり、
最初の投稿の段階で心が折れそうに成っていたました(苦笑)
あの状態では皆さんの叱咤激励が無ければ、完結まで辿り着けなかったのは間違いないので、
これも致し方ないのかとも思います

内容については(自画自賛になるのですが)
私的には関口君が走っている所は、なかなかどうして上手く書けているのではと思います

他には、「この人物はもっと賢いはずだ」等のご批判があるとも思いますが、
この世界には『作者よりも優れた人物を創り出す事は出来ない』と言う、
悲しい不文律が御座いますので、どうぞご容赦ください

また、作中では回収出来てない謎(関口君が思い出そうとしていた物、等)は、
それぞれの原作で明かされています
機会がありましたら、原作の方を手に取って頂けましたら、
2次創作をした者としても、幸いだと思います(ただ、それぞれ癖の強い、人を選ぶ作品ですが・・・)

さて、それではお付き合い頂きました、
全ての読者の方に再びの厚い御礼を申しあげまして

最後にこの言葉を使用させて貰います、ご愛読ありがとうございました


『一刻も早い、科学の再婚の成就を願って』


742 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 01:59:07 ID:ImuDSJee
すっげー面白かった!乙!

743 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 10:49:57 ID:Vg2fDJS/
乙!
榎木津の出番少なッw

喉を掻きむしったことの真相にはヒィィ

744 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 11:00:59 ID:9UofbQQA
超乙!
ところで>>668の悪魔の脚本はどういう扱い?
京極堂が来なかった場合のバッドエンドってこと?

745 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 13:59:04 ID:uPH94UAS
すごすぎとしか言いようない。
お疲れ様です

746 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 16:17:02 ID:HS1hXQRQ
お疲れ様でした!
面白かったよ!

747 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 17:41:31 ID:Z/nNrnJ9
うおおおおおお!
お疲れ様でした!

748 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 17:54:51 ID:DZNkBW/4
これはすげえ
お疲れ様でした!超面白かった!

749 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 20:07:12 ID:9ZqYv5kG
これは京極・ひぐらしの二次創作の中でも名作だと思う
お疲れさまでした!面白かったです!

750 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 20:55:57 ID:6Ku+iApe
京極堂知らないけど凄く面白かった!
今度原作読んでみる。文章とか展開とか素晴らしいので参考にさえて頂きます

751 :名無しのオプ:2009/12/13(日) 22:02:41 ID:Y9E3L+Yd
乙乙乙!!!!
面白かった!関口が生きてて良かった!w
榎木津の出番がチョップだけなのはわろたww
答えを考えなかったのはすみませんw
しかし>>701みたいに考えて書き込まなかった人も少なからずいるんじゃなかろうか
ともかくまじで乙でした!


752 :名無しのオプ:2009/12/14(月) 17:25:24 ID:ss3B8ip8
超大作だな
お疲れ様でした

753 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 00:01:09 ID:NdA7dVdI
六月二十二日(水)

物語が終わっても世界は、現実は、刻(とき)は、止まる事なく流れ続けていく。

――この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君。

黒衣の殺し屋は私を向き。

「さあ次は、"君の番だよ関口君"」

そう云った。

「どう云う意味だ?、京極堂」
「そのままの意味だよ、関口君」



「いい加減にしろよ、まだ解らないのか」

??

「みんな気が付いているだろうに――最後まで手がかかるな、君は」

???

「本当におかしいんだよ、あまりにね」

おかしい?――何が?

「"関口君。今日は一体いつだ?"」

"いつ"?――何時?

754 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 00:02:03 ID:rX48fXnm
闇が少しずつ光を、世界を浸食する。

「世界は理に基づいて成りっているんだ、それが破綻しているならそれは――」

――偽りの世界なんだ。

「きょ、・・京極堂・・・」

黒衣の殺し屋は告げた。

「いいかい、関口君。
 "六月の、この日付の、この曜日の、この時間に、あの形の月が出るのはおかしいんだ"」

――"今は昭和五十八年じゃない、もっと過去なんだよ"。

地面がぐらりと揺らぐ――

「"いい加減に自覚しろ、関口巽!、目を覚ますんだ!!"」

世界がぐにゃりと歪む――

『"仮想の世界の中にいる観測者には、その世界が仮想であると云う事が自覚出来ないんだ"』

―まったく、昭和五十八年なら、僕らはもう還暦を過ぎた老人だよ・・・
――刻が経てば言葉は風化するし、僕はあんな間違った日本語は使わないぞ・・・
―――大体、パンドラの匡って一体なんだい、拙いんだよ君は、同じ事を何度も考えたり・・・

闇が広がっていく――私は腕の中にいる少女に――何故だか謝らなくてはいけない気がして――

遠くで――何かが泣いている、鳴いている、啼いている。

ああ、あれは・・・せみ?・・・ひぐらし?・・・とり?・・・とり!?

755 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 00:02:46 ID:rX48fXnm
「鳥!!」

その途端。
川辺の、葦の間に居た小さなモノが、まるで熟れた果実を壁にぶつけたかのように、
ぱっと弾けたように見えた。飛沫が散った。
羽音。
鳥が飛び立ったのだ。
それだけだ。馬鹿馬鹿しい。
元の木阿弥だ。川の水雲(もずく)となって流れてしまえ。
どろどろどろどろどろ。川が流れる。

――御免よ。本当に御免よ。

――本当は嫌いなんかじゃないんだよ。

川の音がする。水が――。

水が流れて行く。

どこも変わらぬ煤けた風景。私は天を仰ぐ。
曇っているのに空がやけに明るい。
今日は暑くなるかもしれないな。
そんな予感がする。

そうだ、あいつのところに行こう――。
急にそう思った。
私は、後ろを見ることをやめて歩き始めた。
見ないでも――生きていけるものだろうか。それとも、見ないではいられないものなのだろうか。
それとも――。
蜩の声がする。
何も云わずに飛び出して来たのだから、妻は心配しているだろうな――帰ったら謝らなくては――
――そうだ、謝ろう――私はそんなことを考える。そして私は日常に埋没していく。

756 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 00:04:29 ID:NdA7dVdI




やがて――。
私は長い坂の下に立った。
どこまでもだらだらといい加減な傾斜で続いている長い坂道を登り詰めたところが――
――目指す京極堂である。

昭和二十七年、梅雨も明けようかと云う日のことである。





「後神の刻」〜神貶し編(解答編)〜 <完>



757 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:10:12 ID:rX48fXnm
                後神の刻<お疲れ様会>

   梨 花
「後神の刻を最後までお読みくださいまして、本当にありがとうございました」

   鳥 口
「うへえ、いくら何でも夢オチはないですよ」

   梨 花
「確かに、夢オチはあれよね」

   鳥 口
「そうですよ、モニターを投げつけられてもおかしくないレヴェルですよ」

   京 極
「いや、鳥口君。そんな事はないよ、それ以外に解決方がないならそれが正解だよ」

   鳥 口
「うへえ、でも夢オチなんて、ミステリーとしては御法度ですよ」

   京 極
「鳥口君、伏線はきちんと張ってあったんだ。それに気づかない人が愚かなんだ」

   鳥 口
「うへえ、でも、伏線って一体何処ですか? 僕にはとんと――」

   京 極
「そもそも、『年によって日付の曜日が変わる』や『年によってその日の月の南中時間や形が変わる』
 これらは二つとも常識の範囲内だよ、黄金週間が変わったり、十五夜が変わったりね。
 だったら、月の形と日付、曜日が判れば、誰でも何年の話かは解るんだ。
 これはね、地球に重力があるのと同じくらいに根元的な理だよ。
 作中に『重力がある』と書かれなくとも重力はあるだろ?」

758 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:11:07 ID:rX48fXnm
   鳥 口
「うへえ、でも月の形なんて、普通の人は知らないですよ」

   京 極
「その為に、作者は読者への挑戦ではっきりと明言しているよ」

   京 極
「『ここは小説やゲームなどと言った、一方的な世界ではありません』ってね。
 確かにゲームや小説の様な閉じた世界では出来ないが、
 この開かれた世界なら10分あれば確認出来るよ、<月の暦>か何かで検索してね。
 それぐらいをする時間はあったはずだ、言い訳出来ない」

   京 極
「そして、何年の出来事かが解れば、後は芋蔓式さ。
 多くの読者が感じていたであろう違和感が真相を導いてくれる。
 作中は全て"昭和27年の関口巽が知っていた事、想像した事で書かれているからね"。
 言葉でも『カストリ雑誌』や『番頭』や『健太君人形』とかね、それを使う事がおかしいんだよ」

   鳥 口
「なら、関口先生は月の暦を暗記していたのですか?そんな風には思えませんが」

   京 極
「暦の計算式さえ知っていれば、解を導く事はできる。
 しかも、夢の中、無意識で演算を行っているんだから問題は無いよ。
 人の脳味噌の演算能力はなかなかどうして、捨てた物じゃない」

   鳥 口
「うへえ、確かにそうですけど・・・」

   京 極
「そもそも、これはかなり簡単な問題なんだよ。何だったら"答えは問題に書いてある"」

759 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:12:23 ID:rX48fXnm
   鳥 口
「うへえ、どう云う事ですか?」

   京 極
「まず、読者への挑戦で作者はこう云ってる『(これは)誰が神なのかを証明する問題』だと。
 証明問題って判るだろ、ほら、中学校の数学とかでやったあれだよ。
 <線Aと線Bが平行な時、角Cと角Dが・・・なのを証明しなさい>ってやつだよ。
 だとすると、この問題の正答、模範解答は、


Q.誰が神なのかを証明しなさい

A. 日付と月の満ち欠けの摂理、作中の描写『昭和二十年一月吉日』
  『そうだな・・・・・新世紀になった、今頃になってここを訪れても』から

  この世界の時系列は昭和58年、もしくは平成6年となる
  そうすると、登場人物の描写などに様々な齟齬が生まれる

  時間軸上の理が崩壊している為、この世界は誰かの妄想、想像、創造の類である

  また、問題文
  『物語の世界において、(少なくともその中では)作者は神と言っても構わないでしょう 』
  『そして、この世界では観測者は神と言いかえる事も可能でしょう』から
  
  ∴物語の一人称の観測者、関口巽が作者、神である

 
  ほらね、こうして見ると難しい問題じゃないだろ。
  他にも最初の『文中の誤字・脱字・言葉の誤用・文法的な誤りなどは仕様もとい、指向です 』
  言葉で創られた世界の中で、誤字・脱字等が指向であり、それが存在するなら。
  それは世界の崩壊を意味する、そう夢や妄想さ」

760 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:13:08 ID:rX48fXnm
   鳥 口
「うへえ、でも普通、あの問題じゃ判らないですよ」

   京 極
「所謂、文章問題になると答えられないってヤツだね、最近の若者はゆとり脳だからね・・・
 問題を読み解く事が出来ないなら、それは不正解と言わざるおえないよ」

   鳥 口
「うへえ、でもこれは・・・」

   京 極
「人を欺くには、先入観を利用するのは常套手段だ。
 この作品はそれを上手く利用している、『2次創作だから時間軸は考えない』
 こう言った思考停止になってはいけない。そう言った物は視野を狭窄させるよ」

   鳥 口
「でも、一体誰が。それこそ何時間、いや何十時間もかけて夢オチなんてやるんですか!
 それこそ想像の範囲外でやんすよ」

   京 極
「いいかい、鳥口君。"そんな人間は存在するんだ"、
 夢オチの為だけに何十時間もパソコンに向かえる人間は存在する。
 ――事実は小説より奇なり、と言うだろ。全て人の業なんだ」

   京 極
「鳥口君、この物語はミステリーとして公平(フェア)な作品だ。
 なのに解答に至らなかったのならば、自分の思慮不足を不徳と思うべきだよ」

   鳥 口
「うへえ、確かにそうかもしれませんが・・・・」

761 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:14:50 ID:rX48fXnm
   京 極
「なんだい、まだ異論があるのかい?、なら具体的に云ってみたまえ」

   鳥 口
「うへえ、そう云われると・・・」

   京 極
「反論が出来ないなら、それは納得と云う物だよ、鳥口君」

   鳥 口
「そうでしょうけど・・・」

   京 極
「なら、反論してみたまえ、それが出来ないなら演算的にそれは納得だよ」

   中禅寺
「鳥口君、僕が変わろう。こんな巫山戯た人間をいい気にさせておく事はない。
 この物語の一番の問題点は、"伏線があまりに少なすぎる"と云う事だ。
 文中で月の形を表しているのは『不意に丸い姿を現す』この一言だけだ」

   京 極
「貴様は――ええい、だがそれは、読者への挑戦の一つ前のパラグラフにあるんだ。
 読者への挑戦の『今ここに、全ての情報が提示されました。』を、
 厳密に正とするにはそこまで引っ張る必要性があった」

   中禅寺
「それは、言い逃れ、詭弁ですよ。貴方はその言い逃れをする為にそう挑戦したんだ。
 物語の最重要点は"読者が納得してくれるか"だ、特にミステリーならね。
 あれだけの長い文章の中、一つしか具体的な伏線を張らずに、それが解であるとは片腹痛い。
 到底、納得出来る物ではない、非公正(アンフェア)だ」

762 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:16:00 ID:rX48fXnm


   鳥 口
「それにしても、何で京極さんと中禅寺さん一緒にいるんだ?・・・・・
 ま、まさか!、こっちの京極は作者の・・・」

   榎木津
「この京極は、指ぬき手甲(グローブ)をしてないぞ!」

   鳥 口
「と、と云う事は!!」

   偽京極
「くくく・・けけけけけけけけけけけけ・・・
 みんな、みんな騙せた!けけ・・読んだ奴ら全員、けけけ・・全員!
 問題も、解答時間も、解答用紙もあったのに!!げげげ・・みんな白紙解答!げげげげ・・
 ぐぎゃぐぎゃ・・正答率0%だ!!ぐきょぐきょ・・・・」

   木 場
「木場拳骨(きばナックル)!」

   偽京極
「ぐえげぶ」

   木 場
「何だ、この鬱陶しい奴は!」

   中禅寺
「そんな、事をしても現実は変えられないですよ。貴方は非公正な物語を創ってしまったんだ」

763 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:16:59 ID:rX48fXnm
   偽京極
「ふ、中禅寺よ。確かにそれは認めよう。私は非公正な物語を創った。
 だが、それが一体なんだ!、私はこれで一文の利益も上げていない。
 一体、誰に私を責める事ができると言うのだ!!
 そう、読んだ奴らにしても無料だ、
 少しの、つかの間の間であれ、奴らは夢が見られたんだ。問題は無い!」

   中禅寺
「貴方は、今利益を上げていないと云いましたね、それは正しい、
 けれども、貴方は損害を与えているのです。そこが問題だ!」

   偽京極
「損害だと!、巫山戯るな、私にはそんな過失はない」

   中禅寺
「貴方は忘れている、"常時接続じゃないインターネットや定額制じゃない携帯"の存在を」

   偽京極
「そ、それは・・・」

   中禅寺
「それらの端末は使っただけ、料金がかかる。貴方の『御免なさい御免なさい・・・』でもね。
 そう貴方の所為で損害が出ているんだ!」

   偽京極
「ぐう・・・」

   中禅寺
「他にもある。例えば読んで、携帯を投げた人や、モニターを投げた人のそれが壊れたら?
 それらを、損害と云わずに何を損害と云うんだ!!」

764 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:17:59 ID:rX48fXnm
   偽京極
「奴らは勝手に期待して、見に来たんだ。自己責任、自己責任だよ、中禅寺。
 私には何の責任もないんだ・・・」
 
   中禅寺
「やはり、貴方は大変な見落としをしている。
 それは、"著作権"です」

   偽京極
「今さら、著作権だと!はっ、このご時世に随分と時代がかった物言いだな。
 古来から、日本には本歌取りと言う文化があるんだ、そんな物h問題じゃない」

   中禅寺
「違いますよ。僕が云っているのは、貴方の著作権の侵害ではない。
 いいですか、"2次創作にも著作権は発生する"のですよ」

   偽京極
「な、何だと・・・」

   中禅寺
「著作権、権利が発生する以上、貴方には義務がある。
 例え、営利、非営利問わずにね。創造主としての義務が」

   中禅寺
「もし、貴方が自分の日記帳にでもこれを書いたならば、誰も咎める事は出来ません。
 しかし、貴方は全世界に向けて公開した。その時点で作者として読者と向き合う義務がある。
 作者と読者の間にある、信頼と云う約束は、紙の上の契約などと云う物よりよっぽど重いのですよ」

   鳥 口
「(云ってる事は滅茶苦茶だが、もの凄い説得力だ・・・)」

765 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:21:32 ID:rX48fXnm
   中禅寺
「読者と真剣に向き合う事が出来ない貴方は、矢張り神と成り得ないのだ。
 そう、貴方は神失格だ!!」

   偽京極
「・・・・・・・・・」

   鳥 口
「(神は貶められ、零落し、地に堕ちた)」

   榎木津
「そうだ!大体、僕の出番が少なすぎだ!
 ここに来ている読者の9割は僕のファンじゃないか。
 それなのに、僕の台詞が一行だけって、どう云う事だよ。
 まったく、定職にも就いてないくせに偉ぶって、僕をもっと出せ!!」

   木 場
「ん、定職に就いてない?って事は・・・」

   偽京極
「・・・そうです、私がこんな事をしてしまったのは、この世界的不況の所為で特に地方はひど――」

   中禅寺
「止めてくれ、最後に悲しい身の上話なんて、そんな事で罪を償う事は出来ない。
 そうやった、ありふれた動機付けなんか誰も喜ばないんだよ。
 それに何で、妖怪の話が本文に出てこないんだ!そもそも後神って云うのはね、・・・(大略)・・」

   鳥 口
「まあ、師匠もういいじゃないですか、本人も反省しているようですし。親の敵を長崎で討つですよ」

766 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:22:40 ID:rX48fXnm
   梨 花
「みんなに責められて、かわいそ、かわいそ、なのです。
 そんな時は笑えばいいのですよ、笑う門には福来たるなのですよ、にぱ〜」

   偽京極
「くぱ〜」

   木 場
「おい、赤坂。こいつを児童ポルノ法違反で逮捕するぞ!!」

   赤 坂
「はい!」

   偽京極
「ちょ、・・ちょっと待って、え、それはまだ―――」

・・・・・・・・・・

   梨 花
「さて、作者が逮捕されてしまったので、これでお終いです」

   鳥 口
「短い様で、長い様な、そんな話だったでやんすね。
 この物語は、京極夏彦著の短編集『百鬼夜行〜陰〜』の中の『川赤子』と同時間軸で行われました。
 この後には、『姑獲鳥の夏』に続きます。もし興味がありましたら読んでみてください」

   梨 花
「『百鬼夜行〜陰〜』の方は『川赤子』以外にはネタばれがあるから注意が必要ね。
 『ひぐらしのなく頃に』も現在DSで新シナリオが付いて発売中です。
 こちらもよろしくお願いするですよ」


767 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:23:46 ID:rX48fXnm
   鳥 口
「まあ、ひぐらしはギャルゲー耐性がないときついでやんすけどね」

   梨 花
「!・それなら、そっちは蘊蓄耐性がなきゃ無理ね、今の若い子なんか3ページで投げるわよ」

   鳥 口
「!!・まあ、そっちは若い子には人気でやんすよね、ロリータコンプレックス丸だしだから」

   梨 花
「!!!・何よ、そっちは妖怪コンプレックス丸だしじゃない、『魍魎萌え〜』とかバカみたい」

   鳥 口
「!!!!・も、魍魎の悪口云ったでやんすね、
 ひぐらしなんかDSで分割販売とか阿漕な商売してるくせに!」

   梨 花
「ふん、そっちだって、分冊文庫化とかしてるじゃない、同じ穴の狢よ」

   鳥 口
「うへえ、文庫本は持ち運ぶ為に、薄い方が良いんでやんすよ」

   梨 花
「それなら、DSも持ち運ぶ為に分割しても問題ないわね」

   鳥 口
「うへえ、で、でもそっちはゲームのテキストのコピペで小説とか云って売ってるでやんす!」

   梨 花
「そっちも、原作読んでない人は口ぽかーんの映画化とかしたじゃない」

768 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:24:45 ID:rX48fXnm
   鳥 口
「映画化についてはそっちの方がひどいでやんすよ、あれは何だったんですか!」

   梨 花
「何よ、こっちの映画化は大好評だったわよ、TMA版と同じくらいね。
 大体、あんたは『姑獲鳥の夏』には登場してないでしょ!」

   鳥 口
「そ、それを云ったでやんすね、それを云ったら問屋が卸さないでやんす。うへえーーーー!!」

   梨 花
「かかっておいで、鳥男」


「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・」

「・・」

「・」






                            ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                            d⌒) ./| _ノ  __ノ 

769 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:41:18 ID:ltwbDNq+
作者は竹本健治か?ウロボロスシリーズっぽい楽屋落ちだな

770 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:47:06 ID:rX48fXnm
あとがき

さて、これにて一件落着。本当にお終いです

この物語を創作する上での一番の問題点は
「昭和58年の日本政府が仮説を基に1000人以上を皆殺しにする」と言う行為自体にありました

他のハードルは何とか、飛んだりくぐったり出来たのですが、これは本当に厄介で・・・
政府が動いて、しかも昭和の後半ともなると誤魔化す余地が少なすぎるのです
何しろミステリー愛好家は「単独犯じゃなきゃ、ちょっとね」と言う様な、
寛容という言葉には程遠い人達の集まりでもあるので・・・

物語の世界を創りあげる為に作者はそれこそ心血を注ぎます
その世界に現実性、説得力を込める為にです

読者がそれを信じざるおえない世界を創くりあげるその為に、
私には結局、こういった落とし方以外は浮かびませんでした・・・

作中でも言っている様に、この世界を創った責任はあると思います
ご不快に思われたのならば、謝罪致します
(特に、常時接続のインターネット環境ではない方、携帯で定額制ではない方、
  端末を壁に投げつけて壊してしまった方には、重ねて深くお詫びします)

トリックの大ネタについては普通の年代錯誤系の叙述トリックも考えたのですが、
矢張り、先人の行ったネタは使わないと言うのはミステリーの金科玉条ですので

この、開かれた世界(ネット上)だけで使用出来るトリックとして、
そう言った、新しさだけは有ったのではないかと、自負はしています
(将来的にはこう言ったネット上で物語を公開・発表する場合も増えるのではないでしょうか)

771 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:49:07 ID:rX48fXnm
けれど、読み返してみると伏線があまりに少ないかなと思います
(唯、書いている時には誰かに当てられるのでは内心ビクビクしていました)

明らかに年代を暈かして書いているのは判ったと思うのですが
他にも人物の関係なども手掛かりになっています
(大石と木場が同期、木場と榎木津が幼なじみ、
  榎木津が関口の一つ先輩、大石は恰幅の良い中年と描写)

また、明らかにおかしな所も何個か仕込んであったりしたんですけど・・・

どうなんでしょうか、この正答に辿り着けた人はいたのでしょうか?
理系の人には(出題の意図が読めれば)、難易度はそこまで高くないと思うのですが


さて、解答編はAAも使って「魂一つ」エンドにする事も考えていたのですが(笑)
こういった形で何とか収束を向かえました、本編の終わり方だけは美しかったのではないでしょうか

今度こそ最後に、読者の皆様には厚い御礼を申し上げます。ありがとうございました


※補足・『羽入』の存在について

『羽入』の存在は解離性同一性障害の症例として見ると、
ISH(内なる自己救済人格)と見るのが妥当だと思えますが
(あんなISHはいないよと言う声も当然あるでしょう・・・)

ISHの存在が提唱されたのはラルフ・アリソンの1974年(昭和49年)である
作中の関口巽には知る事が出来ないだろうと、言う意見があるとは思います
それは、関口巽は知っていたのではなく、推測していたのであると言う弁明をさせてもらいます
出題編でも、関口君が精神医学を学んでいたと描写していますし
ISHの存在は、考え方の発展系としてもそこまで突飛ではないと思います
まあ、恥の上塗り、割れ鍋に綴じ蓋ですが(笑)、参考までに

772 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:51:47 ID:rX48fXnm


    )、._人_人__,.イ.、._人_人_人
   <´ 天狗じゃ、天狗の仕業じゃ! >
    ⌒ v'⌒ヽr -、_  ,r v'⌒ヽr ' ⌒
// // ///:: <   _,ノ`' 、ヽ、_ ノ  ;;;ヽ  //
///// /::::   (y○')`ヽ) ( ´(y○')    ;;|  /
// //,|:::     ( ( /    ヽ) )+     ;| /
/ // |:::     +  ) )|~ ̄ ̄~.|( (       ;;;|// ////
/// :|::       ( (||||! i: |||! !| |) )      ;;;|// ///
////|::::    +   U | |||| !! !!||| :U   ;;; ;;;| ///
////|:::::       | |!!||l ll|| !! !!| |    ;;;;;;| ////
// / ヽ:::::       | ! || | ||!!|    ;;;;;;/// //
// // ゝ:::::::: :   | `ー----−' |__////

773 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:54:44 ID:rX48fXnm


Q. 神はいると思う?


 いない┐   ┌───わからない
      │ _..-ー''''''l'''''― ..、
     ./   .l,  |     `''-、
   ./     .l  .|       \
   /ゝ、     l. |         ヽ
  ./   .`'-、    l. |           l
 │      ゙''-、 .l,|             l
  |         `'″          |
 │     インターネットで見た  ,!
  l                    ./
  .ヽ                  /
   .\              /
     `'-、              /
       `''ー .......... -‐'″

774 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 01:55:35 ID:rX48fXnm

              , -‐;z..__     _丿
        / ゙̄ヽ′ ニ‐- 、\  \   ところがどっこい
       Z´// ,ヘ.∧ ヽ \ヽ ゝ   ヽ   ‥‥‥‥
       /, / ,リ   vヘ lヽ\ヽヽ.|    ノ  夢じゃありません
       /イル_-、ij~  ハにヽ,,\`| <      ‥‥‥‥!
.        N⌒ヽヽ // ̄リ:| l l |   `)
            ト、_e.〉u ' e_ ノノ |.l l |  ∠.   現実です
          |、< 、 ij _,¨、イ||ト、|     ヽ      ‥‥‥!
.           |ドエエエ「-┴''´|.|L八   ノ -、   これが現実‥!
            l.ヒ_ー-r-ー'スソ | l トゝ、.__   | ,. - 、
    _,,. -‐ ''"トヽエエエエ!ゝ'´.イ i l;;;;:::::::::::`::ー/
   ハ:::::::::::::::::::::| l\ー一_v~'´ j ,1;;;;;;:::::::::::::::::::
.  /:::;l::::::::::::::::::::;W1;;;下、 /lル' !;;;;;;;;;::::::::::::::::
  /:::::;;;l:::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;|: :X: : : : : |;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::
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775 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 02:10:34 ID:rX48fXnm
容量が余りに余ったのでAAを・・・

>>744
悪魔の脚本はミスリードのミスリードです

これによって平行世界の存在を匂わしておいて、本当は存在しないと言う為のですね
メタ視点(神の視点)から存在を記している訳ですから、
通常それは偽であってならないのですが、何しろタイトルに「悪魔」と謳っているわけですから
その信用性は疑問であると、ミスリードしてます(本当の大オチを気づかせにくくする為に)

776 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 02:11:37 ID:rX48fXnm
最後の最後でsage忘れた・・・・

777 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 03:31:15 ID:QuOuAZ9A
うへぇ

778 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 18:56:44 ID:QlMRWGrr
うへぇ、夢オチはないですよ師匠!
さて、これからのスレどうしましょう?
だれも書かないようなら、一寸書いてみたいのだが・・・

779 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 19:04:42 ID:5KCPtwSG
楽屋オチでもう一回どんでん返しかw
楽しかったよ、乙。

780 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 20:55:01 ID:a4BC5DCN
>>778
いいんじゃないか?
前にも短編集をチョコチョコ書いていた方々もいる事だし。
書くなら楽しみに待っとるぞ〜

781 :名無しのオプ:2009/12/15(火) 21:00:05 ID:0NrSboWI
うへぇ、二段オチとは
お疲れ様が面白かったw本当に乙でした

>>778
次スレもある事だし、どーんと行っちゃって下さい

782 :名無しのオプ:2009/12/16(水) 11:35:03 ID:uw/UyNU8
なんだか酷く>>775が羨ましくなってしまった。

乙。


783 :名無しのオプ:2009/12/16(水) 16:27:24 ID:JCFW+jl3
どうしよう、多々良先生の続き考えてたけど
こんなんの後に書けねぇよw

784 :名無しのオプ:2009/12/16(水) 18:26:24 ID:oc0+K0d2
短編でも良いから思いついたのがあったら書いてほしいな。
多々良センセイも好きだし。

785 :名無しのオプ:2009/12/17(木) 01:11:41 ID:QQ0CLJbz
書いても全然いいと思うが。

786 :名無しのオプ:2009/12/19(土) 13:36:43 ID:WncvRtOV
>>775
乙! 最高に面白かった!
願わくは続編に期待したい。

>>778
>>783
wktk

787 :名無しのオプ:2009/12/20(日) 15:24:05 ID:iTzgI/41
ごめんな、言える雰囲気じゃなかったから言えなかったけど
正直前にちょこちょこあった短編のが好きだったわ
最大の理由は書いた人に対して「チラシの(ry」的な感情を抱いてしまったことかな
後書きやら何やら、俺の黒歴史のニオイがぷんぷんするんだよw
2chっぽくないというか、10年くらい前の同人誌的ノリというか

ただ、ひぐらしをミステリっぽくした解決編は素直に面白かったよ
ひぐらしにこんな感じのオチを期待してた時期を思い出して懐かしくなったw

788 :名無しのオプ:2009/12/20(日) 19:18:43 ID:8pJfP74b
面白かったけど某ラノベ作家を思い出した

789 :名無しのオプ:2009/12/20(日) 20:42:17 ID:MgyZkkTT
まあぶっちゃけ俺も乙とか言ったけど読んでない

790 :名無しのオプ:2009/12/20(日) 22:44:58 ID:WcPzsPGl
そういうのは思っても言わないお約束

791 :名無しのオプ:2009/12/21(月) 01:55:34 ID:9sMltswg
>>787-790
何この2ちゃんっぽい流れww

2ちゃんにSSなんて投稿している人間の性格なんて話すべきじゃないなw
(特に最後まで完結させられるような人間はw)

そういえば、作者としては竜騎士は凄い2ちゃんっぽい
知ったかぶりとか、その後の逆ギレとかw

「こんなの推理じゃない」って批判に「これは私が考えた新しい推理の概念です」とか言い出すとことかw

792 :名無しのオプ:2009/12/23(水) 21:19:49 ID:vqMN29BD
>>18

榎木津は見た物が見えるんだろう?
じゃあ梨花が「見た」羽入は見えるのか?

何だその角の付いた女の子は?とか言い出すのかな

793 :名無しのオプ:2009/12/23(水) 23:34:49 ID:CDCDAdgK
幻視は入らないんじゃないか?
あくまで現実に起きたことしか見えないと思うが。

794 :名無しのオプ:2009/12/24(木) 01:30:33 ID:GNfAT1jI
>>772 ←関口
>>773 ←榎木津
>>774 ←京極堂

↓木場

┌───┐
│\‖/│ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│ ・ ・ │<そんなもんあるわけないだろ!
│ ⊂⊃ │ \_____________
└───┘

↓鳥口

  r――――-、
  /|γ二ヽ / \
 |||/○L|| |
`∠二二二二二>イフ
∠ イ/ /ィ ノア ヽ \
/ ハ(●)|/(●)h ∠
Z(亅  〈    ソ/
  \ -―┛/ マ
  /`rー イヽ ̄
 _r\ ヽ 厂/ー、
/| \|//  /ヽ
 /\__|__/レ |

795 :名無しのオプ:2010/02/13(土) 18:08:47 ID:Kc8sRcuh
>>794
突っ込みを入れたら・・・負けだよな

796 :名無しのオプ:2010/03/16(火) 00:08:42 ID:y8H2VGw8
仕切り直しで保守あげ

797 :名無しのオプ:2010/03/30(火) 07:01:08 ID:tYdncSe8
>>458
私事ですまん、しおり

798 :名無しのオプ:2010/04/15(木) 08:37:02 ID:5Qpjm9rz
京極堂さん!知恵先生とシエル先輩は同一人物なんですか!?

799 :名無しのオプ:2010/04/16(金) 20:14:12 ID:XqBdYp8o
京極「この世に不思議なものなどなにひとつないのだよ、竜宮君。」
レナ「嘘だッ!」
京極「嘘なものですか。この僕が云うのです。」

800 :カッとなってやった今は反省している:2010/06/02(水) 21:40:55 ID:rQMSuOYP
漆黒の夜空に白ゐ月が浮かんでゐる

私は

どこで間違つてしまつたのだらうか。

彼らを殺してしまつたからだらうか

彼との約束を忘れ去ってしまつていたからだらうか。

彼は私を恨んでゐるに違いない。

私は鬼に浸食されてゐく

血とともに私が流れてゐく

私は醜い嫉妬の鬼―――――橋姫だ

全ては――橋姫の幻だったのだ

鬼は冥府に帰らなければなるまい

嗚呼、使いの鴉がやってきた


801 :名無しのオプ:2010/06/03(木) 03:02:18 ID:jSFX8O1j
>>405
そういや岡山にはイントネーションも同じ「しらが」って読む
「白髪」「白神」って二種類の漢字の名字の世帯がかなりあるんだよな…
岡山の中でも地域によるかもしれないが、
学校の学年に一人は「しらが」さんがほぼいる。
初対面で「しらが」さんと口答で聞くと、
「どっちのカミの字?」というやりとりがよく起こる。
神と髪の関係にひと絡みありそうななさそうな…

釜鳴りの吉備津彦神社とかはあまり関係ないか…。

802 :名無しのオプ:2010/06/03(木) 19:11:13 ID:YXISFi3p
又市が絡ませるとしたら 桜花の頃かと思ったがかなり曖昧に千年前 時期が合わない
他には明治にあった綿流しくらいだが これも無理があるか

803 :名無しのオプ:2010/06/04(金) 17:46:58 ID:Sml9Yfu/
wikiを色々更新しようと思ったんだが管理者以外はページ作れない仕様なのか
うーん

804 :wikiの”管理”してた人:2010/06/04(金) 20:41:32 ID:MSrP8KDh
wikiをだれでもページ作れるようにしておきました。

それと、ロゴと画像をありがとうございました!

よろしくお願いします。

805 :名無しのオプ:2010/06/04(金) 20:53:20 ID:Sml9Yfu/
おお、すまん
ありがとう

806 :名無しのオプ:2010/06/04(金) 21:07:35 ID:Sml9Yfu/
自分で作っておいてなんだけど白背景にあのロゴ合わないな
作り直すか

807 :名無しのオプ:2010/06/04(金) 23:12:23 ID:Sml9Yfu/
とりあえずロゴは浮いていたので外させてもらいました
これから数日PC触れないのでいつになるか分からないけどwikiに合うように作り直すつもり
もしくは誰か作ってくれw

808 :名無しのオプ:2010/06/07(月) 12:58:12 ID:Hv97LTCW
ここも最早廃墟となったか

809 :名無しのオプ:2010/06/07(月) 22:20:12 ID:i4ybeuSY
とある飲み屋
「おう、赤坂じゃねえか」
「木場さん。お久しぶりです」
「今日はえらく飲みまくってるな」
「ええ。まあ・・・。木場さん、祟りって信じますか?」
「祟りだあ?いきなりどうしたんでい?」
「ええ、実は―――(暇潰し編)」
「ほー。なるほどな。で?お前その村に行くのか?」
「実は今している捜査をどう外せないんです」
「そっか・・・。明日時間はあるかい?」
「明日・・・ですか?明日は大丈夫ですが」
「ならこの住所に行ってみな」
「ここは?」
「そこにな本島って野郎がいる。そいつにオレからの紹介だって言ってくれ。そして、薔薇十字探偵社に行きたいと言えばいい。断りやがったら適当に罪状引っ張り上げて牢屋にぶち込んでやるって言えば確実だ。」
「探偵・・ですか。はじめからその探偵社に行けばいいのでは?」
「そりゃあ駄目だ。あの馬鹿しかいなかったら会話もクソもねえからな。それにその本島が一緒なら京極堂の野郎も巻き込まれるはずだ」
「京極堂?」
「まあとにかく駄目もとで行ってみな」


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