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ひたすら引用していくスレッド

23 :吾輩は名無しである:2010/01/03(日) 23:05:31
 テレザは目を覚ますと、一人で家にいることが分かった。
 通りへ出て、川岸のほうへ向かった。ブルタバ川を見たいと思った。川岸に立って、
長い間川の波を見たいと思った。というのも流れていく水を見ることは心を落ち着かせ、
いやすからである。川は何世紀にもわたって流れ、人間の出来事は川岸でくりひろげられ
ている。出来事は明日は忘れ去られるようにくりひろげられ、川は先へと流れていく。
 彼女は欄干に寄りかかって、下を見ていた。そこはプラハの外れで、ブルタバ川は
すでに町を通り抜けており、フラッチャヌィ城やもろもろの教会という栄光をすでに
あとにしていた。川は公演後の女優のように、疲れていて、瞑想的であった。川は
工場やほうっておかれた運動場の柵やら壁で終わる汚れた岸の間を流れていた。

[・・・]

 テレザはこれはどういうことかと誰かにたずねでもするように振り返った。なぜ
プラハの公園のベンチが水に浮いて流れていくのだろう? しかし、あたりの人はみな
無関心に歩いていき、彼らが通り過ぎて行く町の真ん中を川が何世紀にもわたって流れて
いることなどどうでもいいことのようだった。
 ふたたび川を見た。彼女はひどく悲しかった。今見ているのは別れだということが
分かった。

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